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学校特集

開智日本橋学園中学・高等学校2018

主体的に動けて、社会貢献のできるリーダーを育てる
「自分で考えて、自分で動く」からこそ学力が身につき、本物の人間力も養われる

掲載日:2018年6月1日(金)

共学化4年目を迎え、1期生が高校へ進学した開智日本橋学園中学・高等学校。1期生は「自分たちが学校を創る!」と後輩たちを引っ張る頼もしい存在に成長しています。
国際バカロレア(IB)の候補校となったことで注目される同校ですが、人気を集めている要因はIBだけではありません。授業や学内外で取り入れられている「探究」の活動にも高い関心が寄せられています。「探究型の学びのねらいはすべて『主体性』を身につけるためのもの。『誰かのために』という思いやりの心を持ち、自分で考え自分で行動できるようになれば、本校が目指す『国際社会で貢献できるリーダー』に近づきます」と、校長の一円 尚先生は力強く答えます。
学年ごとにテーマを設定したフィールドワークなど同校の探究型の学びを中心に、探究力が鍛えられた生徒の成長ぶりも合わせて開智日本橋学園の今をご紹介します。

TBCは中2が中1に主体性を直接伝授!

開智日本橋_校長 一円 尚先生
校長 一円 尚先生

「探究」は開智日本橋学園を語るうえでの大事なキーワードの1つ。なかでも開智日本橋らしさがよく現れている探究活動が、中1・中2合同の、2泊3日の「TBC(チーム・ビルディング・キャンプ)」です(「オリエンテーション合宿」から改称)。中2は自分たちが新入生だったときのことを思い起こしながら、新入生が少しでも早く中学生活になじめるように、「後輩のため」に自ら動きます。一方、新入生にとってのTBCは、初めての探究活動であり、主体性を徹底的に鍛える機会でもあります。

先輩になりたての中2と、中学生になったばかりの中1が、新たな環境でさまざまなことに挑戦し、自信をつけることが最大のテーマ。まず、中2が進級前から準備してきたテーマについて発表し、手本を見せることから始まります。

今回、初めてTBCに参加した4期生(中1)について伺うと、校長の一円先生は「目を見張るものがありました」と語ります。「発表は原稿を棒読みしてまだまだ拙いのですが、高度なテーマにチャレンジしたり、テーマの目の付け所がなかなかよくて感心しました。結論に至る論理も筋道が通っているものが多く、思考力が身についているお子さんが入学してくれていることに、大きな手応えを感じています」。

「この人のためなら」と思われるようなリーダーを育てたい

開智日本橋_TBCは新入生たちにとっては最初の探究活動
TBCは新入生たちにとっては最初の探究活動

開智日本橋ではTBCなどの学校行事はすべて生徒主体で運営を行います。行事ごとにリーダー役の「実行委員」を選出し、アクティビティの内容やスケジュールなどもすべて生徒が計画。教員のアドバイスは必要最小限にとどめています。

実行委員の最大の役割は、仲間に「奉仕」することだと、一円先生は言います。自分のためではなく、みんなにとっての最善策をとことん考え、ときには仲間を叱咤することもあります。こうした「他者のために」という姿勢は、同校が掲げる「社会貢献できるリーダーの育成」に通じます。

一口にリーダーと言ってもいろいろなリーダー像があります。同校が目指すのは、他者から「リーダー」と認められる人物です。言い換えれば、周りが「この人になら、ついて行きたい」「この人のために頑張ろう」と思い、盛り立てようとする人物です。「周囲の信頼を得られる真のリーダーの資質として、人としての器の大きさ、人間力を養いたいと思っています。人間力は人と関わることで育まれます。だからこそ、本校ではいろいろな経験の場を用意しているのです」(一円先生)。

主体性は自分でつかみ取るもの

開智日本橋_TBCではプレゼンの機会も豊富に用意
TBCの企画、運営は全て中2生が!

TBCをはじめ同校が取り組む探究活動のねらいはすべて「主体性」を育むことにある、と一円先生は言います。「本校の教員は生徒にいちいち指示を出しません。生徒には、次に何をすべきか、してはいけないことは何か、自分で考え、判断して行動するようにと伝えています」(一円先生)

入学前に、TBCの概要を新入生と保護者に説明するのは、1つ違いの中2生。大勢の大人を前に堂々と説明する姿に、保護者は「1年でここまで成長できるなんて」と、皆驚きの声を上げるそうです。

とはいえ、始めから主体的に動けるわけではありません。同校では自ら動くことがとても大切だということを日頃の学校生活から学ばせているのです。例えばTBCのように、先輩たちが教員の指示待ちではなく主体的に動いている姿を下級生が見れば、自然と主体性が身につきます。「主体性は教え込むものではなく、自分でつかみ取るものです。いくら経験の場を設けても自分の意思で取り組まなければ何も吸収できません。自ら考えて動くからこそ成長の糧にできるのです」と一円先生。つまり同校では生徒が「自分でやってみよう」とその気になるまで、根気よく「見守る」ことで主体性を育んでいるのです。

「磯のフィールドワーク」は中1のターニングポイント

開智日本橋_磯のフィールドワーク
磯のフィールドワーク

中1が飛躍するきっかけとなるのが、初めての本格的な探究活動となる9月の「磯のフィールドワーク」です。学年行事ですから、それまでの学校行事にように先輩を頼ることはできません。運営を仕切るのはリーダー役となる実行委員の約30名。フィールドワークの運営は難しいことも多々ありますが、苦労以上にやりがいもあります。実行委員にとって、仲間からのねぎらいの拍手は何よりうれしく、他者の役に立つことの喜びを実感するそうです。

探究活動は「疑問→仮説→検証(考察)→発表」という4つのステップを踏みます。探究の4つのステップのうち、スタートの「疑問」を発見できるとサイクルがうまく回せるようになります。しかし、疑問は自然とわいてくるわけではなく、自ら見つけようとする意思がないとなかなか見つけることができません。自然と、教員のアドバイスも疑問の発見に対するものが多くなるそうです。

開智日本橋_探究活動の成果は発表で!
探究活動の成果は発表で!

最初は少し考えればわかるような、単なる「思いつき」の疑問になりがちですが、「学年が上がるにつれて考えることを簡単に諦めなくなり、徐々に探究の甲斐があるような疑問を見つけられるようになります」と一円先生は考えることに対する探究活動の成果を実感しています。

磯のフィールドワークで中1が成長するのは、2泊3日の泊まりがけであることも大きいと一円先生。「自宅と違い、自分の好き勝手にできない環境に身を置くことで、自ずと主体的に行動できるようになる」そうです。

現場に足を運ぶから新たな気づきがある

開智日本橋_森のフィールドワーク
森のフィールドワーク

磯のフィールドワークは、まず磯に出て観察し、疑問を発見することから始めます。「カニは岩の陰にいることが多い」など、生き物の生態を実際に観察すれば、机上では発見できなかった新たな気づきが得られるのです。フィールドワークでは、ティーチングアシスタントの東京海洋大学の学生に探究活動のコツや磯の知識を教えてもらいながら、疑問を持つ目を養います。その後、疑問を検証し、考察したことを1枚のポスターにまとめて班ごとに発表します。すると、活発な質疑応答から、新たな疑問が次々生まれてくるのです。

開智日本橋_国内探究フィールドワーク
国内探究フィールドワーク

中2の探究活動は、中1と同じく自然の中から疑問を見つける「森のフィールドワーク」です。中3は社会資源から考える「国内探究フィールドワーク」を、高1は企業など訪問先にインタビューする「首都圏フィールドワーク」というように、学年が上がるごとにステップアップしていきます。来年の高2で実施する海外フィールドワーク先はイギリスに決定。現地の大学生に日頃の探究活動の成果を英語でプレゼンテーションする計画です。

生徒が立ち止まり、考えたくなる問いを投げかける

開智日本橋_開智日本橋ではICTも積極的に導入
開智日本橋ではICTも積極的に導入

開智日本橋では、授業についても、生徒自身が考え、自分たちで話し合う能動的な探究型授業を積極的に取り入れています。探究型授業の要となるのが、教員が投げかける「問いの質」です。同校の教員たちは日頃から生徒が頭に「?」を浮かべて立ち止まり、自ら考えたくなるような問いの研究・作成を心がけています。

数学の場合、出口となる別解を考える問いは比較的設けやすいのですが、入口の問いはなかなか難しい。けれど、単に公式を覚えて問題を解くだけでなく、世の中のどんなところで役に立っているのか、多少なりとも見えてくると、少しでも目的意識を持って学習するようになるそうです。

答えのない問いに向き合う「哲学対話」

開智日本橋_哲学対話
哲学対話

中1から授業の扱いで取り組んでいる「哲学対話」も、同校の特色の1つです。答えのない問いに対して皆でディスカッションする中で、自分なりの仮説を巡らせ、他者の意見を聞き、論理的に自分の意見を構築していきます。例えば、「一人でいるのと友達といるの、どっちがいい?」という問いについては、「一人でいる派」と「友達といる派」で議論が大いに盛り上がりました。初めは教員が問いを設けますが、次第にどんなテーマで話し合いたいか、生徒たちで決めるようになります。また普段の生活の中では通り過ぎてしまうような問いについて考えるため、「自分はこんなふうに考えていたんだ」と、自分の新たな一面に気づくこともあるそうです。

また、「こんなことを言ったらヘンに思われるんじゃないか」と思うと、萎縮して率直な意見が言いにくくなることもありそうですが、哲学対話は正否がないことを話し合う場ですから、何を言っても許容される雰囲気があるため、まったく心配はないそうです。

聞き手も自分と異なる意見に耳を傾け、理解しようとする姿勢が身につきます。「哲学対話は、生徒の潜在能力を引き出すのにとてもいい機会になっている」と一円先生はこの教育効果に胸を張ります。

学内完結の「オール・イン・スクール」の環境を整える

開智日本橋では、国際バカロレア(IB)の中等教育プログラム(MYP)と、世界共通の大学入学資格が取得可能なディプロマプログラム(DP)の候補校でもあります(IBワールドスクールに認定申請中)。

1期生が高1に進んだ今年、いよいよ大学進学ということばが現実味を帯びてきました。同校では高1まで4つのコースに分かれます。国際バカロレア(IB)のクラスとして、十分な英語力のある「グローバル・リーディングクラス(GLC)」、日本語でIBを学ぶ「デュアルランゲージクラス(DLC)」、そしてIBに準拠せずに最先端の探究型の学びを実践する「リーディングクラス(LC)」です。

開智日本橋_文化祭では日頃の成果を来場者に発表!
文化祭では日頃の成果を来場者に発表!

高2からは、IBクラスの生徒が継続してIBプログラムを受ける「国際クラス」と、国内大学への進学を目指す「国立理系クラス」「医学系クラス」「国立文系クラス」「私立文理クラス」に分かれます。「今後は医学部志望者に対応できる医学系クラスを立ち上げたい」と一円先生。さらに「放課後の特別講座(無料)を充実させたいと思っています。また、現在建設中の別館に自習室を設けて、21時頃まで利用できる計画もあります」と受験生にはうれしい、今後の展望も語ってくれました。

自習室の新設は同校の主体的な学びを一層後押しすることになるでしょう。今後は、学内ですべて完結できる「オール・イン・スクール」の環境を整えて、大学受験を全面的に支援する構えです。

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