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学校特集

麹町学園女子中学校・高等学校2017

しなやかに、逞しく。グローバルにもローカルにも活躍する女性に
次世代の「みらい型学力」を育てる麴町学園女子の教育改革とは?

掲載日:2017年9月19日(火)

麴町学園女子の教育目標は、世界に通用する「みらい型学力」を身につけることです。それは、変化の激しい世の中にも柔軟に対応し、ひるむことなく「しなやかに、たくましく」対応できる能力のこと。
そのために、独自のキャリア教育プログラム「みらい科」や、英語の4技能をバランス良く身につける安河内哲也監修の「アクティブイングリッシュ」、各種の「グローバルプログラム」、そして生徒たちの隠れた資質を引き出す「思考型授業」と、4つの柱を掲げた新しい取り組みをスタートさせています。
そんな同校オリジナルの"教育改革"について、入試対策部部長の田邊隆先生と「みらい科プログラム」を担当する河越多衣子先生にお話を伺いました。

「みらい型学力」とは何か?

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入試対策部部長の田邊隆先生

「本校は粘り強く、コツコツ努力する生徒が多い」と、田邊先生。10年後、20年後の変貌激しい社会に巣立つ生徒たちには、しなやかな対応力とたくましいチャレンジ精神が必要不可欠な能力と考えています。

「みらい型学力」とは、解のない問いにも、自ら考えて答えを見出す力。生徒の無限の力を引き出し、育てるために、同校が実施している教育改革の一つが、導入1年で予想以上の実績をあげている、学園オリジナルの英語教育プログラム「アクティブイングリッシュ」です

"学ぶ英語から使える英語へ" 「アクティブイングリッシュ」の導入

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アクティブイングリッシュは、
英語を好きになることから始まる

「アクティブイングリッシュ」とは、文部科学省「英語教育の在り方に関する有識者会議」委員である安河内哲也先生を英語科特別顧問として迎えて構築した、英語教育大改革です。安河内メソッドを取り入れた大改革のキーワードは、「学ぶ英語から、使える英語へ」。

2020年の大学入試改革に先駆け「聞く・話す・読む・書く」の英語4技能のスキルアップはいうまでもなく、学校全体で実践的な「コミュニケーションツールとしての英語」を修得するアクティブ型の授業に取り組んでいます。

具体的には、① 朝の英語音声活動、② ICTのフル活用・オンライン英会話、③ チームティーチング、④ アクティブラーニング(モチベーションを上げる体験の提供)、⑤ 中学高校統一の4技能型試験の実施。
この「アクティブイングリッシュ」を実践することで、「まず英語嫌いをつくらないこと。生徒が主体となって、楽しく"英語を使う"環境づくりを行っています。4技能をバランスよく育てながら、生徒たちが英語で発信する力をアップさせていきます」と、田邊先生は話します。

全学年で、毎朝10分の「朝の音声活動」

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「朝の音声活動」で、日々トレーニングを重ねる

「朝の音声活動」とは、全学年で週6日間、毎朝8時30分から英文を音読したり、英語の曲を歌ったりする時間です。毎朝10分間ですが、プロジェクターに映し出される英語のフレーズ(英文)が体に染み込むまで反復練習していくのです。何度も同じ英文に触れることで記憶に定着するうえ、英語をアウトプットする反射神経がどんどん高まります。「朝の音声活動」で身につける目標は次の3つ。

①意味を理解しながらスラスラ音読できるようになる。
②ネイティブの音声を聞いて、100%スラスラわかるようになる。
③短文を暗唱して、その意味を充分理解しながら言えるようになる。そのトレーニングの積み重ねによって、即座に英語で伝え合う能力が身につく。

「 "Have fun!"" "Keep Smiling!"などのルールのもと、短いフレーズや文章、また歌を用い、日々大きな声で繰り返しトレーニングすることで自然に話すことができるようになり、授業中にも英語をアウトプットすることへのハードルが低くなります。その積み重ねが実用性の高い英語力を高め、英語脳を鍛えることにつながります。何より、英語で話す・発信することが楽しくなる、そんな時間です」(田邊先生)

英語脳を鍛える授業の主役は生徒たち

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i LOUNGEで、ネイティブの先生とコミュニケーション!

積極的に英語を話す環境づくりのため、ICTツールをフル活用しています。
ネイティブの先生(3人/年内に4人に増員予定)は中2の朝のホームルームに参加するほか、学校内の「i LOUNGE(インターナショナルラウンジ)」に常駐して、生徒たちと触れ合いの機会を増やしています。「i LOUNGE」とは、ネイティブの先生が昼休みと放課後6時まで常駐している場所で、そこでの会話はオールイングリッシュ! インターネットを利用して外国人講師とマンツーマンで話すオンライン英会話の利用など、最新のツールも積極的に採用しています。

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ペアになって英会話中。使える英語を身につけていく

「大切なのは、日常的に英語が飛び交う"英語シャワー"を浴びる環境のなかで、生徒たちが主体的に楽しみながら会話するように仕掛けることです。授業中もペアワーク、グループワークで会話する時間を増やしています。授業を進行するにあたり、教員が説明するのは最小限にとどめ、生徒たち自身が英語で話しあう状況をつくっていくのです。高3の授業では、1つの問いに対し、英語で自らの考えを5分以上話し続けられる生徒も出てくるなど、確実に"使える英語"が身についてきています」(田邊先生)

「スピーキングパスポート」と「Kダラー」(麴町ドル)で、英語力アップのモチベーションづくり

積極的な授業参加を後押しするため、同校では、「スピーキングパスポート」というオリジナルの取り組みを実施しています。
「スピーキングパスポート」は、普段の授業中の態度や姿勢を加算評価して平常点(25点満点)として与えられる仕組み。授業中だけでなく、オールイングリッシュの「i LOUNGE」での会話にも1点2点とスタンプが押されますが、その結果は、定期試験(75点満点)に加算され、合計100点満点としています。

「消極的な生徒でも話さざるを得ない状況になります。参加モチベーションを上げると同時に、生徒の積極性を引き出す効果を上げています」(田邊先生)。
積極的な生徒は、25ポイント以上になるケースも。超過ポイントは、ポイント数に応じて「Kダラー」(校内でのみ利用できる紙幣)に変換して「i LOUNGE」で海外のお菓子と引き換えたり、あるいは、ボランティア活動に有効利用するシステム(ユネスコなどに寄付)も構築されています。

「人前で話せない」「英語で話せない」などの苦手意識をもっていた生徒も、こうした実践型の授業に慣れていくことで、自分にもできるという「自己肯定感」が醸成されていきます。

異文化を体験する「グローバルプログラム」

学校内にあるオールイングリッシュの「i LOUNGE」では、英語でコミュニケーションができる喜びを味わう一方、学校外では、「異文化に触れる環境」「英語を使う環境」を用意するプログラムとして、中2以上を対象にBritish Hills(福島県羽鳥湖高原)で3日間の語学研修プログラム(希望制)を冬に実施。そこでは起きてから寝るまで、英語漬けの生活を送ります。

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グローバルプログラムは「語学力育成」
「英語活用」「異文化理解」を柱として展開

また、中2の修学旅行はアイルランドへ、高2の修学旅行はオーストラリアへ行きますが、どちらもホームステイや現地校訪問を中心に行います。
海外留学プログラムも複数あり、高1・2の夏休みにはホームステイをしながら行うニュージーランド語学研修(2週間/希望制)があります。さらに、夏・冬に高1・2の希望者から選考して行うニュージーランド3カ月留学コース、AFSによる1年間の海外留学制度も用意されています。

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ニュージーランドの「Japan Day」で浮世絵を紹介

語学研修と3カ月留学の両コースで身につけた英語力とコミュニケーション力を活かしてグローバル社会での活躍を志望するようになったある生徒は、文部科学省の促進する「トビタテ留学JAPAN日本代表プログラム」に採用されました。1年間のニュージーランド留学を通じ、現地校に通学しながら日本文化を発信し、ドイツやフランスからの留学生とも知り合い、世界中に友達ができることを実感しているという報告がありました。

このような豊富なグローバルプログラムから、海外文化への興味や関心を高め、国際舞台でも輝くことができる、グローバルな視点をもった女性を育成します。

「アクティブイングリッシュ」の成果

「聞く・話す・読む・書く」の英語4技能をバランスよく伸ばすための、以上のようなさまざまな取り組みを重ねた結果、生徒の英語力は先生方の想像以上にアップしていました。昨年度の英検の合格率では、中3の3級以上合格者は受験者79名中60名(75.9%)、高3の準2級以上の合格者は受験者97名中74名(76.3%)。どちらも、36%台の全国平均を大きく上回りました。

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「アクティブイングリッシュ」による日々のトレーニングが、生徒たちの"やる気"をアップさせたことは間違いありません。「もともと我が校の生徒たちは、真面目でコツコツ努力をするタイプが多い。英検合格率など客観的に成果が表れている数字も、自己肯定感や学習意欲を高めることにつながっています」と、田邊先生。麴町学園女子では、卒業までに全員が英検2級以上の取得を目指しています。

自ら課題を見つけ、主体的に考える思考型授業

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「思考型授業」では、生徒たちが自ら考え、解決に向かう

「アクティブイングリッシュ」にも取り入れているペアワーク、グループワークは、生徒が自ら考え、問題解決をするアクティブラーニングです。そしてさらに、同校独自のプログラムを加えた「思考型授業」を実施。「自ら課題を見つけ、主体的に考え、仲間と協働しながら解決できる能力を身につける」ことを最終目標として、思考力と判断力を養成する「思考型授業」を全教科で取り入れています。

「従来の、知識を積み上げていくことだけに終始した一斉型授業では、自ら課題を発見し、掘り下げるという学びの本質へとつながりません。そこで、本校ではPBL(問題発見・解決)型授業など、知識を活用しながら課題解決に向けて思考する学びを増やし、持続・発展可能な学びを進めています。そして、ペアワークやディカッション、プレゼンテーションを通して、互いに傾聴し合いながら個々の琴線や思考力が磨かれ、生徒たちは輝いていきます。そうした過程を経て、個々の生徒の"良い所を拾い上げていくこと"も必要ではないでしょうか」(田邊先生)

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短歌を絵に表した作品。感性の豊かさに驚かされる

国語科の一例を挙げて、思考型授業を具体的に説明してみましょう。
たとえば、短歌の解釈と理解を深める授業のケース。4人1組のグループワークで、歌人の経歴・歌の技法・解釈・絵で表現、という役割を各自が担い、前者三者の結果を持ち寄って最後の一人が1枚の絵(イラスト)に仕上げます。短歌で描こうとしているテーマは何か、どこが美しく優れているのか、絵で描くべきポイントはどこなのか。そんなことをグループ内で議論・検討しながら、1枚の絵を4人で作り上げていく作業です。

各グループからでき上がってくる絵は、コミック風の絵からスケッチ風まで、色使いも絵の構想も千差万別。「絵の優劣の評価ではないので、稚拙な絵でも構わないのです。ここで大事なことは、グループワークを通じて作品への理解をより深める体験をすること。表現の喜びであったり、解釈の多様性であったり、個人ワークでは気づけなかった理解があることを知り、生徒たちが自ら理解を深める楽しさがあることを発見することがポイントです」と、国語科の河越多衣子先生は話します。

1枚の絵が仕上がるまでに、絵が上手い、発想が新鮮、聞き上手など、"個性の輝き"を放つ生徒も現れてきます。知識を積み重ねるだけの一斉型授業の時には見えなかった、生徒の長所に気づかされる過程でもあるようです。これも、同校が求める「みらい型学力」の一つです。

「実際、教員が言葉で説明した時より、生徒たちの短歌の解釈度ははるかに高まっていました。そして生徒たちも、自分にもできる、ワンランク上がる、という実感を得て、もっと次のレベルにいきたいと自信を深めていきます」(河越先生)

次世代に必要なキャリアプログラム「みらい科」

以前から力を入れてきたキャリア教育「みらい科」も、時代に即したオリジナルプログラムに改定しました。ポイントは2点。時代の変遷に対応していける能力や資質(コンピテンシー)を体得し、多様化社会にもたくましく挑戦できる強さ・たくましさ(レジリエンス)をもった人材の育成です。

「 "嫌いなものは食べない"という発想では、何も生まれません。少し高いハードルでも努力で越えていこう、引き出しを増やしていこうという粘り強さを鍛え、チャレンジ精神を育みます」と、「みらい科プログラム」を担当する河越先生。

地元の麴町周辺を歩くオリエンテーリングや調べ作業、職場訪問など、さまざまな体験プログラムを展開。「みらい論文」の作成も、その中心的作業の一つです。

中3〜高1の2年間で書き上げる1万字の「みらい論文」

「みらい論文」とは、中3〜高1までの2年間で書き上げる1万字の研究論文です。
ゼミ方式で行われ、先生方全員がそれぞれの専門分野を生かして、指導に当たります。生徒たちは20種類以上の多種多様のゼミの中から、興味関心のあるテーマを選択。テーマについて、指導にあたる先生やゼミ生と積極的に議論を重ねながら、調査・分析を行い、集大成として自分の考えをまとめた論文を書いていきます。

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2年間をかける「みらい論文」は、どれも力作ばかり

たとえば『ディズニープリンセスに関する考察』というタイトルの論文を書いた生徒は、『白雪姫』『シンデレラ』『眠れる森の美女』など、ディズニーヒロインをテーマに、作品の時代背景や原作との違いを見出し、さらに時代とともに変わっていったヒロイン像や現代社会に与えた影響までを追い、帰納法の論文をまとめあげました。

「その生徒が、ディズニープリンセスに興味がある、という単純な発想がスタートでした。興味の源は何か、なぜヒロインが魅力的に見えるのか。疑問・質問を引き出し、教師と生徒のあいだでキャッチボールを繰り返しながら、テーマを絞り込んでいきました。時間はかかっても、問題意識をもたせるそのプロセスは、"学び"の本質そのものです」
(河越先生)

テーマ例はほかにも、「方言について」「音楽はなぜ世界共通なのか〜ブラックミュージックを例に〜」「携帯電話とのつきあい方」など、多岐にわたっています。

「みらい論文の作成は、思考力・判断力・表現力が求められる、最高のアウトプットの鍛錬の場です。1万字という負担はあっても、生徒たち自身の中に、表現したいという"うずうずしている感覚"は確かにあるのです。ただ、どうやって表現すればいいかがわからない。拙い言葉でも、自分で考え、調べ、結論を導き出すことが大切です」(河越先生)
興味がどんどん広がって、2万字を書いてもまだ足りない、という生徒も。そんな生徒たちの"やる気スイッチ"をオンにするため、先生方も全力でサポートします。

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公共の体育館で開催される体育祭は、毎年大盛り上がり!

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中学の前半には華道、後半には茶道が必修となっている

2018年度に「みらい型入試」を新設

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麴町女子学園の6年間で、明るい「みらい」を手にしよう!

麴町学園女子は、2017年度入試で「アクティブイングリッシュ入試」を導入しましたが、2018年には「みらい型入試」を新設します。
「みらい型入試」は、公立中高一貫校の適性型入試に準じた教科横断型のテストで、いくつもの正解が成立する問題に対してどう粘り強く取り組むか、その姿勢やアイデアを問うものです。そのベースにあるのは、同校が提唱する「みらい型学力」の資質です。「正解だけでなく、そこにたどり着くまでにどれだけ粘り強く取り組んだか、試行錯誤のプロセスも含めて評価したいと思っています」と、入試問題の作成にも関わっている河越先生は話します。

「時代が著しい進化を遂げていくなか、生徒たちが生きる10年後、20年後の社会がどのように変貌しているか、だれもわかりません。これからの社会で必要とされる能力は、"どんな状況にも、意欲をもって柔軟に対応できる力"です。"自分はここまで"と限界を設けることなく、コツコツ努力して、粘り強く対処できる能力をもつ生徒たちを、本校での6年間で"しなやかに、たくましく" 、そしてグローカルに活躍できる人材に育てたいと考えています」(河越先生)

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