2017年入試では95校が「英語(選択)入試」を実施!
年が明けて新年2017年を迎え、いよいよ2017年の首都圏中学入試が本格的にスタートしようとしています。
ますます増加する「英語(選択)入試」導入校!
首都圏の中学入試では、2014年から2016年にかけての3年間に、一般入試で(帰国生入試以外で)「英語(選択)入試」を実施した私立・国立中学校は、15校→33校→64校(うち私立中学校は63校)に増えてきました。
そして今春2017年の首都圏中学入試で行われる「英語(選択)入試」の実施校数を首都圏模試センターが調べたところ、前年の64校から31校増えて、計95校(うち私立中学校は94校)に上ることが判明しました。入試の実施回数は「のべ186回」となります。※なお2016年入試での「英語(選択)入試」実施校は、2015年末の当ブログ記事でご紹介しています。
「2020年大学入試改革」に向けた英語教育
現在の小学生が直面する「2020年大学入試改革」に向けては、従来の日本の英語教育の課題とされてきた「英語の4技能」を総合的に評価するために、英検やGTEC-CBT、IELTS、TEAP、TOEFL-iBT、TOEICなどの民間の資格・検定が導入されるという方向性が示され、その動きは、すでに大学入試でも具体化しつつあります。
中学入試における「英語入試」の増加は、そうした日本の大学入試と教育全体の大きな変化と、小学校での「英語の教科化」に先駆けて、従来から「英語教育に力を入れてきた」私立中高一貫校の教育姿勢の反映ともいえるでしょう。
すでに英語を学んできた小学生や、これから英語の学習をがんばってみたいという多くの小学生に向けて、「本校の中高6年間でさらに英語の力を伸ばしてみませんか?」というメッセージを発信し、そうした小学生が私立中高一貫校に進学できるよう、これまで以上に門戸を広げてくれたことになります。
とくに、この1~2年の間に新設された「英語(選択)入試」で注目すべき点は、ついに「英語の筆記試験」を実施せず、面接やグループワークで交わす「英会話」を通して、受験生のリスニングとスピーキングの力(資質)を評価する私立中も現れたことです。
これによって、英検やその他の英語(筆記)試験を受けたことのない、たとえば英会話スクールだけで英語を学んできた小学生も、怖がらずに中学受験にチャレンジしていけることになります
資格の所得で英語力の目安に。特待生制度も
もちろん、英検をはじめとした検定試験で資格を取得している小学生は、多くの「英語(選択)入試」実施校で示している「英検4級以上」、「英検3級程度」など、そこで問われる英語力の目安を知ったうえで受験に挑むことができるので安心です。
なかには、たとえば英検4級以上の資格を取得している受験生には「特待生制度」を適用する私学もあり、思った以上の配慮や特典が加えられる恵まれた状況が出てきました。
あるいは、特別に「英語(選択)入試」は実施していなくても、英検などの資格取得によって得点が加算されるというケースもあります(「英検(日本英語検定)協会のWebサイトの「受験・進学に『効く』英検!入試優遇・単位認定制度 中学校の優遇校を探す」コーナーではすでにこうした情報も紹介されています)。
「何らかの形で英語の力が生かせる」入試の増加
もちろん、現在の中学入試では、いまでも国語・算数の2科目か、あるいは国・算・社・理の4科目の学力がしっかりと問われる入試形態が主流であることに変わりはありません。
しかし、進学塾で2~3年の間、受験勉強に励んできた小学生も、英会話の学習に励んできた小学生も、それぞれにがんばってきた学習履歴と、そこで身につけた力や資質、活動歴が評価され、それが志望校への合格につながるのであれば、多くの小学生と保護者にとっては歓迎すべきことでしょう。
そういう意味では、こうして「何らかの形で英語の力が生かせる」入試の形態は、「英語の好きな」「英語の力をもっと高めたい」と思っている小学生の皆さんと保護者にとっては朗報ともいえるでしょう。受け入れの門戸がさらに大きく広がった、今春2017年の中学入試の「英語(選択)入試」に、思い切って挑戦してみませんか?
また、各都県の公立中高一貫校を第1志望にしている受検生(英語の既習者であれば)や、海外から帰国後に数年たってしまったために「帰国生枠」では受験できない帰国生の皆さんも、こうした「英語(選択)入試」を併願校のひとつに検討していただくとよいでしょう。
ご参考までに、今春2017年入試から、何らかの形で「英語(選択)入試」を新設する私立中学校を下記にご紹介しておきます。
2017年首都圏中学入試での「英語入試」新設校〈首都圏〉
2017年首都圏中学入試での「英語入試」新設校〈首都圏〉はこちらのPDFファイルをご参照ください。