悪天候をものともせず多くの女子受験生が豊島岡女子学園に集った
雪の影響が心配されていた2月2日。降雪はあったものの、深刻な積雪には至らなかった東京都心。この日、1回目の入試を行った豊島岡女子学園中学校。昨年の1062名から今年は1106名と出願者数が増加し、女子最難関層が集うますます厳しい入試となりました。(取材・撮影・文/市村幸妙)
悪天候をものともせず多くの女子受験生が豊島岡女子学園に集った
雪の影響が心配されていた2月2日。降雪はあったものの、深刻な積雪には至らなかった東京都心。
この日、1回目の入試を行ったのは、池袋に位置する女子校・豊島岡女子学園中学校です。昨年の1062名から今年は1106名と出願者数が増加し、女子最難関層が集うますます厳しい入試となりました。
早朝の時点で、『本校の中学校受験をされる皆様へ』として「現在、雪が降っておりますが、公共交通機関はおおむね通常運行ですので、予定通り7:00開門、8:10集合で入学試験を行います。雪道もありますので、あわてず気をつけてお越しください。」とホームページでメッセージを発信しました。
入試当日・朝の様子をお伝えします。
遅延も考慮し行動した受験生親子
傘が必要な程度の雪は降っていたものの、心配された深刻な積雪までには至らなかった東京。少しだけれど、ホッとされた方も多かったのではないでしょうか。
豊島岡女子学園の先生の中には、遠方にお住いの方は念のため学校へ泊まり込みをして、受験生を迎える準備に勤しんだそうです。
交通至便で都内全域はもちろん、埼玉県などからも非常にアクセスの良い豊島岡女子学園。大幅な混乱を巻き起こした先日の雪に比べ、JRでは大きな問題はなく、山手線も比較的通常運行。
ただし、同校から徒歩2分と最寄り駅である、東京メトロ有楽町線「東池袋駅」や丸ノ内線「池袋駅」、東武東上線や西武池袋線といった地下鉄や私鉄では、雪の影響により5分〜20分程度の遅延が見られました。
学校の温かな対応が見て取れた
7時開門、8時15分から点呼・アンケート調査を行っている豊島岡女子学園。
例年、受験生が訪れるピークは7時30分前後ですが、特に今年の受験生親子は、しっかりと備えて来たのでしょう。7時10分頃から色とりどりの傘を差した受験生親子が慎重な足取りで続々とやってきます。
この人の波は、7時40分頃まで池袋駅方面から延々と続くかのように長いものとなりました。
「東池袋駅」方面からも、地下鉄が到着したタイミングで、たくさんの受験生がやってきました。
そうした多くの受験生を迎えるのは、ざっと見て200〜300人ほどもの塾の先生方です。
豊島岡女子学園が位置するブロックを覆っているのではないかと思うほど、列をなしています。
この歩道は比較的広々と取られていますが、あくまで一般道のため、通行人のことを考えて迅速に校舎内へ入ることを促されます。
なお、今年は7時よりも前に数人の受験生が来ていたため、開門時間の5分前に開放されました。
順路を進み、試験会場へ
校内へ入ってすぐのところで先生方が傘袋を配っており、順路の途中には手指消毒用のスプレーが用意されていました。
使用している受験生親子もおり、インフルエンザや風邪などの対策を日々しっかりと行っている様が垣間見えました。
さらに進むと、上履きに履き替えるスペースに出ます。
手前側は混雑しがちですが、先生のアナウンスにもある通り、奥のほうは時間帯にもよりますが、ゆったりと準備できるようです。
慌てずに奥へ進むことをおすすめします。
特に今日は、長靴を履いてきている受験生親子が多かったため、履き替えに多少の時間を要していました。
親子はその先も校舎内を進めますが、履き替えずに娘を見送って出口へと向かいそのまま出勤するだろうという保護者の姿もありました。
「お互い頑張ろう!」とエールを送り合う親子の信頼関係を見ました。
校内を進んだ親子は、保護者控室にもなっている試食室の前などを通過後、受験生は左折して階段へ、保護者は控室になっている講堂(ホワイエ)方面へ進みます。
受験票や持ち物の確認の後、「がんばってね!」、「いつも通りで!」、
「今日で終わるよ!」などといった檄が飛び、どの保護者も「行ってらっしゃい!」と温かく手を振っていました。
なお受験生にと保護者が次に会えるのは、試験終了後、校門の前での集合になります。そのため受験生は外履きをはじめとした荷物一式を持って受験会場へと向かいます。
傘は天気予報を鑑みた親子の判断で保護者が持っているというケースもありましたが、「靴を預かったままだった」という何人かの保護者の方がいました。
係員の先生から試験会場へ伝達され、お手伝いの在校生が受け取りに来たケースもありました。
保護者の様子と校内放送
保護者控室のメインは「ホワイエ」です。さらには先にも触れたきらびやかな「試食室」や食堂の「ポッポ」、さらにホワイエの入り口付近でも多くの保護者が置かれていた広報誌「豊島岡」を手にしていました。
「試食室」や「食堂ポッポ」は飲食が可能です。緊張感のあるホワイエに比べ、ポッポの横には設置されているコーヒーなどを飲んで、気を紛らわしている保護者もいました。
落ち着かないのか、シャンデリアが美しい螺旋階段を何度も行ったり来たりしているお父さんの姿も見られました。
8時15分に校内放送が入り、アンケートについてアナウンスされます。
このアンケートは「合否に関係がないこと」、「どこの中学校を受験するか」、「その際本校を記入する必要はありません」、「8時25分までに記入し、回収します」といった旨の注意事項が流れます。
8時25分には「机の中を空にすること、携帯の電源を切ること、受験票を机に置いておくこと、鉛筆が転がったり鼻をかみたい時は手をあげること、ティッシュは取り出しやすいところに入れておくこと、具合が悪くなった時にも手をあげること」といった試験の注意点が放送されます。
8時30分、チャイムの音と共に、いざ入試がスタートします。その響きにあわせポッポで待機している保護者の方々の背中がすっと伸びます。それぞれが我が子の健闘を祈っているのでしょう。
今日で受験を終える親子もいることでしょう。本当にお疲れ様でした。
まだ挑戦を続ける親子もいるでしょう。ここからは天候も安定しそうです。どうか最後までベストを尽くせますように。応援しています!