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宝仙学園理数インター2月1日午後は多彩な入試で校内が活気づく

2023年2月1日午後に行われた宝仙学園共学部理数インターの多彩な入試の様子をお伝えします。

理数的思考力を育み、人と人とをつなぐ教育実践により、生徒たちが伸びやかに成長している宝仙学園中学校共学部理数インター。多彩な入試方法を行うことで、校内は多様性に溢れています。2023年2月1日午後に行われた、同校の特色ある入試についてお伝えします。〈取材・撮影・文/市村幸妙〉

なぜ多様な入試を行うのか

2科・4科と新4科特別総合入試、適性検査、リベラルアーツ、AAA(世界標準)、グローバル、読書プレゼン、オピニオンといったプレゼン型、入試「理数インター」、英語ALというアクティブラーニング(AL)型などの入試を行う宝仙学園中学校共学部理数インター。

新4科特別総合の問題は、一つのリード文の中に4教科の要素が入っており、各教科の先生方が連携を密にして練られたもの。これまで学んできた知識が試されるだけでなく、学びの本質はそれぞれがつながり合っていることが理解できます。

AAA入試は、全国レベルの技能や学習歴を持つ者が受験資格を得るプレゼンテーション型入試。これまでパリオリンピックを目指す生徒や囲碁将棋の世界で研鑽を積んできた生徒などがその特技と勉強を両立したいと同校にチャレンジしています。

入試「理数インター」は日本語リスニングののちに、90分間のプレゼンテーションに臨みます。実際の試験の様子を拝見したので、内容は下記にてお知らせします。

このような多様な入試を行う理由は、各入試の意図する個性・特性を持った生徒たちと出会いたいから。さまざまな得意を持つ生徒たちが校内で混ざり合いながら、共に刺激し合い成長しています。

入場から試験会場への移動まで

2月1日午後に行われたのは、新4科特別総合とプレゼン型やAL型など、日本語リスニングを伴う入試です。

13時50分〜14時20分までが集合時間ですが、午前入試のあと、集合場所である講堂を開放しているので、暖かい校内でお昼をいただくこともできます。

講堂の右半分は入試区分ごとにブロック分けされた受験生のスペース。各々が自分の対象箇所に座って待ちます。

中には同じ入試区分の受験生同士が談笑している様子も見られ、ライバルというよりもそれぞれが自分の個性を大いに発揮し合う同志といった趣なのでしょう。

左側には保護者用の椅子も用意されています。

なお、明るい声で受験生たちを出迎えてくれていたのは同校の有志の生徒たち。募集をかけたところ、70人ほどの生徒が希望しましたが、多数の応募があったため抽選になったのだそう。

中2の男子生徒に聞くと「困っている受験生に頼られるとうれしいですね。来年もできればやりたいです」と話します。

受験生たちが在校生の先導により、各試験会場へと出発すると、保護者に向けた学校説明会が始まりました。

在校生と校長先生から受験生の保護者へのメッセージ

学校説明会ではまず、富士先生から親子への労いの言葉がかけられていました。

ペーパーテストでは測りきれない才能を持つ子たちを発掘する同校の入試に対して、「おもしろそうだと臨んでくれたことは気持ちが通じたのだと感じて嬉しかった。ご縁があったら6年間楽しく過ごしましょう」と話します。

次に中1の生徒2人と中2の異なる入試形態で入学してきた生徒たちが壇上に上がります。

富士先生が彼らに尋ねます。お題は「試験終了後にかけてほしい言葉、言われたくない言葉」。

「『どうだった?』など、出来不出来を聞かれるのではなく、『お疲れ様』とただ言われたのがすごくうれしくて、次の日も頑張ろうと思えました」とある生徒。

会場に向けて「そのまま『じゃあ帰るよ』などと、何も声をかけないというのはやめていただけたら」という声が上がり、保護者たちから笑い声がこぼれます。

3人とも揃った、試験後にかけられたい言葉は「お疲れ様」でした。

その後も在校生が具体的な学校生活について話します。リハーサルなしだったにも関わらず生徒たちは自分の言葉で話し、富士先生への逆質問をしたりと、会場は和やかな雰囲気に包まれていました。

実際の入試の様子とは

新4科特別総合を除く受験生たちがまず行っていたのは、日本語リスニングです。2分程度の音声問題を聴いて、出題に答える45分間。メモは取ってもOKですが、注意深く耳を傾け、話の意図を汲み取れるかが求められます。

学校HPにサンプル問題がアップされているので挑んでみてください。

AAA入試の受験生は日本舞踊、バレエの経験者がおり会場内が華やかでした。読書プレゼン入試では、大量の本を持ち込んでいた受験生も。

今年度のオピニオン入試のテーマは「空飛ぶ車の開発した際にどんな外観と機能を持ち、どのような問題を解決できるか」というもの。受験生は事前準備を行ってきますが、入試当日に「空飛ぶ車にはどんな危険性が潜むか」というテーマが追加されます。利便性を重視しがちですが、リスクマネジメントの視点は物事を考える上で重要です。

準備をしてきたプレゼン資料を15分間で修正し、5分のプレゼンののち、15分ほどの質疑応答が行われます。

自分が頑張ってきたことや大好きなことをアピールできるとあって、受験生たちは緊張感がありつつも目が輝いていたことが印象的でした。

この学校なら、自分の得意や好きを伸ばしながら、しっかりとした学力形成も叶うことでしょう。

90分間のアクティビティに取り組む「入試・理数インター」

入試「理数インター」はグループワークを行います。

自己紹介などの後に話し合ったテーマは「◯◯が“ワクワク・ドキドキ”でいっぱいになる『知的で開放的な広場』を提案せよ!」。

アイデアを出し合い、話し合いを重ねる受験生たち。初めましてにもかかわらず、みんなで協力しながらポスターにまとめ、余力がある班はレゴも製作します。

プレゼン後は称え合うような拍手も自然と起こり、同校志望者のコミュニケーション能力の高さを目の当たりにしました。

どんな生徒に入学してほしいのかを考え、非認知能力を問う様々な問題の作成・入試を続けている宝仙学園中学校共学部理数インター。

生徒たちはお互いの良さを認め合いながら、安心してのびのびと学校生活を送っています。

大学進学実績の伸長ぶりは目を見張るものがあり、6年間のなかで自己ベストを更新しながら、一般入試で勝負する生徒が多数。

ただし、リベラルアーツ入試での入学者が今春に慶應義塾大学の総合型選抜で合格し進学するなど、進路も多様化しています。

多くの可能性に満ちた学校生活が送れる同校は、学校説明会も頻繁に行われています。生徒たちの笑顔に出会いにぜひ足を運んでみてください。