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宝仙学園理数インターの新入試「理数インター」の面白さ《その2》

2月1日午後に実施された宝仙学園共学部理数インターの新入試「理数インター」の様子《その2》です。

今春2018年入試から宝仙学園共学部理数インター〈東京・中野区。共学校〉が導入した新入試「理数インター」。2月1日(木)の午後に実施された、この新入試『理数インター』の第1回の様子を特別に取材させていただくことができました。《その2》

Activity 2……「かけあわせて便利な物を創ろう!」

「Activity 2」を紹介したモニターの表示には、「かけあわせて便利な物を創ろう!」と示されています。

中央のテーブルの上には、二つの箱が置かれ、このなかには、モニターに紹介された①メガネ、②ハブラシ、③カサ、④テーブル、⑤サイフ、⑥ゴミ箱、⑦ペン、⑧くつ、⑨時計、⓪カバンという品物に対応した番号が記された玉が入っています。

AとBの箱から、グループごとにそれぞれ一つずつ玉を取り出すと、各グループで、その番号の二つの品物を組み合わせて、「こんな物が世の中にあると便利!」と思える新しい商品を、仲間と話し合って開発するというアクティビティーです。

「少しハードルが上がったかな?」とも思えるルールですが、すでにグループの仲間同士、すっかり緊張もほぐれて話し合うことに慣れた受験生は、盛んに意見を交わしていきます。

グループ内でアイディアがだいたい固まると、その新たな商品を絵に描いて、説明やセールスポイントも簡単に付記して、まとまったグループから発表(プレゼンテーション)していくという手順なのですが、絵を描きながらも、また誰かから新しいアイディアが出されると、その考えを加えて、商品を進化させていきます。

「人の考えを聞く」→「自分の考えを伝える」

二つめのアクティビティーが進んでいくこの頃には、「人の考えを聞く」ときの受け入れる姿勢や、「自分の考えを伝える」ときの、表現の姿勢が、ある程度自然にできるようになっています。

この間、教室内はとても和やかで和気藹々の雰囲気に包まれていましたが、他のグループの発表には、全員がとても真剣な表情で注目しています。

同じグループではなくても、誰かが自分の考えや意見を言うときや、他のグループが発表するときには、その話をしっかり聞き、話し終わると笑顔で拍手を贈るという流れができていました。

もちろん、ファシリテータの先生方も一緒に拍手を送り、ひとつずつ丁寧なコメントや質問を投げかけて、場の雰囲気をさらに盛り立てます。

開発した新商品のアイディアやセールスポイントをプレゼン!

そのなかで、それぞれのアイディアや開発した商品のセールスポイントを発表する各グループの受験生の表情には、自信や余裕も感じられるようになりました。なかにはユーモアを交えて、笑いをとりながら発表をする受験生もいます。

そうした発表の時間帯には、人の話を聞くことで、また何か新しい〝気づき‟を得たのか、自分たちのグループが発表するための絵を、さらに進化させる姿も見られました。

それぞれのグループの発表(プレゼンテーション)が済むと、試験時間も終わりに近づいてきました。

「まとめ」の時間にも各自の考えをシェア

最後には「まとめ」の時間が設けられています。受験生1人ひとりに配布された、「『コラボレーションパターン』イメージ一覧」というシートに、今回の新入試『理数インター』を経験したなかで、自分が気づいて実践することができたり、良かったと思うパターンのイラストを丸印で囲みます。

そしてまた、仲間同士の考えをグループのなかで共有するために感じたことを話し合い、さらにはグループでまとめた意見を、各グループを代表する受験生が、教室内の受験生と先生方全員に向けてシェアします。

この段階まで来ると、それぞれのグループの受験生が発表し終えると、自然に笑顔が広がり、拍手が沸き上がる空気が教室内にできあがっています。

入試で「新しい学び」を経験した充実感や満足感が!

ここまでで、この新入試『理数インター』の時間は終了です。終了予定の16時45分を少し過ぎ、時刻は17時に近づいていました。

おそらくはこの日の午前にも、同じ宝仙学園理数インターの午前の入試や、あるいは他の私立中の入試を受けて、午後にこの新入試『理数インター』にチャレンジしにきた受験生がほとんどと思われます。

そして、14時45分から15時30分(45分間)の「日本語リスニング入試」を受け、その後15時45分からこの教科『理数インター』におよそ1時間参加した受験生。

きっと、そうした疲れもあったことと思いますが、それぞれの受験生の表情からは、1日入試に挑んできた疲れではなく、同じく宝仙学園理数インターに魅力を感じ、新入試『理数インター』に参加した仲間たちと一緒に、この1時間の「新しい学び」を経験したことでの充実感や満足感が感じられたことが印象的でした。

午後の入試が始まると、体育館では保護者に向けてのお話が…。

この新入試『理数インター』が開始される前、2月1日の午後の受験生が、14時30分までに集合し、それぞれの試験会場に誘導されて行った後に、保護者控室となった体育館では、富士晴英校長による挨拶と、わが子が中学受験に挑んでいる保護者への温かなメッセージや、入試を終えたわが子への声かけのアドバイスなどが伝えられました。

それに続いて、宝仙学園共学部理数インターの男女中学生の有志が、舞台上から保護者に向けて、中学入学後の感想や入試体験を伝える時間も設けられていました。

在校生も先生方も楽しみに見守る新たな入試!

富士先生の質問に沿って、それぞれの中学受験~入学後の感想などが話されるなかで、入試の手伝いで有志で来ていた在校生が、「実は自分は今日これから行われる新しい入試『理数インター』を見学したくて、先生にもお願いしたんです!」と話してくれました。

自分たちも授業で経験している新教科『理数インター』の時間に、まだ小学校6年生である受験生がどのように反応するのか、それに興味があったといいます。

実は新入試『理数インター』が行われている時間帯にも、試験教室であるICT1教室に代わる代わる他の先生方もやってきて、教室の隅やガラス貼りで室内が見える廊下の窓から、アクティビティーにチャレンジする受験生の様子を興味深そうに覗いていました。

こんなふうに、直接はこの入試に関わらない先生方からも、在校生からも大いに関心を寄せられた新入試『理数インター』。これが宝仙学園共学部理数インターの「新しい学び」を象徴するものであり、なおかつ年々、入試を多様化することで「新しい受験生との出会い」の機会を増やしている同校の「ウェルカム精神」の表れでもあるに違いありません。

こうして年々進化する宝仙学園共学部理数インターが、また来年はどのような入試を新設してくれるのか、とても楽しみになりました。