第13回全日本高校模擬国連大会開催
2019 年11月16日と17日の二日間、全国から、書類選考を通過した86チーム172名の高校生が参加した第13回全日本高校模擬国連が、東京ビッグサイト(江東区)にて開催されました。今年の議題は「死刑モラトリアム(Moratorium on the use of death penalty)」。
審査の結果、8校が国際大会への派遣の切符を手に入れました。
全国から86チーム172名が参加
2019年11月16日と17日の二日間、全国から、書類選考を通過した86チーム172名の高校生が参加して、第13回全日本高校模擬国連が開催されました。国内の模擬国連活動の中でも最高峰と称されるこの大会は、日本の模擬国連活動を牽引してきた「グローバル・クラスルーム日本委員会」が主催。公益財団法人ユネスコ・アジア文化センターとの共催です。
例年は国連大学(渋谷区)の会議室で行われてきましたが、今年は東京ビッグサイト(江東区)での開催となりました。議題「死刑モラトリアム(Moratorium on the use of death penrlty)」を巡り、二つの議場で白熱した議論が繰り広げられました。
模擬国連とは
模擬国連とは、2人1組のチームで、ある国の大使として模擬国連会議に参加し、課題解決の議論、交渉を行うもの。「全日本高校模擬国連大会」では、これまで、児童労働、食料安全、移民、サイバーセキュリティなどの国際問題を議題として討論されてきました。
会議までの参加の流れは、
・議題発表(6月)
・書類選考課題発表(7月)
・書類選考応募、選考(9月)
・書類選考結果発表(10月)
となっており、参加が決まったチームは、11月の開催当日まで、参加の準備を入念に進めて会議に臨みます。担当国が決まってからその国について理解することはもちろん、議題(国際問題)を理解すること、その国の立場で政策を考えることなど、会議当日までの過程も、大変重要です。
そこでは、調査、分析、戦略、協働、発信の力が必要。議場では、英語で意見を簡潔に述べる力も求められます。模擬国連は、一連の活動をとおして、課題解決への努力、リサーチの重要性、話し合いの大切さを学ぶことが魅力でもあり、参加をきっかけに進路を考える経験者も少なくないようです。
中高生、教育関係者向けのプログラムを企画
今年は、模擬国連への理解・関心を高めるため、中高生、教育関係者向けのプログラムも用意されました。
初心者の中高生向け【模擬国連体験企画「MOGIMOGI」】、中高生向け【模擬国連OBOG座談会&全日本大会見学ツアー】、教員・教育関係者向け【教育プログラム“模擬国連”の可能性~教員交流会~】です。
「いつかは自分もモギコッカー」と思っている多くの中高生や、教育プログラムとして関心をお持ちの先生方が参加し、本会議同様に盛り上がったようです。
桐蔭学園中等、駒場東邦はじめ8チームをニューヨークへ派遣
審査は、「政策立案」と「会議行動」を総合的に評価。今年は、次の通り各賞が決定しました。受賞した8チーム16名の高校生が、来年5月にニューヨークで開催される「高校模擬国連国際大会」に日本代表団として派遣されます。
■会議A
最優秀賞:桐蔭学園中等教育学校A(オーストラリア大使)
優秀賞:海城中学高等学校A(チリ大使)
優秀賞:大妻高等学校(ケニア大使)
地域特別賞:札幌日本大学高等学校(アメリカ大使)
■会議B
最優秀賞:駒場東邦高等学校B(メキシコ大使)
優秀賞:渋谷教育学園渋谷高等学校(ボツワナ大使)
優秀賞:灘高等学校(アイルランド大使)
地域特別賞:愛光高等学校A(ベルギー大使)
地域特別賞は、前回から設けられた賞で、これまで高校模擬国連国際大会に派遣された学校のない都道府県から参加したチームに与えられています。また派遣8チームの賞の他、政策の内容を評価して与えられるベスト・ポジションペーパー賞として、会議A:鹿児島県立甲南高等学校(アルゼンチン大使)、会議B:長野県立上田高等学校(カナダ大使)が選ばれています。
グローバル・クラスルーム日本委員会の模擬国連関係の事業を詳しく知りたい方は、同委員会サイトをご覧ください。
また『高校生の模擬国連 世界平和につながる教育プログラム』(全国中高模擬国連研究会編/山川出版)も出版されました。
国際大会に派遣される高校生の活躍に期待するとともに、多くの高校生を魅了する模擬国連の様々な展開と教育プログラムとしての可能性に、引き続き注目したいものです。
写真提供:公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター