783名の受検生が臨んだ、東京都立両国高等学校附属の適性検査
すべての知的活動の基盤となる「国語力の育成」と「生きた英語力」を重視している、東京都立両国高等学校附属中学校。併設されている高校は、府立第三中として1901年に創立された、いわゆるナンバースクールの伝統校であり、都立中高屈指の進学校です。2019年2月3日に行われた適性検査の様子をお伝えします。(取材・撮影・文/市村幸妙。写真提供:知恵工場ナレッジ)
校門前はさながら黒山の人だかり
2020年に実施される教育の大改革を目前に、ますます注目を集める中学受験。なかでも公立中高一貫校は、安定した根強い人気を誇っています。
都立両国高等学校附属(以下、両国高校附属と省略)も例年高い人気を保持していますが、その高まりは年々拍車がかかっている印象です。
2019年度は男女各60名の募集人員のところ、男子407名・女子405名の出願者がありました。
実受検者数は男女合計783名で、昨年と比べ計47名の増加。受検倍率は6.13倍で、白鴎高等学校附属の6.82倍、大泉高等学校附属の6.80倍に次ぐ、高倍率となりました。
受検生の集合時間は8時30分ですが、7時30分頃の校門前にはすでに歩道にあふれんばかりの人々の姿が。日曜日ということもあり、両親揃っての激励が多数見られました。
まず驚かされるのが、構内通路の左右に花道を作り、受検生たちを出迎える各塾の先生の多さです。
さらに見学に来ている未来の受検生親子の姿もたくさんありましたが、あまりの人出に受検生親子だけでなく、彼らも圧倒されていたようです。
保護者も途中までは入場可能なため、親子で校内へ進みますが、7時40分を過ぎるとさらにごった返し、8時20分頃まで続々と受検生の波が続きます。
同校の先生方により「受検票を準備すること」、「携帯電話を持ち込めないこと」がアナウンスされます。
保護者が入ることができるのは、検査会場である校舎の手前まで。親子で受検票の確認をしたり、携帯電話を預けたり、もちろん声をかけたり、ハイタッチする姿があちこちで見受けられます。
なお、同校の先生方がたくさん待機しているので、体調不良や忘れ物などの問題があった受検生も安心です。
緊張感あふれる検査前
校内へ入った受検生たちは上履きに履き替えたら、掲示された「検査室一覧」を見て、自分の受検番号に応じたそれぞれの教室へ向かいます。教室では受検番号順に着席して、各々が静かにその時を迎えます。
8時30分になると、監督の先生方によってまず行われたのは、マスクを外しての受検票との確認です。その後は適性検査に向けて、例えば筆箱はカバンにしまうこと、ティッシュが必要な受検生は机の上に出しておくことなどの諸注意がありました。
こちらにも受検生たちの緊張感がヒシヒシと伝わってきます。受検生からは教室が暑かったようで、空調の調整についての質問がありました。
今年の2月3日は暖かだったので、着脱できる服装の受検生も多く見られました。
9時より開始の「適性検査Ⅰ」から「適性検査Ⅱ」、「適性検査Ⅲ」と、正午の終了時刻まで受検生たちはそれぞれ持てる実力を発揮できたでしょうか。
泣いても笑っても発表は2月9日午前9時!
粛々と当日を迎えましょう。