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学校特集

八王子学園八王子中学校・高等学校2019

自主自立の精神が生きる、
新発足の「生徒広報委員会」
生徒の自主性を重んじる伝統があるから、自治力が育つ!

掲載日:2019年7月1日(月)

創設は1928年。長い伝統をもち、通称「八学」として親しまれている八王子学園八王子は、2012年に新たに中学を創設し、中高一貫校となりました。2016年には「東大・医進クラス」と「一貫特進クラス」のコース制を開設し、八王子中学校イノベーションをスタート。創立90周年の2018年に送り出した中高一貫1期生は、素晴らしい大学合格実績を残しました。これまでの教育実践をベースに革新的な教育を展開する中、同学園では2019年から、生徒たちが自ら学園を紹介する「生徒広報委員会」を設置しました。そこで、生徒たちが積極的に関わっているこの「生徒広報委員会」の取り組みについて、同学園募集広報部長の吉村昌輝先生にお話をうかがうとともに、同委員会の生徒たちに話を聞いてみました。

「八学イノベーション」効果が現れはじめた

中高一貫校として開校して8年。
躍進する内部進学生(内進生)の大学合格実績
八王子学園八王子_最先端ICTを活用したアクティブ・ラーニング
最先端ICTを活用したアクティブ・ラーニング

開校8年、八王子学園八王子の新しい取り組みが花を咲かせています。その成果はまず、学力面の伸びとして顕著に現れました。
2016年に、アクティブ・ラーニングを中核とする学校改革「八学イノベーション」をスタートさせた同学園は、それまでの「一貫特進クラス」に加え、特待生を中心とした「東大・医進クラス」のコース制を採用しました。
現在進行中の八学イノベーションは、アクティブ・ラーニングを改革のキーワードに、電子黒板・タブレットなどの最先端ICTを活用した、通常の授業における教育プログラムです。また少人数に絞った「探究ゼミ」は、生徒の知的好奇心を刺激し、双方向性の学びの深 化と表現力の向上に役立っています。

八王子学園八王子_生徒たちは、ネイティブの先生と打ち解けることも早い
生徒たちは、ネイティブの先生と打ち解けることも早い

このような中高一貫のメリットを生かしたカリキュラムにより、生徒たちは「塾・予備校に通わない」学校教育中心の生活を過ごしています。そして、その中で大学入試に向けた学力を養い、学校行事や部活動、キャリア教育に取り組みながら、自立した大人へと成長していきます。
こうした学校改革の成果は、主要大学の合格実績にも顕著に表れてきました。
昨春に卒業した中高一貫生の1期生は、国公立大学に5名、早慶上智や医歯薬系にも多くの合格者を出しました。続く今春の2期生からは、東大理科一類に現役合格したことをはじめ、国公立大学に9名(過年度生1名)、早慶上理に10名((過年度生1名)と、着実な学力アップを示しています。また内進生によるこんな効果が現れてきました。

吉村昌輝先生:「中学受験で入学してきた内進生は、基本的に本学園に通いたいという気持ちで来ています。学校が楽しい、学校が好きと言う彼らがやがて高校生になり、上級生になっていきます。そうした前向きな感情で学生生活を送る内進生の存在が、学校全体を今まで以上に明るい空気にしています。同時に、身だしなみや生活態度も目に見えて良くなり、学園全体が落ち着いてきました」

生徒が手を挙げ、
ボランティアから始まった「生徒広報委員会」

同学園は、「人格を尊重しよう」「心に平和をつちかおう」を学園モットーに掲げ、生徒の自主性を育み、社会に役立つ人材を育てることを教育方針としてきました。
中高一貫校ならではの中学・高校の縦のつながりが育まれ、新たな"八学"の気風も生まれつつあります。もともとあった自主独立の伝統による生徒自治の精神も、形を変えて根付いてきたのです。

八王子学園八王子_文化祭。生徒一人ひとりが来場者と向き合う
文化祭。生徒一人ひとりが来場者と向き合う

2年前から本格的に動き出した「学年委員会」も、その一つでしょう。生徒たち自ら文化祭や運動会、合唱コンクールといった学内行事を企画運営しています。加えて、校内SNSルールの策定など、学校生活全般にわたる決まり事も自分たちで議論して決定しています。

そうした学内行事以外に、学園が主催するものとして受験生や保護者向けの行事があります。これらの行事はほとんどが土曜・日曜・休日に行われるため、学年委員会はタッチしません。そこで手を挙げた生徒たちが、ボランティアとして先生方の補助を始めました。生徒の士気が高く、それならと、生徒目線で学校を紹介する組織として2019年から正式に発足したのが「生徒広報委員会」です。

生徒自身の言葉で伝える
受験生や保護者へのプレゼンテーション

「生徒広報委員会」は、オープンキャンパスや学校説明会、学園祭(八学祭)ツアーや入試模擬体験会などの日に活動。オープンキャンパス当日には学園の最寄駅に立って見学者の経路誘導をし、受験生や保護者に校舎見学の案内をします。今年の学校説明会では、生徒たち自ら受験生や保護者へのプレゼンテーションを行いました。
学年委員会が生徒会のような活動を主とすれば、生徒広報委員会は部活動のような位置づけです。ボランティアとして参加していた元々のメンバー7名に、正式な組織となった今年度から新たに10数名が加わり、現在、中1から高2まで約20名が参加しています。

八王子学園八王子_募集広報部長の吉村昌輝先生
募集広報部長の吉村昌輝先生

吉村先生:「本校はそもそも、学校行事などは生徒たちが運営するのが伝統で、自ら行動する生徒たちを育ててきました。生徒による学校紹介の根底にあるのは、より良い学校づくりには何が必要か、という思いです。教員側の片道通行の理念だけでなく、そこで学ぶ生徒やその学校に通わせる保護者たちの複眼的・多角的な視点が必要だと思います。だから、生徒たちにも、学校を美化する必要はないし、足りないところや不満についても思ったままを伝えてほしいと話しています。そうした問題意識を教員と共有することで、より良い学校づくりに生かしていくことができます」

広報委員会の生徒たちがプレゼンテーションした受験生向け学校説明会でも、先生方は日程と場所をセッティングしただけで、発言内容は生徒たちの自主性に委ねました。

吉村先生:「プレゼンの仕方をアドバイスすることはあっても、発言内容には一切、口出しはしていません。生徒たちも、他者に説明するためには、学校生活について振り返り整理整頓することが必要です。そうした自省の中から出てきた素直な言葉は、現在進行形の八王子学園の生の姿であり、受験生や保護者にも説得力をもって伝わります。そうした"最新"の視点でこの学園を判断し、納得した形で受験してほしいと願っています」

私はこうして、生徒広報委員会に参加しました

受験生と年齢の近い在校生が話すことが大事。
「ありがとう」と言われたのが嬉しかった

それでは、実際に委員会発足前の当初からボランティア活動に参加し、正式に委員会のメンバーになった4人の生徒に話を聞いてみましょう。

八王子学園八王子_委員長の高栁さん
赤十字の活動を続け、重度心身障害者のホームヘルパーの資格を持っている委員長の高栁さん

----みなさんの役割は?
高栁さん(高2):「私は委員長として活動しています。今まで行っていた学校説明会や中学入試補助のほかにも、学校便り『鈴懸(すずかけ)』の"ある先生の横顔"というコーナーで取材・記事を執筆するという活動も新たに始まりました。中学入試補助は昨年度から取り組んでいます」
伊藤さん(高1):「私は委員会の副委員長で、高1(4名)の学年のまとめ役をしています。中2からこの活動を始めました。具体的には、たとえばオープンキャンパス当日に、学園の最寄り駅に立って交通案内をしたり、学内見学の誘導などを行っています」

八王子学園八王子_副委員長の伊藤さん。
副委員長の伊藤さん。パワーポイントを駆使した学校説明会用のプレゼン資料作りが大得意

----この活動に加わった理由は?
滝澤さん(中3):「私は中1の時に、学校説明会のボランティアとして参加したのが最初でした。始めた理由は、最初は"暇だし、おもしろそう"という好奇心だったのですが、始めてみるとおもしろくて。説明会に来た受験生から"ありがとう"と言われたのがうれしくて、ずっと続けています」
川村くん(中3):「生徒広報委員会は、生徒が主体となって学校を外部に広めていく仕事です。受験生が先生方の説明を本当かなと思って聞くよりは、受験生に年齢が近い在校生が生徒目線で説明したほうが、これから入学する生徒たちには大事だと思います」
伊藤さん(高1):「私はもともと人前で話すことが得意じゃなかったのですが、委員会の活動でさまざまな人たちと関わって、少しでも話せるようになりたいと思って入りました。しっかり返答できたりお礼を言われたりすると本当に楽しいし、うれしくなります」
高栁さん(高2):「私は小学校の時から赤十字の活動をしていて、高齢者施設に行って話し相手をしたり、一緒に遊んだりする活動をしていました。部活もボランティア部で、こうした活動を積極的に行っています」

学園の魅力をわかりやすく伝えたいから、
自分たちで作るパワポを使ったプレゼン資料

高栁さんが「ボランティア部」の部活と並行しているように、生徒広報委員会の活動は兼部が可能。伊藤さんは地元の伝統芸能である「車人形同好会」、滝澤さんは「囲碁将棋部」、川村くんは「クイズ研究部」にそれぞれ所属し、部活動も積極的に行っています。

八王子学園八王子_笑顔を大事にしたいという滝澤さん
笑顔を大事にしたいという滝澤さん。保健師の資格を取ることを目指している

----学校説明会のときに工夫していることは?
伊藤さん(高1):「中学では、2名の中学生が別々の視点でプレゼンテーションを行いました。プレゼン資料もパワーポイントを使って自分たちで作成しています」
高栁さん(高2):「伊藤さんは、そういうのが得意なんです。高1以下の生徒たちは、ふだんの授業でタブレット端末を使っているので機器に強いというか、慣れていますね。伊藤さんが作るパワーポイントの画面もとてもわかりやすくて、感心させられます」
伊藤さん(高1):「どうすれば見やすい画面にできるか、コピーや文字数を考えたり動きをつけたり、見せ方をいろいろ工夫するのは楽しいです」

八王子学園八王子_クイズ研究会に所属する川村くん
クイズ研究会に所属する川村くんは、雑学が大好き。将来は数学の先生になりたいという

----今後、どんなことをやってみたいですか?
伊藤さん(高1):「部活動をYouTubeで紹介するような活動もやってみたいです。八王子学園に見学に来てくれる方々に、少しでも興味をもってもらえるようにわかりやすく説明し、相手を飽きさせないようにいろいろな話題を話せるようにしたいです」
高栁さん(高2):「先輩との関係や試験勉強など、私自身が中学受験の時に感じていた不安は受験生も同じだと思うので、そうした気持ちを少しでも取り除いてあげたい。保護者の方には、生徒目線で学校の魅力や行事、雰囲気などを伝えたいと思います。裏方の活動も実感できるので、やりがいがあります」
滝澤さん(中3):「八王子学園八王子中学校の在校生としての意識をもって、楽しみながら笑顔で接していきたいです」
川村くん(中3):「僕が本当にこの学校が大好きなので、八王子学園ならではの魅力を伝えていきたいと心がけています」

生徒、保護者、先生。本気の三位一体で進める学校づくり

学校を美化するのではなく、足りないところを
語ることでこそ、信頼関係を築いていける
生徒広報委員会の生徒たちは、学校説明会で保護者の質疑応答にも対応します。
八王子学園八王子_中3の夏に行われる全員参加のオーストラリア研修旅行
中3の夏に行われる全員参加のオーストラリア研修旅行。ホームステイをしながら現地校に通う

吉村先生:「話し方は未熟でも、正直な生徒たちの言葉は、保護者に好評です。たとえば、学校案内のパンフレットには、"塾や予備校に通わなくてもいい"と書かれているけれど、"通っている生徒もいます"と、彼らは正直に答えています。ただ、基本的には学校での授業をいちばん大事にしていること、そして、たとえば英語のスキルを伸ばしたいなど、個々に目的意識のある生徒が塾に通っていますと、生徒たちがフォローの言葉を足して説明しています。保護者の方には本校の実態がわかって説得力があるようです」

生徒広報委員会の発足と同時に、「在校生保護者イベントサポーター」もスタートさせました。PTAとは別組織のボランティアサポーターで、保護者目線で学校への提言を求めています。中1・中2の保護者限定の組織ですが、現在約20名の保護者が参加しています。
吉村先生:「保護者の方にも、学校をベタ褒めすることなく、ダメなところはどんどん教えてほしいとお願いしています。お互いに学校をよくしていこうという共通認識の下、信頼関係を築きあげていきたい。それがよりよい学校づくりにつながり、結果として学校の広報にも資するはずです」

受け継がれる
八王子学園の伝統と流儀

このように同学園ではさまざまな場面で、生徒たちの心身の成長を促す"きっかけ"を提供していますが、改めて吉村先生は言います。

八王子学園八王子_中2の修学旅行で行く広島、沖縄
中2の修学旅行で行く広島、沖縄では、学園モットーの一つ、「心に平和を培おう」を考え、現地の人から学ぶ

吉村先生:「生徒広報委員会も人数が増え、新しい活動をするたびに話し合っていくでしょう。そうした議論を大事にしていくことが、本学園が大事にしているアクティブ・ラーニングの実践だと考えています。
大事なことは、あくまで生徒が自ら意欲を高め、自らの意志で取り組むことです」

この取材の日、広報委員会の生徒4人の発言は、まさに自ら考え、正直に話す姿を見せてくれました。そして吉村先生と気さくに笑いながら話す姿からも、お互いの「人格を尊重しよう」というモットーが生きていることを目の当たりにしました。そのことを4人に伝えると、川村君が答えてくれました。 「中学入学と同時に行われるオリエンテーション合宿が大きいと思います。ここで学ぶこと、一緒に過ごすことから、先生と生徒も生徒同士も仲良くなっていきます」

学校を好きになること、学校に通うことが楽しいという気持ちが、中学生活をポジティブに肯定的な時間にしてくれます。それが、結果として、学習意欲を高めることにつながり、進路の可能性を広げてくれます。
学問への探究心を深めながら、自分の力で将来をつかめる力を同時に養っていく。それが、八王子学園八王子の教育です。

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