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学校特集

城西大学附属城西中学・高等学校2020

自分の先を見つめる!「JFGLプログラム」
グローバルな人を目指して、中学3年全員で行くオーストラリア研修

掲載日:2020年10月1日(木)

同校の国際交流の歴史は37年前、アメリカ・オレゴン州の高校と交換留学制度を設けた1982年から始まりました。「国際化」「グローバル化」の重要性をいち早く感じ取り、高校で長期留学した生徒が帰国後に留年することなく卒業できるという、海外留学の単位認定制度をほかに先駆けて導入しました。現在では、アメリカ、オーストラリア、韓国、中国など世界7カ国16校の姉妹校・提携校があり、それらの国からの留学生や、国際ロータリークラブを通じて世界中から留学生を積極的に受け入れています。
2018年からは、中3の3学期に全員がオーストラリアに短期留学することを核とした「JOSAI Future Global Leader Program(JFGLプログラム)」をスタート。中高一貫教育の利点を活かし、自立心を養うことを目的としたこのプログラムについて、斉藤栄校長と入試企画部長の坂本純一先生にお話を伺いました。

自立心を養う「JFGLプログラム」とは?

城西_オーストラリア・アデレードの姉妹校の前で
オーストラリア留学先での姉妹校の前で

「JOSAI Future Global Leader Program」=JFGLプログラムは、中3の3学期に全員参加で行われるオーストラリアでの研修(14日間の短期留学)を核とした教育プログラムです。中高一貫校である利点を活かし、「自立心を養う3年間」と位置づける中学生活のゴールとして計画されています。

斉藤栄校長:「単に海外に出かけるだけが目的ではありません。生徒の3年後、5年後、10年後を見据えながら、どのような状況にも柔軟に適応し、社会に貢献できる、グローバルな人材を育てることを目的にしています。中1から "学びのすべてがオーストラリアにつながる"という発想で、日々の学習や校内行事などを展開しています」

城西_アデレードでは、コアラと触れあう楽しい時間も
オーストラリアでは、
コアラと触れあう楽しい時間も

南オーストラリア州の教育省と提携した同プログラムは、現地の一般家庭にホームステイしながら、最初の1週間はオリエンテーションを兼ねて現地の語学学校に通い、2週目は現地校に分かれて、現地の生徒と一緒に学校生活を送ります。生徒たちは、1校あたり5~10人弱のグループに分かれ、1人ずつクラスに加わって現地校の授業を受けます。希望者はさらに6週間まで、滞在期間を延ばすことも可能です。

斉藤校長:「中学生活の集大成と位置づけるオーストラリアに向けた研修ロードマップを作成し、教科横断でグローバルイシューを意識した、様々な事前学習を行います。そして、研修での自信を胸に、高校生活に向けたスタートを切ってほしいと考えています」

海外研修は、どんなトラブルにも
適応できる人間教育

「オーストラリア研修ロードマップ」は、中1の入学と同時にオーストラリアのゴールに向けて、生徒たちをステップアップさせていくための道のりです。海外研修での時間を充実したものにするために、「基礎学力」「語学力」「国際感覚」の強化に重点を置き、さまざまな体験学習を重ねていきます。

城西_校長の斉藤栄先生
校長の斉藤栄先生

斉藤校長:「本校では、中学を『自立心を養う3年間』、高校を『夢の実現に向けた3年間』と位置づけています。中3という多感な年齢で親元を離れることで、生徒の自立心、思考力を育てることは、オーストラリア研修の目的の一つです。言語や文化の違いという壁を乗り越え、環境に適応しようとするこの2週間の体験は、生徒に自信を与えます。その自信を核として、高校生活、さらにその先の進路を考えるきっかけにしてほしいと考えています」

現在高1の生徒10数人が、今年3月にオーストラリア研修を体験しました。研修中に、一人の生徒が現地のマクドナルドでパスポートなどが入ったカバンを置き忘れるというトラブルが起こりました。生徒は同級生やホームステイ先の家族と連絡を取りあい、英語でお店に連絡をし、無事にカバンを取り戻すことができたそうです。

坂本純一先生:「このトラブルに冷静に対処できたことは、生徒の自信になったと思います。我々がJFGLプログラムを導入した目的の一つも、どのような場面にも落ち着いて、問題解決能力を発揮できる人間を育てること。もちろん渡航先での生徒の安全には十分配慮していますし、今回も我々が助けに入る用意もあったのですが、自分たちだけで対処法を考え、行動し、解決できた経験は大きな成長につながったようです。帰国後の学校説明会で、受験生や保護者の皆さんに一番の思い出として語っていました」

このJFGLプログラムに該当しない現在中3の生徒にも希望者が多く、来年の3月に、約30人がオーストラリア研修を体験する予定です。

田植え・中干し・稲刈り・収穫・販売まで。
体験重視・本物主義の教育

城西_農家に泊まり、農業体験をするサマースクール
日本の自然環境と農業を体験するサマースクール

中3全員参加のオーストラリア研修のみならず、学園設立当初から、「本物」に触れることで知的好奇心を刺激するのが同校の伝統です。
稲作体験のサマースクール、理科では3年間で100以上の実験・観察に取り組むなど、自ら体験することで生徒たちの学ぶ意欲を引き出す、体験重視・本物主義の教育を実践してきました。

①日本の自然環境と農業を体験するサマースクール

中1の農業体験プログラムは群馬県水上市で行う2泊3日のサマースクール中に実施。毎年、群馬県水上市の農家に1組5人ほどのグループで訪問し、農作業を手伝い、瑞々しい新鮮野菜のおいしさを味わい、収穫野菜の料理をします。
また、同校の卒業生でもある埼玉県坂戸市の農家の協力の下、田植え・中干し・稲刈り・収穫と、稲作体験は20年以上続いていて、収穫したお米を文化祭で販売もしています。

城西_20年前から続く稲作体験は田植えから収穫まで
20年前から続く稲作体験は田植えから収穫まで

坂本先生:「昨年は、初めて稲の花を見ることができました。田んぼの泥の中に裸足で入り、田植えの大変さなどを生徒は身をもって実感します。さらに、収穫したお米を校内で販売する際は、タブレットで適正価格を調べるなどして、生徒が販売価格を決めています。それは経済の仕組みを知る第一歩になります」

②実験主義の理科教育
体験による学びを大切にし、中学3年間を通して、100以上の実験を行います。たとえば、ガスバーナーを使った完全燃焼の実験で、野菜クズ、カロリーメイトなどさまざまなものを燃やすことも、IH電気の普及で燃える火を見ることも少なくなっている生徒たちには貴重な体験となります。

城西_しいのき祭(文化祭)で、収穫したお米の販売も!
しいのき祭(文化祭)で、収穫したお米の販売も!

斉藤校長:「米作りは日本文化の理解につながり、理科では田んぼの水を採取して微生物に役立てています。また国語で稲作に関する小説を読み、作文を書く。家庭科でお米や野菜の料理を作る。日本文化・自然科学・経済・食育など、あらゆる学びがオーストラリアの留学に向けた事前学習としてプログラムされています。オーストラリアは水資源が少なく節水意識が高いのですが、そうした現地での経験は、水に恵まれた日本への再理解につながり、生徒の事後学習にもつながります。日本に興味をもつオーストラリアの生徒に日本文化の良さを伝える時、生徒自身の体験があれば、拙い言葉でも説得力をもって伝えることができるでしょう。全教科での学びが、オーストラリアで学ぶための事前学習につながっています」

語学力を高める密度の濃い英語教育

海外研修に向けて、そして将来に向けて、コミュニケーション能力を高めるための英語教育プログラムは多角的に行われています。

①実りある語学力を身につける英語教育
「English 4skills」▶︎まず、中学の3学年それぞれで週7時間の英語の授業を行います。朝学習ではタブレットを用い、自分のペースで「話す」「聞く」「書く」「読む」の4技能トレーニングを実施。タブレットの「レベルチェックテスト」で自分の実力を図ることもできます。
オールイングリッシュの英会話授業▶︎ネイティブの先生6名によるオールイングリッシュの授業は、全学年で週3時間。習熟度別の少人数授業で、中3の海外研修出発までに、全員が英検3級以上の取得を目標とします。英検やGTECなどの対策講座や夏休み・冬休みの長期休暇中の補習も充実しています。
「Josai Academic English」(希望制)▶︎学年フリーで学ぶ放課後講座です。単なる会話習得ではなく、 様々な文化的背景や異なった視点の考え方も併せて学ぶ「ベルリッツ英語特別プログラム」も実施しています。

城西_オールイングリッシュの英語授業でも会話が弾む
オールイングリッシュの英語授業でも会話が弾む

②学校外の体験型英語学習
「イングリッシュキャンプ」▶︎中2の夏休みは、学年全員で長野県八ヶ岳に行きます。3日間、ネイティブスピーカー(留学生)のインストラクターと寝食を共にし、コミュニケーションスキルを磨きながら、異文化理解・他者理解に努めます。 「TOKYO GLOBAL GATEWAY(TGG)」の活用▶︎東京都教育委員会が設置した体験型英語学習施設を活用し、オールイングリッシュの環境を体験します。病院や空港カウンターなど、英語が飛び交うさまざまな仮想空間が設定されていて、生徒は日帰りで模擬留学体験をすることができます。

城西_世界各国からやってくる留学生と共に学び、過ごす
世界各国からやってくる留学生と共に学び、過ごす

③校内での国際交流
同校にはアメリカ、オーストラリア、韓国、中国など世界7カ国16校の姉妹校・提携校があり、それらの国からの留学生や、国際ロータリークラブを通じて世界各国の留学生が学んでいます。
「城西の門をくぐれば、世界がある」と言われるほど、さまざまな国から長期で1年間、短期で約3週間の留学生が在籍しているため、学校にいながらにして国際交流を体験できるのです。
校長室に、ベトナムの民族衣装である真っ赤なアオザイが飾られていました。留学生活を終えるベトナムの生徒からのプレゼントでした。「日本の生徒が、"このアオザイを着て、終業式のあいさつをすればいいのに"と、冗談を言ってきます」と、笑顔で話す斉藤校長の言葉に、先生と生徒の距離の近さや、生徒たちが素直に異文化を受け入れている様子も見てとれました。

JFGLプログラムから
次のステップへ!

城西_電磁誘導の実験に夢中になる中学生
電磁誘導の実験に夢中になる中学生

JFGLプログラムによる留学体験は、生徒たちが将来を考える時に、大きな契機となります。このプログラムの体験を活かして、次のステップに向かうことが何より大事なことだと、見守っています。

坂本先生:「海外留学を目指して頑張っているある生徒の夢は、日本の消防官になることです。日本に来ている外国人に防災情報や避難指示を的確に伝えることができるよう改善する等、現在の消防制度をグローバルな視点で改革するスケールの仕事をしたいと考えているようです。海外での様々な体験が生徒の人生観を豊かに変えていきます。ホームステイ先の家族と一緒に船に乗ってカツオの1本釣りを体験したことで釣りにハマり、帰国後、小型船舶の操縦資格を取得した女子生徒もいます」

城西_サマースクールでラフティング(川下り)に挑戦
サマースクールでラフティング(川下り)に挑戦

斉藤校長:「建学の精神に『天分の伸長』『個性の尊重』『自発活動の尊重』を掲げる本校では、特進クラスを敢えて設けず、『共に学び、高め合う』PIL(Peer Instruction Lecture)型学習を実践しています。本校の卒業生に陸上のサニブラウン選手がいます。彼は陸上で能力を発揮しましたが、同級生の一人は、東京大学に進学しました。様々な場所で力を発揮することは、本校の教育の大きな目標です。いろいろな課題や問題にみんなで取り組み、知恵を出し合い、思考力、判断力、協調性を育んでいます。また海外研修に向けた事前学習プログラムなど一つひとつの学びの陰には、教師の多大な努力があります。本校が面倒見のいい学校として評価されている背景に、そうした教師の献身があることに、敬意を払わずにいられません」

先生たちが一丸となってPIL型学習を守るだけでなく、新しさを追求しなければいけないという姿勢を持ち、いま「JFGLプログラム」を生み出した。この姿勢は、斉藤校長や熱気ある坂本先生の言葉からも十分、伺い知ることができました。

【トピック!】
スカラシップ枠拡大 英語技能入試も対象に!

昨年度スタートした学力スカラシップ認定制度では8名の生徒が学力スカラシップ生として入学しました。入学金、施設費、授業料3年分(1年毎見直し審査あり。高校進学後は高校学力スカラシップ制度あり)が免除されます。
▶︎本年度はさらに拡大し、2科、4科、適性検査型に加えて新たに設置された英語技能入試Ⅲの成績上位者もスカラシップ生に認定します。
▶︎英語技能入試Ⅲは国語・算数・英語の3科で受験し、面接が免除される新しい形式です。CEFR A2以上の英語資格を持っていると英語点が70点分保証される上、優秀者は学力スカラシップ生に認定されます。

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