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田園調布学園、一年間の「探究」を発表会で締めくくり

田園調布学園で取り組んできた「探究」の成果発表会が、去る2月25日に開催されました。

田園調布学園は、2022年度から中等部3学年、高等部2学年が、「探究」に取り組んできました。その一年目の成果発表会が、去る2月25日に、保護者や新入生にも公開で開催されました。(取材・文 / 市川理香)

授業「探究」一年目

2022年度の中等部1年は、1学期には自分自身を見つめたり、対人関係を考えたりする自己探究に取り組み、2学期からデザイン思考とは何かを学びました。2年、3年は探究の時間に、デザイン思考(※)を切り口にした課題解決型学習を行ってきました。

※デザイン思考
主にビジネスで用いられる思考法で、(1)さぐる(調査)→(2)きづく(ユーザー自身が無意識に抱える課題や潜在的なニーズ=インサイトの発見)→(3)ひらめく(アイデア発想)→(4)つくる(プロトタイプ制作)→(5)ためす(テスト)の循環を繰り返し、インサイトやアイデアの質を徐々に高めていく営み
(探究発表会園資料より)

2022年に中2、中3が取り組んだのは、
「学校における困りごと」プロジェクト
(4〜5月)
「歯磨きにおける困りごと」プロジェクト
(5〜6月)
「二子玉川ライズ S C来館者数向上」プロジェクト
(9〜11月)
「腸活ミニ野菜販売数向上」プロジェクト
(12〜2月。中3)
でした。
発表会では、上記のほか、中2が12〜2月に取り組んだ「ミニ探究」プロジェクトから、「グループワークの困りごと解決」「放課後時間の困りごと」「先生の困りごと解決」「シニア世代(おじいちゃん/おばあちゃん)の困りごと」や、「オリジナルテーマ解決」の各プロジェクトに取り組んだ結果を、校内の一般教室に分かれて質疑応答を含め7分の持ち時間でパワーポイントを使い発表。司会は高校生で、質疑応答で質問を促したり、自分たちも質問をしたりと大いに活躍していました。

「BOTTO」(没頭)プロジェクト

高等部の「探究」は、「BOTTO」(没頭)プロジェクトとして、生徒個々の「好き」や「得意」に向き合い、没頭したテーマを探究。海外の講師と生徒をオンラインで繋いだ講演(4月)や研修(8月)も行いました。発表会では、生徒投票で多数の支持を得た生徒33名が、講堂、体育館、プラザに分かれて、一年の成果を動画で説明、表現したものを使い発表。「CGについて」「中国人と日本人が仲良くなる方法」「数学パラドックスを実証して難解な理論を納得しよう!」「CODA〜聴こえない親を持つ聴こえる子ども〜」「飛行機一機飛ばすまでに関わっている人たちを調べてみた」など多彩な内容でした。自分の好きを極めた熱量は相当なもの。新年度は、「好き」から社会につながる意識が芽生える発想力に期待が膨らみます。

清水豊校長は、「生徒は失敗しないよう、きれいに整えるのは上手」と称えます。しかし「失敗して、次にどうするかを考えることも大切です。探究活動の実績を地道に積み上げ、生徒たちが自分と向き合い、『探究』プログラムと、もう一つの教育の柱である教科横断型授業を通して、物事を複眼的に考える力を養いたい」と語ります。