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学校特集

城西大学附属城西中学・高等学校2021

新中高一貫教育プログラムでグローバル社会に貢献する人材を育む
「繋ぐ力」を成長させた「JOSAI Future Global Leader Program」効果

掲載日:2021年10月8日(金)

「自由主義教育」を礎として、生徒一人ひとりの個性を尊重しつつ、自立した人材を育ててきた同校。4年前に、新たな中高一貫教育プログラム「JOSAI Future Global Leader Program(以下、JFGLP)」をスタートさせましたが、生徒たちに「JFGLP効果」とも言うべきさまざまな変化が表れています。コロナ禍だからこそ実現できた新たなプログラムやその成果、今後の取り組みなどについて、校長の斉藤栄先生と教頭の神杉旨宣先生にお話を伺いました。

中高一貫校の利点を生かした、伝統の「自由主義教育」と活発な「国際交流」

 同校での中高6年間は、中学を「自立心を養う3年間」、高校を「夢の実現に向かう3年間」と位置づけ、中高一貫校の利点を生かした教育を実践しています。同校が目指しているのは、豊かな人間力と語学力、国際教養を身につけ、どんな社会にも適応・貢献できるグローバルな人材の育成です。

 中学では成績や希望進路などによるクラス分けを行わず、それぞれ「個に応じた指導」を重視しています。土台となるのは、「天分の伸長」「個性の尊重」「自発活動の尊重」という3つの建学の精神であり、創立以来の伝統である「自由主義教育」です。
 生徒の自主性を培い、実験・体験などの実学教育に重きを置く教育方針は、アクティブラーニングあるいはPIL型学習、体験実践学習の重視といった特色として今に受け継がれています。

城西_「オーストラリア海外研修」(中3)では、現地校の授業も受ける
「オーストラリア海外研修」(中3)では、現地校の授業も受ける

 そして、もう一つの大きな特徴が国際交流です。「国際化」「グローバル化」という言葉が珍しかった1982年に、アメリカ・オレゴン州の高校と交換留学制度を実現。以来、同校のグローバル教育は、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど7カ国に16の姉妹校・提携校を持つまでに拡がりました。

 英語圏だけでなく、英語を母国語としない国々とも活発に交流し、多くの留学生に門戸を開いてきました。現在も、ドイツ、フランス、デンマークなど4カ国5人の長期留学生が学び、同校では異文化交流が日常となっています。さらに、高校ではさまざまな留学プログラムも用意されています。

10〜20年後の未来に、世界で活躍できる人材を育てる「JFGLP」

 2018年にスタートした中高一貫教育プログラム「JFGLP」は、10年後、20年後の世界に羽ばたくために不可欠な英語力や異文化相互理解力を身につけ、自ら夢を実現させる自立心を養うことを目的としています。
「JFGLP」ではさまざまな教科横断型学習と体験型行事を組み合わせ、授業で学ぶ知識と実体験を融合させることで、学力はもちろんのこと、問題解決能力や実践力などを培っていきます。

城西_「比較文化研究発表会」でプレゼンする生徒
「比較文化研究発表会」でプレゼンする生徒

 中学の核となるのは、中3の3学期に行われる全員参加のオーストラリア海外研修(14日間の短期留学)です。最初に「オーストラリア研修ロードマップ」を作成し、稲作体験(中1)や鎌倉校外学習(中2)など、さまざまな社会的課題を自分事として捉えることを目的とした多様な事前学習を実施。
 このように、グローバルイシューを意識した教科横断の取り組みを積み重ねて、オーストラリアへと旅立ちます。

 そして、集大成として年度末3月に行われる「比較文化研究発表会」がありますが、そのテーマは、さまざまな体験活動の中から興味のある分野を生徒自身が設定。文化祭では日本語によるプレゼン発表をしますが、オーストラリア滞在時と比較文化研究発表会では英語による発表へと発展させていきます。
 昨年度の比較文化研究発表会でも、「各国のコロナ事情」「LGBTについて」「世界のゲーム市場について」など、多彩なテーマによる発表が行われましたが、ICTを駆使したプレゼン力や語学力も年々レベルアップしています。

 そして、昨年来の新型コロナ感染症パンデミックを奇禍とし、同校では、新たな取り組みにもチャレンジしています。

城西_校長の斉藤栄先生
校長の斉藤栄先生

斉藤校長:「本校では、こういう状況だからこそできることを見つけ、実現させることが重要ではないかと、教職員が一丸となってさまざまな創意工夫を行ってきました」

 コロナ禍であっても国際交流の機会をなくさないよう、日本と海外をオンラインで繋ぐ疑似留学体験や、「城西3DAYS」と銘打った留学生との交流イベントも実施しました。
 多国籍の留学生(ロシア、バングラディシュ、フィリピンなど)と同校の生徒が、「留学生の母国の生活と文化」や「留学生から見た池袋」など、さまざまなテーマでグループプレゼンテーションやフィールドワークを行い、交流を深めました。

コロナ禍だからこそできることを探せ! 「αゼミ」や地元に根ざした「地域密着交流」

城西_グループディスカッションも頻繁に実施。上は国語の授業
グループディスカッションも頻繁に実施。上は国語の授業

 新たな取り組みとして立ち上げた「α(アルファ)ゼミ」もその一つです。
 教科にとらわれず、ノンジャンルでさまざまな学びのきっかけ作りを行っていて、校内でロケットを飛ばそうという試みも。校内のグラウンドで小さなロケットを飛ばすだけでもライセンスが必要なため、理科担当のある先生はロケット発射のライセンス取得研修にも行ったそうです。

 今はまだ手作りに近い状態ですが、「五感を刺激するさまざまなプログラムを用意して、生徒たちをワクワクドキドキさせてあげたい」と、神杉教頭は語ります。
 αゼミは、あくまで生徒が主体的・能動的に活動するためのきっかけ作り。いずれは、αゼミの生徒たちが「あれをやってみたい」「これをやれないだろうか」と、自主的に提案し、他の生徒を巻き込んでいくような形に発展することを期待しているそうです。

 また、クラブ活動の獅子舞研究部が取り組んできた豊島区指定無形民俗文化財「長崎獅子舞」の継承活動や、同校が位置するのが大正の終わり頃から終戦前まで若き芸術家の活動拠点として「池袋モンパルナス」と呼ばれた地域であることから、創立100年を超える同校の歴史や土壌に根ざした文化芸術活動への取り組みも、「JFGLP」プログラムの重要な要素として実現しようと考えています。

 同校の中学3年間は、体験学習や実験実習を通して「自立心を養う」時間です。そこでは自己肯定感を育むための「小さな成功」とともに、ストレス耐性をつけるために不可欠な「小さな失敗」も大切にされます。
 そして、生徒の「やる気」を喚起する工夫を散りばめた学習指導を展開していますが、それは部活動などの諸活動においても同様です。

コロナ禍でも負けない! 軟式野球部が全国優勝!

城西_軟式野球部の部員、大集合!
軟式野球部の部員、大集合!

 今年、軟式野球部が37年ぶりに第66回全国高等学校軟式野球選手権東京大会で優勝し、2回目の全国大会出場を果たしました。陸上部はインターハイで5種目に出場し、4×100mリレーで全国3位に。剣道部も関東大会出場と、各部の成果が際立っています。
 同校には28の運動部、24の文化部があり、コロナ禍の制約のある環境の中で、できることを続けています。

体育祭の切ない光景に、学校行事の大切さを実感

城西_体育祭にて。全校生徒が赤・青の2色に分かれて熱戦を繰り広げた
体育祭にて。全校生徒が赤・青の2色に分かれて熱戦を繰り広げた

斉藤校長:「本校では、コロナ禍の部活動に否定的な保護者の声はほとんどありませんでした。教科学習だけでなく部活動や学校行事などを通して生徒の人間力を磨き上げてほしいという、本校への期待の表れでもあったと思っています」

 さまざまな行事が中止・延期になる風潮があるなか、今年6月には体育祭を実施しました。白熱した競技で盛り上がる一方、その興奮を抑えながら観客席でお弁当を黙食する生徒たちの姿は、先生方にとって胸打たれる切ない光景だったそうです。
 失くして初めてわかる、学校行事の大切さ。しかし同時に、生徒たちが自制心や人間力をきちんと身につけていることを感じさせてくれた光景でもありました。

城西_教頭の神杉旨宣先生
教頭の神杉旨宣先生

神杉教頭:「学校行事や部活動は、生徒たちの人間的な成長に大きな役割を果たしています。だからこそ、これまで行ってきたことを失速させず、できる限り継続していくことが大事だと考えています」

生徒の知的好奇心を刺激する体験重視・本物重視の教育

城西_この笑顔から、学校生活の充実ぶりが伝わって来る
この笑顔から、学校生活の充実ぶりが伝わって来る

「JFGLP」では、「体験を通して学び、考える」をキーワードに体験重視・本物主義の教育を重視し、課題に対して生徒が意見を交換したり、教えあったりして理解を深めるPIL型学習を全教科で展開。
 ワークショップ、ディスカッション、ディベートなども積極的に取り入れ、例えば、数学の問題演習に取り組んだ後に「生徒同士が互いに教え合う時間」を作るなど、各教科とも体系化した学びを構築しています。

 理科では中学3年間で実験・観察は100件以上という同校ですが、「密」を避けるために、中3では「自宅でできる実験」を課題としたレポート作成を行いました。生徒たちが独自な発想で取り組んだユニークな実験の数々を紹介すると、

・筋トレの効能...冬休み中、ひたすら筋トレに励み、1日の筋トレメニュー・回数・体重の変化などを数値化。
・左効きになれるかどうか...毎日、左手しか使わない制約を自らに科して、どれぐらい訓練を積めば右手と同じくらい左手を使えるようになるか検証。
・液状化の実証実験...ガラスケースにさまざまな種類の土と水を入れ、振動を与えて液状化プロセスを動画撮影。


 などと、先生方の予想を超える想像力が発揮されたレポートが届きました。「なぜ?」「もっと知りたい!」と知的好奇心を喚起する「JFGLP」の学習スタイルは、生徒たちに確実に根づいています。

集大成としての海外研修・修学旅行

城西_体験重視の同校では、今年も「稲作体験」を行った
体験重視の同校では、今年も「稲作体験」を行った

 先述の通り、「JFGLP」ではさまざまな事前学習を経て、中3の3学期に全員参加で行うオーストラリア海外研修を中核プログラムと位置づけています。同様に、中1から課題解決型能力を積み重ねて持続可能な社会を考える取り組みまた、高2の修学旅行(ハワイ・台湾・国内2カ所の3コース)を集大成とし、進路選択や将来に繋がる重要な学びとしています。

神杉教頭:「留学体験は語学研修だけが目的ではありません。温度・湿度・匂い・景色など、日常とは違う世界に身を置いて五感をフル活用して得られる実感が、留学の醍醐味です。今後も、パンデミックの状況をギリギリまで見定めながら、可能な限り実現する方向で考えていきたいと思っています」

巻き込む力、繋ぐ力を育む「JFGLP」の理想

「JFGLP」の成果は、生徒たちの日々の行動にも確実に表れています。とりわけ、「内進生は特に、他者を巻き込む力や繋ぐ力に長けていると実感しています」と、神杉教頭。高校の7クラス中6クラスは、内進生がクラス委員を務めています。
 高1の内進生を対象に「若者の意識調査」アンケートを実施したところ、すべての項目で日本の若者の平均をはるかに超えていましたが、なかでも全体の17%の生徒が「他者を巻き込む力」に秀でていることがわかったそうです。この数字も、平均に比べて顕著に高い結果でした。

 9月のしいの木祭(文化祭)の実施内容にしても、「良い意味で意見の食い違いや衝突」があり、実行委員の生徒が先生を説得したり、他の教室まで話し合いに行くほどの行動力を示しました。

神杉教頭:「文化祭を成功させようと奔走するのは、間違いなく課題解決能力の実践です。その体験は、文化祭の経験値としては非常に大きなものになるはずです」

城西_休み時間には、あちこちから元気な笑い声が聞こえてくる
休み時間には、あちこちから元気な笑い声が聞こえてくる

 この4年間、生徒たちが自分の言葉で自分の意見を発表する機会を多く作ってきた「JFGLP」の成果を実感する光景でした。
 この「巻き込む力」が育っている背景には、親身になって、愛情深く接してくれる先生方の存在があります。先生同士の風通しの良いコミュニケーションや、多くの卒業生が口にする「先生方の面倒見の良さ」が、同校の雰囲気を物語っています。

斉藤校長:「職員室で教員が真剣に生徒を叱る光景も珍しいことではありません。教員と生徒の距離が近く、生徒たちが『学校は安心できる場所』という意識を持っているのではないでしょうか」

 生徒の個々の資質や成長を見守りながら、「やる気のスイッチが入る瞬間」を先生方は待ち構えている。そして、その瞬間を逃さずに適切な指導を行う......先生方のお話からはまるで学園ドラマに描かれるような、温かいながらも、熱い雰囲気が伝わってきました。
 ちなみに、職員室でも若い先生方を中心に「これをやりたい」「あれもやりたい」という声が飛び交っているのだそうです。

神杉教頭:「10年後、20年後の将来に、国や活躍する分野が違っても、本校で培った繋ぐ力や他者を巻き込む力を発揮して、生徒たちが中核的な存在として活躍できるようになれること。それが、本校が目指す『JFGLP』の理想です」

2022年度中学入試より「大泉型」スタート。感染症による追試も実施

城西_各国からの留学生が在籍する同校では、日常が異文化交流
各国からの留学生が在籍する同校では、日常が異文化交流

 来年度より、適性検査型入試を従来の「都立共通型」に加え、「大泉型」を実施します。来年度から完全中高一貫校としてスタートする東京都立大泉高等学校附属中学校が自校作成している「適性Ⅲ」に準拠した出題を予定しています。

 全入試日程の「2科・4科」「適性検査大泉型」「英語技能入試Ⅲ」の合格者のうち、成績上位者(若干名)を、学力スカラシップ生に認定。入学金、施設費、授業料3年分を免除します(1年ごとに見直し審査あり。高校進学後は、高校学力スカラシップ制度あり)。

 また、発熱やコロナ感染症などにより当日試験会場に来場できず、入試を欠席した生徒を対象に、2/19(土)に追試を予定します。(追試科目は、2科、英語Ⅰ、英語Ⅱ、英語Ⅲのみ。スカラ認定なし)
 詳しくは、同校ホームページでご確認ください。

新食堂「しいの木ラウンジ」がオープン!

城西_2学期から食堂が新装オープン
2学期から食堂が新装オープン

 この夏、食堂が新しく生まれ変わりました。コロナ感染防止対策のため、当面はお弁当のみの販売となりますが、そのお弁当も彩り鮮やか、ボリューム満点!
 おしゃれなカフェのような雰囲気で、ゆとりある186席の空間には4台のプロジェクターを設置。壁面をスクリーンやホワイトボードにして、グループ学習やプレゼン会場など多様な活動に利用することもできます。現在はアクリルボード越しですが、生徒にとって居心地の良い新たな活動スペースが誕生しました。

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