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2019年入試では147校が「適性検査型入試」を実施!

今春2019年の首都圏中学入試では、計147校の私立中が「適性検査型入試」を実施します。

今春2019年の首都圏中学入試で行われる私立中の「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」の実施校数は、2018年の136校から11校増えて、「計147校」に上ることが判明しました。入試の実施件数は「のべ287回」となります。

ますます増加する「適性検査型入試」導入校

年が明けて、早くも1月21日(月)、すでに2018年の首都圏中学入試が、茨城~埼玉~千葉エリアで行われています。

今回は、今春2019年入試における私立中の「適性検査型(総合型・思考力・自己アピール)入試」の実施校数をお伝えします。

首都圏の中学入試では、2014年から2018年にかけて、「適性検査型(総合型・思考力・自己アピール)入試」を実施した私立中学校は、38校→53校→86校→120校→136校と、年々増加してきましたが、さらに今春2019年入試では、計147(前年プラス11)校の私立中が、こうした「適性検査型(総合型・思考力・自己アピール)入試」を実施することが判明しました。

出願~チャレンジする小学生の数は年々増加へ!

そうした私立中の「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」に出願する小学生も、2013年から2015年にかけての3年間で「約1,000名→約2,000名→約3,000名」と増加し続け、続く2016年入試では「約7,000名」、翌2017年入試では「約8,000名」、さらに翌2018年入試では「約12,000名」という、大幅な増加を見せてきました。

そして、今春2019年の首都圏中学入試で行われる私立中の「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」の実施校数を首都圏模試センターが調べたところ、2018年の136校から11校増えて、「計147校」に上ることが判明しました。入試の実施件数は「のべ287回」となります。

※なお2018年入試での「「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」実施校は、2018年初頭の当ブログ記事でご紹介しています。

いまも人気が高く、厳しい選抜になる公立中高一貫校

一方、2005年から2018年にかけて、首都圏には計24校(東京11校、神奈川5校、千葉3校、埼玉2校、茨城3校)の公立中高一貫校が開校しました。さらに今春2019年には埼玉県にもうひとつの公立中高一貫校・さいたま市立大宮国際中等教育学校が開校します。

これらの公立中高一貫校には、たとえば昨年2018年にも約1万7千名の志願者が集まりました。ここ数年の「公立中高一貫校新設ブーム」による志願者の激増はやや落ち着いた感がありますが、依然として各校とも高い人気であることには変わりありません。

しかし、そうした公立中高一貫校の受検生のなかでの合格者数は、これまでの24校を合計しても、わずか3,040名。つまり約1万4千名が不合格になるという厳しい現実も一方には存在します。

そうした公立中高一貫校の志望者(受検生)にとっての「適性検査対策」や「力試し」になるのと同時に、この機会に私立の中高一貫校の魅力を伝え、私学からも受け入れの門戸を開くために導入されてきたのが、この数年で増加している私立中学校の「適性検査型入試」だったのです。

多様な入試形態を導入する私立中高一貫校

そのなかには「適性検査型入試」という表現を使わずに、「思考力入試」「PISA型入試」「総合型入試」「自己アピール(プレゼンテーション)型入試」「基礎学力型入試」など、各私学の入試コンセプトに合った名称の新たな入試を実施し、公立中高一貫校の志望者や、受験準備を始めた時期が遅かった(進学塾に通うよりも習い事などに打ち込んできた)小学生を迎え入れようとする私立中高一貫校も増えてきました。

こうした私立中の「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」で求められる力は、公立中高一貫校の「適性検査」と同様に、「(与えられた)知識を柔軟に使い、その場で考え、自分の言葉で表現する力」です。そこでは「覚えた知識を正確にアウトプットする力」だけではなく、「知識の運用力」と「思考力・応用力・表現力」が求められるということです。

この出題コンセプト(=アドミッション・ポリシー)は、最近の教育をめぐる話題の焦点となっている「2020年大学入試改革」の方向性として文部科学省から示されている「思考力・判断力・表現力」ともほぼ一致します。つまり「2020年大学入試改革(=日本の教育改革)で求められている学力観と、中学受験における公立中高一貫校の「適性検査」で求められる力、私立中の「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」で求められる力(=出題のコンセプト)には相通じるものがあると考えてよいでしょう。

将来の大学入試や社会で求められる力を育てたい!

それならば、「わが子が将来の大学入試や社会で求められる力」を育てるための契機として、こうした私立中の「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」を受けてみることは、すべての小学生と保護者にとって大いに意味のあることです。

とくに公立中高一貫校を第一志望にしてきた小学生と保護者にとっては、「適性検査対策」や「力試し」という意味に加えて、もし志望する公立中高一貫校の合格が得られなかったときに、わが子の進路をもう一度真剣に考え「もうひとつの進路」として私立中高一貫校を検討するための良いきっかけになることと思います。

大学入試と日本の教育が変わろうとする大きな節目に、多様な受験準備や小学校生活のスタイル(個別指導・英才教育・習い事・英会話・スポーツ・音楽・芸術など、それぞれの家庭の価値観にあった学習と活動に打ち込んできた)を経てきた小学生が受験していけるような、「多様な入試形態」が生まれてきてきたのが、2016から今春2019年入試にかけての最も大きな変化だといえるでしょう。

小学生のご家庭では、中学受験シーズン本番を目前に控えたいまだからこそ、あらためて親子でこうした「新たな受験機会」にも目を向けて、わが子の進路と受験(併願)する学校をもう一度考えてみていただいてはいかがでしょうか。

今春2019年入試で「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」を実施する私立中学校は、この記事冒頭の「資料」をクリックして、添付PDFの一覧表をご覧ください。