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学校特集

関東学院中学校高等学校2017

実践的な英語教育で真の国際人の育成をめざす!
英語が標準化される10年後の社会で、困らない英語力が身につくメソッドがここにある

掲載日:2017年7月1日(土)

「人になれ 奉仕せよ」を校訓に、キリスト教の精神に基づいた教育を実践している関東学院。4万平方メートルを超える広大なキャンパス内で、生徒一人ひとりが自分らしく、充実した6年間を送っています。丁寧で面倒見がよい同校では、上位層だけでなく中間層もGMARCH以上に合格。特に2020年大学入試改革に向けて見直しを図った英語教育は非常に実践的で、今後の伸長を期待させてくれます。

「英語ができると得をする時代は終わり、英語ができないと損をする時代に変わってきています。関東学院に来たら、英語を言葉として使える力をつけて卒業させたい。そのための授業が、中1から確立されています」と語るのは英語科主任の宮前州吾先生。

また英語の授業を根本から見直し、中1の授業を3年連続で担当している尾作茂樹先生は、「どんな入試にも対応でき、かつ日常生活でも使える英語力を養成するため、トレーニングメインの授業を心がけています。決して英検やテストのための授業を行っているわけではありませんが、模試の成績はあがり、英語を話すことが楽しいと感じる生徒も増えています」と胸を張ります。中1から始めて、6年間で誰もが英語でコミュニケーションをとれるようになる、しかも大学入試もクリアできる関東学院の英語教育についてご紹介します。

授業で重視しているのは『クイックレスポンス』

関東学院中学校_関東学院では電子黒板を活用して、授業の効率化を図っています。
関東学院では電子黒板を活用して、
授業の効率化を図っています。
 尾作先生が教壇に立つと、それまではしゃいでいた中1男子の背筋が伸びて、休み時間との切り替えができた様子。間髪入れずに、電子黒板に動物の写真が映し出されて、前日のおさらいが始まりました。写真はフラッシュカードのようにどんどん変わります。生徒は一瞬しか見ることができませんが、集中してその動物の名前をプリントに書いています。意外だったのは、「(文字は)カタカナでもいいよ」という先生の指示。それにはどのような意図があるのでしょうか。

尾作先生:私の授業でもっとも大切にしているのが『クイックレスポンス』です。英語をはじめたばかりの生徒にアルファベットでの表記を求めると、書くことに精一杯になってしまいます。まずは音をしっかり確認してほしい、そのためにカタカナで書かせています。『間違いを恐れない』『発音を恐れない』ということも大切にしていることの一つです。発音は必ずしもきれいである必要はありません。伝えたいという気持ちがあれば伝わるので、「まわりを気にせずに、どんどんしゃべろう」と話しています。ただし「(反応は)速くなければいけない」と言っています。今日はセルフチェックだけでしたが、生徒がペアになって確認し合うこともあります。

関東学院中学校_尾作茂樹先生
尾作茂樹先生

宮前先生:先生にチェックされるよりも、友だちにチェックしてもらったほうが、コミュニケーションが生まれるのでいいですね。

尾作先生:コミュニケーションを取るための英語を学ぶ。こうした授業を中1の最初からやることが大切だと思います。

 答え合わせが済むと、前日の授業で作り方、使い方を伝えていた『間違い直しノート』(小テストのプリントを貼り、間違いを見直し練習するノート)を、1人ひとりと対面し確認する尾作先生。持ってきていない、作り方が違う、授業用のノートと共用しているなど、話を聞き違えている生徒には、その場で指導し、翌日までに準備をするよう確認します。

尾作先生:小テストの増加にともない、『間違い直しのノート』を作ることにしました。そこで「なぜノートを作るのか」、「なぜ授業用ノートと別にするのか」といった話をしました。納得すれば人は動きます。ですから、授業についても、なぜ写真や絵を使うのか、なぜ次は文字なのか。一つひとつ意図を説明しながら進めています。

宮前先生:生徒一人ひとりと向き合い、丁寧に指導することで、生徒はもう少し頑張ってみようという気持ちを持ちます。特に中学の英語の授業では、そういう雰囲気を感じます。全体の学習量は、自然と増えていると確信しています。

関東学院中学校_ネイティブによる英会話の授業
ネイティブによる英会話の授業

尾作先生:中学期では学校の授業で学習したことを家で復習し、それが身についているかを翌日の授業で確認し、新しい内容に入る、という形で進めています。ですから生徒は、家で"筋トレ"をしてこないと、部活の練習についていけないのと同じ感覚をもつかもしれませんね。保護者にも教科通信を配布して、なぜそういう授業をやるのか<目的>、どのようにやるのか<方法>、今はどのような学習が必要か、といったWhyやHowの部分(理由付け)をお伝えしています。保護者の理解が子どもの理解につながって、一生懸命英語に取り組む生徒が増えているのだと思います。

関東学院中学校_尾作先生お手製のオリジナルプリント!
写真を見て動作をすぐに書く。
プリントにも工夫がされています。

 授業も後半に入り、再び尾作先生がiPadを操作し、電子黒板に映したのは動作をしている人の写真や絵(50枚)でした。動物同様、瞬時に切り替わる写真や絵を見て、生徒は動詞(単語やフレーズ)を発声します。「人は自分の声で言葉を覚えるから、自分の声が聞こえるくらいの声を出してみよう」と発破をかける尾作先生。続いて心許なかった言葉を取り出してさらにリピートさせます。

 このときに強調していたのは、アクセントやリズムでした。先生が手を打ってリズムをつくると、何度か繰り返すうちに生徒の発声がそのリズムに乗ってきて、小気味よく響きます。続いて、映像と同じ写真や絵が載るプリントを使い、数分間で50の動詞(単語やフレーズ)をカタカナで書いていきます。答え合わせを終えると、「動詞だけでは命令型だけど、『私は○○します』だったら何をつければいい?」と先生。「I」と答える生徒に、「じゃあ、1から20までの動詞にIをつけて言ってみようか」と、50の動詞を使って授業を発展させます。Iだけでなく、YouやWeでも行いました。

尾作先生:動詞を発声するときは、動作をイメージし、自分の気持ちを表現することを大切にしています。

宮前先生:ノンバーバル(非言語)コミュニケーションです。楽しそうなことは楽しく言う。悲しそうなことは悲しく言う、ということですね。

尾作先生:「want」は、わくわく感が伝わるフリー素材を見つけることができなかったので、「どうしたら伝わるかな」ということを考えながら自分で絵を描きました(笑)。文法も、疑問文のドリル、命令文のドリルというように、カテゴライズして教材を作って。我が家には小学生を筆頭に3人の子どもがいるので、毎回見せて、意見を取り入れています。

 授業の合間にうんちくを教えるのも尾作流です。この日はcatとcutを例にあげ、「aは強めのア、uはさりげないア。それを意識して発音してみよう」とアドバイス。look atとwatchについても、すでに学習しているseeを含めて、こんなやりとりで使い分けを指導していました。

関東学院中学校_ユニークな尾作先生の授業は笑いが絶えません!
ユニークな尾作先生の授業は笑いが絶えません!

先生「野球の試合を観るときに使うのは?」
生徒「watch」
先生「そこで○○選手が気になってずっと見ていたら?」
生徒「look at」
先生「観客がたくさんいるなぁというときに使うのは?」
生徒「see」
先生「そうだね。さりげなく目に入ってくるものにはseeを使うんだね」

 1から50の動詞のうち、後半は、「get up」「go to school」など生徒の生活に密着した単語やフレーズばかり。これにIをつければ、自分の状況を説明できます。まさに実践的な授業です。

関東学院中学校_異文化理解に力を入れる関東学院には留学生たちの姿も!
異文化理解に力を入れる関東学院には留学生たちの姿も!

尾作先生:教科書を基本としていますが、生徒たちが"知りたい・使いたい"と思うようなことは、その場で教えています。例えばメールの文章の書き方を教えると、生徒は(表現するために)使える動詞をもっと知りたいと思いますよね。この知りたい、使いたいという気持ち(動機)が大切であり、欲しているときには、今日のように50個くらい一気にインプットさせます。

look atとwatchも、1つのプリントに「見る」が2つあったら気になりますよね。だから使い分けを教えました。教えておけば応用が利きます。名詞の数えられる(可算名詞/aがつく)、数えられない(不可算名詞/aがつかない)も、難しい内容ですが、日常に必要な知識なので積極的に教えます。生徒が「なぜ?」と思うことには、その場で対応したほうが、頭に残ります。

東大レベルの問題が解けても英語をしゃべれない。「なぜ?」と思ったのが英語改革の出発点

尾作先生が、このような授業を考え、関東学院中学校の英語教育として標準化に至った背景を教えてください。

関東学院中学校_京都・奈良・大阪を訪れる関西研修旅行
京都・奈良・大阪を訪れる関西研修旅行では、
外国人旅行者に英語で積極的に話しかけます。

尾作先生:私は関東学院に来て8年目になります。以前は高2、高3の授業が中心で、主に大学受験対策を行っていました。そこで気づいたのが、入試問題はできるのに英語ができない子が多いということでした。東大の問題は解けても、作文やスピーキングがまったくできないのです。それは、生徒ではなく、教える自分に責任があると痛感しました。中学生を担当することになり、「英語ができるようになる授業をしよう」と思いました。それは「英語ができれば、東大の問題も解けるだろう」と思ったからです。これからは偏差値の勝負ではなく語学力の勝負になる。すでに教材を手作りし、今のような授業をしていたので、英語科内の先生と意見を出し合い、実践的な授業の構築に力を入れました。『英語ができる』の前提は、クイックレスポンスができるということです。欧米人は、0.3秒くらいで返すと、この人は英語ができると判断するらしいので、それを目標にしています。実際は1秒で返せればたいしたものですが、生徒には「クイックレスポンスといえるのは0.3秒だよ」と話しています。最終目標は、センター試験(筆記問題)の英文を話せる、聞ける、使いこなせるレベルです。センター試験の問題は、英語がナチュラルで、実生活で使う表現がたくさん入っています。この文章をペーパー上だけでなく日常的に使えれば十分な英語力といえるので、6年後にそれができる生徒がどのくらい育つのかを楽しみに授業に取り組んでいます。

読解力とリスニング力に強み。模試の偏差値も年々上がっている。

2020年に大学入試を迎える中3生からスタートし、今年で3年目になりますが、どのようなところで成果を感じますか。

尾作先生:模試では年々偏差値が上がっています。中1で英検4級以上(中2の内容レベル)の取得率も年々上がっており、現在の中3のときが38%、中2のときが約50%、今年度は60%以上を目指しています。集団としての語学力が上がっているのは、どのクラスも同じような授業を行っている証なので嬉しいです。iPadを使うことで、教員同士で教材のシェアができ、指導内容の均質化が図れていることも大きな要因です。

関東学院中学校_フィリピン・セブ島でのマンツーマン英会話
フィリピンでのマンツーマン英会話

宮前先生:本校では授業で学んだことが、体験と結びつく機会が多いので、生徒たちの英語に対する意欲が高まっているのだと思います。ベルリッツプログラム®による英会話クラス(放課後/年25回)は、希望者が増えてクラスを増設しました。YMCAによる英検対策講座(中2で3級・準2級を取得するための講座)も同様に希望者が増えています。そうした生徒の意欲に後押しされて、来年度からは中1〜高2の総合の時間(週2時間)が英会話×異文化理解になる予定です。生徒15人に1人のネイティブスピーカーをつけるので英語を話す機会が確実に増えます。またオーストラリア・台湾への短期留学、ハワイ島理科研修、オーストラリアターム留学や、フィリピンでの英語トレーニングツアーなど、海外研修プログラム(希望制)も充実しています。授業でトレーニングしたことを思い出し、使ってみたら通じたというリアルな体験ができる機会が多いので、自信もつくと思います。

尾作先生:ネイティブスピーカーによる英会話の授業も週1回あります。さらに中1・2には『アクティブイングリッシュ』を実施しています。このイベントでは、生徒6、7人に1人のネイティブスピーカーがついて、2日間(9時〜17時)、オールイングリッシュで過ごします。生徒の様子を見ていると、そういうところでも反応がよくなっています。

関東学院中学校_宮前州吾先生
宮前州吾先生

宮前先生:中2が6月の研修旅行(京都)で外国人に英語でインタビューをするので、その準備として、English teacher the huntingを実施。私も声をかけられ、質問に応えました。このような活動の中で大切にしてもらいたいのは、無理なく、等身大の英語で表現することです。高校生になると、客観性や論理性が重視されますが、その前に、Iの部分がとても大切です。「あなたはどうなの?」と聞かれたときに、自分の考えや思いを英語で話すことができないとコミュニケーションが成り立たちません。その部分を中学時代に強化している学年が来年度以降、高校に上がってくるので、授業が活性化するのではないかと期待しています。今後も授業で学んだことを使える機会を増やして、厚みのある英語教育をめざしたいと思っています。

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