(文/スタディエクステンション代表・鈴木裕之)
GLICC(グリック)の鈴木裕之です。今回の記事では、SFCの2022年度の英語入試問題を紹介します。
慶応SFCの英語は、リスニング、長文読解、文法、単語の4セクションを40分で解き、その後英語エッセイを20分で書くという問題構成です。この形式は2019年度の3科目入試導入以来特に大きな変化はありません。
リスニングセクションは会話問題が5問、ラジオのインタビューに関する問題が5問、計10問が出題されました。会話問題は、5つの会話文の最後に当てはまるものを選ぶ形式の問題です。インタビューに関する問題では、1つのインタビューを聞き、それに対する5つの問題に答える形式です。会話問題もインタビュー問題もパッセージは一度しか読み上げられませんが、解答するべき選択肢は問題文に書かれているので、聞きながら解答をあらかじめ予想することができる点で帰国生にとっては比較的得点しやすい問題であると言えます。
長文読解では400-500 words程度のノンフィクションとフィクションの2題が出題されています。両方とも設問数は5問ずつとなっています。それぞれの文章につき1問ずつ文章内で使われている単語の同義語を選ぶ問題が含まれています。ノンフィクションでは脱文挿入や共通点を考えさせる問題、文章内容を要約した文として適切なものを選ぶ問題が出題されています。フィクションでは、登場人物の性格を考えさせる問題、プロットを確認する問題、主題に関する問題などが出されています。どちらの文章も、細部と全体の両方に目配りしながら、スキャニングと推測する力をバランスよく発揮することが試されています。
文法セクションは2つに分かれており、空欄補充の問題が7問と、並び替え問題が3問の合計10問で構成されています。
リスニングセクションは会話問題が5問、ラジオのインタビューに関する問題が5問、計10問が出題されました。会話問題は、5つの会話文の最後に当てはまるものを選ぶ形式の問題です。インタビューに関する問題では、1つのインタビューを聞き、それに対する5つの問題に答える形式です。会話問題もインタビュー問題もパッセージは一度しか読み上げられませんが、解答するべき選択肢は問題文に書かれているので、聞きながら解答をあらかじめ予想することができる点で帰国生にとっては比較的得点しやすい問題であると言えます。
最後の単語セクションは空欄補充問題が10問出題されています。
全体的な構成としては、文法セクションの並び替え問題以外は全て多肢選択問題です。それぞれのセクションから10問ずつ出題されていて、全部で合計40問の試験になっています。去年(2021年度)の問題との唯一の違いは、文法セクションに並び替え問題が含まれているところです。去年までは全10問が空欄補充問題でした。
全体的に使用されている単語レベルはちょうど英検2級相当です。リスニングに関しては選択肢の単語だけを見て判断する限り、簡単な単語が使用されているようです。しかし、英検2級の出題との質的な違いもあるため、英検2級を持っていれば安心ということでもありません。通常小学生で英検2級を持っている子どもは、リスニングで得点を稼ぐ傾向にあるため、ボキャブラリーや文法だけを取り出すと必ずしも英検2級の要求レベルに達していないこともあります。ですので、いわゆる「日本型の英語学習」にも触れておいた方がSFCを受験する上では得策であると言うことができます。
思考コードのC軸に相当する問題は今年の英語試験ではそれほど多くは出ていません。文法問題と単語問題が合わせて20問と、全体の半分を占めているため、思考コードA軸の問題が多い傾向にあるようです。ただし、ノンフィクションの出題では、直接文章には書かれていないことを推測する力も要求されています。そのあたりも、英検の出題とは異なるところです。
今年の作文のトピックは、「What is special about you? Explain what makes you interesting.」というものでした。自分の特別な点についてどれほど詳細にアピールできるかがカギになってきます。他の受験者にはないものを自分が持っているということを、それが何かを明確にした上で具体的に説明できるようになっておかなければいけません。受験者はユニークな課外活動など印象に残るようなストーリーを準備しておくべきでしょう。