受験生マイページ ログイン
受験情報ブログ

2月2日、日本大学豊山女子中学校「英語インタビュー入試」

今年度から始まった日本大学豊山女子中学校「英語インタビュー入試」をレポートします。

2020年2月2日(日)午前9時30分。東京都板橋区にある日本大学付属唯一の女子校、日本大学豊山女子中学校で、今年から「英語インタビュー型入試」が実施されました。募集人員5名のところ、受験者数8名が集まりました。(取材・撮影・文/北岡優希)

2020年2月2日(日)午前9時30分。東京都板橋区にある日本大学付属唯一の女子校、日本大学豊山女子中学校で、今年から「英語インタビュー型入試」が実施されました。募集人員5名のところ、受験者は8名集まりました。

今年度の入試は天気に恵まれたと思います。あまりこの季節らしくはないのですが、気温も比較的過ごしやすく、受験生にとっては体調管理がしやすい方がありがたいです。

9時ごろ学校に到着すると、たくさんの在校生が迎えてくれます。この日は同じ集合時間で算数国語理科社会の中から2教科を自由に選択するという入試もあり、受験生は在校生の案内に従って自分の入試の場所に向かっていきます。

在校生からのおもてなし

在校生から渡されるのは、案内の用紙と、直筆メッセージ入りのホッカイロ。緊張している受験生に、心も身体も温かくなってもらおうという配慮が感じられます。

集合時間9時30分、受験生が控室に通され待機しています。集まった受験生にはまずアンケート用紙が配られ、日本語で記入してもらいます。

アンケート用紙の内容は、受験理由、中学生になってやってみたいこと、好きなこと、得意なことについてでした。これらを記入し、それぞれインタビューを待ちます。

学校説明会などでは、「英検3級2次試験のレベル」と説明していたようです。英検は1対1ですが、こちらはネイティブ1人、日本人1人の2対1、少し離れたところに見守る先生が1人、といった形式で進めます。

インタビュー開始!英検とは異なる「引き出す」質問

入室すると、受験票を渡し、座るように促されます。名前、どこから来た、年齢、趣味は何、など簡単なやり取りから、4~5行書かれた英文を渡され、黙読の後、音読、その後その文章に関する質問が1つ聞かれます。ここまでは英検とほぼ同じです。ただ、英検よりもずっと柔らかい雰囲気で、リラックスできるような配慮を感じ取れました。

その後、5枚の絵を渡されます。それぞれmusic、animals、sports、manga、valentineの絵が描かれており、その中から好きなものを1つ選び、30秒の準備時間の後それについて3~4文で自由に話をします。

その後試験官から質問をされます。例えばanimalsを選び獣医になりたい、と言ったとしたら、どうして獣医になりたいと思ったのか、ペットは飼っているか、などの日常会話が行われます。英検では、描かれた絵の内容に関して決まった質問をされるのですが、ここではそういったことはなく、人によって全く異なったパターンになります。

これら一連の流れが、約10分ほどで行われます。中にはインターナショナルスクール出身の子もいて、流暢に長時間自分の考えを述べて、試験官を驚かせた子もいました。

「教え合い」を自然と生ませる環境づくり

英語面接を入試に取り入れている学校は数多くあります。しかしほとんどの学校は、入学後に英語特進クラスのようなものを作り、そこに集めて一歩進んだカリキュラムを組んでいきます。

日大豊山女子では、1学年4クラスで英語特化組は作らず(選抜クラスは1クラスあります)、一般の子たちと共に学習していくスタイルを取っています。その中で、刺激し合ったり、教え合いが生まれたり、といった化学反応を考えてのことだそうです。

確かに、他の学校を見学した際によく感じたのが、英語特化組との壁です。彼らは彼らで固まって英語で会話なんかしていると、そこに一般クラスが入っていくのは非常に難しそうに思います。しかしそうすると得意なものだけを伸ばすことになり、苦手なものの克服には手が回らなくなります。

例えばインターナショナルスクールの子が入ったとしたら、国語や社会が苦手な場合が多いので、英語を教える代わりに、国語を教えてもらう、といった関係性が生まれます。人に教える、というアウトプットをすることで自身の学びをさらに深めることになります。優秀者だけ集めてレベル高いことを一方通行でやるよりも、教え合いによる定着度の方が高いことは実際に証明されています。

またこうして生まれた関係性は、友情を深めることにもつながります。「うちの生徒は、大学に入ってからも、就職してからも、結婚して子供ができてからも集まって仲良くやっている」と広報部主任の我妻先生は言われていました。一生付き合える仲間、それもお互いを刺激し高め合える仲間と出会えるということが何よりも代えがたいものだと思います。

もちろん、英語といつでも触れ合える環境も整っています。ネイティブの先生は5名在籍しており、昼食時にはラウンジで生徒と一緒に食べたり、他教科に顔を出したりして常に関わりをもっているようです。本人に学びたいという気持ちがあれば、望みの環境をいつでも与えられる非常に贅沢な仕組みになっています。

今回受験した生徒たちが入学して、様々な化学反応を起こし、無限の可能性を広げていくことに期待をこめ、この場を後にしました。