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学校特集

富士見中学校高等学校2021

センター開設により、ますます充実&強化するグローバル教育

掲載日:2021年8月20日(金)

西武池袋線中村橋駅から徒歩3分の場所に位置する富士見中学校高等学校。創立80年以上の歴史を誇る完全中高一貫の女子校です。これからの時代を見据えたグローバル教育に熱心に取り組んでおり、2021年4月には校内に「グローバルセンター」を開設。富士見のグローバル教育とグローバルセンターの目的と役割、今後の展望について校長の佐藤真樹先生、国際交流部部長の京野千尋先生、グローバルセンター長の伊藤恭子さんにお話を伺いました。

グローバルへの第一歩は、生徒が自ら考えることから

教育目標に「社会に貢献できる自立した女性の育成」を掲げる富士見中学校高等学校。校長の佐藤真樹先生は、「今後のグローバル化社会で生きていくためには、日本だけではなく、世界で起こる様々な課題を自分事として捉え、その解決に取り組む姿勢が大切です」と話します。そのため生徒に対し、校長自ら折りに触れ、こんな問いかけをしていると教えてくれました。

富士見_校長の佐藤真樹先生
校長の佐藤真樹先生

「皆さんが30~40歳になる頃、日本の人口はどうなっているでしょう」
「人口が減ると、どんなことが起きるでしょうか」
「世界の人口はどうなっていくでしょう。どんな国で人口の増減がありますか」
「インドやアフリカで若い人の人口が増えていくと、世界全体の経済はどうなっていくでしょうか」
「あと20~30年後は、発展途上国の経済がどんどん発展していきます。皆さんの中には、そのような国々で働き、暮らす人が出てくるかもしれないですね」

未来の日本、そして世界で起こる様々な事象についてやさしく問いかけ、生徒と一緒にその問題について掘り下げていくのです。

「まずはこのようなやりとりを通し、これからの時代は、言語・文化・価値観・考え方などが異なる様々な国の人々と協働していく必要があることを理解してもらいます。グローバルな視点を養うための最初の一歩ですね。本校では、そのために必要な力、経験を身につける機会をたくさん設けています」と佐藤先生。

富士見_今は直接会えなくても、国際感覚を養える機会が豊富です
ニュージーランドからの留学生歓迎会

かねてより積極的に行っている、海外での語学研修・留学、国内での多文化交流、留学生受け入れなどはまさにその一環。コロナ禍においては、オンライン(Web)での交流に切り替える、従来のやり方を変えるなどして、その機会を途絶えさせない工夫をしています。さらに、数年前から同校が日々の教育活動の中で指針としている「17の力」もまた、グローバル社会で必要とされる能力そのものです。

「『17の力』は、自分の意見を形成する力、人とつながる力、課題を発見する力......といった全17項目で構成されていて、生徒自身が意識、評価できるようにルーブリックを作成しています。6年間の学校生活を過ごす中で、今後のグローバル化社会で求められる考え方、能力を自然と身につけてもらえるでしょう」(佐藤先生)

さらに、生徒たちにはこう話していると言います。
「感謝の心、人と人とが支え合うことの大切さを忘れず、自分の役割をしっかりと果たしましょう。いきなり大きな社会的課題を解決しようとするのではなく、まずは身近な友だちを幸せにするために行動しましょう。その積み重ねで、もっとたくさんの人を幸せにするには何ができるかを考えられるようになりますよ」

こういった言葉からも、同校が学習面だけではなく、精神面での大きな成長もかなり重視していることがわかります。

富士見中学校高等学校で取り組んでいる「17の力」

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グローバル教育を大きく前進させる「グローバルセンター」

富士見_国際交流部主任の京野千尋先生
国際交流部部長の京野千尋先生

グローバル教育に力を入れる同校が、この春に新しく開設したのが「グローバルセンター」です。
開設の目的について、佐藤先生は次のように話します。

「もっと幅広く、そしてさらに踏み込んだグローバル教育を行いたい、というのが開設のきっかけです。語学研修・留学時のサポートはもちろんですが、海外に行かない生徒を含めた、"生徒全員"が参加できる国内の体験プログラムの強化、海外大進学を目指す生徒への情報提供やアシスト、海外に関する様々なガイダンスの実施、留学から戻った生徒や帰国生のフォローなどを行います。これまで以上に、海外を身近に感じてもらえるのではないでしょうか。構想期間は約3年、ずっと温めてきてようやく実現しました」

富士見_グローバルセンター長の伊藤恭子さん
グローバルセンター長の伊藤恭子さん

センター長として迎え入れたのは、留学カウンセラーとしての経験も豊富で長年にわたって外部の立場から同校の海外研修、高校留学を支えてきた伊藤恭子さん。そして、伊藤さんと共にグローバルセンターの運営を行うのが高校の英語科担当で国際交流部部長も務める京野千尋先生です。

開設してまだ数か月ですが、「海外大学進学ガイダンス」や「夏期オンライン海外研修の説明会」を実施(いずれもWeb上にて)したところ、200名近くの保護者、生徒が参加。そのことで、新たな発見や手応えがあったと言います。

「保護者や生徒の海外への興味・関心の高さに驚きました。後日行ったアンケートでわかったのは、海外留学や海外の大学に関する情報のニーズの多さ。実際に行くかはさておき、将来の選択肢として知識を蓄えておけば、いざとなったときに役立つのはもちろん、様々なことを決める上での良い判断材料になるのは間違いありません。これからも、有意義な情報を提供していきたいです」(伊藤さん)

さらに、グローバルセンターでの活動について、伊藤さんと京野先生は次のように話します。

好評だった「海外大学進学ガイダンス」
【画像をクリックすると拡大します】

「グローバルとは、海外に行くことだけを指すのではなく、人と人、国と国などのボーダーがなくなって、他者理解・自己理解を深めていくことだと考えています。今後は海外研修や留学を体験しない生徒も含めた、本校の生徒全員が多文化を体験できる機会を増やしていきたいですね」(伊藤さん)

「もちろん、実際に海外に出て自分の肌で感じる体験は大切だと思いますが、留学生をより多く受け入れたり、様々な交流企画を実施したりして、校内にいながら常に多文化を感じられる環境づくりを行いたいですね。あとは、海外大学への進学を候補のひとつとして考える生徒も少しずつ増えていますので、進路指導部とも連携し、様々な情報提供やサポートをしていきたいです」(京野先生)

多くの生徒が関われる国内プログラムが充実!

富士見_留学生と触れ合える「International Days」
留学生と触れ合える「International Days」

海外への渡航が難しいコロナ禍において、国内でのプログラムを充実させてきた同校。そのひとつが、日本の大学に通う外国人留学生との交流です。中学2年の生徒全員が参加する学年行事「International Days」として実施しました。

「英語でゲームを行ったり、留学生が日本での暮らしで困っていることを聞き、その問題について解決策を一緒に考えてスライドを作り発表を行ったりしました。生徒全員が、中学校生活の初期段階で外国の方と一緒に活動できたのが良かったですね。今後の英語学習のモチベーションにつながった生徒も多くいるはずです」(京野先生)

ほかにも、台湾の姉妹校やイスラエルの学校と連絡を取り合い、zoomを通して生徒が互いの生活状況を伝え合ったり、質問し合ったり、ゲームをするなどして交流を持ちました。
京野先生は「オンラインを活用することで、より多くの生徒が『気軽にやってみよう!』という気持ちで参加するようになりましたし、企画のあとはまた参加したいと交流に前向きな生徒が増えました」と話します。

富士見_多彩な国の同年代の学生と交流を図っています
韓国からの留学生を囲んで

さらに、2019年から文部科学省補助事業の『アジア架け橋プロジェクト』のホストスクールにもなっていることもあり、高校では韓国人とベトナム人の留学生を受け入れました。
「韓国人の留学生は、日本語がわからないながらも一生懸命授業やクラスの活動についていこうとしてくれましたし、当時問題になっていたオーストラリアの山火事の募金を呼びかけてくれました。ベトナム人の留学生は、ベトナムの住居についてや、日本の良いところ、驚いたところなどをパワーポイントでとても上手に発表してくれました。そういった留学生たちの姿は生徒に影響を与えましたし、様々な問題について生徒と留学生みんなで共有できたことも、大きな学びと発見につながりましたね」(京野先生)

さらに、オーストラリアの学校の生徒との文通も継続中です。希望者のみの取り組みですが、昨年度は中学生から高校生まで100名近くが参加しました。互いの学校生活について、日本の漫画についての話題などで盛り上がっているそうです。加えてクリスマスカードの交換なども行い、それぞれの文化や生活を身近に感じるきっかけにもなりました。

夏休みのセブ島&アメリカの海外研修は、オンラインで実施

富士見_セブ島との「夏期オンライン海外研修」の様子
セブ島との「夏期オンライン海外研修」の様子

同校では、今年の夏の海外語学研修(フィリピンのセブ島とアメリカのオレゴン州)はオンラインで実施します。

「オンライン上ではありますが、LIVEですし、参加する生徒には少しでも現地に行った気分を味わってもらいたいですね。アメリカのオンライン研修は計5日間行います。最初の3日間は英会話のレッスン、残り2日間は生徒2~3人をひと家庭とつなぎ、オンラインでホームステイします。ホストファミリーに日本文化を紹介したり、ゲームをしたり、また、家を案内してもらったりする予定です。セブ島の研修は、英語レッスンに加え、日本人の方が運営する寺子屋とつないでSDGsテーマの貧困を学ぶ2日間を予定しています。現地の子どもたちとも交流できるので、とても有意義な体験になるのではないでしょうか」(伊藤さん)

富士見_富士見の学びは進化を続けています
オンラインを通じての「International Days」

従来行ってきた海外語学研修や高校留学と同様に、事前学習と事後学習をしっかりと行います。事前学習では富士見についてや日本の文化をきちんと紹介できるように発表準備をし、事後学習ではそれぞれが経験して学んだことを振り返り、他の生徒の前で発表します。こうすることで、自らの学びをより深いものにすることができます。

海外への渡航が難しい状況下でも、国内でできることを前向きに模索し、海外の人々と交流を続ける同校。これまでの実績や経験を活かしているのはもちろんですが、グローバルセンターの存在がその活動を大きく後押ししています。

失敗を恐れずに自分の人生を切り拓いていける人になってほしい

富士見_
高校1年の探究発表会

「中高一貫なので、生徒の皆さんが大学に入学したときに、他者との違いをまず大きく感じるのかもしれません。それもグローバル社会への第一歩。そして、社会に出れば、海外の方とやり取りをする機会も増えるでしょう。東京、日本、アジア、そして世界へとどんどん広がっていきます。そんなときにグローバルな視点を持っていれば、何かあったときにも嫌な思いをするのではなく、それをひとつの収穫として自分の糧にして前に進めるはずです。私自身は、一般企業に長く勤めておりましたので、その経験から教員とは違った視点で進路や将来のキャリアについて生徒の話を聞くこともできると思います。ぜひ気軽に立ち寄って、声をかけてくれたらうれしいです」(伊藤さん)

「協働する中で自分の役割や責任を果たすことを学んでほしい。
そして、くじけても下を向くのではなく、"私ならできる!"と思える人、失敗を恐れずに自分の人生を切り拓いていける人になってもらいたい。将来に対し、ワクワク感を持った大人になってもらいたいですね」(佐藤先生)

今後の社会で求められる、グローバルな視野と自分の人生を切り拓いていく力。同校での学校生活では、それらを着実に身につけることができるでしょう。ますます飛躍を続ける富士見のグローバル教育にどうぞご期待ください。

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