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創立130年の豊島岡女子学園の入試、高い実力をもつ受験生が集結!

2022年度より完全中高一貫校化する豊島岡女子学園。2/2に行われた第1回入試の様子をお伝えします。

今年度より高校募集を廃止し、完全中高一貫校へとシフトした豊島岡女子学園中学校・高等学校。温かな校風ながら高い大学合格実績を誇り、第一志望校とする受験生も多い同校ですが、首都圏屈指のハイレベルの女子受験生が実力を競い合います。第1回入試の様子と学校生活の一部について見ていきましょう。〈取材・撮影・文/市村幸妙〉

豊島岡女子学園の人気の理由とは

豊島岡女子学園中学校の2022年度の第1回入試の出願者数は1102名で、前年の1109名とほぼ横ばい、倍率は6.9倍と今年も熾烈を極める入試となりました。

同校の創立は1892(明治25)年で、今年創立130年を迎えた伝統ある女子校です。女子裁縫専門学校からスタートした歴史をもち、毎朝5分間実施される「運針」は、ただひたすらに白布に赤糸を通す“禅”のようなもの。その時間は学校全体が静寂に包まれ、池袋という都心にいることを忘れてしまうような空間になります。創立時の名残を彷彿とさせるこうした取り組みですが、生徒たちからは「集中力が養える」、「無心になれて雑念が消える」などと評判です。

創立当初から手に職をつける学びを行い、自立した女性を育んできた学校なのだと実感します。時代の変遷とともにアップデートを重ね、現在は日本を代表する進学校の一つとして、医学部・医学科への現役合格率はおよそ4割、東大などへの合格者率は常にランキングトップクラスの実績を出しています。

【写真】検温を終えると手指消毒します

2022年から高校募集を停止

先に触れた通り、今年度から高校募集を停止した同校。中学の募集人員数は変えないため、よりきめ細やかな教育が展開されます。

竹鼻志乃校長先生にその意気込みを伺うと、「教職員一同、気合が入っていますよ!」と力強いことばと笑顔で答えてくれました。

より魅力を増す同校ですが、入試についての注意事項はあったのでしょうか。

「変更点は特にありませんし、例年通りなので試験対策は立てやすいと思います」と竹鼻先生は話しますが、出題範囲は幅広く、解くためにはスピードが求められます。

第1回目の入試日は2月2日ということもあり、首都圏トップクラスの女子受験生たちが一堂に集結するのです。

【写真】その後さらに進み、上履きに履き替えて、試験会場へと向かいます

順番に整然と校舎内へと向かう、さすが豊島岡女子の受験生

さて、第1回入試当日、6時45分頃に筆者が学校前へ到着すると、すでに5組ほどの親子の姿が。


その後、受験生たちは続々とやってきて、7時ちょうどの開門時には30~40組程度がいたでしょうか。


特に整列などをしていたわけではありませんが、周りを見つつ順番に整然と校内へと向かう受験生たちの目配り、そして心配りができる冷静さは、さすが豊島岡女子生候補なのだなと感じました。

なお、新型コロナウイルス感染症への対応として、同校では2名の看護師を別室に待機させていました。罹患しましたが回復したという受験生が2名おり、念のため別室受験を希望して、入試に臨んだとのことです。

【写真】開門直前の様子。固く手を握り合ったり、肩を組んだり、それぞれの親子のストーリーが垣間見えます

無事に受験できたことに感謝する入試当日

「おはようございます!」

校内へ足を踏み入れると、竹鼻先生の明るい声が響きます。その様子を見ていると、まるで受験生一人ひとりに届くよう、声を掛けています。

竹鼻先生にその訳を訊くと「これまでがんばってきて、今日無事に、元気に受験しに来てくれていることが、本当にうれしいのです」とにこやかに話します。


集合時間を8時、8時10分、8時20分と3段回に分けて設定し、登校時の混雑を回避して、密にならない配慮をしている同校。入室順に着席し、点呼・説明ののち、時間になったら試験開始となります。


昨年のコロナ禍の入試以来、感染症対策のため保護者は校舎に入ることができないので、退出予定時間は学校HPにて受験番号で確認できるようにしています。

【写真】受験生一人ひとりに明るくあいさつする竹鼻志乃校長先生。サーモグラフィタイプの検温器で測定

学びを止めない!学校生活

屈指の大学進学実績、高レベルの生徒たちが集まると聞くと、ガリガリと勉強させるのではと思われるかもしれません。面倒見の良さは光りますが、同時に生徒たちは自らの頭で考え、やるべきことはしっかりと行うことを、高い志を持つ仲間が揃う環境下で体得していきます。

その一方で同校には47もの部活があり、クラブ活動は中1〜高3まで全員参加としています。また行事などは、自主性を重んじるため生徒たちが中心となって運営しています。

勉強だけでない、欲張りな学校生活が待っているのです。

なおコロナ禍のこの2年、早々にオンラインでの授業に切り替えるなど、迅速な対応を行ってきた同校ですが、多くの学校行事が中止になってしまい、忸怩たる思いを抱えていました。

そんな中、2021年夏に実施した「夏期休暇特別見学会」。1時間だけですが、久しぶりにリアルで開催される見学会となりました。毎週土曜日の見学会は、参加できるのは小6生だけでしたが、希望する小学生全学年に門戸を広げて行われました。

「音楽系を中心とした4つのクラブの発表となりましたが、受験生にとって在校生の様子がわかるだけではなく、実は在校生たちにとっても人前で演奏する喜びを久しぶりに体いっぱいで感じられた瞬間でした」(竹鼻校長先生)

【写真】JRや地下鉄などの各線「池袋駅」西口から徒歩8分程度の都心型校舎。埼玉県入間市には総合グラウンドを有しています

活気に溢れた学校生活が垣間見える!

なお、入試前日まで対面授業を行っていた同校。2月には合唱コンクールが予定されており、生徒たちはマスクを装着しつつその練習に励んでいるとのこと。入試当日は当然ながら生徒たちは休校措置となっていますが、活気に溢れた学校生活が垣間見えます。

同校の先生方の話を聞いていると、とにかく在校生の活動を最優先に考えていることがひしひしと伝わってきます。先生は精神的支柱として生徒たちの背中を押したり、ときには引っ張り上げたりしており、一人ひとりをより見られる環境を整えています。

こうした姿勢が徹底しているから、受験生に対しても愛に満ちているのだと感じました。

【写真】お雛様が飾られていました