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思考力を試す清泉女学院『アカデミックポテンシャル(AP入試)』とは?

2025年2月4日、清泉女学院の『 アカデミックポテンシャル入試(AP入試) 』が実施されました。

2025年2月4日(火)11時から、清泉女学院の『 アカデミックポテンシャル入試(AP入試) 』が実施されました。当日の様子をレポートします。〈取材・撮影・文/野尻幸義〉

清泉女学院はどんな学校?

清泉女学院は、カトリックの聖心侍女修道会によって、1947年横須賀市に創立された女子校になります。1963年、現在の鎌倉市に移転しました。
世界中に「清泉」の姉妹校があり、「愛」を中心にして「生命の尊重」「無償性」「一致・友愛」「正義・連帯」「和解・平和」「喜び・希望」「真理」「自由」「責任」の10の価値を大切にし、「神から愛されている人」として自分自身の価値を認めて大切にすることから始め、周囲の人々を愛し、さらに世界中の人々と共に行動し、よりよい社会を作るために積極的に貢献する人を育てたいという教育理念があります。同校では、10の価値を一つずつ月目標として掲げるほか、中高6年間を通じて行われる学年行事を通して学びを深めています。


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『 アカデミックポテンシャル入試(AP入試) 』とは?

同校の『アカデミックポテンシャル入試(AP入試)』は、試験時間60分で「考える力」、「表現する力」、「異なる教科で学んだことを統合する力」を測る入試です。文章や資料、グラフなどから情報を読み取り、その情報を自分が得た知識などと結び付けながら思考して答える、公立中高一貫校で出題される適性検査問題のような教科横断型の総合問題が出題されます。

また、同校の『STEMM(ステム)ポテンシャル入試(SP入試)』と『アカデミックポテンシャル入試(AP入試)』を受験する受験生は、公立中高一貫校の志願している場合、入試当日に同校の受付にて公立中高一貫校の受験票を提示することで、入学金・施設費を延納することができます。

集合時間は10時~10時40分

2025年2月4日(火)、この日は同校の中学入試最終日になり、『アカデミックポテンシャル入試(AP入試)』(以下、AP入試)が最後になります。

集合時間は10時から10時40分ですが、ほとんどの受験生と保護者が、大船駅から出ている神奈中バスを利用して来校します。筆者が来校した10時にはすでに多くの受験生と保護者が、控室となっている講堂に集まっていました。講堂では学校紹介の動画、講堂2階のロビーでは在校生たちが合唱しているビデオが流されていました。
また講堂の入口には、飲み物が用意され、保護者が試験が終わるのを待っている間、自由に飲むことができます。受験いただいた保護者の方々への同校のおもてなしが感じられます。

10時40分、受験生は試験会場へ

受付終了時間の10時40分、受験生は試験会場となる教室へ向かいます。この日はAP入試のみの実施のため、試験会場までの誘導は先生方が行っていましたが、入試広報部長の北宮枝里子先生にお話を伺ったところ、2月1・2日は希望制で中学2年生から高校2年生が、誘導など入試をお手伝いをしてくれたそうです。
受験生は教室に着くと、先生から試験に対しての諸注意が話され一人ずつ問題用紙と解答用紙が配られます。受験生の緊張感がこちらにも伝わってきます。

11時、試験開始!

午前11時、試験が始まりました。
受験生たちの一斉に問題用紙をめくる音が、廊下まで響き渡ります。しばらくすると、今度はシャカシャカという鉛筆の音が聞こえてきました。
今年は『「わたしたち」の文化財』というテーマで、「伝統的な食文化」や「日本の首都東京とオーストラリアの首都キャンベラの太陽の動きの違い」、「表音文字と表意文字の長所と短所」、「模型の展開図」などの問題が出題されました。

前述した通り、特別な知識は必要ありません。文章や資料から読み取って自分が持っている知識と結び付けて考えられれば解ける問題です。日頃から、好奇心を持って探求する力がある受験生は、是非チャレンジして欲しいと思います。

同校HPに、過去に出題された問題が掲載されていますので、ご確認ください。
過去の問題はこちら

12時、試験終了

12時、試験が終了しました。
受験生たちは鉛筆を置きます。先生方が一人ずつ机の上に置かれた解答用紙を回収します。そして帰りの準備ができた受験生から、保護者が待つ講堂へ帰っていきました。
小学校の授業は1コマ45分ということを考えると、受験生たちは60分間集中して考えていたのでかなり疲れたのではないかと思います。全員、合格を勝ち取って欲しいと願わずにはいられませんでした。受験生の皆さん、本当にお疲れ様でした。

希望すれば学校見学もできる

保護者の方と合流した受験生たちは、解散になります。希望者の受験生と保護者の方には、北宮先生が施設を案内してくれました。また図書室では、司書の先生が在校生がどのように図書館を利用し、どんな本を読んでいるのかなど説明していました。英語版の「鬼滅の刃」を読み、日本語の表現との違いなど調べているなど、興味深い話に受験生や保護者の方々も感心されていました。

その他にも、体育の武道では、同校OGの日本代表選手の指導のもと、空手を学ぶ集団演武や、課外活動では模擬国連大会、ビブリオバトル協会主催の大会で全国大会へ出場するなど、特色のある教育がされています。

先生方がお見送り

帰りのバスは、入試期間中は特別に校舎前に横づけてくれています。先生方は受験生や保護者の方たちが乗り込んだバスに手を振り、見送っていました。同校の誠実さを感じました。

見送りが終わると、先生方は合格発表の20時に向けて採点が始まります。先生方も2月1日から4日間、本当にお疲れ様でした。

伝統と革新が融合した充実した教育

同校は、「城廻」という地名の通り、玉縄城という山城のあった跡に位置します。緑に囲まれた豊かな自然の中で、教育理念でもある心を育てるライフオリエンテーションや、「サイエンス」・「ICT教育」・「グローバル教育」・「キャリア教育」など、これからの社会で生きていくために必要だと言われている新しい学びも実践されています。

ちなみに、玉城城跡は中学1年生と2年生でフィールドワークを行っていますが、許可を得られれば、一般の方も見学することもできますので、お城好きの受験生は学校見学も兼ねて一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

清泉女学院のホームページはコチラ