2/2PM 横浜創英中学校がコンピテンシー入試を実施
2/2(木)の午後、横浜創英中学校でコンピテンシー入試が行われました。コンピテンシー入試は、「プレゼンテーション入試」と「グループワーク入試」があり、どちらか選択して受験できます。
14時30分~受付開始
同校のコンピテンシー入試は今年初めての実施になります。受験者は、「プレゼンテーション入試」が男子22名、女子14名、「グループワーク入試」が男子21名、女子7名でした。
集合締切時間は14時50分でしたが、14時前には受験生と保護者が来校し始めました。午後入試で昼食をとったこともあり、緊張がほぐれたのでしょう。笑顔で来校する受験生の姿も見かけられます。
受付が終わると、受験生は保護者と別れそれぞれの試験会場に向かいます。
プレゼンテーション入試
同校の「プレゼンテーション入試」は、これまで継続して自主的に取り組んでいたこと・好きなことで自分の自信につながっていることや入学後の学校生活でそれらをどのように活かしていくのか、ということを発表する入試になります。
受験生は自分が発表する必要な道具を持って、試験会場となる3階の教室へ移動します。試験会場はA~Eの5教室に分かれており、自分の順番がくるまで同じフロア―に用意された教室で待機します。
15時00分、最初の5名が呼ばれました。発表時間は5分間、その後試験監督2名による質疑応答が10分間あります。自分が取り組んできたことを模造紙にまとめてきた受験生や、スポーツや音楽などの実技を披露する受験生など、パフォーマンスはさまざまです。受験生がこれまで一生懸命取り組んできたことを必死に披露していたので、受験生の気迫に圧倒されました。
工藤校長先生にお話を伺ったところ、「何か1つでも突き抜けた力を持っている受験生が学校生活を通してどのように活かしていくのかという考えを話して欲しい」とおっしゃってました。つまり、「プレゼンテーション入試」では、やり抜く気持ちや極めたい気持ちをいかに論理的に伝えられるかどうか、試される入試だということになります。
グループワーク入試
「グループワーク入試」は、社会課題を表す写真や記事から、問題点を理解し、その解決策を考えてチームで発表する入試になります。
受験生は受付を済ませると、グリーンホールへ案内されます。4~5名が1グループになるよう座席が丸くセッティングされています。事前に入試体験があったので何度か顔を合わせた受験生同士が会話をしているのが、印象的でした。
14時50分から説明とグループ内での簡単な自己紹介をして、15時00分に試験が始まりました。
話し合うテーマは日本の人口推移のグラフから読み取れることや将来起こりえることになります。グループワークを40分間行い、グループでまとめたことをその後5分間で発表します。グリーンホールの中央に配置された机に新聞紙やマジックペンなどが用意されているので、自由に使用できます。
グループによって役割分担をしていたり、皆で話し合っていたりして課題に向かい合っていました。試験監督は1グループにつき1名の先生が担当されていました。評価をする観点は、「問題点を自分ごととして捉え、グループで十分に対話をしながら、協働して発表している。」、「グループで考えた解決策を自分の言葉で表現できている。」になるそうです。協働性はもちろん、気づきや創造性が問われる入試になります。
発表が終わると、試験監督の先生と質疑応答を10分間行い、試験終了になります。笑顔で会場を出ていく受験生が多く見かけられました。入試ではありますが、同じ境遇の受験生というメンバーが1つグループになって課題を解決していくという戦友との達成感が感じられる入試だと思います。
取材を終えて
同校は近年受験者数が増えている学校になりますが、学力を測る入試だけなくこのような長所を活かせる新タイプ入試を実施したことはいろいろな個性を伸ばしていくという同校の強い思いを感じました。このコンピテンシー入試は、「プレゼンテーション入試」、「グループワーク入試」どちらも日常生活をどのように過ごしてきたかが問われる入試です。テスト用紙で学力を測る入試では問いにくいメタ認知を測かられる入試と言えるでしょう。ただ、テスト用紙で学力を測る入試でも新タイプ入試でもどれだけ本気で取り組んできたかが問われるという点では同じです。来年以降、受験を控えている受験生は今やるべきことを本気で取り組んでいってもらいたいと思います。