2月2日、八王子実践中学校の自己表現入試・プログラミング入試実施
2月2日(火)午前、中央線八王子駅から徒歩15分ほど、閑静な住宅街の中にある八王子実践中学校では、この日、「自己表現入試」「プログラミング入試」が行われました。〈取材・撮影・文/北岡優希〉
2月2日(火)午前、中央線八王子駅から徒歩15分ほど、閑静な住宅街の中に、巨大な美術館のようなデザイン性の高い建物が現れました。八王子実践中学校です。
高校は古くからバレー部の超強豪校で、これまで約40年以上にわたって多数の有名選手を排出しています。
高校の在籍人数が3学年で1600人を超えるのに対して、中学は3学年で約50名というコンパクトな在籍となっています。そのため、中学では面倒見の良さと、様々な新しい取り組みをスムーズに取り入れることができるスピード感が特長となっています。
高校受験に関しても寛容で、内部進学の確約を得た状態で他校を受験できるようになっています。さらには学費が年間60万円以下という破格の金額です。少人数制で手厚く見てもらい高校の確約も得られるということならば、塾に通う必要もなくて済むかもしれません。すると公立中に行って塾に通うよりも安いです。本当の意味でコスパの良い学校と言うことができます。
そのため、この入試にチャレンジしに来る生徒たちは、やりたいことが明確な子が多いようです。筆者はそれを後の自己表現入試で目の当たりにします。
保護者控室とコロナ対応
校内に入ると、レストランのような広いイートインスペースに案内されました。こちらが保護者控室となっています。もちろんコロナ対策もしっかりと行っています。
プログラミング入試
9時になり、まずはプログラミング入試の教室に行きました。基本的に持ち込むものは自由で、だいたいの子がパソコンを持ち込み事前に作ってきた作品をモニターに映して試験官に説明していくといった流れになります。
驚くべきはそのクオリティで、この時点でここまで作れるのなら将来どうなってしまうのだろうという子もいました。そして作った作品に関して、作った理由、大変だったことなどを発表します。その後は質疑応答になり、10分ほどで終了します。
目標がはっきり決まっていることの大切さがわかる自己表現入試
続いて自己表現入試に移ります。こちらはこれまで自分がやってきた習い事や実績などを、事前に記入したエントリーシートによる発表と面接で評価するものです。
1人10分までということは書いてありますが、そこまで厳格に計ってはいません。自分のペースで、落ち着いて発表することができます。バレエをやっている子もいれば、中学でバスケ部に入りたいという子、その場で絵を描いて見せる子もいました。
驚いたのが、どの子もただ習い事を発表するだけで終わっていないことです。全ての子が、中学入学後の展望をしっかりと持っており、どうしたいか、どうなりたいかを自分の言葉ではっきりと言えるのです。目標が明確であるため、その後の試験官からの質問にも全く詰まることなく答えることができます。「いっしょうけんめいがんばります」とか、「がんばってべんきょうとならいごとをりょうりつさせていきたいです」とかそんな建前だけの言葉は1つも聞きませんでした。
気になる入学後の学校生活
こういった新タイプ入試でよく聞かれるのが、「それで入った子はその後ついていけるのか」ということです。4教科受験組に比べると、確かに学力では差がつくかもしれません。しかし八王子実践中学校はそもそも4教科受験がなく、適性検査型とプログラミングと英語入試、そしてこの自己表現入試だけで生徒を集めている学校なので、差を感じることもなくのびのびと過ごすことができます。
また、何の目標もよく決まってないまま親に言われ塾に通って偏差値だけで学校を決め、習い事も遊びも全て我慢して勉強漬けで過ごして中学に入った後その反動で勉強しなくなってしまい、伸び悩んでしまうケースを今まで何度も見てきた者としては、このようなタイプの入試こそ次代にあるべきものだと思いました。目標が明確なので、入学後やるべきことも見えていますし、早くから準備できます。
今後開かれる予定の学校説明会では、この入試で入った生徒だけで運営するものがあるそうです。
そこではまさに「新タイプ入試で入った子がどうなるのか」がわかるので非常に楽しみです。引き続き注目していきたいと思います。