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「受験生のために」を徹底した香蘭女学校の第2回午後入試には738名が志願

香蘭女学校で今春新設された、2月2日午後入試の様子をお伝えします。

これまで、2月1日午前のみの単日入試と面接を行っていた香蘭女学校。時代の風を読み、グループ面接に変更するなどの改革は行われてきましたが、昨年発表された大胆な入試改革は、第1志望の生徒を中心に歓喜に包まれました。その内容は「第2回」は2月2日午後に2科で面接なしでの実施というもの。新たな時代へと踏み出した香蘭女学校の第2回入試の様子をお送りいたします。(取材・撮影・文/市村幸妙)

香蘭女学校で今春新設された、2月2日午後入試

1888年創立の伝統あるミッション校であり、ガールスカウト発祥とされる香蘭女学校。一人ひとりを大切に、寄り添い見守り育てる温かな校風と確かな教育力で熱烈な支持と高い評価を得ている女子校です。

これまで、2月1日午前のみの単日入試と面接を行っていた同校。時代の風を読み、グループ面接に変更するなどの改革は行われてきましたが、昨年発表された大胆な入試改革は、第1志望の生徒を中心に歓喜に包まれました。その内容は「第2回」は2月2日午後に2科で面接なしでの実施というもの。

新たな時代へと踏み出した香蘭女学校の第2回入試の様子をお送りいたします。

予想通り、高い人気となった出願状況

2月1日午前の「第1回」では、昨年に引き続き2科・4科選択形式での入試を実施している香蘭女学校。

2科での志願者数は微減しましたが、4科では昨年の340名から今年は387名へと志願者数が増えました。

入試回数の増加によって第1回の募集人数が減った影響もありますが、面接を廃止したことも受験生の心理的な負担軽減につながったのでしょう。結果、昨年の2.6倍から今年度は4.6倍もの倍率の高い人気となりました。

今年度入試の大きなトピックとなった新設の「第2回」は、738名もの志願者を集めました。うち300名ほどは「第1回」と「第2回」を併願。合格のチャンスが拡大しました。さらにこれまで単日だったために、受験を諦めざるを得なかった受験生にとっても、朗報となったことがわかります。

なお、出願も今年度からインターネットのみとなり、締め切りは2月2日の朝8時。

1日の合格発表の結果を鑑みた受験生およそ120名が、夜から朝のうちまでに出願していました。ただし、あまりの人気の高さに出願を諦めた受験生もいたのではと予想されます。

2つの時程での実施

「第2回」入試は、出願時に13時50分点呼のA時程と15時点呼のB時程のいずれかを選択します。

A時程の受験者数はおよそ150名。13時に開門すると次々と受験生がやってきます。各塾の先生方も左右にズラリと並び花道を作って激励する様子は、やはり注目度の高さ故でしょう。

控室は、礼拝堂を兼ねている講堂と飲食ができるオーキッドホールが用意されていました。午前の入試を終えたか、オーキッドホールで昼食をとったり、テキストを見直している受験生も多く見られました。

B時程の開門時間は14時ですが、A時程の開門の流れのまま校内へ入ることができます。

B時程の受験生は14時以降に試験会場へ入ることができますが、保護者といると落ち着くのでしょう。しばらく親子で離れずにいる姿もありました。

試験会場へ向かう受験生たちへはサポート役の高3生たちから「がんばってください!」と、声がかかります。

彼女たちは、立教大学への推薦入学がすでに決まっている80人の在校生たち。やさしげな眼差しが印象的です。

校舎入口で受験生と保護者は一旦お別れです。受験票の確認をし、携帯電話の電源をオフに。上着は保護者が預かって、我が子を見送ります。

なかには「怖くなってきちゃった」と、お母さんからなかなか離れられない受験生も。

A時程の国語の試験が始まった14時20分からは、講堂で鈴木弘校長先生によるお祈りが始まります。

一人ひとりが力を発揮できるようお祈りしている旨や受験生たちが安心して試験と向き合えるための環境づくりをするべく、校内で議論を重ねたことなどが挨拶として話されました。

保護者に向けて、体調に不安のある方には「試験監督に注意を促し、二重にも三重にもケアをしていく」約束をし、今後の手続きについての心配事も伺うことなどが話され、その温かさにより惹かれた保護者もいたのではないでしょうか。

「お子様が十分に力を発揮されることを願って、挨拶に変えさせていただきます」と鈴木先生のことばが締められた後には、担当の先生より試験問題の回収についてや試験終了後の解散のことなどの諸注意がありました。

この間にもB時程の受験生たちが続々とやってきます。A時程の受験生とは試験会場を離して影響が出ないように留意。

各時程の2科目と1科目の開始時間を重ねるなど、さまざまな配慮が随所に施された入試となりました。

ただし同校の先生によると、議論は尽くしたにも関わらず、やはり初年度だったため、さらに検討の必要性も感じたそう。

教育内容も含めて、引き続き香蘭女学校の動向から目が離せません。

教育内容も含めて、引き続き香蘭女学校の動向から目が離せません。