(文/スタディエクステンション代表・鈴木裕之)
GLICC代表の鈴木裕之です。
前回の記事では、聖光学院の2017年度の英語入試問題についてご紹介しました。今回は、2018年度の聖光学院の英語入試問題を見ていくことにします。
まず得点状況ですが、合格者の英語最高点は69、最低点は36です。国語がそれぞれ82、49ですから、国語に比べて全体的に低く出ています。もちろん、それがすなわち英語受験が有利だとか不利だという話ではありません。単純に算数との素点を合計して合否を決定しているわけではないからです。ただ、英語の得点状況だけをこの3年間で見てみると、最高点87→82→69、最低点55→30→36と推移しており、英語の問題は難化傾向にあると言ってよいでしょう。
出題傾向や大問数などはこの3年間変わりません。語彙や文法に関する問題や、リーディングの問題(説明文と物語が各1題)、さらに英作文など全部で7つの大問で構成されています。
出題の狙いについて聖光学院では、2016年度入試に関して次のように明記しています。
英語の断片的知識の有無を問うことではなく、英語圏で生活したことのある受験生が現地で体得するような、英語を実践的に運用する能力、英語を使って論理的に思考する能力を測る
2018年度入試でもこの狙いは変わっておらず、英語圏で生活していた生徒を対象とした、かなり高度な英語力が求められている問題だと言えます。
2018年度の問題で少し傾向が変わったのは、大問の1です。昨年までは速読力を試すような文章把握問題が出題されていましたが、今年は会話文の空所補充になりました。新傾向というだけでなく、思考力を必要とする面白い問題となっているので、ご紹介します。
聖光学院2018年 入試問題 大問1
Read the following jokes and fill in each blank with one word. An example is given below.
Example:
Patient: Oh doctor, I'm just so nervous. This is my first operation.
Doctor: Don't worry. ( ), too.
Answer:
Mine
- Police officer: Your driver's license please.
Driver: I'm really sorry, I ( ).
Police officer: At home?
Driver: No, to get it. - Secretary: Doctor, an invisible man has come. He says he has an appointment.
Doctor: Tell him I can't ( ) him. - Math teacher: Johnny, draw an ( ) triangle on the blackboard.
Johnny: OK, I will!
Students: Haha!
Math teacher: Johnny, why did you draw a smiley face inside the triangle? - Man: Why did the physics teacher break up with the biology teacher?
Woman: There was no ( ). - Son: Why is it dangerous to insult an octopus?
Father: Because it is well ( ) .
いかがでしょうか。やはり小さい頃から英語で生活していないと答えが出せないような、英語感覚と論理的思考が両方必要とされている問題であると言えるでしょう(解答が必要な方はGLICCまでお問い合わせください。https://glicc.jp/contact-us)。
聖光学院の帰国生入試問題の英語では、最後に英作文が課されます。英作文といっても、いわゆる和文英訳ではなく、エッセイトピックが与えられ、それについて書くものです。2018年のトピックは次の通りです。
聖光学院2018年 入試問題 エッセイトピック
Think about when you were in a new environment (class, school, country, etc.), and write an essay to show what it was like. How did the experience influence the way you think? Be sure to include details to show what this experience means to you.
TOEFLなどのWritingを受けたことのある人は思わず300 ワードほどのエッセイライティングをイメージするかもしれませんが、聖光学院の英語入試問題は全部で60分です。このライティング課題にかけられる時間はおよそ10分程度でしょう。したがって、いわゆる5パラグラフなどのエッセイライティングを目指すのではなく、コンパクトに1段落でまとめるパラグラフライティングを意識しておけばよいでしょう。60語から120語程度の中でまとめられれば十分だと考えられます。