LOVELY LIBRARY 第19回·多摩大学目黒の図書館《特別編》
情報誌『shuTOMO』2024年11月3日号でご紹介した多摩大学目黒中学校・高等学部の「LOVELY LIBRARY」取材時に、司書の坂巻 梓 先生に伺ったお話を、特別編としてWebでお伝えします。〈取材・撮影・文/ブランニュー・金子裕美〉
「図書館の魅力を教えて」
ー取材中、図書館を訪れた生徒さんたちに聞きましたー
本誌では、Aさん(高1女子)、Bさん(中2男子)、Cさん(高1女子)、Dさん(中2男子)、Eさん(高1女子)に、図書館を訪れた理由や図書館での異学年交流について話していただきました。質問を続けます。
図書館は利用してもらうことが大事
ー皆さんにとって、図書館はどういう存在ですか。
Dさん 困ったことがあったら相談しに来る場所かな。
Bさん 僕は自由に過ごすことができる場所。楽しいから、家に帰る前につい足が向いちゃいますね。
Eさん 私は最近、図書室がここにあることを知りました。
Aさん 本を返すときについて来てくれるんです。
Eさん もともと本を読むことが好きで、これまでは家にある本を読んでいたんです。今はたまに図書館に来て読んでいます。
Aさん 中2から来てるよね。
坂巻先生 Aさんは年間の最多読書賞を受賞しています。ものすごく国語ができるんですよ。
Aさん 週1で図書館に来て、1週間分の本をまとめて借りています。
ー先生の狙いどおり、読書が好きな生徒さんはもちろんのこと、それぞれの目的で足を運んでくれていますね。
坂巻先生 Bは本を読むことが苦手なんです。
Bさん はい。小説が読めません。
坂巻先生 それでもいいんです。興味をもてば読めるようになるので。昨年の春に卒業した生徒の中にも、そういう子がいました。中学生のときに友だちに連れられて図書館に来始めたのですが、中学時代はあまり本を読みませんでした。おしゃべり目的で入りびたっていました。それが高校生になると段々と周囲の本に興味を示し始めて、自分から本を読むようになりました。理系のわりに「数学が苦手」と言い出したので、「こんな本があるよ」「これを使ってみたら」といろいろ紹介するうちに、図書館に行けばどんな本でもある! なんでも解決できる! と認識したようで、私の後をついて簡単な仕事の手伝いを自発的にしてくれるようになりました。その延長で司書の職務に興味をもって、大学では司書を目指して司書課程を頑張っています。
ーその生徒さんはビブリオバトル型の入試で筑波大学に入学した生徒さんと同学年ですか。
坂巻先生 そうです。たまに就職のためのアドバイスを聞きに来ます。
Bさん 僕も高校生ぐらいになったら変わっ...
友だちの影響で成長できた!
ー皆さんにとってすでに愛着のある図書館だと思いますが、もし思いどおりになるとしたら、変えたいところはありますか。
Bさん 漫画を入れて欲しいです。
坂巻先生 それはないなー。
Aさん 図書館が最上階にあると階段を上がるだけで力を使ってしまうので、教室のそばにあってほしいです。
Bさん それはそう。勉強するつもりで図書館に行ったのに、着くと疲れて、帰ろうって思うことがたまにあります。
坂巻先生 図書館が1階にあったらいいよね。それは私もずっと思っています。
Dさん 僕はもっといろいろな人に来てほしいです。図書館に来る人が決まってきているから。
坂巻先生 そうだね。そのためにはどうすればいいと思う?
Dさん 図書館の存在をもっと知ってもらうことが必要だと思います。
Cさん 何かイベントをやるとか? ビブリオバトルみたいに……。
坂巻先生 ビブリオバトル校内大会には出てる?
Cさん 担任の先生に勧められて、うちのクラスから3、4人出てい...
ーところで皆さんはいつ頃、多摩大目黒を受験しようと思いましたか。
Aさん 私は小6です。
Dさん 僕も小6です。入試の1ヶ月前あたりに、塾の先生に「いい学校だよ」と勧められて受験しました。
ー入学前と入学後で、学校のイメージは変わりましたか。
Bさん 変わりました。友だちがたくさんできて楽しいです。小学校の頃はもう、もう少しやんちゃだったんですけど……。
坂巻先生 今より!?
Bさん はい。友だちと一緒にいるとなんか変わりますね。この学校に入ってからいろいろ学んで、自分がどのぐらいふざけてもいいのか、みたいなことがわかるようになりました。
坂巻先生 それがわかっているならよかった。
Dさん 僕は小学校のときにあまり上の学年と関わっていなかったので、高校生と関わるイメージを持っていなかったんですけど、この学校ではいろいろな学年の人と関わっています。先生方も熱心に対応してくれますし、相談にものってくれるので、この学校に入って本当によかったなと思っています。
Bさん いろんな学年の人たちと関わることができるので、人生の勉強ができます。
Cさん 私は高校受験で入学しました。めっちゃ私立、私立している学校なのかなと思っていたんです。ルールも厳しそうだなとか。それが意外とそうでもなくて、伸び伸びと学校生活を送れています。
坂巻先生 みんな、この学校に入ってよかったと思ってくれているんだね。安心しました。図書館はこれまでどおり、生徒たちが学年、クラスに関係なく楽しくいられる場所。何かあったときにここに来ようと思えるような場所であり続けながら、読書の推進や総合選抜入試のお手伝いもしていくので、図書館を大いに活用してほしいです。