2月1日、平成最後の開成中入試には昨年並みの1,231名の受験生が挑戦！

2019年2月1日（金）、JR山手線「西日暮里駅」ホームからも見える開成中学校には、前年よりもわずか3名少ない1,231名の受験生が出願。

首都圏最難関の私立中･開成中学校の入試に果敢に挑んでいこうとする受験生が、駅から開成の正門に向かっていく姿からは、これまでに努力を重ねて培ってきた自分の力を、この日存分に発揮するために気持ちを入試に向けて集中しながら歩くような、独特の気迫と緊張感が伝わってきます。

開門は7時ですが、受験生の集合時間は8時から8時40分までに「指定された受験室の座席に着席」と募集要項に明記されているためか、7時台の早くから学校に向かう受験生親子の姿はそれほど多くはありません。それでも、前年よりも集まりが早く感じられたのは、やはり事前に雪の予想もあったため、余裕をもって早くに駅に到着した受験生と保護者が多かったからかもしれません。

幸い、事前に心配された前夜からの雪は降らず、晴天に恵まれましたが、それでも一部の交通機関（都営地下鉄浅草線～京浜急行線）にダイヤの乱れがあり、到着が予定より遅れた受験生もいたかもしれません。

7時40分頃には、早く到着した受験生の親子が、続々と駅から開成中校舎側へ陸橋を渡り、体育館脇の坂道を下って、次々と校門を入って行きます。

7時50分～8時5分過ぎくらいに、開成中の校門に向かう受験生親子の数はピークとなりました。駅から開成に向かう歩道～陸橋と、体育館脇の坂道は、多くの受験生親子と進学塾のスタッフ、取材に訪れたマスコミ関係者がびっしりと連なり、さすがに首都圏で最も多くの成績優秀生が集う、最難関校ならではの迫力です。

今年もこの2月1日は平日（金曜日）でしたが、それでも校門脇や道路を挟んだ向かい側の歩道には、おそらくは来年以降に開成の入試を受けようと考えている小学生の親子が数組、見学に訪れています。

例年、受験生の激励に駆けつける多くの進学塾の先生やスタッフは、7時の開門の前に午前6時50分に各塾の代表者による抽選を行ったうえで入場させる形をとるなど、近隣の人々への配慮を兼ねて、混乱なく受験生が入場できるような気配りがされています。

校門を入ると、塾の先生、スタッフが並ぶ体育館と事務室を挟む通路を真っ直ぐに進み、高校校舎の手前で付き添いの保護者と別れ、受験生は一人で試験会場となる校舎に向かっていきます。その背中を見守る保護者の目には、祈るような思いが込められています。

やがて8時15分を過ぎると、早くも校門をくぐる受験生の姿はまばらになり、いよいよ試験開始が近づいてきます。

わが子を見送った保護者は、そのまま左手の通用口から脇道に出て、いったん帰路につくか、もしくは保護者控え室となっている、高校校舎の裏手にある中学校舎の中講堂･視聴覚室へと向かっていきます。

すでに8時20分頃には、保護者控室の中講堂の座席は、わが子を無事に試験会場に送り届けて休息を取る保護者でほぼ満席になっていた様子です。1階手前に設けられた別室の視聴覚室も多くの保護者で埋まっていたと聞きました。

この保護者控え室も例年、他の私学とはまた違った一種独特な緊張感と、ぴんと張り詰めた静けさに包まれています。いずれもわが子のこれまでの努力と開成という志望校の入試の厳しさを知っている保護者が、その激戦のなかで、わが子が十分に力を発揮できるよう、最後の祈りを込めているからなのでしょう。

男子の受験生にとって、首都圏の私立中学入試では最難関に位置する開成中の今日の入試に挑むために、どれほど多くの受験生が努力を重ね、多くの保護者が全力でわが子を支えてきたのでしょうか。

試験開始予定は9:00から。国語、算数、理科の順で、間に25分ずつの休憩をはさんで3科目が行われ、12:20から13:10まで50分間のお昼休みの後に、社会の試験が行われて終了します。

昨年は、この日の朝の電車の遅れにより、本日の試験開始は30分遅らせた9時30分からになったということですが、今年は予定通りに行われたのではないかと思われます。いずれにしても、万全の準備を重ねてきた開成中受験生は、しっかりと集中力を保って、最後まで精一杯、力を発揮してくれることとでしょう。

これまで人一倍の努力を重ねてきたすべての受験生が、今日の入試で堂々と入試問題と向き合い、持てる力を十分に発揮できるよう祈るばかりです。