帰国生入試問題の研究―洗足学園A・B

2019年1月7日

_ (文/スタディエクステンション代表・鈴木裕之)
洗足学園の帰国生入試は、英語と面接が課されるA方式と、英語+面接に加えて国語+算数が課されるB方式があります。
A方式では、英語と面接がそれぞれ100点の200点満点、B方式では英語と面接の各100点に加えて国語算数各100点の400点満点で合否が決定されます。

早速2018年度の英語の問題を見ていくことにしましょう。A方式・B方式ともに形式はほとんど一緒です。どちらもすべて選択式問題。ただし大きく異なるのは、選択肢の数と問題数です。A方式では4択で100問ありますが、B方式では3択で85問となっています。
予想配点は、A方式は各1点100問で100点満点、B方式は読解問題だけが各2点と考えるとちょうど100点満点となります(ただし、配点はあくまでもGLICCの予想)。

洗足学園は入試結果を公表しており、それによればA方式の合格者最低点は英語53点、面接55点です。英語が得意なはずのA方式の受験生でも英語の得点が半分程度で合格となっているのは、面接でおそらく74点以上取れているのでしょう(合格最低点が127点ですから、そこから推測できます)。逆に、面接55点の受験生は、英語で72点以上取れているはずです。

筆記試験の方は、すべて選択式とはいえ、難易度としては英検1級レベルです。英検2級レベルの生徒が受験すると筆記は3割から4割程度しか取れないでしょう。準1級を持っていても筆記はかなり手こずるはずです。それほど文法や語彙の難易度は高くなっています。

思考コードから分析してみると、知識・理解のA軸が72%を占めています。応用・論理的思考のB軸が7%、批判・創造的思考のC軸は21%です。C軸思考が問われるのは、主にFictionの読解で、選択肢ではありますが、間接的な手がかりから答えを推測していく力が必要になっています。

_ 筆記試験だけを見ると知識・理解に偏っているように見えますが、これに面接が加わり、そこでB軸とC軸が問われることになるでしょうから、結果的には筆記と面接の合計(200点)では、A軸思考が40%、B軸思考が25%、C軸思考が35%の割合で合否に関係してくると言えます。文法や語彙問題が多いからといって、その対策ばかりを行っていると、面接での対応力が疎かになってしまいかねません。

GLICCでは入試直前の学校別面接対策を行っています。ネイティブの英語講師が本番さながらに面接を実施し、有効なアドバイスを与えますので、ぜひお問い合わせください。
https://glicc.jp/contact-us