聖セシリア女子が2/1PM「グループワーク型入試」を実施!
神奈川県・東京都で一斉に入試が解禁となった2月1日、聖セシリア女子中学校では、午前中に一次試験(A方式・4科または2科)を実施。続いて午後には注目のB方式「グループワーク型 読解・表現入試」が今年度2018年度入試より新設されました。(取材・撮影・文/市村幸妙)
温かで堅実な校風が魅力の聖セシリア女子がグループワーク型入試...
神奈川県・東京都で一斉に入試がスタートした2月1日。
聖セシリア女子中学校では、午前中に一次試験(A方式・4科または2科)を実施。続いて午後には注目のB方式「グループワーク型 読解・表現入試」が今年度2018年度入試より新設されました。
特にグループワークは、神奈川県立中等教育学校の入試に対応した形となっており、受検生たちから多くの熱視線を送られるものとなりました。
温かな出迎えは校風の表れ
午後になり、あいにくの空模様ではありましたが、最寄りの小田急小田原線の「南林間駅」及び東急田園都市線ほか「中央林間駅」から、聖セシリア女子に向かう受験生たちは傘をさしながらもみんなとても元気。
駅では先生方が案内板を持って誘導してくれていますし、電信柱にも案内が表示されているので、より安心して向かえたことでしょう。
豊富な緑がしっとりと濡れた校内へ足を踏み入れると進路の決まった高3生が「こんにちは〜!」とにこやかに受験生親子を出迎えてくれます。
試験会場がわかる看板もたくさん置かれていて、受験生に対する学校の優しさと歓迎の気持ちが随所にあふれていました。
集合は14時30分ですが、14時すぎにはほとんどの受験生が揃いました。
受験生・保護者の控室となったアリーナは、12時から開放されています。午前中、同校のA方式を受けた受験生10人ほどがB方式と併願しているため、お弁当などをいただきながら待機していたそうです。
温かな麦茶が用意され、しっかりと暖められた空間は、受験生親子の心も温め、ほぐしてくれたことでしょう。
受験率ほぼ100パーセント!
初の試みであるこの入試に臨んだのは、出願者48人のうち47人の受験生です。
実はこのおよそ2週間前、1月13日(土)に「グループワーク型入試体験」を実施した聖セシリア女子。この体験を受けたうちの7割ほど、約30人の受験生が実際に出願しました。
近隣の神奈川県立相模原中等教育学校をはじめとした、神奈川県立中等教育学校の受検への力試しだったとしても、出願者ほぼ全員が元気に入試を受けに来たことは、先生方にとって喜ぶべきことに違いありません。
集合時間の14時30分きっかりにチャイムが鳴って始まった試験の説明の冒頭では、まず受験生の体調や状況を気遣う先生のことばが印象的でした。
同時に「ご健闘をお祈りいたします。一緒に頑張りましょう!」というひと言に力をもらった受験生は多かったのではないでしょうか。
その後、先生方や高3の在校生の誘導により、受験生のみ試験会場である教室へと移動します。松葉杖をついている受験生には、先輩が優しくサポートに入っていました。
なお、保護者が待機するアリーナでは、学校生活が垣間見えるVTRが流されており、保護者たちは熱心に見入っていました。
深い集中と熱を帯びる試験会場
試験会場である教室へ入ると、先生から試験に関する注意事項ののち、「時間まで気持ちを楽にしていてください」という、さりげないひと言が添えられます。
ここからもまた同校の受験生への思いやりを感じられましたが、受験生たちは背筋をピンと伸ばして、臨戦態勢にあるようです。
14時40分に問題・回答用紙が配られ、14時45分の試験開始時刻には再度チャイムが鳴り響きます。
まずは30分間、聖セシリア女子のアドミッションポリシーが詰まった筆記試験「読解・表現」に臨む受験生たち。みんな、一心不乱に鉛筆を動かします。一人ひとりがしっかりと集中している様が見て取れます。
お手伝いをしていた在校生たちが興味津々といった様子で、教室の外から見守っていました。学校が一丸となって受験生たちを応援している様子がひしひしと伝わってきます。
「読解・表現」の試験が終了すると、まずグループワーク型入試のための座席番号などを記したカードが配布され、実施教室へと移動します。
1部屋に8人ずつの2グループが組めるように配置された、「グループワーク型入試」の会場は全3教室。
番号が記されたシールを左胸に貼ったら、これで他のメンバーとのコミュニケーションもバッチリです。
「グループワーク型入試」は15時35分からの40分間です。
まずは問題文を読み、5分間で自分の考えを理由と共にまとめます。その間、静寂に包まれた会場に鉛筆の音だけが響きます。
終了の掛け声と共に先生の合図で8人が机をくっつけたら、グループでの話し合いが開始。
例えば司会進行係や書記係などの役割分担をする受験生が自然発生的に出てきたり、それらに対して「ありがとうございました!」、「よろしくお願いします」など、みんな礼儀正しく挨拶をし合う姿に記者はびっくり。
さらに驚かされたのは、その課題の内容や意見が深くて難しいと感じるものだったことです。
「幸せな人生」を送るために大切だと思うものを、健康や愛、名誉、信仰、財産、努力、学歴、友達などの多岐にわたる項目からそれぞれが選び出し、受験生たちは理路整然と発表していきます。
各自の意見をもとに意見交換が行われます。メンバーの目を見ながらにこやかに発表する受験生、積極的に手を挙げてハキハキと意見を伝えていた受験生。しっかりと人の意見も取り入れながら、さらに提案を重ねていく姿に、大人である我々よりも堂々とした姿勢を感じました。
ある班は活発な議論が行われていたり、とある班の熱のこもった話しぶりには、見ているほうも思わず引き込まれてしまい、感心しかりです。
「幸せを具体的に言い換えると、生きがいと言えるのではないでしょうか」とプレゼンを始める受験生。さらに他のメンバーは結婚観について語ったり、自身の体験をもとに友達との関係性に言及してみたり。
なかでも多く聞かれたのが、受験を通して改めて感じたり気づいた家族への感謝や安心感、だからこそ大切であるという思いです。
それぞれがしっかりと自分の意見を伝えることができたでしょうか。
終了後すっきりとした面持ちで保護者の元へ戻った受験生たちですが、合流した時のホッとした表情はやはり小学生らしい、チャーミングなものでした。
神奈川県立中等教育学校を受検する受験生が多いと思いますが、この子たちが聖セシリア女子中学へ入学した暁には、より充実した学校生活が待っているのではないかと思います。
試験当日の21時30分には、まずインターネットで合格発表が行われました。オンラインの向こうには一喜一憂する姿もあったかもしれません。
いずれにしても自分の力を懸命に発揮した受験生たち。
春には素晴らしい中学校生活が待っていることでしょう。