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2/11に受験できる日大豊山女子中の「思考力型入試」とは?

2月2日(金)午後に実施された日本大学豊山女子中の「思考力型入試」は、2月11日(日)にも受験できま...

東京・神奈川の中学入試がスタートして2日目の2月2日(金)午後に、日本大学豊山女子中〈東京・板橋区。女子校〉が、第1回「思考力型入試」を実施しました。この後、2月11日(日)にも受験できる、同校の「思考力型入試」のレポートをお伝えします。

2/2PMに行われた日大豊山女子中の第1回「思考力型入試」

東京・神奈川の中学入試がスタートして2日目の2月2日(金)午後に、日本大学豊山女子中〈東京・板橋区。女子校〉が、第1回「思考力型入試」を実施しました。

朝方はあいにくの雪に見舞われたこの日ですが、事前に心配されたほどの積雪や交通マヒ等はなく、ほとんどの私立中では午前中の入試も無事に(試験開始を30分遅らすなどのケースは数校あったものの)行われました。

日本大学豊山女子中が前年2017年入試から新設した「思考力型入試」。2年目の今春2018年入試の第1回「思考力型入試」はこの2月2日(金)午後に実施されました。

この入試の受験生集合(着席完了)時刻は15時30分。15時が出願受け付けの締め切り時刻でしたので、その30分前までに出願すれば受験することができます。この第1回「思考力型入試」の最終的な出願者は19名となりました。

新設2年目を迎えた「思考力型入試」

この日大豊山女子中の「思考力型入試」の内容やコンセプトは同校Webサイトの「中学校入試情報」→「入学試験要項」のページに詳しく紹介されています。「思考力型入試の内容」としては、下記のように掲載されています。

「2020年度大学入試改革においては、知識・技能のみならず、思考力・判断力・表現力が問われる入試に大きく変革します。何かをただ覚えるだけではなく、知識を基に、自分で考え、工夫し、表現することがより求められます。

学習することの始まりは、「なぜだろう?」「どうしてそうなるのだろう?」「不思議だな?」などという疑問や興味、関心を持つことです。その疑問を書籍や新聞など様々なものを利用して調べ、自分の意見や考えを人に伝える力が必要です。

日本大学豊山女子中学校では、以前から校外学習などを通して、調べ学習、まとめ、発表する機会を数多く設け実施してきました。
 思考力型入試では、複数の与えられた課題から一つ選び、図書館やWebを利用して調べ、まとめ作業を行い、そのまとめと自分の意見を発表してもらいます。

日本大学豊山女子中学校では、「疑問を持つ」「調べる」「まとめる」「発表する」ことを通して、発見する喜び、考えることの大切さ、自分の意見を発表することなどの発信力やコミュニケーション力を育み、伸ばしていきます。」

タブレットや書籍で、選んだテーマを調べ→まとめ→発表する

この第1回「思考力型入試」の試験会場である「ラーニングコモンズ(自習室)」に受験生が到着すると、受験番号で定められたブースに着席。机の上には、1人に1台ずつタブレットが用意されています。

この日、実際に受験に訪れた13名の女子が着席し、個々の受験生に、①画用紙、②発表カード、③問題用紙の3点が配布され、試験開始時刻の16時になると、担当の先生からの説明が開始されました。

このラーニングコモンズで行われる試験(「①テーマ決定、②情報収集、③まとめ作業」)時間は60分~90分。まとめが完成した受験生から、別室で行われる「④発表」に移ります。

「では初めてください」の合図と同時に受験生が一斉に開いた問題用紙に記されているのは、10のテーマと「以下の①~⑩のテーマから興味があるものを1つ選びましょう。それについて調べて画用紙にまとめましょう。」という問題文のみ。

このなかからひとつ選んだテーマについて、それぞれの受験生が構成や必要な情報について考えを巡らせ、手元のタブレットで関連した情報を調べ始めます。

試験(まとめ作業)中は自由に歩いて、調べ、素材を集められる

60分~90分という、これまで小学校で経験してきた授業時間ひとコマと比べると長い試験時間ですが、この間は、立ち歩いて中央のテーブルに用意された文具を借りてきたり、ラーニングコモンズに用意された書籍コーナーに本を調べに行くことができます。トイレ休憩に行くことも自由です。

さらに希望があれば、階下の図書館に本を調べに行くこともできます。

タブレットで調べたWebページから、転用したい写真や情報を、係の先生に頼んでプリントアウトしてもらうことも可能です。

試験開始から10分ほどたつと、受験生のそうした動きが始まりました。

調べては手元の紙にメモを取り、使いたい情報や素材を集めて、構成を考えながら、また調べては素材を追加して行きます。

10数分を過ぎた頃からは、画用紙にタイトルやラフな構成を書き始めた受験生もいます。

60分以上の「調べ→まとめ」学習に取り組む受験生の高い集中力...

考えを進めていく手順は、それぞれの受験生によって違うのでしょう。ただ共通しているのは、選んだテーマについての情報収集~素材集め、発表の構成を考えることに全力で取り組んでいる、その真剣な姿勢や集中力です。

この「思考力型入試」の進行に関わる係の先生方は当初6名でしたが、そのほかの先生も入れ替わり立ち替わり入室してきて、受験生の様子を見守っています。

昨年から新設された、この「思考力型入試」に、どのような受験生がチャレンジしに来て、どのような姿勢や成果を見せてくれるのか、同校の先生方にとっての期待や関心がそれだけ大きいのでしょう。

今回の受験生のなかには、すでに前日2月1日に実施された「4科・2科入試」で合格していながら、「思考力型入試も受験したい」と希望して受けに来ている受験生や、この日の午前中には「4科・2科入試」を受験して、午後はこの「思考力型入試」にチャレンジしている受験生もいるそうです。

まとめの完成後は、別室で個別の発表を行う!

それぞれの受験生の情報集めが進み、構成もまとまりかけてきた頃に、「60分が過ぎました。残り30分の間に、画用紙へのまとめを完成させてください」といった意味のアナスンスが係の先生から行われます。

その数分後、最初にまとめを完成させた受験生の手があがりました。まずその受験生から、係の先生の指示に従って、手荷物を片付け、別室の「発表」会場に移っていきます。

この日、受験生のために用意された発表用の会場は2教室。1教室を2つに区切り、それぞれ2名の先生に向けて、受験生は1人ずつ発表(5~10分)していきます。

70分過ぎになると、次々にまとめ作業を完成させた受験生の手があがり、順に発表会場に移っていきます。ただし、「制限時間内にまとめが完成すれば、かかった時間の長短は評価の対象とはなりません」と、あらかじめ入試要項にも明記されています。

2人の先生の前で、ホワイトボードにまとめ画用紙を貼って発表!

発表用の会場に移った受験生は、順に教室に入室して行きます。氏名を言って挨拶をした後に、用意されたホワイトボードに自分がまとめた画用紙を貼り、発表(プレゼンテーション)をしていきます。

いまの小学生は、学校での「総合学習」の授業などで、こうした発表形式にも慣れているのでしょうか、あるいは各自、練習をしてきたのでしょうか、ホワイトボード前に立って画用紙を指さしながら、堂々と発表をする受験生がほとんどで、その様子にも感心させられました。

それぞれ2人ずつ、机を挟んで発表を聞く先生方は、にこやかに受験生の発表を聞き、その発表に込められた受験生の考えや想いを温かく受け止めてくれている様子です。発表が終わると受験生に着席させてから、発表についての質問や声かけをしてくれます。

そうした質問にも明るく答える受験生の様子からは、こうした「調べ学習」や、あるテーマについて「考えること」、そして「発表すること」が好きな小学生が、この「思考力型入試」のコンセプトを理解して、チャレンジしてきていることが伝わってきました。

「リラックスして」、「大きな声でね」と先生方からの励ましも!

試験開始から90分を過ぎると、制限時間いっぱいまで時間を使って「まとめ作業」を終えた最後の受験生が数名、発表会場に移ってきました。

すでに時刻は17:30になりましたので、外は暗く、寒さも増しています。発表を待つ廊下も教室内と比べると寒くなっていましたが、たったいままで、頭と手をフル回転させて「まとめ作業」に集中していた受験生は、まだ熱気を帯びているのか、寒がる様子はあまり見られません。

小学生にとっては短くない60~90分もの間、自分が選んだテーマについて、調べ、考え、表現方法を工夫してまとめてきた受験生は、きっと疲れや緊張もあったかもしれません。なかには廊下の椅子に座って荷物を置くと、声を出さずに発表のリハーサルをし始める受験生も…。

それでも、「リラックスして」、「なるべく大きな声でね」と係の先生方から励ましの声をかけられると、それぞれの受験生は「よし、しっかり発表するぞ!」とでも言わんばかりの頼もしい表情で、順に発表会場に入っていきました。

そして、次々と計13名の受験生が発表を終えると、それぞれの部屋で担当していた先生方の表情にも、昨年以上に多くの受験生がチャレンジしに来てくれた、今回の「思考力型入試」の手応えが感じられたような印象を受けました。

受験後には「がんばったよ!」という達成感・満足感を親子で共有

発表を終えた受験生には、廊下で迎えた先生方が次々に「お疲れ様でした!」、「大きな声でいい発表ができていたね!」などと声をかけてくれます。

声をかけられた受験生は、発表を終えてホッとしたのか、笑みがこぼれます。課題に精一杯取り組んだまとめを、自分なりにベストを尽くして発表できた達成感もあるでしょうし、緊張から解放された安堵感もあるのでしょう。

係の先生に案内されて、付き添いの保護者が待つ部屋で、お母さんやお父さんと合流した受験生の表情からは、「がんばってきたよ!」という満足感と誇らしさが伝わってきました。

最終は17時50分に正門のロータリーから出発するスクールバスが用意されているということでした。その正門へ向かう親子や、もうひとつの通用門から、東武東上線「上板橋駅」に徒歩で向かうという親子の姿には、「がんばったわが子」と「がんばった自分」を褒めてあげるかのような、優しく穏やかな空気が共有されていたように思います。

まだこれから2月11日(日)にも受験できる「思考力型入試」

この日大豊山女子中の「思考力型入試」は、まだこの後、2月11日(日)にも実施が予定されています(2月2日の当社「受験情報ブログ」でもご紹介しています)。

すでに多くの受験生は、それぞれ予定していた中学受験のスケジュールは終えているかもしれませんが、まだ、残された受験のチャンスに果敢に挑もうとする受験生も多いはずです。

とくに、都内の公立中高一貫校を受検して、2月10日(土)の合格発表を待つ小学生と保護者のなかには、「もうひとつ私立中も受けておけば良かったかな…?」と考え始めているケースも少なくないのではないでしょうか?

そうした小学生の保護者に向けて、日大豊山女子中では、本日2月5日(月)、6日(火)と、2月8日(木)、9日(金)の4日間、夕刻18時からの時間帯に「思考力型入試直前説明会」を実施します。

ぜひ、この機会に、同校の「思考力型入試」の説明を聞くと同時に、校内見学や個別相談をしてみて、2月11日(日)の第2回「思考力型入試」を受験したうえで、わが子の進路の選択肢をもうひとつ検討してみてはいかがでしょうか?