この1~2年の急速な進化が目立ち、先の3月31日には、2016(平成27)年度の「SGH(スーパーグローバルハイスクール)アソシエイト校」にも選出された期待の女子校、大妻中野中学・高等学校〈東京都中野区。女子校)が、来春2016年入試から「英語入試(グローバル入試)」と『グローバルリーダーズコース』を新設します。
すでに同校の「帰国生入試」では、11月実施の第1回では選択で、2月実施の第2回では必須で「英語入試」が実施されていましたが、さらに来春に向けては、国内で過ごしてきた一般受験生のなかの英語既習者やインターナショナルスクールの出身者、帰国後の年数がたって帰国生(別枠)入試の受験資格から外れてしまった帰国生に対して、こうした形で「受け入れ」の間口を広げてくれた措置と理解してよいでしょう。
これは、現在の日本の教育の大きな課題とされている“グローバル化”を、自校の理想の形で実現するために、大妻中野があえてこの期に踏み切った、大きな改革といえるでしょう。
同校は来春2016年入試での「英語(選択)入試の導入」については、すでに今年の年明けから公表して(新聞などでも伝えられて)いましたが、その「グローバル入試」のあり方と、「グローバル入試」+「帰国生入試」で入学した生徒で構成される『グローバルリーダーズコース』で行われる教育の構想を、女子の受験生に向けた「雛祭り」のプレゼント(メッセージ)として、先月3月3日の午後3時3分に同校のWebサイトで公表しました。
今回、同校のWebサイトで公開された「『グローバル入試』『グローバルリーダーズコース』に関するご案内」によると、2016(平成18)年度からの大妻中野中学・高等学校は、「グローバルリーダーズコース」×1クラス、「コアコース」×2クラス、「アドバンストコース」×3クラスという編成になるということです。
また、このとき公表された、来春2016年入試の「グローバル入試」を含む同校のすべての入試募集要項〈案〉は、やはり同校Webサイトの「大妻中野中学校2016年募集要項〈案〉」に紹介(正式版は9月公表)されています。
これによると、来春2016年入試では、従来から行われてきた「帰国生入試」が2回→3回に増設され、①11/28(土)、②1/16(土)、③2/3(水)の3回、まず帰国生には受験のチャンスが提供(③2/3は国内のインターナショナルスクール生も受験可)されることになりました。
そして、新設される「グローバル入試」は、出願資格として「英語の学習歴のある国内生で、英検4級程度以上の英語力を有するもの」という条件で、2月1日(月)AMに「算・国・英の3教科(各50分。各100点)」で実施され、英語の配点率が高くされています。募集定員は、先の「帰国生入試」と合わせて35名。この入試では「コアクラス」へのスライド合格もあるほか、若干名の特待生合格も付与されるとのことです。
また、この「グローバル入試」の主な対象者には、先の出願資格に該当する者として、「海外在留経験があい、帰国生入試受験資格のない児童」、「帰国生入試資格を有する海外帰国生」、「国内インターナショナルスクール出身者」が含まれることも明記されています。
さらに同校は、この「グローバル入試」と「帰国生入試」で合格して入学してくる35名の受け入れコースとして「グローバルリーダーズコース」を新設。このコース新設の目的は下記のように掲げられています。
◎「グローバルリーダーズコース」新設の目的
「大妻中野中学校・高等学校は、建学の精神【学芸を修めて人類のために】に則り『グローバル社会』と呼ばれる新しい社会を正しく認識し、『グローバル社会』のいかなる場面においても、リーダーシップを発揮できる女性育成のための教育活動を実践する。」
「『グローバルリーダーズコース』は、その教育活動において校内で先導的役割を果たし、最終的には全校生徒・学校全体が、建学の精神を国際社会に発信できる力を獲得することを目的としている。」
なお、同コースの高校卒業時の具体的目標には、海外大学への進学、国内SGU(スーパーグローバルユニバーシティ)への進学と、国内大学国際系、外国語学部などへの進学が掲げられています。
そのため、「グローバルリーダーズクラス」での外国語授業(中1・中2)は、英語は週6単位のうち4単位をNative教諭が担当、2単位を国内教諭が担当する(習熟度別の)2展開とするほか、フランス語を必修1単位、タブレット(生徒所有)利用による「RealTime英会話Lessonシステム」を導入するなど、新たに編成~工夫されたものになります。
この「グローバルリーダーズコース」の教育展開(他教科授業、海外体験実習、大学や企業との提携コラボ企画、海外の学校・大学との提携など)は、斬新で意欲的なものが計画されています。詳しくは今後の発表や同校の公式Webサイトでご覧ください。
すでに、2013年からは全教室電子黒板設置による授業を展開し、一部教室では2014年からタブレット生徒利用によるActive Learning(アクティブラーニング)を展開中。来春2016(平成28)年新入生からは、中高とも生徒一人1台タブレットを購入し、Active Learningのさらなる充実発展を期している、大妻中野中学・高等学校。
この間の進化を象徴するかのように、4月24日(金)には、文科省SGH(スーパーグローバルハイスクール)アソシエイト校認定を受けての緊急臨時説明会を実施。5月16日(土)にはロンドンにて大妻学院4校合同の中学帰国生入試説明会を開催。さらに6月6日(土)には、シンガポールでの海外帰国生対象説明会(逗子開成中・高との合同説明会)を実施するなど、学外に向けての情報発信にも余念がない大妻中野中学・高等学校。
首都圏模試センターのWebサイトでも「希望の私学」としてご紹介している同校の、今後のさらなる進化~発展が、ますます楽しみになってきました。