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学校特集

文京学院大学女子中学校 高等学校2024

グローバル×探究~描くのは私だけのストーリー

掲載日:2024年3月4日(月)

 名勝六義園に隣接、閑静な住宅地に位置する文京学院大学女子中学校 高等学校。「時代に先駆けた教育を目指す」という創立者の思いを引き継ぎ、国際社会から必要とされる人材育成を目指しています。
 理数キャリアコースに在役する2名がISEF2023(国際学生科学技術フェア(Regeneron ISEF)2023)において、67の国と地域から集まった1600余名の高校生と競い合い、「材料科学部門」において4等入賞という快挙を成し遂げました。国際社会での活躍する女性の育成を意識してグローバル教育と探究活動に、長く取り組んできた成果が発揮されました。同校では、中学1年生から段階的に探究の技法を身につけ、高校2年生ではゼミ形式の研究活動を行います。国内外の各種大会、コンテストでの実績は、大学入試の成果にも繋がっています。
 教育提携を結ぶアオバジャパンインターナショナルスクール(A-JIS)文京キャンパスがインター共用棟に開校し、両校が連携して行う教育活動も広がっています。
 グローバル教育を中学校副校長島田美紀先生、探究活動を高等学校副校長佐藤泰正先生からお話をうかがいました。

時代を生きるツールとして英語力をつける

文京学院女子_中学校副校長 島田美紀先生
中学校副校長 島田美紀先生

島田副校長:グローバル社会が生み出す多様性とは、価値観のぶつかり合いも意味します。文京学院では、日ごろから異文化に触れる機会を多く設け、アオバジャパン・インターナショナルスクールとの教育提携に加えて、留学生や帰国生の受け入れも積極的に行ってきました。昨年は、JICAから教育視察員の方が「日本型教育」を学ぶために、1週間を本校でお過ごしになられました。日本型教育に関心を寄せられ、放課後の清掃活動を一緒に行った経験は、生徒にとっても大変良い経験になりました。

英語で学んだから挑めた世界の舞台
国際学生科学技術フェア(Regeneron ISEF)2023で優秀賞4等

文京学院女子_タイの学校との科学交流
研究活動に打ち込んだ高2の夏

 2012年から始まったPrincess Chulabhorn Science high school(タイ)との科学交流は、理数キャリアコースに在籍する高校2年生を中心に行われ、今年で12年目を迎えます。研究成果は、英文で作成し、英語で発表、質疑応答まで行うそうです。研究内容をブラッシュアップして、大会やコンクールにも積極的に取り組んでいます。2023年はISEF2023(アメリカダラスで開催)で4等という快挙にもつながりました。このような大会やコンクールでの受賞歴は、多様化する大学入試での武器にもなっています。

文京学院女子_英語でのプレゼンテーション
タイ科学交流(英語でプレゼン)

島田副校長:「世界を舞台に」となると、英語が母語の人もいる中での闘いになります。日頃から科学を英語で学んでいたことが、研究活動、プレゼンテーション、質疑応答など全ての場面で生かされました。
受賞生徒:私たちの研究は、江戸時代に流行した「小町紅」との出会いから始まりました。「小町紅」は、色を重ねることで、緑色に発色する不思議な紅です。この紅を真似るために、墨を下地にした例を見つけました。黒と赤を組み合わせて緑が再現できるのか?という疑問が研究テーマに繋がりました。日本を代表する企業の研究者の方から直接ご指導をいただけたのは、素晴らしい経験でした。コラボ授業で、日頃から英語で科学を学んでいたため、英語の科学用語に慣れていたことも良かったです。

世界と繋がるGlobal Program
International Schoolと学びの共有

島田副校長:文京学院のグローバル教育の基本は、「英語で学ぶ」です。コラボ授業もその1つです。日本人教員とネイティブ教員が組むことで、同じ教科や事柄であっても、学び方も、学ぶ視点も異なることに気づくことが多様性の受容に繋がります。これからの社会に必要なのは、そのような力ではないでしょうか。

A-JISと共働で学ぶ場面も増えていると聞きます。

文京学院女子_One Day留学
One Day留学

島田副校長:A-JISも、私たちも、学校という場が「社会をよりよく変えていくための人材を育成する場である」という点で一致します。そのために、必要な学びを共有しています。
 アフタースクールプログラム、One Day留学のように、A-JISの授業や学校生活を体験出来るプログラムは、留学を考えている生徒にとって最適です。海洋ゴミ問題をアートで表現した藍 indigo Project、ミュージカルなど、シーズンごとのプログラムもあります。ハロウィーンパーティ2023に参加した生徒は、本格的な仕掛けに驚く一方、英語での会話に抵抗感が一気になくなったと話していました。

 学内にインターナショナルスクールがあり、交流が日常的に行われているというのは、とても魅力的です。訪問した時も、春に行われるコンサートに向けて合同練習が行われていました。
 また、同校では、様々な語学研修も盛んにおこなわれています。中学生を対象としたブリティッシュヒルズ(福島県)での語学研修は、入学前から参加することを楽しみにしている生徒もいるそうです。
 中学3年生から高校2年生までは、渡航を伴うプログラムが実施されています。行先や目的に合わせて、生徒たちは選択するそうです。 

文京学院女子_Musical theater Summer Camp
Musical theater Summer Camp

島田副校長:オーストラリアで行われる語学研修は、ホームスティ先から学校に通います。日本とは異なる習慣の中で生活することで、心身共に鍛えられて、たくましくなったと言う声が保護者からも寄せられています。
 長期の留学を希望する生徒も増えています。フランス、ブラジルなど、英語圏以外の国での生活に挑む生徒もいます。海外大学へ進学する夢を応援するために、海外に協定校も増やしました。「学びたい」気持ちに応える環境を整えたいと考えています。

修学旅行も海外ですか?

島田副校長:自国を知ることも大切な学びだと考えています。そのため、中学生は国内、高校生は国内と海外の選択制です。

広がる!海外教育提携先!
2023年実施例 オーストラリア語学研修

文京学院女子_オーストラリア研修
オーストラリア語学研修

 2022年秋から、海外への渡航を伴うプログラムを再開させました。オーストラリア語学研修は中学3年生から参加できます。ホームステイをしながら、通学するプログラムです。

「国際塾」

 グローバル人材育成の場として放課後講座「国際塾」を開設しています。自身のニーズやレベルに合わせて受講できるため、多くの生徒が部活動と両立しながら、英語力の伸長を図っています。


島田副校長:国際塾は、英語で学ぶことがコンセプトです。英語検定試験の対策はもちろん、ネイティブ教員の専門性を生かした様々な講座が展開されています。

 正規の授業だけでなく、放課後も英語で学ぶ講座が設けられている点に、同校がグローバル教育を大事にしていることがわかります。現在、オールイングリッシュで授業を行う大学も増えてきましたが、国際塾の学びは、大学入試や大学入学後の学びにも生かされていると聞いています。学校としては、その先まで見据えているということでしょうか。

文京学院女子_国際塾
国際塾

島田副校長:大学だけではなく、英語を社内公用語にしている企業も増えています。英語運用能力が高いということが、その後の社会的地位の獲得に繋がるといっても過言ではありません。大学入試は、人生の最終目標ではありません。その先まで生かせる学びを提供したいと思っています。

実際に、どのような講座が開設されているのでしょうか。人気の講座を教えて下さい。

島田副校長:英検取得を目標とする講座の受講者はやはり多くいます。ただ、2級以上に合格した生徒は、Communication SkillsやStory Writingなどの講座が英検取得にも役だったと言っていました。受講している生徒が、楽しみながら英語の力をつけていくことが理想です。国際部の副部長でもあるサイパル先生は、アートに造詣が深いので「Art & Culture」の講座を担当していただいています。アートを観賞しながら意見を伝え合うことが、英語力の伸長に繋がるのは自然な学習の仕方です。コミックを読んで、国による笑いの壺の違いを知ることも大切な気づきだと思います。

【2023開設講座】

英語検定対策講座(1級~5級まで)、Communication Skills、Story Writing、Easy News、Global Issues、TED Presentationほか

文京学院で学んで、つかんだ!
文京学院女子_

 高2で英検準1級を取得、現在は上智大学外国語学部英語学科で学ぶTKさん。
TKさん:英検を受けたこともなく、中学校に入学するまで英語の勉強は全くしたことがありませんでした。5級から1つずつ受けていった感じです。日ごろからコラボ授業で英語に触れる機会も多く、英語で映画を観てみんなで語り合うなどの経験が英語力の伸長に繋がり、また学びたいというモチベーションにもつながりました。

10年かけて構築した探究Program
探究に必要な手法を学ぶ!

 2021年より全中学校で、2022年より全高校で実施されている探究活動ですが、文京学院では他校より10年早く実施してきました。

文京学院女子_高等学校副校長 佐藤泰正先生
高等学校副校長 佐藤泰正先生

佐藤副校長:2012年より文部科学省指定スーパーサイエンスハイスクールとして探究活動に取り組んできました。この間に培ったものは大きかったと思います。現在は、中学1年生から段階を追って探究のスキルを身につけ、高校生からは全員が個々の研究活動に取り組めるようにプログラムが作られています。探究的な学びは、自分で考えて、行動する力を育みます。

 取り組み方に苦労している学校も多いと聞く中、既成のテキストは使わず、独自のプログラムで行われていると聞いています。具体的にどのように行われているのでしょうか。

佐藤副校長:中学校3年間で、探究活動に取り組む基本的なスキルを段階を追って取得します。最初に伸長を図るのが、「言語運用・活用能力」です。相手に伝える力、相手の意見を聞いて正しく理解する力が探究活動の土台として必要だからです。中学1年生は図形伝言ゲームなどを用いて楽しくスタートします。学年末には、校外学習の内容をポスターにして発表するなど、発信する方法も学びます。2年生になると、数を正しく測定して記録する練習も始まります。数理分析の基礎を学ぶといった感じです。中学3年生になると、SDGsに掲げられている17の目標の中から、自身でテーマを決めて研究活動を行い、下級生の前で発表する機会を設定しています。このような活動は、学年を越えて学び合うよい機会にもなっています。実際、中高ともに、先輩が行った研究を先行例として参考にすることも珍しくありません。

「傾聴・共感・対話」を繰り返して臨む外部大会、参加することでさらに世界を広げる。文京学院では、学内での発表会に加えて、学外での発表会にも積極的に参加しています。

佐藤副校長:自分で考えて解決できるということは、どのような状況下でも生き抜けると言っても過言ではありません。また、若い世代ほど、所属を超えて、共に学び、考えていくべきだろうと思います。本校が、外部大会に、積極的に参加させているのはそのような目的もあります。同世代の他者の意見を知ることは、視野を広げることにもつながります。大会に出るためには、十分な準備が必要とされます。この過程でも、生徒は互いの意見を尊重するようになっていきます。
 外部大会は、自分たちで社会が抱える問題や課題を見出し、解決策を提言する場です。実際に出場することで、獲得した知識や成果を他者に評価してもらい、自己肯定感を高めることで成長にもつながります。

学びを生かして挑戦する
2023年度の外部大会参加履歴(2024年2月現在)

JSEC科学技術チャレンジ2023 佳作
東京理科大学主催坊ちゃん科学賞 入賞ほか、全5タイトルが受賞
第6回中高生情報学研究コンテスト予選 入賞ほか全3タイトルが受賞


 学内を飛び出し、大学や企業、地域との連携も盛んだと言います。

佐藤副校長:本校では、独自の教材を用いて、探究活動を行っています。しかし、探究的な学びは、机上で学ぶことが全てではありません。本校では、外部から講師をお招きしたり、地域の活動に参加することも大切な学びの機会だと考えています。実際、参加した生徒は多くのヒントを得て、次の学びに繋げています。

【2023年度実施例】
併設大学教授による解剖実習
文京学院女子_ミニブタの解剖実習
ミニブタの解剖実習

 年々、医学部をはじめとする医療系への進学希望者が増えています。そのような生徒の探究心に応えるためにミニブタの解剖実習(希望者)を行いました。命を預かる職につく前に、このような機会を設けてもらい、考えるきっかけをもらったことはとてもよかったと言う感想が聞かれました。
 また、教科書に載る図や写真だけでなく、実際に目で見て、触って、学べたことも大きかったそうです。

「教える」側、学びを支える側にも立つ
 夏休みなど、長期休暇期間を利用して、小学生や未就学児を対象としたイベントに「先生」として参加する機会も貴重な学びの場です。発想の柔軟さに驚かされることも多くあると言います。また、疑問点として示されたことが研究の糸口になったこともあるそうです。
 科学に関するイベントの他、地域の小学校でのボランティア活動や障がい者の方を支える催しにも参加しました。教育提携を結ぶA-JISとの共働イベントや企画にも参加してきました。これらの企画やイベントに参加することで、社会が抱える問題に気づくことも、探究的な学びです。

International Schoolだけではない!
学びを広げるCollaboration

【IU情報経営イノベーション専門職大学によるプロフェッショナル指導】

「起業とは」「本当の問題とは」などなど核心を突く話題を、お二人の講師の経験を交えて進められました。起業4年にして売り上げ14億円、来年は運転資金として20億円集めるのが代表取締役の使命など、大スケールの内容に、生徒たちは戸惑いながらも、「起業」に向けて意見を交換し合いました。

【大正大学主催「鴨台盆踊り」】に出店、売り上げは東日本大震災復興支援募金に!

地域に根付いた活動として続く「鴨台盆踊り」。商店など、地域中を巻き込んで行われている盆踊りイベントに参加しました。商品の仕入れから販売までを務めます。

【文京区福祉センター主催「放課後ボランティア」】

日本語がわからない在住外国人向けに災害のアナウンスをする為の講座を受講することによって、日本語が母語でない人にとって「わかりやすい日本語」の使い方を学びました。また、地域の小学校で放課後開かれている遊び場のボランティアにも参加しました。自分とは異なる立場の人とふれ合うことで、社会から必要とされることが何かを学んでいます。

【都内私立男子校と共働の学び】

「エッグドロップコンテスト」
6メートルの高さから生卵を落としても割れない装置作りをしました。普段、触れることの少ない男子との会話に戸惑いを見せながらも、互いの持っている知識を組み合わせて装置を完成させていきます。

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