【聖和学院高等学校】先進的な英語教育とアットホームな環境で、自信と自己肯定感を高められる!
聖和学院〈神奈川県・逗子市。女子校〉は、英語の大切さにいち早く注目していた同学院の創立者・武藤功により、1942(昭和17)年に、緑豊かな逗子の地に聖和学院の前身である湘南女学塾として創設されました。常に時代を見据えて最先端の学びを取り入れてきた同校の教育は、将来の社会で“より良く生きる”ことのできる力を育ててくれる“珠玉の教育”と再評価されています。
my SPECIAL ONE(2024年8月発行)
首都圏模試センターが発行する『my SPECIAL ONE』のコンセプトは、キミの“スペシャル”になる学校がきっと見つかる、じっくり知る、じっくり選べる高校受験情報誌です。高校受験において、受験する学校を割り振られてしまう現在の進路指導(入試システム)のもとでは、自分にとってベストの選択肢を探しにくい状況が生まれているのが現状です。先進的でユニークな“ 希望の私立中学校・高等学校 ”の存在を、本誌では多くの高校受験生と保護者にお伝えしたいと思います。今回の記事についても、この情報誌と連携しております。ぜひ、ご期待ください。
(写真)『my SPECIAL ONE』2023年版表紙
私立中高のなかでも出色の英語教育の伝統と成果
聖和学院の創立者・武藤功は、当時唯一の女子大学であった日本女子大学を卒業し、何と25歳の若さで、この風光明媚な逗子の地に、湘南女学塾を創設しました。1978(昭和53)年にロンドンで開催された第21回世界教育者会議に日本人でただ一人参加。当時イギリスの教育科学大臣で、のちに長く英国首相を務めたマーガレット・サッチャー女史と懇談し、生涯にわたり親交が続きました。このことが、1987(昭和62年)に県内初の高等学校英語科が設置され、現在まで県内唯一の英語科として営々と受け継がれてきた、聖和学院の英語教育の伝統につながっていきます。
その伝統が、数ある私学のなかでも高い評価を受けている聖和学院の英語教育のノウハウを形作っています。
同校の校訓は、キリスト教を土台にした「温順・勤勉・愛」。自己肯定感や隣人愛など、時代が変わっても変わらない人として大切なことを学ぶことと、この英語教育やICT教育についても、常に時代を見据えて最先端の学びを積極的に取り入れるという同校の教育姿勢が、いまも聖和学院の教育のあらゆる側面に反映されています。
常に最先端の手法で 英語を楽しく学び、 自己効力感を高める!
今回の取材では、そうした聖和学院の英語教育を象徴する、高校2年生英語科クラスの英語授業を見せていただきました。
担当する古山(こやま)みゆき先生は、同校で20年にわたって英語の教鞭をとってきたベテランの先生で、聖和学院のほか、東京理科大学や青山学院大学でも英語の授業を受け持ってきました。
聖和学院の英語科の授業では現在、英国のケンブリッジ大学出版局が発行する『EVOLVE』という、「生徒が自信をもって会話できるように」を目的としたスピーキングに重点を置いた4技能教材をテキストとして使用。かつては、私立中高一貫校の多くで使われていた『プログレス・イン・イングリッシュ』を使っていましたが、その英語授業も、いまはさらにブラッシュアップしています。
古山先生いわく「ケンブリッジのテキストはレベル分けされているのが良いところです。聖和学院では、中3からケンブリッジを使っていますが、高2では『EVOLVE』2まで使います」とのこと。また、文語(書き言葉)の英語と口頭(話し言葉)の英語の違いや、時代に即して、新たな和製英語などが更新されているところも「現代の生徒が英語を学ぶのにもフィットすると思います」と古山先生。
楽しく学び合う、ハイレベルな英語の授業
さらに古山先生は、このケンブリッジの英語教材について、「課題やビデオ動画などもテキストに合わせて活用できるので、生徒に共有しておけば、自分のスマホでも学習できます。コロナ禍のときにもそうでしたが、オンラインの授業と対面の授業とを使い分けて、両面で英語を学べるところも使い勝手が良く、授業中の対話の時短にもなり、授業をリズミカルに進めて、なおかつ生徒が英語での対話と読解、リスニングに集中できるところが良いと考えています」と言います。
何より古山先生が大切にしていることは、「生徒が英語を楽しく学ぶこと」です。だからでしょうか? リズミカルでテンポの速い古山先生の質問や投げかけに生徒は集中しながらも、分からないところは隣の友達に聞いたり、互いに教え合ったりしながら、授業に取り組んでいます。「楽しく学ばないと、英語力も上達しないですよね! また、学び合うことも大事です。たとえば私自身も英語が母国語ではありませんから、大学生相手の授業で間違うことも時にあります。そうすると、海外からの留学生がその間違いを指摘してくれます。これで、私も他の日本人の学生にとっても気づきと学びができるんですね」と古山先生。
教え合い、学び合い、そして楽しく英語力を高めていくことができる聖和学院の英語教育。それが数ある私立中高のなかでも出色の成果を出している同校の生徒たちの成長の秘訣のようです。
聖和学院高校英語科の生徒さんに話を聞く!
そして今回の取材では、先の古山先生の授業を受けていた高校2年生英語科クラスの6人の生徒さんにお話を聞かせていただきました。
集まってくれたのは、写真向かって左から順に、M·Yさん、H·Tさん、K·Tさん、R·Hさん、M·Iさん、A·Yさんの6人。このうちM·Iさんは中学から入学した中高一貫生ですが、ほかの5人は皆さん、高校受験で高校英語科に合格~入学した生徒さんです。
写真向かって左側のK·Tさん、H·Tさんはともに、英語が好きで、英語力を伸ばして、将来はその力をいかした仕事に就きたいとのことでした、M·Yさんも英語や外国語が好きで同校を選びましたが、とくに読書が好きで、将来は日本と海外をつなぐ仕事がしてみたいと話してくれました。
右側のR·Hさんは、お父様がアメリカ人で、「みんなとは逆で、英語は話せたけど、日本語やプログラミングなど、色々なことを学びたかった」から同校を選んだそうです。A·Yさんも「英語は好きでしたが、それ以外の様々なことを学びたかった」と言います。お一人だけ中学から入学したM·Iさんも、中学受験で聖和学院だけを選んで受験したそうで、やはり英語は好きだったと言います。
聖和学院に入学して感じた、 同校での学びの楽しさと魅力!
土曜日の午前中の授業と授業の合間の10分間の休み時間に3回、慌ただしく時間を割いてお話を聞かせてくれた6人の生徒さんでしたが、聖和学院の教育目標のひとつに掲げられている「質問力・受容力・コミュニケーション力」を培ってきた成果の表れか、いずれも真っ直ぐにこちらの目を見て、明るい表情で質問に答えてくれました。
聖和学院に入学して、これまでの学校生活で楽しいと感じたことや、聖和学院の魅力をそれぞれに聞くと、「英語の授業では難しい問題があっても、友達と話し合いながら考えられること」、「勉強は忙しくても、コンピュータルームでの学習や、先生方の親切で面白い授業を受けられる、その両面が魅力」、「英語だけではなく、国語の授業も楽しい」、「世界史などでiPadを使った授業が面白い」、「キリスト教主義と少人数教育であること」など、それぞれの感じ方を聞かせてくれました。
中学から入学したM·Iさんは、中学時代の英語の授業の教科書は最初(検定教科書のなかでもレベルが高いといわれる)『ニュー・トレジャー』を使っていましたが、中3からは先に紹介したケンブリッジのテキストが授業で使われていたとのことで、「さらに難しく感じませんでしたか?」というこちらの質問に、「集中しないとついていくのは大変ですが、それが面白さでもあります。とくにいま高2のテキストは物語調につくられていて、口語と文語の違いなども学べるところが楽しいです」と、先の古山先生も語っていた、このテキストの特色にも触れてくれました。
高校入学前に一時、アメリカン・スクールに通っていたというR·Hさんは、聖和学院の英語の授業について、「文法などは、この学校の方がしっかり身に着けられると感じています。アメリカの学校は、もっとアバウトだったような…(笑)」と教えてくれました。
高い英語力を自信に、 自己肯定感と自己効力感を高められる!
聖和学院の生徒さんたちは、各教科の授業や、企業とのパートナーシップ、地域での防災活動やボランティア、学外での様々なコンテストやプレゼンテーションなどの体験を通して、学力の向上はもちろん、コミュニケーションや協働体験でも成果を上げてきたことで、「自分たちは、やればできる!」という、自己効力感と自己効力感をともに高めていることが確かに感じられます。
とくに、私立中高のなかでも最先端といえる英語の授業や、英語を活用する多彩な(イングリッシュ・キャンプや入学時オリエンテーションなど)体験を通して、英語力を飛躍的に高め、それを自信やバネにして、将来の進路目標や職業選択への夢を膨らませています。今回お話を聞かせてくれた6人の生徒さんはいずれも、何らかの形で「社会に貢献したい」という意味の言葉を聞かせてくれたことが、非常に頼もしく感じられました。
「皆さん部活動は何をしているのですか?」という質問に対して、「茶道とESSと幼児研究とパソコンと卓球」(A·Yさん)、「幼児研究部と卓球」(M·Iさん)、「バドミントン部」(R·Hさん)、「ESSと合唱」(K·Tさん)、「放送と幼児研究とバドミントン部」(M·Yさん)など、複数を部活を掛け持ちする人も多い一方で、「自分は部活には入らずに、自宅で語学の勉強をする時間をつくっています」(H·Tさん)など、それぞれの趣味や好きな事、目標などに向けて、日々の学校生活を謳歌している様子を聞かせてくれました。
こうして同じ英語科クラスの仲間はもちろん、同学年の生徒たちと、趣味や部活は違ったとしても、「互いに認め合い」「ともに自己肯定感を高める」ことができる空気が自然と受け継がれていることも、聖和学院の大きな魅力なのでしょう。先輩の進路や活躍も、聖和学院生の成長のバネになっているのです。
2024年3月卒業生にはICU(国際基督教大学)進学者も!
取材にお訪ねしたこの日、ちょうど今年2024年3月に聖和学院を卒業し、ICU(国際基督教大学)に進学したOGの入江奈都美さんが、母校に顔を見せに来てくれていました。入江さんは、聖和学院中高と隣接する聖和学院幼稚園の出身で、在園中に中高生のお姉さんたちが親切に自分たち幼児と接してくれたことや、クリスマス音楽会で活躍する姿などが思い出に残っていて、また中学受験時に聖和学院を選んで合格~入学した中高一貫生だそうです。
ご実家が東逗子にあるため、現在は大学近くで一人暮らしをしているそうですが、時間のとれるときは、ご実家への帰省を兼ねて、大好きな母校に遊びに来ているとか…。しかし、この日は、この後の学校行事の際の礼儀作法など、在校生にアドバイスする役割も先生から依頼されているとか…。
入江さんに少しだけお話を聞くと、「大学(ICU)での授業や勉強はかなり忙しいですが、それでも大学生活を楽しんでいます」と笑顔で話してくれました。多くの授業が英語をベースに行われ、海外からの留学生も多いICUですが、さらに選択授業で、英語と哲学と音楽の授業も選んでいるそうです。「いまは哲学が面白いと感じています。あらためて生き方を考えさせられる機会というか…」と入江さん。ご自身も将来は「国際社会に貢献したい!」ときっぱり答えてくれました。
写真は、聖和学院で長く事務長を務め、幼稚園時代から中高生時代の入江さんを知る武藤薫子先生とご一緒に、同校自慢の学習スペース「SEIWAコモンズ」で並んで撮らせていただいたものです。
「この逗子の母校に帰ってくるとホッとします。やはり都会の空気とは違いますね…」と感じるという入江さん。この自然に恵まれた環境も、聖和学院の教育の大きな魅力ということができるでしょう。
今後に注目したい日本女子大学との教育提携
私学ならではの伝統やつながりといえば、先にご紹介した英語の古山みゆき先生と、事務長の武藤薫子先生は、日本女子大学附属中高からの同級生とのこと。そのご縁に加えて、古山先生が聖和学院で英語授業を担当するようになった当時から、英語の学習システムやコンピューター環境は、時代の最先端の設備を導入していたという同校。「その最新の設備にも、ここで英語の授業をしてみたい!」という魅力を感じました。と古山先生は当時を振り返って言います。
そうした私立学校どうしのご縁からか、やはり互いに似た教育理念や目標を掲げていた日本女子大学と聖和学院中学校・高等学校は、2023年に教育提携を結びました。首都圏の女子大学のなかでは、お茶の水女子大学に次いで入試の難易度も高い日本女子大学への推薦権も得られました。それ以前から指定校推薦で日本女子大学にも毎年数名が進学していた聖和学院ですが、この教育提携によって、在校生と保護者の間では、さらに「日本女子大学人気」が高まっているといいます。
いま大学入試では年々、一般入試から徐々に、いわゆる「年内入試」と呼ばれる推薦・総合型入試での大学進学者の比率が増えていますが、聖和学院の卒業生にもそうした傾向が高まり、一般入試で他の難関大学を受ける生徒が、今春2024年には少し減少してしまったといいます。しかし、将来の職業選択までをしっかり見据えて、第1志望の大学を受験しての合格率は相変わらずの高さで、それこそが聖和学院の教育の面目躍如という見方もできるはずです。
日本女子大学と聖和学院という、この「女子教育の最先端」を行くふたつの私学の今後の教育提携のさらなる進展と今後の成果にも、大いに注目したいと思います。