帰国生入試問題 聖光学院

2018年1月19日

(文/スタディエクステンション代表・鈴木裕之)
海外帰国生教育研究家の鈴木です。世田谷区で、GLICCという21世紀型教育ベースの学習コミュニティーを運営しています。
このたび、正式に首都圏模試センターの帰国生入試NAVIのページで原稿を書くことになりました。よろしくお願いいたします。

さて、定期的に書くトピックとしては、入試問題を取り上げるのが一番だと思っています。というのも、帰国生入試問題は書店では入手できず、傾向も分からず対策しづらいという面があるからです。

_ 今回は、聖光学院の2017年度帰国生入試の英語の問題を少しご紹介します。
聖光学院の2018年度帰国生入試は、すでに1月7日に実施済みですので、ここでの情報は次年度以降の受験をお考えの人の参考になれば幸いです。
聖光学院は、帰国生入試でも人気の高い学校です。応募者数の推移を見ると、2015年104名→2016年126名→2017年148名、2018年はやや下がったものの138名となっています。
実は2018年度入試において聖光学院は出願条件を緩和し、海外在住期間が通算1年以上で出願できるようになりました(従来は通算2年以上)。また、出願方法はインターネット出願に変わりました。
出願条件が緩和されたことで、応募者数がさらに増えることが予想されましたが、結果的に昨年の数には届かなかったのは、昨年1月8日だった試験日を1月7日に移動したことで、海城中の帰国生入試と同じ日になったことが関係しているかもしれません。

聖光学院の帰国入試の受験科目は、国語・算数か、英語・算数のいずれかの選択となります。いずれも配点は100点で合計200点満点、2017年度入試の合格最低点は113点でした。2018年度は、合格最低点が86点となっているので、問題が難化したことが予想されます。現段階では2018年度の入試問題が手元にないので、確実なことは言えませんが、合格者数も絞っていることから合格ラインが下がったとは考えづらいため、問題が難化したという予想になります。

さて、2017年の英語入試問題の内容を少し紹介しましょう。
まず驚くのは問題量の多さです。難関私立大学の入試問題とほぼ同じ難易度、分量と考えてよいです。大問7題で、そのうちリーディングが3つ出題されています。それぞれの語数は1100 words, 1600 words, 1100 wordsで、全体の試験時間60分で全部の問題を解くためには1分あたりの読解スピード200 wpmで読んだとしても、読むだけで20分を要します。読解スピード200 wpmというのは、ネイティブスピーカーの12歳でも速い方だと言えるスピードです。しかも、出題されている英文は、いずれも大人向けの文章です。インター校や現地校に長く在籍していてほとんど英語に困ることがないというレベルであっても7割を超えるのは至難でしょう。
ただし、もし算数が得意なのであればまだあきらめる必要はありません。実際英語が30点でも合格している生徒はいるのですから(その場合、算数で85点程度必要になります)。
リーディング以外には、特に語数の指定のないライティングが1題、あと残り3題はいずれも語彙、文法に関する問題が出題されています。
これらの問題は伝統的な大学入試問題でも見られるようなタイプで、帰国生が直感的に解答できるような問題というより、ある種のトレーニングによる慣れが必要な問題です。最後にその語彙問題の例を提示しておきます。時間に余裕のある方は考えてみてください(解答が必要な方はGLICCまでお問い合わせください。https://glicc.jp/contact-us)。

聖光学院2017年 入試問題

Complete each pair of sentences with the same word. An example is given below.

Example:

(a)    What (  ) of work do you do?
(b)    It was very (  ) of you to meet me.

Answer:
  Kind

  1. (a) My watch is five minutes (  ).
    (b) The baby is (  ) asleep.

  2. (a) Stay in this room and hide for a few hours and you will be (  ).
    (b) I locked my passport, wallet and camera in the (  ).

  3. (a) The manager decided to (  ) three employees for their terrible mistake.
    (b) Three houses were destroyed in the (  ).

  4. (a) There's nothing like hard work to take your (  ) off your troubles.
    (b) I wonder if you would (  ) taking care of my dog for a few days while I'm out of town.

  5. (a) There was much excitement and nervous anticipation at the (  ) of the century.
    (b) The boy's mother told him to stand in line patiently and wait his (  ).