1月20日、幕張メッセにて市川中学校の第1回入学試験が実施
首都圏指折りの受験者数を誇る市川中学校では、第1回入学試験を毎年幕張メッセにて行っています。第1回入試には「一般入試」2611(男子:1629名・女子:982名)名、「4科帰国生入試」は69(男子:58名・女子:22名)名、「英語選択入試」には11名(男子:5名・女子:6名)の計2691名もの志望者が集結。それぞれがこれまでのがんばりを発揮すべく臨みました。(取材・撮影/市村幸妙)
電車の中もそれぞれの過ごし方
市川中学校の入試当日の集合時間は8時ですが、第一志望校として同校を目指す受験生はもちろん、前哨戦と位置づけ最初の入試として臨む受験生も多くいます。
6時35分頃、JR西船橋駅の京葉線ホームは、市川中学校第1回入試の入試会場である幕張メッセの最寄り駅・海浜幕張駅行きだったこともあるのか、受験生親子ですでにごった返しています。
大寒ながら昨年に比べれば暖かな朝、あいにく厚い雲がかかっていましたが、その間から真っ赤な朝陽が輝いていました。がんばりを積み重ねて自身の未来を掴み取ろうとしている受験生たちの前途を照らしているように感じました。
電車の中でもプリントや資料集に目を通して、追い込みに余念がない受験生に「〆切前の漫画家さんみたい」と笑いかけるお母さん。知ってか知らずか、ぴったりとお母さんに寄り添う受験生。かと思えば、受験生よりも緊張したような面持ちに見えるお母さんや、思春期にさしかかった娘を静かに温かく見守るお父さん、さらにはひとりで果敢に立ち向かう受験生の姿も。
乗客のおよそ9割は受験生とその保護者ではないかというほど、たくさんの受験生を乗せた電車は定刻の6時50分、海浜幕張駅に到着しました。
光景に圧倒されないよう、いざ会場へ
改札を出たところには、同校の先生方がプラカードを持ち案内役を務めてくれているため迷うことはないので、初めて幕張メッセに行く場合でも安心です。
幕張メッセまでは約10分の道のりですが、人の波が会場まで延々と続くので、通常よりも時間がかかります。
第2のピークは7時20分ごろ。受験生たちはきちんと備えているのか、年々、ピークの時間帯が早まっているような気がします。
何事も慌てないのがいちばん。時間に余裕を持つことで心にゆとりを持って挑みたいものです。
駅から続く通路を通り階段を降りると、幕張メッセが見えてきます。その手前の通路の左右には、一緒に頑張ってきた塾の先生方が花道を作り、ずらりと並び受験生たちをお出迎え。
熱い握手を交わす受験生と塾の先生の様子を保護者が優しく見守っています。
幕張メッセへの会場につながる階段には、在校生たちがご案内を行っています。
市川中学校では、例年中3の有志が様々な場面で入試の手伝いを行いますが、くじ引きをするほどこの役割は大人気。それぞれが「受験生たちを応援したい」という熱い気持ちを持っています。受験生たちはまずこのラッキーな生徒たちと出会うのです。
階段を登りきると、受験生は入試会場である左側の国際展示場へ。保護者とはここで一旦お別れです。「頑張って」、「いつも通りで」、「行ってらっしゃい!」様々な声援が飛び交います。荷物の点検をしたり、終了後の待ち合わせの確認をしたり、イマドキだと感じたのは、記念撮影をする受験生も見られました。
名残惜しそうな様子の親子も見受けられますが、思いの外あっさりと入っていく受験生も。
正面にある幕張イベントホールは9,000人収容の保護者の待機スペースになっており、飲み物や軽食が購入できるスペースもあって、ホッとひと息つくことができます。
来年以降の受験生や昨年入試を経験した在校生が懐かしむように見学に来ていたのも印象的でした。
自ら学び成長する力を養う教育を実践している市川中学校・高等学校。現在、新しい学習指導要領に則り、同校も新たな教育を万全にし、その先を見通すべく取り組んでいます。
今年度から保護者による後援会の会報誌の撮影も行われていました。
在校生たちを学校・教師・保護者が三位一体になり、育んでいる様子がしっかりと見えてきます。
風通しの良い校風は、これからも受験生たちを惹きつけていくことでしょう。
約2,700名分の机が並ぶ様は壮観!
入試会場に入った受験生たちは、手洗いに行ったり、静かに目を閉じて集中力を高めたり、それぞれが試験に備えています。
市川中学校の第1回入試の開始時刻は8時35分。その5分前には着席するように促されます。
8時33分には試験にあたっての注意事項が放送され、耳を澄ます受験生たち。会場の空気が一気に張り詰めます。
オンタイムで幕張メッセ国際展示場イベントホールに一斉に響いたのは解答用紙をめくる音。各自が解答用紙に名前を丁寧に記入し、持てる力をそこにぶつける本番がやってきました。
これほどまでに多くの受験生が一堂に会する様子は、まさしく偉観ということばがふさわしく、一人ひとりのこれまでの頑張りを思うと胸が熱くなります。
なお市川中学校では、体調が優れない、怪我をしてしまったといった受験生のための部屋のほか、猛威を振るっているインフルエンザの受験生のための別室も用意。
残念ながら罹患してしまった受験生は外出禁止でしょうが、治りかけや不安を抱えている受験生は、他の受験生の影響も考えて学校へ相談してみましょう。
同校をはじめとしたすべての受験生たちにとって、悔いのない中学入試となりますことを願っています。