2月3日、横浜サイエンスフロンティアには566名がチャレンジ!
前日の降雪から一転、気持ちのいい青空が広がった2月3日。東京都・神奈川県の公立中高一貫校や国立大学附属校では、適性検査や入試が行われました。なかでも2017年開校の横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校は、教育力の高さに大きな注目が集まっており、今年も大変な人気となりました。適性検査当日の様子をリポートします。(取材・撮影・文/市村幸妙)
男子8.25倍、女子5.9倍の熾烈な倍率
昨年2017年に開校した横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校。
学問を多角的な視野や高い視点などで捉え、想像力と探究心に満ち、独立心のある「サイエンスエリート」の育成を目指しています。
附属高校は「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)」や「SGH(スーパーグローバルハイスクール)」にも指定され、申し分のない教育環境が整っており、これからの日本のみならず世界を背負って立つ人材を育成しています。
その恵まれた環境を求め入学を志願したのは、男子330名、女子236名の計566名の受検生です。
定員は男女40名ずつの計80名なので、いかに厳しい入試かということは容易におわかりいただけるでしょう。
なお、昨年は685名が志願し、特に男子では450名が志願し11.25倍という過酷な入試となりました。
そのため、今年は少しだけ敬遠された向きもあるかもしれませんが、それでも狭き門に変わりはありません。
大勢の塾の先生方にひるむ受検生も
受検生の集合時間は8時35分ですが、7時前頃からは塾の先生方が校舎の前でズラリと自塾の生徒たちを待ち構えています。
検査会場への入室は8時からを予定されています。早めに来ていた親子もいますが、最寄りのJR鶴見線「鶴見小野駅」7時29分到着の電車を皮切りに、それ以降の電車にて受検生たちが続々とやってきます。
駅を出たところには学校が手配した警備員さんが立っていて、優しく誘導してくれます。
神奈川県警も出動し、受検生たちの安全を見守ります。
親子共に安心して向かうことができたのではないでしょうか。
なお、「鶴見小野駅」から徒歩3分と、非常に駅近な同校。京浜急行線「花月園前駅」からは徒歩17分、JR京浜東北線・根岸線「鶴見駅」からは徒歩20分となっています。
入室時刻は少し前倒し
塾の先生からの熱烈な応援を受けたのち、校門から先へ入れるのは受検生だけです。
校門から布製のサクが張って整備され、受検生たちはどんどん中へ入っていきます。
緊張しているのか、離れ難いのか、なかなか中へ入ろうとせず、家族と話したり、持ち物の確認を続ける子も。
さらには、記念受検なのでしょうか、願掛けなのでしょうか。時代なのでしょうか。校名のプレートと適性検査の看板を前に記念撮影する親子の姿もありました。
一方で保護者が拍子抜けするほど、サバサバとした様子で校門内へ駆け込むほどの早さで入る受検生も。
校門を前にした受検生たちへ「落ち着いて!」、「いつも通り!」、「がんばってね!」と、先生や家族から様々な声援が飛び交います。
入室前には校舎の前で待機しているので、ずっと手を振っている保護者の姿も見られました。
予定より早い7時53分、先生方のアナウンスのあと、受検生が校舎内へと入っていきます。
早い時間から待ち続けている受検生への、学校からの温かさが感じられた瞬間です。
土曜日だったせいか、弟や妹といった小さな子を連れ、「家族全員で来ました」と見受けられるご家庭もありました。
いざチャイムが鳴り、本番の時!
受検生たちが学校へ到着した第2のピークは8時過ぎ頃。
最終組は8時20分頃到着で、25分には予鈴が鳴りました。
我が子が検査会場に入っても、校門の外で祈るように校舎をずっと見守り続けたり、佇み続ける保護者もたくさん。
32分頃のギリギリに駆け込んできた受検生もいました。慌てずに受けられたでしょうか。
8時35分、チャイムが鳴り響きます。ひときわ大きな音に聞こえたのは気のせいでしょうか。
40分からの「検査についての注意」ののち、9時からはいよいよ適性検査Ⅰから始まります。
狭き門には違いありませんが、合否に関わらず、この経験は子どもたちにとってきっと生涯の宝物になるはずです。
精一杯がんばったみんなに大きな拍手を送りたいと思います。