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学校特集

武南中学校2019

1期生の6年間が見事に結実。今、第2ステージの幕が上がる!
今春、1期生が卒業。彼らが残した素晴らしい足跡が、同校の歴史の第一歩になる

掲載日:2019年9月1日(日)

中高一貫教育「BUNAN Advanced」を掲げ、2013年に中学を開校。そして今春、1期生が見事な大学進学実績を出し、武南の6年間の道に、ようやく一本の軌跡が刻まれました。そんな先輩たちの姿を「明日の自分」として目の当たりにしていた後輩は、早くもその姿勢を受け継いでいると言います。1期生の見事な成果と、にわかに注目を浴びる同校の教育の特色を改めてご紹介するために、教頭の本多英夫先生と入試広報担当の鷲田雅幸先生にお話を伺いました。

試行錯誤の6年間を経て、1期生は晴れやかに巣立っていった

その1期生たちですが、卒業したとはいえ、何かにつけて母校に集まってくるのだとか。先生方も「あれ、今日は何があるんだっけ?」と思わず首を傾げるほど、とくに理由がなくても頻繁に母校に帰ってくるのだそうです。

武南_教頭の本多英夫先生
教頭の本多英夫先生

本多先生:「本校にとって、この1期生がやることは何もかも『初めての経験』でした。我々教師も試行錯誤を重ねながらの6年間でしたが、生徒たちはみんなよく頑張ってくれました。大学受験の前も、本来は家庭学習の時期で登校しなくていいのですが、みんな毎朝学校にやってきて、下校時刻までずっと真摯に勉強していました。下級生にすれば、登校した時にすでに先輩たちが学校に来ていて、下校する時もまだ勉強しているわけです。そのように努力する姿を見せてくれたからでしょう、今年になってから下級生たちの放課後の学習時間が長くなりましたね」

同校の職員室はドアも壁もなくオープンな形になっていますが、その前に自習できるスペースがあるほか、メディアセンター(図書室)など各所が自習できる場所となっています。始業前や放課後には、そこかしこに勉強する生徒たちの姿があるのですが、1期生の努力していた姿が刺激になって、最近ではさらに自主的に勉強するようになったというのです。

武南_入試広報担当の鷲田雅幸先生
入試広報担当の鷲田雅幸先生

鷲田先生:「多くの生徒が志望大学合格という結果につながったことも嬉しいですが、努力する姿を見せてくれたことは大きかったですね。卒業生が残してくれた財産です」

同校の何が、このように生徒たちの心に火をつけるのでしょうか。その魅力を改めてお伝えする前に、まず、今春の結果をご紹介しましょう。
少人数制にして、見事な実績(以下は延べ人数)でした。


【国公立大学】東京工業大学1・横浜国立大学1・茨城大学1
【早慶上理・GMARCH】早稲田大学2・慶應義塾大学2・上智大学1・東京理科大学3・明治大学3・青山学院大学1・立教大学2・法政大学2

ほかにも、東京医科大学(看護)1・東京女子医科大学(看護)1など、それぞれが夢を実現させました。
そして本多先生は、一人ひとりに向き合う丁寧な教育を展開する同校らしい、印象的なエピソードを話してくれました。

本多先生:「1期生の女子ですが、彼女は茨城県から6年間、無遅刻無欠席で通い続けました。お父さんの仕事場が都内だったので、毎日途中まで一緒に。そして、その生徒は夢に向かって頑張り、動物関係の短大に進学したのです。やりたいことがあるから、粘り強くやり切る。その姿勢を一貫して見せてくれたような気がして、感無量でした」

では、快挙を成し遂げた1期生の談話を抜粋してご紹介しましょう。
同校の6年間の中で、生徒たちがどのように心に火をつけていったのか、ここからおわかりいただけると思います。

見事に花を咲かせた、卒業生たちに聞きました!

武南_宗 月都くん
宗 月都くん

宗 月都くん(東京工業大学生命理工学院進学)
周りのみんなに刺激されて勉強してみたら、
「勉強→やればできる→楽しい!」を実感
高校の担任だった金子先生は「最初からできるタイプではなかったのですが、何があったのか」と、中学から知る池松縄先生も「落ち着きがなくて、いつも走り回っていましたね。成績も上位グループにはいましたが、とくに際立っていたわけでもないし」と一様に笑顔で話しますが、そんな宗くんが一念発起したきっかけは?
「全然やっていなかったわけではないのですが、さすがに高2の秋くらいになると周りのみんなが勉強を始めたので、自分も得意だった化学と物理を本気で始めたら、できちゃって、わかるようになって、『あれ、おもしろい!』と思えたんです。それからは『勉強→やればできる→楽しい』というサイクルができ上がって、東工大を目指そうと」
宗くんにとって、高校での一番の思い出はボストン研修だと言います。そして、数学の授業も。
「数学の田中先生の授業は印象に残っています。難しすぎず、やさしすぎず、僕の実力にちょうどいい問題を選んでプリントを作ってくれたんです。あのプリントは最高でした」

武南_児玉遼平くん
児玉遼平くん

児玉遼平くん(早稲田大学文化構想学部進学)
部活と勉強の比率は8:2。
高1のボストン研修で火がついた!
バスケットボールに熱中し、文武両道を貫いた児玉くん。顧問の土田先生は、職員室でお昼を食べていた時に第1志望校合格の一報を聞き、食べかけのお弁当の存在を忘れてしまうくらい嬉しかったそうです。
「高校時代は部活と勉強の比率が8:2くらい。ただ、ボストン研修から帰ってきて、高2の2学期くらいからは『早稲田に入る!』という明確な意識をもって勉強を始めました。ボストン研修では現地で活躍する日本の方から話を聞いたり、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学を見学し授業も受けたんですが、その時、『本物に触れた』という感覚が湧き上がってきました。そこで、まずは語学を究め、留学を視野に入れながら大学生活を送りたいと思ったんです」
武南で心に残ることはたくさんあるそうですが、津島先生の国語は「考えさせられる」授業だったので、考える習慣が身につき、論文を解く時もスムーズに対応できるようになったと言います。
「それに、先生は1月の2日から、自分たちの勉強につき合ってくださったんですよ」

武南_田村龍仁くん
田村龍仁くん

田村龍仁くん(慶應義塾大学文学部進学)
研修先のアメリカの高校で授業を受け、
「英語でもわかる!」がその後の自信に
「田村の黙々と頑張る姿に刺激されたという生徒は多いんですよ」と、国語科の津島先生。入学当初は人見知りだった田村くんですが、ゆっくりとクラスの中に輪を広げていったといいます。
「武南での一番の思い出は、ボストン研修です。アメリカの高校に通い、現地の高校生と一緒に授業を受けたのですが、それがたまたまアメリカ史の授業で、禁酒法のこととか知っている内容ばかりで、英語でも『わかる!』と自信につながりました」
「慶應の小論文も過去問も、たくさんやり直しながら一緒に頑張ってきたので、彼の合格は感動的でした」と、津島先生。
今、田村くんはロシア文学に夢中なのだそうです。ロシア文学を読みながら、そこに描かれる戦争や人間の生き様、考え方、平和などについて考え、自分の視野を広げていきたいと展望を語ってくれました。
「慶應の図書館は素晴らしいので、図書館と友達になるかも(笑)」

武南_大根田真由さん
大根田真由さん

大根田真由さん(慶應義塾大学商学部進学)
手厚いサポート体制のもと、
大好きな英語力を飛躍的に伸ばすことができた!
卒業式では総代として卒業証書を受け取った大根田さんは、慶應のほかに横浜国立大学にも合格しました。中学では英語の授業時数が公立校の約2倍ありますが、ネイティブの先生とのコミュニケーションの時間も豊富にあります。「ビーソム先生との会話練習は役に立ちました」と語る大根田さんはその環境を活かして、もともと好きだった英語の勉強に打ち込み、高2の11月には英検準1級を取得。
「将来はまだ未定ですが、大好きな英語を活かした職業に就きたいと考えています。父のような外資系の会社か、コンサルタント会社なんかもいいなと、今は思っています」
中高の6年間を「一瞬だった」と語る大根田さんの言葉からは、武南での学校生活の充実ぶりがうかがえます。

武南_長澤怜奈さん
長澤怜奈さん

長澤怜奈さん(東京医科大学進学)
「挑戦」を促し、「努力」を後押ししてくれる武南。
お正月には、みんなと一緒に学校でラストスパート!
お母さんが看護師だったことから、自分も看護師になりたいと思うようになったという長澤さん。高2から大学受験勉強を本格的に始め、今年のお正月にも学校に来てクラスの仲間と一緒に勉強したそうです。その結果、受験した大学にはすべて合格しました。
男女や学年の別なく仲の良い武南ですが、長澤さんはさっぱりした性格で、誰からも好かれたと先生も言います。勉強以外のことにも意欲的で、「日本的な作法はひと通り身につけたい」と、華道部と茶道部を兼部していたのだとか。
「私は子どもが好きなので、将来は小児科に勤めたいと思っています。看護師の資格を取ることができれば、ほかにもいろいろな形で社会貢献ができると思うので、誰かのためになる仕事に関わっていきたいと思います」

教科教育はもちろん、多様なフィールドワークや
研修で「総合的な人間力」を育む

武南_英会話の授業の様子
英会話の授業の様子

「世界に通用する高い学力・知性を養い、確固たる人間性を育成する」ことを教育指針とする同校。英語運用能力やICT活用スキルを磨き、先を読む力を育成するために「囲碁」を必修(月に1回、日本棋院の方が指導に来校)とするなど、さまざまな魅力あるプログラムを展開していますが、なかでも多様なフィールドワーク(※)や国内外の研修を通して視野を広げ、共生・協働していく姿勢を育むことに力を注いでいます。

※「理科」「社会科」「「芸術科」「国際理解」の4種のフィールドワークがある
※同校の教育内容の詳細についてはこちら→https://www.bunan.ed.jp/j-highschool/

武南_「理科フィールドワーク」の様子
「理科フィールドワーク」の様子

学年ごとにテーマを設けて行われるフィールドワークは、通常の授業では体験できない「本物」に触れ、日本人としての教養と豊かな知性を育むことを目的としていますが、教科横断型で行われる事前・事後学習ではグループでの調べ学習やプレゼンテーションを実施します。

「Plan--Do--Think」を徹底するため、フィールドワークは「事前学習(調べ学習・講演・ワークショップ)→フィールドワーク(記録)→事後学習(レポート作成・プレゼンテーション)」という3段階で行われますが、このような一連の流れをつくることで、体験と知識をつなげ、物事を断片的にではなく、俯瞰して全体的に捉えられる力を体得していくのです。

中1では入学後の6月に、まず理科研修が行われますが、今年も長瀞に地質学・生物学を学びに行きました。そして、この理科研修は、じつは理科学習であるとともに、iPadを使いこなすための最初の練習の機会にもなっているといいます。

鷲田先生:「本校では、一人に1台iPadを持たせています。入学したばかりの中1でもクラスの1/3くらいはすでに操作できるのですが、それ以外は初心者です。フィールドワークでは事後学習で必ずレポートが課されますので、最初に行われる理科フィールドワークでは、iPadの入力方法から、文字の拡縮、色のつけ方や写真の貼りつけ方なども学ぶのです」

また、教科フィールドワーク以外にも、世界を実感する研修として中2でアジア研修、高1でボストン研修、そして高2で古都研修(京都・奈良)を行いますが、「世界を見た後で、改めて日本を振り返る」という意図からこの順番で実施されているのも同校の特色といえます。

武南_「ベトナム研修」では現地のレクイドン中学校とも交流
「ベトナム研修」では現地のレクイドン中学校とも交流

本多先生:「中2のアジア研修ではベトナムに行きますが、共通言語である英語はもちろん、簡単なベトナム語やベトナムの文化についても何十時間もかけて事前学習を行います。ベトナム人の留学生を招いて話を聞いたり、ユネスコやJICAを訪ねてベトナムの情勢も勉強します」

鷲田先生:「それが高1のボストン研修につながっていくのですが、卒業生たちも言っているように、生徒たちは一連の流れがあるからこそ、その時々に刺激を受けるようですね。英語に関してもそうですが、グローバル社会で生きるということはどういうことかということに目を開かされ、自分の将来を見つめるきっかけにもなっていると思います」

もちろん、目指すグローバル人材になるためには自国についても説明できないといけません。そこで、芸術科フィールドワークでは古典芸能鑑賞や、オペラ鑑賞、博物館や美術館見学も実施されます。

武南_能の鑑賞会では、実施体験もできる
能の鑑賞会では、実施体験もできる

本多先生:「先日は中3が能を鑑賞したのですが、事前に能楽師の方に本校で講義をしていただきました。能面の目の部分の穴はわずか7ミリしかなく、しかも昔の人の顔のほうが小さかったため、現代では能面を付ける時は片方の穴からしか見ていないとか、舞台での演技の所作の意味合いなどのお話をいただき、生徒たちも摺り足の仕方を実際に教わりました。そして本番では、教わったことが目の前で展開されるわけです。このように、まさに生きた体験ができることは、今後にも大きな意味を持ってくると思います」

ちなみに、本番当日、能楽堂で一緒に能を鑑賞したのは同校以外は桜蔭など高校生ばかり。武南の生徒たちは中学生ですから、席は最前列だったそうです。そこで、「『舞台には決して触れてはいけない。それが100年後にはシミになるから』といったことも教わりました」と本多先生。

武南「第2ステージ」に向けて、さらに進化中

このように、教科学習以外にも丁寧に学びを積み上げていくため、高校くらいになると自覚が芽生え、生徒たちは自分から動き出すようになるといいます。
ようやく「6年間の成長の道筋」が形作られた同校は、これからも改良を重ね、進化を目指していきます。

武南_高1の「ボストン研修」にて
高1の「ボストン研修」にて

鷲田先生:「少人数ですから、こぢんまりと刺激がないと思われがちですが、外との関わりも大いに活かしながら、これまで同様、視野を広げさせていきたいですね。逆に言えば、生徒たちを見ていると、みんなで目標を実現するんだという『結束力』がとても強いですね。横のつながりにも、縦のつながりにも、絆が感じられます」

本多先生:「体験することでしか、考える力もコミュニケーションする力も協働する力も出てきません。ですから、これからもさまざまな体験の機会を大切にし、幅広い人間性を持った将来のリーダーたる資質を育てていきたいと思っています。これからの時代には『相互理解』がますます必要になってきますが、自分の意見をきちんと持ち、相手の考えを理解したうえでコミュニケーションを深めていかなければなりません。ですから、いろいろ体験するなかで、そのような力を身につけていってほしいですね」

武南_この広い青空のように、生徒たちは育っていく
この広い青空のように、生徒たちは育っていく

「本校は、すば抜けた生徒集団でスタートするわけではありません」と本多先生は言います。
しかし、武南が多様な体験を丁寧に積み上げていくなかで、生徒たちに自覚を促し、それぞれの資質を最大限に伸ばす「のびしろが大きい」学校であることは、1期生たちが見事に証明してくれました。ぜひ、ご注目ください。

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