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コラム

女子バスケ奥山理々嘉選手。「学校から世界へ」インタビュー④

~将来について~(4/4)

「学校から世界へ」第2回アスリートは、昨年末に行われたウインターカップで、女子の1試合最多得点記録となる62得点をあげて、注目を集めた八雲学園高校の奥山理々嘉(おくやま・りりか)選手です。部活や学校生活を通じて得た貴重な経験など多くのお話を伺いました。
【取材日:2018年1月26日】(文:金子裕美 写真:永田雅裕)

日本代表として

--高1から上の世代が中心のU-17日本代表メンバーに選ばれて、海外のチームと対戦する機会が増えていますね。

奥山さん この3月からU-18日本代表チームの活動が始まります。今度は自分の代です。これまではチーム最年少でしたが、今度は自分が引っ張る立場なので、先頭に立って練習しなければいけないと思っています。

--日の丸をつけて戦う気持ちはいかがですか。

奥山さん 小さい頃から、世代別国際大会の試合がアップされているYouTubeを見ていて、自分も日本代表として世界を相手に試合をしてみたいと思っていたので、日の丸のついたユニフォームを着てコートに立つことができた時はすごく嬉しかったです。自分が一番試合を経験させてもらっているので、先生方が「奥山、わかるよね」と言ってくださいます。海外チームの話をする時も、「どうだった?」と聞かれて、話す機会を与えてくださるので、経験をしっかり生かさなければいけないと思っています。

--どのような経験をしましたか。

奥山さん U-17世界選手権では6試合のうち3試合をベンチで見守りました。下級生なので試合に出られないかもしれないという覚悟はしていましたが、ベンチから試合を見守るのは初めてだったので本当に悔しかったです。自分が出られたとしても、チームの力になれたかどうかはわかりませんが、コートに立つためにできることをしなければいけないと思いました。試合に出られなかった日の昼間に、自分から「走りに行っていいですか」と聞きました。アシスタントコーチの先生が「俺も行くよ」と言ってくださり、一緒に走りました。その時に「奥山はまだ下級生だから、きっとチャンスがある。その時が巡ってくると信じて準備をしておくことが大事なんだぞ」と言ってくださいました。自分にも「ここで終われない」という気持ちがあったので、試合に出られない理由を考え、自分なりに目標を立てて毎日の練習に臨みました。その結果、残りの3試合に出ることができ、そこで自分の力を発揮することができたので、あきらめずに頑張ってよかったと思っています。アドバイスをくださった先生にも感謝しています。

--次の招集が楽しみですね。

奥山さん 今年は6月にU-18アジア選手権があります。そこで優勝すると、来年の世界選手権に出られるので頑張らなければいけません。

--八雲学園は英語教育に力を入れていますが、これからますます役に立つ機会があるのでは?

奥山さん そうですね。ネイティブの先生とお話する授業がありますし、少しでも英語に触れていたいと思って選択科目でも英語を取っています。

--海外遠征で英語を使ったことは?

奥山さん 少しだけあります(笑)。買い物をする時に値段を聞いたり、ホテルの人とのやりとりをしたりする時に使いました。「タオルがほしい」と言うと「何枚?」と聞かれたので「○枚お願いします」と言ったり、「Wi-Fiの使い方がわかりません。使い方を教えてください」と言ったり。かたことの英語でも使ってみようという気持ちになれたのは、日頃からネイティブの先生と接しているからだと思います。単語を並べると案外通じることもわかって、英語で話すことが楽しくなっています。どう言えばいいかなと思った時に単語が思い浮かばないと話にならないので、英語の勉強をさらに頑張ろうと思いました。

今後の目標は?

--改めて、今後の目標を教えてください。

奥山さん まずは日本一ですね。毎日があっという間で、高校生活もラストイヤーです。悔いのないように過ごして最後(ウインターカップ)は笑顔で締めくくりたいです。自分がもっともっと上手になって、チームを日本一に導ける選手にならなければいけないと思っています。

将来的には2020年に東京オリンピックがあるので、その時に日本代表としてコートに立ちたいという思いがあります。今は4番、5番というゴール下のポジションをやっていますが、将来は3番のポジションでオールラウンドにプレーすることが目標です。そのためにはスリーポイントシュートや走って攻める力が必要です。今の八雲学園のバスケットボールが生きるポジションなので、毎日の練習を大切に力をつけて夢をかなえたいと思っています。

--高校卒業後は大学でプレーする予定ですか。

奥山さん できればWJBL(バスケットボール女子日本リーグ)でプレーしたいと思っています。

--日本代表としてオリンピックのコートに立つことは、もはや夢ではなく、目標なのですね。

奥山さん ウインターカップで1試合最高得点を記録したり、ベスト4に入れたりしたことで少し自信がつきました。周囲の人たちが「まだ2年生なのにすごいね」と言ってくださいますが、まだまだ足りないものがたくさんあるので、謙虚な気持ちを忘れずに上手になっていきたいと思っています。

【高木先生談】日本代表として活躍できる選手に成長してほしい。

本校はアメリカのサンタバーバラに八雲レジデンスという宿泊施設を持っています。その施設を活用し、バスケットボール部では3年に1回、アメリカ遠征を行っています。直近では2017年3月に行きました。奥山の代が入学する直前だったので、中学校の卒業式が終わっている子は連れていきました。UCSB(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)の高校選抜チームやサンタバーバラのオールスターチームなどと試合をした経験は、その後のカナダ遠征や世界選手権でも役に立ったのではないかと思います。将来はWNBA(アメリカの女子プロバスケットボールリーグ)でプレーしたいという夢もあるようです。そうなればグローバル教育に力を入れている本校での学びが力になるはずです。長年、バスケットボールを指導してきましたが、こんなにいい子はなかなかいません。日本代表になれる素質を備えているので、大きく育つことを願っています。

奥山家の絆を感じる名前の由来

兄(喜理人さん)も私も父母の名前から一文字ずつもらいました。父からは「喜」、母からは「理」です。私は2番目の子どもなので「理」を重ねて、さらに「家族が加わってうれしいね」ということで父の「喜」という字の下に「加」がついた「嘉」をつけて理々嘉という名前にしたと聞いています。