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学校特集

光英VERITAS中学校・高等学校2021

共学が始動。「探究」を軸に理数・グローバル教育でさらなる進化
2021年は、男子入学元年。授業も校内も活気に満ちている!

掲載日:2021年9月1日(水)

 2021年4月より共学校としてスタートした「光英VERITAS(ヴェリタス)中学校・高等学校」。「Optima est Veritas(真理こそ最上なり)」に由来する校名には学問の真理を追究し続け、世界に羽ばたいていってほしいという願いが込められています。新入生を迎えたばかりの4月中旬、学校を訪問しました。「学校の流れが変わりました。男子は授業でも積極的に発言していて、その様子に女子も触発されていると言いますか、学校全体が活気にあふれているのです」と、入試広報室副室長の中牧さやか先生。共学化1年目の中1の男子の割合は約4割。でも、男女比はあまり感じられないのだそうです。そんな新生・光英VERITASについて、カリキュラムを中心に3人の先生方にお話を伺いました。

「なぜ?」という疑問をもつことから始まる「探究」は、すべての学びの核

週に一度の「探究」の時間で学びを深める

「共学進学校」として「全員大学現役合格」を目指し、新たなスタートを切った同校。しかし、単に大学進学実績を上げることだけが目的ではありません。本当に学びたいものを見つけ、行くべき大学を見つけるため「探究的な学び」を重視しています。

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「『探究的な学び』はすべての教科や学問、学校生活の核となるものです。本校では『探究的な学び』における課題解決のサイクルを通じて、生徒の学ぶ力を高めていきます」と言うのは、「探究」を担当する望月美紅先生。探究的な学びとは、次の3つのサイクルで学ぶことです。
①最初にテーマを決め、情報収集をし、分析する。
②次に課題を発見、解決策を策定する。
③さらに発表(表現)したあと、プロセスを評価し、次の課題へとつなげていく。

光英_「探究」を担当する望月美紅先生
「探究」を担当する望月美紅先生

 この学びのサイクルは、教育の柱となっている「英語・グローバル教育」や「理数サイエンス」、「小笠原流礼法」でも活用。さらには、行事や学校外のプログラムにまで、あらゆる場面で活かされます。
 
 そして、「探究的な学び」のベースとなるのが6年間を通じて週1時間行われる「探究」の授業。
 中1では身近なことを調べ、中3になると自ら設定したテーマで卒業研究に挑戦します。例えば、過去の卒業研究のテーマには「日本刀はなぜ人気なのか」や「日本と世界の医療の違い」といったものがありました。
 そして、新入生は入学直後のオリエンテーションで「探究」の授業についてのガイダンスを受けます。

「新入生たちは『探究』という言葉のイメージだけで『難しい』と思い込んでいたようです。でも、『探究とは何か』を具体的に説明し、自ら課題を発見することが大事なのだと伝えたところ、『難しいと思っていたが、そうでもなさそう』とか『調べるだけが"探究"と思っていましたが、"なぜ?"という疑問をもつことも"探究"なんだと知り、驚きました』といった感想が聞かれました」

光英_「探究」スタートガイダンスのナビゲーションキャンプにて
「探究」スタートガイダンスのナビゲーションキャンプにて

 また、『探究』ではグループ作業を数多く取り入れるなど、「協働力」も大切にしています。同校では2015年より一人1台iPadを所有していますが、調べ学習や発表などさまざまな場面でiPadを活用し、得られた情報や成果をみんなで共有します。

「『探究』にはグループで課題を解決するプログラムも少なくありません。みんなで考えれば、より良い答えにたどり着くことを知る。つまり、多様な意見を取り入れることでさらに学問を深められますし、人との出会いの中で成長していくことができます。これも本校の『探究』の重要な意義です」

「探究」は教科を超えた学びでもあります。
「例えば、俳句を英語で作ったり、英語でビブリオバトル(ゲーム感覚の書評合戦)をしたりと、クロスカリキュラムも行ってきました。クロスカリキュラムでは実施した教科それぞれの理解が深まることがわかりました。多角的・多面的に物事を捉える力を伸ばすためにも、さまざまな教科と連携していきたいと考えています」 

地球規模でモノを考え、行動する次世代リーダーを育てる「英語・グローバル教育」

 同校では「地球を守る自覚と実践力のある次世代リーダー」を育成することを教育理念の一つに掲げています。「昨今の急速な情報化とグローバル化に伴い、これからはますます日本人が日本の中だけで、または日本人同士だけで仕事をする環境は減っていくことでしょう。生徒には、そのような相互依存と多様性が高まるグローバル時代において、地球市民としての自覚と責任を持ち、より良い社会を作る主体的な力を習得させたいと考えています」と、冨田万貴子先生は言います。

光英_英語科の冨田万貴子先生
英語科の冨田万貴子先生

「英語科としての目標は、英語によるコミュニケーション能力の育成です。ですが、目指すところは、表層的な英会話力とは異なり、異文化理解や世界の諸問題に関する理解に基づいた、人と人を結ぶ『コミュニケーション能力』です」

 世界のさまざまな問題について知り、多様な文化を尊重しつつグローバルな視野を身につけ、社会のさまざまな問題の解決に向けて行動できるようになってほしい。そのような願いをもって、同校では、英語学習をグローバル学習と連動させています。
 また、学校生活のあらゆる場面(各教科の授業、学級、学年、部活、委員会、生徒会、学校行事、各種コンテストなど)においても、グローバル教育を推進しています。

英語教育

 「本校の英語の授業では、何年も前からReading, Listening, Writing, Speakingの4技能に加え、Speakingをさらに2領域に分けたCommunicationとPresentationの、合計5領域を総合的に伸ばすことを大きなねらいとし、さまざまな活動を取り入れてきました」
 冨田先生は、生徒の満足度が高い取り組みをいくつか紹介してくれました。

【英語劇】中学生で毎年行う恒例行事
「英語の学習に演技の訓練手法を取り入れることで、ただ台詞を覚えるだけでなく、気持ちや感情をこめて全身で英語を表現します。そのようにして覚えた英語は決して忘れることなく、自己表現のツールとして身についていきます」

光英_オンライン英会話に取り組む生徒
オンライン英会話に取り組む生徒

【オンライン英会話】全学年で実施
「iPadを使用し、フィリピン人講師とリアルタイムで英会話レッスンを25分間行います。教師1人対生徒全員だと、英語を発する量に限界があります。ですがこの方式では、会話を継続するなかで、Speaking力やListening力をはじめとする『英語体力』が身につくのです。展開の先が読めない『生』の会話には緊張感が伴うはずなのですが、日ごろは物静かな生徒でさえも、この時ばかりは積極的に発話を楽しんでいます」

【英語多読活動】
米国スカラスティック社のデジタル多読教材を活用

「各自のiPadで読書を楽しみます。朝学習での取り組みを継続するうちに、余暇の楽しみとしての英語読書にはまっていく生徒が増えてきました。英語を和訳せずに理解し、大量の英語に触れることでReading力が強化されます。また、多少聞き取れない部分やわからない部分があっても動揺することなく内容を追えるようになるので、Listening力も向上していきます。音声による読み上げ機能もその効果を倍増させ、総合的な英語力向上に大きく役立っています。また、帰りのSHRでは、読んだ本を紹介し合うプレゼンテーション活動を行い、読書の楽しみをみんなで共有する場にもなっています」

【英語ネイティブ教員による英会話の授業】
海外への修学旅行の事前学習や、SDGsに基づいた地球的課題に関する探究学習、プレゼンテーション、ディベート活動などを実施

「Writing活動においての添削や、発音指導などもきめ細かに行い、SpeakingやPresentationなどのアウトプットの質を大きく高めていきます」

 また、入学初年度は一部の授業において、習熟度別での学習も実施。できることを強化したり、できないことをカバーしたりすることで、全員が英語学習へのモチベーションを高められるよう、工夫しています。学力の底上げをすることで、次年度以降、英語学習がよりスムーズに進められるようにするためです。

グローバル教育

「地球を守る自覚と実践力のある次世代リーダー」を育成するために、同校ですでに取り組んでいることやこれから取り組むことの一部をご紹介します。

【AFS留学】
 2019年度よりAFS留学の受け入れ校に登録し、初年度はドイツ人女子学生を受け入れました。学校生活のすべてにおいて行動を共にし、異文化を理解し体験する、貴重な機会となっています。同校からも毎年数名の生徒が試験に合格し、AFS留学を体験しています。留学後は国際的な視野を広げ、難関大学合格へとつながったケースもありました。

【台湾の中学校・高等学校との交流】
 台湾の中学生と「ペンパルプログラム」を、台湾の高校生と「オンライン交流」を始動。英会話部やディベート部の生徒をはじめ、アジアや英語に興味がある生徒が中心となって、交流内容を企画するところから始めています。将来的には、SDGsに絡めた地球的課題をテーマとしてディスカッションをしたいと、期待を高めています。

【早稲田大学異文化交流センターとの連携】
早稲田大学に通う世界各国からの留学生が英語の授業に参加し、お互いの国を紹介したり、ディスカッションを行ったりします。広い世界を知り、視野を広げるきっかけとなるに違いありません。

光英_オーストラリアではファームステイも予定
オーストラリアではファームステイも予定

【リニューアルされる修学旅行】
中学生はオーストラリア、高校生はイギリスへ修学旅行に行きます。現地の同世代の学生と交流する機会をもち、ディスカッションなどを通して、日ごろの探究学習を深化させます。アボリジニの文化を体験したり、SDGsのテーマを扱ったりすることで、地球規模で発想し、社会に貢献する創造性を育む素地をつくります。

光英_イギリス語学研修にて
イギリス語学研修にて

【コロナ禍におけるリモート留学】
コロナ禍において数々の海外プログラムが中止となるなか、昨年度は「イギリス語学研修」をリモートで実施しました。家族で盛大にクリスマスを祝う様子がiPadからリアルに伝わってきましたが、ホストファミリーの温かいおもてなしを通して、生徒たちは楽しみながら英語でCommunicationを行っていました。

「これからの時代は『グローバル』と『デジタル』の2つの分野が加速度的に発展していくことは間違いありません。本校では、『英語教育・グローバル教育』においてもiPadを最大限に活用し、より高い質の学びを実現していきます」

未来の社会で活躍できる科学的な思考力を身につける「理数・サイエンス教育」

「答えを求める学び」から「問いを持つ学び」へ

光英_数学科の岡村圭一先生
数学科の岡村圭一先生

共学化を前にした昨年から「理数系カリュキュラムにも力を入れていく」とアピールしていた同校では「理数・サイエンス教育」を「英語・グローバル教育」とともに教育の大きな柱としています。

「数学に関しては、まずやさしい問題から取り組ませています。正解することで自信をもたせ、少しでも苦手意識を無くすよう努めています。スモールステップで成功体験をできるだけ多く持たせるようにしています。また、放課後の自習室(VERITAS AFTER SCHOOL)では、大学生の学習メンターが来てくれ、学習のサポートをしてくれます」と言うのは数学科の岡村圭一先生。
 こうして基礎・基本を固め、探究的な学びを通して、論理的思考力や問題解決能力を身につけていきます。

「『なぜ?』という疑問は、私たちの身の回りにたくさん潜んでいます。例えば、新型コロナウィルスが拡大していくなか、医療先進国である日本は、なぜワクチン開発で遅れをとっているのか、人口あたりの病床数が世界トップクラスの日本で医療崩壊が起こるのか、日本と諸外国の政府のコロナ対策の違いなど疑問に思うことはないでしょうか。このように生活の中で感じた疑問は、数学的な疑問にも通じ、さまざまなデータを調べ、分析することで、その疑問が解明していくことがあります。『問い』を持つためにはきっかけが必要です。そのきっかけをたくさん提供していきたいですね。数学は生活に深く関わっています。このことにも生徒たちには気づいてほしい。そして、数学という学問に取り組んでもらいたいと思います」

●光英VERITASの「基礎活用型理数学習」の仕組み
光英_

数学者や科学者のロマンを伝えたい

「数学者や科学者のロマンを伝えたい」と言う岡村先生は、生徒たちによく科学者の言葉や偉業を語るのだそうです。先生は、アイザック・ニュートンに関するエピソードを交え、学問のおもしろさについて教えてくれました。

光英_卵の孵化実験の様子。理科でも「問い」を持つ学びを実践
卵の孵化実験の様子。理科でも「問い」を持つ学びを実践

「アイザック・ニュートンは1661年にケンブリッジ大学に入学しました。その学生時代に伝染病のペストが流行し、大学が休校になりました。ニュートンはペストを避けて故郷に戻り、研究に励みました。『リンゴが落ちるのを見て万有引力の法則に気づいた』という有名な伝説はここで生まれたのです。そして万有引力の法則だけでなく、微分積分学や光学の研究など、優れた研究成果をあげました。この三大業績はすべてこの時期になされたと言われています。そのため故郷に戻っていたこの期間は『創造的休暇』と言われるようになったそうです。本校も休校になった時期があり、比較的時間の余裕があったかと思います。さまざまなことを考え、『なぜ?』と疑問に思ったこともあったのではないでしょうか。『問い』を持つことは大切です。社会に出てからも『問い』を持つ気持ちを抱き続け、真理を追求してほしいと思います」

また、岡村先生は理数教育に対する思いを次のように語ります。
「ノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎博士の言葉に『ふしぎだと思うこと、これが科学の芽です。よく観察してたしかめ、そして考えること、これが科学の茎です。そうして最後になぞがとける、これが科学の花です』というものがあります。サイエンスの基本は、この言葉に集約されると思います」

「Good teacher は手取り足取り教える。Excellent teacher は範を示す。 Super excellent teacherは生徒をその気にさせる」と、岡村先生。光英VERITASには、単に問題を解く方法を教えるだけではない、学問のおもしろさを伝えようとする熱い先生がたくさんいます。
新生・光英VERITASがこれからどのような姿を見せていってくれるか、ますます楽しみです。

相手を思いやる心を学ぶ「小笠原流礼法」

光英_日本文化と思いやりの心を育む「小笠原流礼法」
日本文化と思いやりの心を育む「小笠原流礼法」

 創立以来、同校では週に1時間「小笠原流礼法」の授業を行っていますが、これは「英語・グローバル教育」「理数・サイエンス教育」とともに同校の教育の3本柱の一つとなっています。

「小笠原流礼法は、もともとは室町時代の武士の礼法です。美しい振舞や所作などは相手を思いやる心や感謝の心から生まれたもの。礼法では、それらの心を学ぶのです。そして、その精神は『探究』にも通じるものがあると本校は考えます」(中牧先生)

 この小笠原流礼法は「道徳」の時間にも当たるもので、6年間を通じて実施されます。礼法の授業が行われる礼法室は2つあり、どちらも本格的な書院造り。そして、この礼法室で身につける日本文化の象徴でもある礼法は、国際理解教育にもつながっていきます。


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