帰国生入試問題 三田国際

2018年5月10日

(文/スタディエクステンション代表・鈴木裕之)
GLICC(グリック)代表の鈴木です。

_ 今回は、三田国際学園国際生入試の英語のサンプル問題を見ていきます。三田国際学園では、国際生入試の実際の問題は公表していません。しかし、実際に入試を受けた受験生たちに聞いてみると出題形式や難易度はサンプル問題とほとんど同じだったということですから、過去のサンプル問題を見ておけば、十分な対策になると考えられます。

今回見ていくのは、2018年受験者用のサンプル問題で、大問の構成と時間(目安)は次の通りです。

Part 1 リスニング 10分
Part 2 ディクテーション 5分
Part 3 リーディング 15分
Part 4 ライティング 20分

受験生からの報告によると、Part 1のリスニングとPart 2のディクテーションは、試験中盤から開始されるようです。

受験生にとって気になるのは特にディクテーションでしょう。入試でディクテーションが課される学校はほとんどありませんから、どのくらいのスピードで何回英文が読み上げられるのかといったことは、多くの人が不安に思っている点です。
サンプル問題によれば、英文は3回読まれるとのこと。また受験生からの情報では、最初はゆっくりと、2回目はやや速く、3回目はナチュラルスピードで読まれるということでした。しかし、受験生からの情報はあくまでも、その時たまたまのことかもしれませんから、公表されていない情報についてはあまり決めつけずにいた方が無難です。

ディクテーションは、リスニングコンプリヘンションに比べ、次のような点における難しさがあると考えられます。

1.大雑把な理解よりも「正確に聞けているかどうか」が問われる。
正確な聞き取りができるかどうかは構文や文法の理解が支えてくれます。主語と動詞の一致だとか、冠詞がどうであるかなどといった細かな部分は、耳で聴きとるだけでは不十分なことがあります。文法的な知識によってリスニングを補強するような力が必要になってくるでしょう。

2.英単語の正確なスペリングが問われる。
リスニングだけなら得意でも、スペリングを書かせてみると「ぼろぼろ」という子どもはたくさんいます。ふだんの学習の中で地道に単語を覚えていくことが大切です。

3.Punctuation(カンマやピリオドの使い方)が問われる。
文の終わりがどこか分からない、大文字と小文字の区別がはっきりしない、上に出る文字や下に出る文字などといったアルファベットの形についてよく理解できていない子どもをよく見かけます。ディクテーションではこのあたりの力が如実に表れてしまうので、注意です。

続いてPart 3のリーディングとPart 4のライティングについてですが、このパートは受験生によって時間配分に差が出てくるところです。英語が得意な子ほどリーディングは短い時間でこなし、その分ライティングに時間をかけることができるでしょう。

では、ライティングに20分かけてどのくらいの長さの文章が書ければよいのでしょうか。 三田国際のライティングの問題文には、"a well-structured essay"を書くように指示されています。ここから明らかなことは、だらだらとただ長く書くことが求められているのではなく、IntroductionとConclusionを含めた3つから5つ程度のパラグラフでのEssayが期待されているということです。
エッセイの基本形としてよく5パラグラフエッセイということが言われますが、必ずしも5つである必要はありません。時間が十分に取れないと判断したら、Intro-Body- Conclusionの3パラグラフか、Bodyを2つに増やした4パラグラフのエッセイでもよいでしょう。

20分という時間であれば、語数として200語程度書ければ上等です。まずは150語程度を目指してみてください。英検の準1級でも、120語から150語のライティングが課されますから、準1級を目標に練習しておくとよいかもしれません。
次の問題が2018年度サンプル問題です。実際に書いた答案をGLICCに送っていただければ、講師が添削し、コメントをお送りしますので、このURL(glicc.jp)からお問い合わせください。

Look at the following topic and write a well-structured essay about it. Write as much as you feel necessary to completely answer the question.

A country relaxing its immigration policy could lead to positive effects on its economy. Explain the advantages of such a policy.