帰国生タイプ別 受験パターン

2015年12月25日

帰国生タイプ別 受験パターン
― 思考力テストの広がりは帰国生にとって朗報 ―

20151225_web_kikokusei_navi.jpg一口に帰国生といっても、その状況は様々です。そもそも中学受験の段階で帰国するかどうかも分からない状態で海外に暮らしている方も多いことでしょう。ここでは、中学受験する帰国生を3つのタイプ別に分け、それぞれの帰国生にとってどんな入試制度が向いているのかを見てみます。

A:帰国生の資格を有しているが、一般受験をするケース

目標とする私立中学に帰国枠受験の制度がないケースでは、帰国生であることが必ずしもアドバンテージになりません。むしろ最新の受験情報や塾での指導が受けられないといった焦りも手伝って、早目に帰国して受験準備を日本で開始したという方も多くいるでしょう。このようなケースは、帰国生として数字に出てこない、いわば「潜在的帰国生」です。このタイプの帰国生は、難関校を目指す一般受験生と同様に4教科型受験をベースにして併願校を決めればよいでしょう。

B:英語環境で学習をしてきて、日本型の学習に慣れていない帰国生

英語圏における現地校、あるいは、非英語圏であってもインターナショナルスクール等で学んでいた帰国生にとっては、英語力を活かした受験が向いています。日本型の学習にはほとんど触れていない状況でしょうから、受験としては、英語が中心に据えられている帰国生入試、または最近増えつつある英語入試を受けるのが得策です。英語作文または日本語作文などの対策が必要になってくることもあります。

C:日本人学校に通っていた、あるいは海外の滞在年数が短い帰国生

日本人学校に通っていた、あるいは海外の滞在期間が短く、英語に十分慣れる前に帰国してしまったという場合もあります。Aの「潜在型帰国生」タイプと異なるのは、特に中学入試をこれまで意識していなかったため、4教科型の中学受験の勉強を開始するのは難しいと感じている点です。こういったタイプの方は、2教科受験、または、いわゆる詰め込み式ではない、思考力で合否を判定する「思考力テスト型入試」を受験することがお勧めです。

中学受験において、思考力テストが広がっていることは、Cのタイプ以外の帰国生にとっても朗報です。思考力テストを実施している学校は、偏差値的学力だけではなく、個性や才能を重視する学校です。すなわち、帰国生にとっては、中学受験のための学習をしていなくても馴染みやすい環境だと言えるわけです。

上記の三つの帰国生タイプと、それぞれに向いている入試制度を一覧表にしてみました。帰国生だからといって帰国生入試だけを目指す必要はありません。特に、これまで中学受験のための準備を十分にしてこなかったという方は、受験制度をまたいだ併願パターンを考えてみてはいかがでしょうか。

 

帰国生 タイプA

帰国生 タイプB

帰国生 タイプC

4教科型入試

2教科型入試

帰国生入試
英語型

帰国生入試
国算型

英語入試

思考力入試