学校特集
國學院大學久我山中学高等学校2018
掲載日:2018年7月10日(火)
国学院大学久我山の魅力は、生徒一人ひとりが卒業後の人生を自分らしく生きるために困らない"土台づくり"に力を入れているところです。男女の特性に応じた授業ができる別学で基礎学力を鍛え、学校行事や部活動で協働性を高め、学校生活で社会に出ても困らない礼儀を身につける風土が確立されています。
今年度より、女子部でスタートした「CCクラス」も、国学院大学が掲げる「もっと日本を。もっと世界へ」というコンセプトのもと、女子部が創設以来大切にしている日本文化の学習と、英語を使ってフレンドシップを深めるGlobal Programを土台に生まれたクラスです。女子部の「STクラス」を志望する受験生は、CCクラスへのスライド合格を希望することができますが、今年はほぼ全員が希望したとのこと。CCクラスへの期待とともに、久我山の教育に魅力を感じているご家庭が多いことがうかがい知れます。
今回の取材では、この春卒業した高木良大くん(一般クラス優組・サッカー部/早稲田大学国際教養学部1年)と大津七音さん(STクラス・華道部/慶應義塾大学薬学部1年)に久我山で過ごした6年間を振り返ってもらい、同校で学ぶ魅力を紹介します。
異性がいないクラスは気楽で楽しい!
小1からサッカーに取り組んでいた高木くんには「強いチームでプレーしたい」という思いがありました。中学受験をするならその希望を叶えたい。そこで志望校として浮上したのが国学院久我山中学校でした。「身近に久我山に通っている知人がいて、スポーツに力を入れている学校だけど勉強も決して疎かにしない。文武両道を実現できる学校と聞いて、以前から魅力を感じていました」(高木くん)
男子だけのクラスに「最初は違和感があった」と言いますが、「体育の授業では遠慮なく力を出せるし、部活にしても趣味にしてもいろいろな話ができるので、学年が上がるにつれて違和感がなくなり、むしろ楽しいと感じるようになりました」と髙木くん。
しかも久我山は男子校ではありません。ホームルームや授業は男女別ですが、文化祭や体育祭などの学校行事やクラブ活動の多くは男女が力を合わせて行います。そこで異性の特性に気づき、刺激を受けることが多々あります。放課後は男女が混在するため、「心のどこかに "見られている"という意識はありましたね。励みになりました」と高木くん。
一方「小学生の頃から医者に憧れていた」という大津さんは、自分のペースでしっかり勉強できる学校を志望。「セーラー服が着られる女子校志望でしたが、久我山は男女別学なので、女子校と変わらない雰囲気で生活できるのではないかと思いました。入ってみると想像以上にアットホームで、入学当初から学校に通うことが楽しかったです」(大津さん)
国学院久我山では男子と女子とでは学習への取り組み方や思考の仕方に違いがあることに着目し、授業は男女別学で行っています。男女それぞれに合ったアプローチ方法を実践することで、学習への意欲が高まり、理解度も深まるのです。
男子は武道を通して礼節を学び、精神を鍛えます。女子は華道、茶道をはじめさまざまな日本文化を体験して、日本人の心や日本人として身につけたい作法を学びます。キャリア教育も、男女の成長に応じてプログラムを導入。生徒は多感な時期にさまざまな気づきを得て、自分の進路を考えていきます。
伝統文化からおもてなしの心を学ぶ女子部!
武道を通じて礼節を学ぶ男子部!
自分に合う部活動が必ず見つかる!人として成長できる
6年間、本気でサッカーがしたいと思っていた高木くんは、中学サッカー部に入部。部員が切磋琢磨する雰囲気に「ワクワクした」と言います。「負けたくないという気持ちが湧き、中学3年間は勉強よりもサッカーに力が入ってしまいました(笑)」高木くん。
中学時代はレギュラーメンバーとして活躍しましたが、高校に上がると、スポーツ推薦で入学する人や、久我山のサッカー部に憧れて高校から入学する人が多く、「うまい人ばかりで圧倒されました」と高木くん。公式戦のメンバーには選ばれませんでしたが、「楽しい半面、忍耐を要する時もあり、おかげで精神面が鍛えられました」と思い出を振り返ります。
一方の大津さんは、入学当初は勉強第一主義。特に「この部活に入りたい」との希望はありませんでしたが、仲良くなった友人に誘われて華道部に入部。師範の資格取得がモチベーションになり、6年間、活動を継続しました。
2017年には全国準優勝を果たしたサッカー部
大津さんも所属した華道部の作品
久我山には運動部、文化部、合わせて中学28、高校44ものクラブがあります。全国大会レベルの実力を誇るクラブもあれば、週1回、楽しく活動をしているクラブもあるので、高木くんのように「6年間、本気でサッカーがしたい」と、入学前から入部するクラブを決めている人も、大津さんのように入学後に自分の興味に合うクラブを見つけて入部する人も有意義な時間を過ごすことができます。文化部を中心に、男女が協力し合って活動するクラブも多く、久我山の放課後は非常に活気があります。
勉強も部活動も一生懸命が基本!
「中学時代は平日の家庭学習が疎かになっても週末に時間を取ることができたので、取り戻すことができましたが、高校に上がると休日も部活動があったので勉強との両立はきつかった」と高木くん。
それを乗り越えることができたのは、進みたい道が見つかったことと、その道になんとしても進むという強い気持ちがあったからです。
「中3の家族旅行(アメリカ)で悲しくなるほど英語が使えず、せめて単語だけでも覚えようと通学時間を使って学習すると、英語を学ぶことが段々楽しくなってきました。さらに『英語に慣れたら、原書を読むといいよ』という先生からのアドバイスを実践すると、英語力の伸長を実感できました」(高木くん)
「一般クラスから6組(優組)へ、6組(優組)からSTクラスへと、ステップアップできるシステムがあったことも勉強に対するモチベーションになった」と高木くん。高1の途中からは6組(優組)に入ることができたそうです。
高2になると"英語が使える""長期留学ができる"学部に進みたいという希望が定まり、早稲田大学国際教養学部を目標に掲げて、秋頃から受験勉強をスタートさせました。「ちょうどその時期に、サッカー部の友だちが勉強に専念したいと言い、みんなで話し合いました。引退は高3の夏ですが、そこまでもうひと頑張りするか、退部して勉強に専念するか。勉強を選ぶ友だちもいて悩みましたが、僕はここまでやってきたのだからもう少し頑張ろうと思い、最後まで続けることにしました」(高木くん)
高3になると、男女を混ぜて学力別に編成したクラスで授業を受ける機会があります。まじめにこつこつ学習する女子の姿勢を目の当たりにし、「しっかり勉強しなければいけないと気合いが入りました」と高木くん。
高3の夏休みに実施される伝統行事、御岳合宿(7日間の校外合宿講習)にも参加しました。「早朝から深夜まで勉強づけなので、最初はすごいところに来ちゃったなと思いましたが、同じような志をもつ人たちと寝食をともにし、勉強したりいろいろな話をしたりする中で、『大学に合格して進路を切り拓くぞ』という気持ちがより一層強くなりました」(高木くん)
苦しいことにも逃げずに立ち向かい、希望をかなえた高木くんは、1年間の留学を心待ちにしながら、大学のサークルだけでなく、高校時代の仲間とチームを作ってサッカーを楽しんでいます。「久我山のサッカー部出身」と胸を張れるのも、海外を舞台に発信できる英語力や人間力を磨けたのも、文武両道を貫いた結果です。
中2から高木くんの担任をしてきた近藤先生は、「高い目標に向かって、最後まで力を抜かずにやりきった。(苦しいことも)いい意味で楽しめたのは、部活動や、クラスの生徒から受けた影響が大きかったと思う」と振り返り、成長を喜んでいました。
はまった! Global Program
国学院久我山では、多様化する社会で中高での学びが自分らしい人生を切り拓く力となるように、さまざまなプログラムを用意しています。大津さんが心を揺さぶられたのは、女子部が中2から高2までの4年間かけて継続的に行っているキャリア教育"働くということ"の講演会と、英語を使い多彩な経験ができる"Global Program"でした。
「久我山には外部の方から話を聞く機会がたくさんありました。中でも中3の時に聞いた国際協力をしている方の話に心を揺さぶられ、自分も同じような道に進みたいと思いました」(大津さん)
将来の夢を持つと学習への意欲がより一層湧き、中3からは毎日3時間以上の家庭学習を継続。高校に上がると "Global Program"がスタートしたので、國學院大学や他大学の留学生を招いて英語でコミュニケーションする"Friendship Meeting"や、久我山の「寺院通り」を英語で案内する"英語で地域探訪"などのプログラムに参加ました。
「まわりの子がやるからやるのではなく、自分の興味に従って積極的に申し込みました。英語は小学生の時に英会話教室に週1回くらい通っていた程度で、決してできるほうではありません。むしろ、最初に参加した時に英語がしゃべれないことを痛感し、将来、英語で困らないために、こうしたプログラムを利用しようと考えました」と大津さん。
学校紹介をテーマに取材や記事づくりを体験する "Kugayama Times"の制作は、約3ヶ月間、継続的に行うプログラムですが、それにも手をあげました。「私のグループは、教育者の方を学校に招いて、別学についてインタビューを行いました。インタビューした内容を英語で記事にすることは本当に難しかったのですが、その分やりがいもありました」(大津さん)
大津さんの目標が具体的になったのは高2の春。「もともと医療に興味があったので、国際保健について学べる大学を目指すことにしました」と大津さん。担任をしていた加藤先生が、「目標が明確になると、こちらが何も言わなくても自分で計画を立て、淡々と、自分のペースを崩さずに勉強していた」と言うように、高2の春以降は一層勉強に力を入れたそうです。
男子と一緒に理科演習の授業を受けて、「私はぬるま湯に浸かっていたのかなと思った」と大津さん。「高校生になると男子は一変するというか、勉強に対するエネルギーに女子にはないものを感じたので、頑張らなければいけないと思いました」
そうした毎日でも息が詰まらなかったのは、週1回の部活動と、クラスの雰囲気がよかったからです。「高3にもなると、各々が自分の過ごしたいように過ごせる関係ができていて、すごく居心地がよかったです。受験勉強というと個々に頑張るイメージがありますが、みんなが学校では楽しく、家では集中して勉強するというようにメリハリをつけて頑張っていたので、最後まで学校に通うのが楽しかったです」と大津さん。
その仲間たちとは、久我山を卒業した今でも「毎日LINEで連絡を取り合い、顔を合わせることも多い」と言います。「本当に良い友だちができたので、久我山に入学したことが大正解だったと実感しています。今振り返ると、中高の6年間は自分の芯を作る時期だったのかなと思います。私は塾に通っていなかったので、先生を頼ることも多く、進路の相談に乗ってもらったり、成績が悪い時には励ましてもらうこともありました。
今はまだ、研究の道に進むか、現場(国際機関)に出るか、迷っていますが、焦らずに人生をかけて自分が思い描いていることを実現できればいいと思っています」(大津さん)
卒業後に困らない礼儀作法が身につく!
国学院久我山では身だしなみや挨拶など、卒業後に困らない「礼儀作法」を大切にしています。特に中学時代は注意を受ける場面も多く、「厳しい学校」と感じる生徒が少なくありませんが、高校になると校則を守ること(正しく生活すること)が当たり前となり、卒業後には感謝の念を抱くと先輩方は口を揃えます。
久我山の「きちんと青春」というキャッチフレーズには、「何事も身をもって学ぶことが大切」というメッセージが込められています。生徒一人ひとりが自分らしい人生を思い描き、実現するために必要な力を育めるよう、さまざまな体験を用意していますので、ぜひ同校に一度学校に足を運んでいただき、久我山生のエネルギーや"男女別学"ならでは環境に触れていただきたいと思います。