2年目となる聖園女学院の「英語チャレンジ入試」をレポート
2025年2月2日(日)の午後、この日神奈川県内は朝から雪が降る予報も出ていましたが、雪や雨は降らずに無事、聖園女学院中学校で「セレクト1科入試」と「英語チャレンジ入試」が行われました。実施2年目となる「英語チャレンジ入試」を取材させていただきました。〈取材・撮影・文/野尻幸義〉
聖園女学院はどんな学校?
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1946年、聖心の布教姉妹会第3代総長聖園テレジアによって、現在の藤沢市みその台に旧制「聖園女学院高等女学校」が設立されました。その2年後の1948年に附属中学校も併設されました。
キリスト教世界観に基づき、「生徒が人間としての生き方を学び、一人一人が自分の使命を自覚して成長すること」を教育目標に掲げています。
鹿野直美教頭先生にお話を伺うと、昨年は開校後初めて制服が新しくなり、ネクタイは在校生がデザインしたものだそうです。在校生たちにも好評で、とくに湘南の海をイメージしたブルーのグラデーションチェックのスカートが気に入っているそうです。
集合時間は15時50分もしくは18時10分
同校で2月2日(日)午後に行われた入試は、「セレクト1科入試」と「英語チャレンジ入試」になります。「英語チャレンジ入試」の集合時間は15時50分もしくは18時10分どちらか選択できます。
昨年は暖かく控室となる講堂の前に植えてある梅の花が咲いていましたが、今年は例年通りの気候で、この日は曇り空ということもあり寒い一日になりました。
受験生と保護者の方は来校すると、講堂に通されます。在校生の案内で座席を確保して、受験生は受験票を持って後方の受付に行きます。受付には受験生や保護者の方が体調不良になった際に対処できるよう、養護教諭と看護師が待機してくれています。
いざ、試験会場へ
この日取材させていただいたのは、集合時間15時50分の回になります。
「英語チャレンジ入試」は、1グループ2~3名で約20分間、ネイティブの先生とコミュニケーションを通して、表現力や主体的に活動に取り組む姿勢、そして英語への意欲を評価をする入試になります。
今年は11名の出願があり、15時50分の組の受験者は5名でしたので、3名のグループと2名のグループに分かれました。アナウンスを受けて3名のグループが先に試験会場へ向かいます。保護者の方は、「がんばってね」と声をかけたり、手を振ったりして受験生を見送っていました。
先生方やこの日入試のサポートをお手伝いしてくれる在校生からも、「行ってらっしゃい」と受験生は声をかけられ講堂を後にしました。
試験会場は図書館
「英語チャレンジ入試」の試験会場は、図書館になります。
受験生たちは、試験会場に入るとまずネイティブの先生から英語でピンク色のビブスに貼られたネームシールに名前を書くよう伝えられ、渡されたマジックで自分の名前を記入します。記入が終わると、そのビブスを着用して椅子が用意された実施場所へ移動します。
まずは「Self Introduction (自己紹介) 」
椅子に座った受験生たちは、まず始めにネイティブの先生から「30秒程度で、自分の名前やどこから来たのかなど自己紹介をするように」と伝えられます。
話す内容は、小学校で習う英語力で問題ないのですが、受験生たちは制限時間内に自己紹介ができるよう流暢に話していました。採点をする試験監督の先生方は3名で、その様子を温かく見守ってくれていました。
「Topic Cards (トピックカード) 」
自己紹介の次は「Topic Cards」です。小さな手提げを持ったネイティブの先生から、「手提げ袋の中に入っているのが、単語(トピック)が書かれている紙で、1枚ずつ引いてそのカードに記されたトピックについて自由に話すように」と伝えられます。ここでの制限時間は1人20秒です。
待っている受験生たちも、どんな単語が書かれているのか、興味津々な様子で見守っています。
受験生たちは、自分で引いたトピックカードについてその場で20秒で話す内容を考えなければいけないので、なかなか制限時間内に話し終えることができませんでした。それでも最後まであきらめない姿勢を見せてくれました。日本語でも20秒で制限時間内に話すことは難しいので、受験生にとってはなかなかハードルが高かったように思えます。
最後は「Skit (寸劇) 」
昨年は、受験生同士で紙に書かれた質問を出しあって順番に答える「50-Question Marathon」でした。今年は、「Skit(寸劇)」に変更になりました。英語科主任の江藤幸代先生にお話しを伺ったところ、入試であっても少しでも受験生に楽しんで欲しいというねらいがあるそうです。
「Skit(寸劇)」は、受験生2名とネイティブの先生が、「Situation」と「Mission」に沿ってそれぞれ与えられた役割を演じます。
まず受験生2名にカードが手渡されます。受験生は2分間で「Situation」と「Mission」を把握し、互いに1分間「Situation」を演じます。そして、ネイティブの先生がいるところへ行き、3分間で「Mission」をクリアするという流れになります。1組ずつその流れを2回行います。
ネイティブの先生はエプロンを付けたり、わざと受け答えを間違ったりして受験生を笑わせていました。受験生たちも楽しそうに演じていたのが印象的でした。
合格発表は21時30分
試験が終わると、受験生たちはネイティブの先生や試験監督の先生方に挨拶をして、保護者が待つ講堂へ帰っていきました。受験生たち全員、英語を使って流暢に受け答えをしていた姿に感心させられました。
合格発表は試験当日の21時30分です。先生方は試験が終わるとすぐに各自採点をした結果を話し合う合否判定にうつります。「英語チャレンジ入試」では英語を話すスキルというよりは、取り組む姿勢が問われる入試です。最後まであきらめずにやり切った受験生たちにエールを送りたいと思います。
なお、同校では在校生を受験生に見立てた「英語チャレンジ入試」のイメージ動画がありますので、是非ご覧いただければと思います。
2025年度 聖園女学院中学校英語チャレンジ入試 - YouTube