学校特集
多摩大学目黒中学校・高等学校
「多摩大学目黒のモットーは文武両道。勉強にもクラブにも、学校生活の全てにおいて高い目標を持って、妥協することなく努力し続ける向上心を大切にしています。」
熱く語るのは多摩大学目黒の校長、田村嘉浩先生。東大法学部を卒業後、経済産業省のキャリア官僚として宇宙産業育成、資源エネルギー政策など世界規模のビジネスに関わり、スタンフォード大学やモスクワ国際関係大学への留学経験もある、学校の校長としては異色の経歴の持ち主です。その国際色豊かな経験をいかして、多摩大学目黒の国際教育をリードしています。
田村先生の言葉を裏付けるように、国公立をはじめとする難関大学現役合格者数が継続的に伸び、クラブ活動でもサッカー部やダンス部、放送部などが全国レベルで活躍するなど、多摩大学目黒は文武両道を高いレベルで実現しています。とはいえ、多摩大学目黒は決してスパルタ教育をしているわけではありません。キャンパスに一歩足を踏み入れると校風はとても穏やか。アットホームで温かい雰囲気にあふれています。
入試広報部長の井上卓三先生によると、このアットホームな雰囲気をはじめとする4つの柱が多摩大学目黒にあふれる向上心を支えているといいます。9月の記事では、グローバル社会で成長し続けられる人材を育てるために、6年間で最大5ヶ国を訪問できるなど積極的に国際教育に取り組む様子を紹介しましたが、今回は向上心を支える4つの柱にスポットを当てて、井上先生にお話を伺いました。
一人ひとりがおおらかに個性を伸ばせるアットホームな雰囲気
柱その① 伸び伸びと個性を伸ばそう
「第1の柱は、一人ひとりがおおらかに個性を伸ばせるアットホームな雰囲気です。生徒を追い立てるような指導ではなく、一人ひとりが成長することを楽しめる雰囲気をとても大切にしています。(井上先生)」
言葉通り、多摩大学目黒には明るくアットホームな雰囲気が満ちています。男子も女子も、先輩も後輩も、もちろん教員もみんながフレンドリー。マナーや規律は大切にしながらも、一人ひとりが委縮することなく大らかに個性を伸ばしています。
「アットホームな雰囲気の中、生徒と教員が強い信頼関係で結ばれていることは多摩大学目黒の大きな特徴です。担任は授業やHRの時間だけではなく、昼食時や休み時間も極力生徒と時間を共有し、一人ひとりの学校生活の様子にも目を配っています。
学習面でも、個々の理解度と志望を担任がきちんとデータ化。それぞれの科目の学習到達度を教師間で共有しながら、一人ひとりにとって最善な指導を行います。ネイティブ教員が教える英会話の授業ではクラスを分割して少人数で行うことにより一人ひとりの英語力を確実に伸ばします。
個性を伸ばす姿勢はクラブ活動にも表れています。クラブに参加している生徒の割合は8割を超えており、ほとんどの生徒が好奇心の赴くままに自分の世界を広げています。兼部も認められているため、運動部と文化部それぞれに打ち込む生徒も多くいます。(井上先生)」
勉強も!クラブ活動も!学校行事も!たくさんの目標に向かって頑張る!
柱その② 目標はたくさん持とう!
「第2の柱は、学校生活においてできるだけたくさんの目標を持とうということです。学校生活は勉強だけではありません。クラブ活動でも、学校行事でも、たくさんの目標をもって頑張ろうという雰囲気のもと、生徒たちは予想以上の成果を上げてくれています。(井上先生)」
勉強も部活も高い目標を持って実現させることは決して楽なことではありませんが、生徒たちは休み時間や部活の合間など、わずかな時間を有効利用しています。達成したい目標がたくさんあるからこそ、生徒たちは限られた時間を無駄にせず、短期集中で一つ一つの目標に向かって励み、それが大きくプラスに働いているのです。
「面白いことに、クラブ活動を頑張っている生徒ほど、その頑張りが勉強にもプラスに波及している傾向がはっきりと見て取れます。何事にも自分なりの目標を持って取り組むことが相乗効果を生んでいるのです。(井上先生)」
限られた時間で効率的に学ぶためのバックアップ体制も充実。毎日の勉強をすべて学校内で完結できる学習支援システムに加えて、「Webテストの配信」や「連絡ツール」などICTを積極的に導入しており、日々の授業内容の定着をシステム面からもしっかり支えています。
英語教育の面では、9月の記事でも触れましたが、中学のオーストラリア修学旅行を含めて、中学ではオーストラリア・イギリス、高校ではアメリカ・カナダ・ニュージーランドと6年間で最大5ヶ国訪問できるプログラムを用意。アメリカ・カナダ・ニュージーランドでは卒業年次を遅らせることなく、最大1年間の長期留学ができます。
一流のもの、本物に触れることで幅広く感性のアンテナが伸びる!
柱その③ 本物を体験しよう!
「第3の柱は、何事も本物を体験しようということです。芸術鑑賞会ではコンサートホールを貸し切ってオーケストラを観賞。英語教育ではイギリス出身とアメリカ出身の専任教員がそれぞれの英語とその背景にある文化まで教えるなど、多摩大学目黒では様々な分野の一流のもの、本物に触れる機会をできるだけ多く提供しています。(井上先生)」
幅広い分野の一流のものに触れることは、生徒の感性を多角的に刺激することにつながります。またそれぞれの分野で目指すべき高みが明確になるので生徒も具体的な目標を持って向上心を存分に発揮することができます。
一流のもの、本物というのは芸術鑑賞会や英語教育だけではありません。学習面では、まず教員のレベルの高さがあげられます。万葉集の研究者として名を知られる国語科の松田教諭は、早稲田大学でも非常勤講師として教壇に立ち、多くの学術誌に論文が掲載されています。理科の谷川教諭は日本理科学協会研究部の理事として理科教育の発展に尽力しており、大学入試センター試験化学部門の検討委員としても活躍しています。他にも学校外で活躍する教師が多く、それぞれの活動で得られた内容は授業にも存分に活用されています。
クラブ活動の指導者も一流ぞろい。サッカー部では元Jリーガーが監督・コーチとして熱心に指導しています。女子バレーボール部顧問の多田教諭は東京都高体連バレーボール専門部の強化委員長を務めているほか、テニス部の相良教諭は東京都高体連テニス専門部の常任委員や東京都私立中高テニス連盟の役員を兼務しています。
環境面でも本物が用意されています。横浜市青葉区にあるあざみ野セミナーハウスには、広大な人工芝グラウンドや多目的体育館などの設備が充実。サッカー部や野球部をはじめとする運動部にとって最高の練習環境が用意されています。中学の3年間は週に1度あざみ野セミナーハウスに登校。自然豊かな環境でリフレッシュしながら学び、充実の運動施設を用いた体育の授業で存分に体を動かします。
「2015年には目黒校舎にも新校舎が増築されました。新たな教室には最新のICT機器が設置されており、必要に応じてそれらの機器を駆使した授業が行われています。(井上先生)」
自分で挑戦する経験を積み重ね、試行錯誤と形になる喜びを知る!
柱その④ 何事にも挑戦してみよう!
「第4の柱は何事も失敗を恐れず、挑戦し続けていくことです。例えば学校行事。颯戻祭(文化祭)をはじめ、学校行事の多くは企画から準備、運営に至るまで、可能な限り生徒会を中心とした生徒自身に委ねられています。生徒たちは試行錯誤を繰り返しながら自分たちで考え、形にする挑戦を繰り返しています。(井上先生)」
生徒主体で大きな行事を作り出すことは決して簡単なことではありません。教員がマニュアルを用意してそれを与えてしまえば大きな苦労をすることも失敗することも少なくなりますが、あえて試行錯誤し、挑戦し続けることにこそ意味があるのだと井上先生は語ります。
「マニュアルをその通りになぞれば、美しい形を再現することは誰にでもできます。でもマニュアルのない千変万化する社会の中で生き抜いていくためには、多少荒削りであっても、自分達で考え、行動する経験が何より大切なのです。(井上先生)」
挑戦と試行錯誤の場は、学校行事だけではありません。
たとえば学習面では、知識の定着だけでなく自由な発想と論理的思考力を伸ばすために、黒板を主体とした従来型の授業とICT機器を駆使した授業を目的に応じて使い分けています。知識の定着だけでなく、生徒自身がさまざまな仮説を考え、自ら試行錯誤しながら答えにたどり着くプロセスを重視した学びの展開です。
英語教育では、優秀で向上心にあふれた生徒のためにネイティブ教員が顧問を務め直接指導する英語部が用意されています。授業よりもさらに高いレベルで英語を学び、本格的な英語力と国際感覚を身につけます。
クラブ活動では、サッカー部やダンス部などが、全国トップを目指して非常に高いレベルで挑戦を続けています。他のクラブも、目標は高く持ち、目標に向けて日々地道な努力を重ねています。
伸び続ける難関大学合格実績!
4つの柱が確かな結果につながっています!
「多摩大学目黒を支える向上心は、大学合格実績にも如実に表れています。国公立をはじめとする難関大学の合格者数は年を追うごとに伸びており、我々も大きな手ごたえを感じています。(井上先生)」
2016年度の卒業生の合格実績を6年前と比較してみると、国公立で5.2倍、早慶上理で3.3倍、GMARCHで2.2倍と、難易度の高い大学ほど合格実績が伸びていることがわかります。
「伸び伸びと個性を伸ばし、たくさんの目標を持ち、本物を体験し、何事も挑戦する。多摩大学目黒が大切にしている4つの柱が土台となって、学校には非常に良い上昇気流が満ちています。飽くなき向上心を持った生徒たちが努力を重ね、大学合格実績でもクラブ活動でも良い成績を残してくれました。そしてそれを目の当たりにした後輩たちが、自分たちもそれに続けとさらに努力するという非常に良い循環が生まれています。
生徒の頑張りをリードし、時には後押しするために教員一人ひとりも目標を持って努力し続けています。学習指導面では、従来型の授業とICT機器を駆使した授業を組み合わせることで、より生徒の思考力を伸ばす授業を行っています。これは大学でのより質の高い学びを実現することや社会人としての基礎スキルを伸ばすことを念頭にいれての取り組みでしたが、2020年の大学入試改革の流れを追うと、私達が取り組み続けていたことがそのまま今後の大学入試に活かされるのだなと感じています。(井上先生)」
文武両道で高い結果を出し続けている多摩大学目黒。それを支えるのは4つの柱に裏付けられた生徒たちの飽くなき向上心でした。先輩が出した結果を見て後輩がそれ以上に頑張ろうとするという非常に良い上昇気流にあふれ、一歩ずつ確実に進化し続ける多摩大学目黒の今後から目が離せません。