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学校特集

八王子学園八王子中学校・高等学校2017

人生と学びに対する、一生モノの探究心と好奇心を培う教育
八王子学園八王子が推し進める「八学イノベーション」とは

掲載日:2017年6月12日(月)

1928年創立の八王子学園八王子は、JR中央線「西八王子駅」から徒歩5分という至便な立地に位置し、近隣から「八学」として親しまれている伝統校です。2012年に中学を開校し、今年で中高一貫生6学年が揃いました。歴史と文化が融合する豊かな自然に囲まれた八王子で、生徒たちはのびのびとした学校生活を送っています。

昨年度からは、学びの本質に迫る「八学イノベーション」を本格始動し、「東大・医進クラス」の募集も開始。同校の教育に大きな注目が集まりました。それら教育実践の2年目の現状と最新情報について、中2「東大・医進クラス」の担任で、同校のICT教育を推進する田上大地先生にお話を伺いました。

能動的な学びを支える改革

八王子学園_お話を伺った田上大地先生
お話を伺った田上大地先生

2016年より行われている学校改革「八学イノベーション」は、同校の様々な教育活動が集約されたものです。
例えば、授業の効率化を図るためのICTの活用、「東大・医進クラス」新設による学校全体の活性化、すでに渦中にあるグローバル社会への対応を見据えた「戦略的英語教育」の実践、以前より実践されてきたアクティブ・ラーニングのさらなる推進など、一つひとつを着実に学内へ定着させてきた八王子学園八王子。
これらの教育実践は、学校生活の中で相互に作用しあって、生徒たちの日常を支え、知的好奇心を伸張させています。具体的な実践例をご紹介しましょう。

中学はすでにICTが定着

八王子学園_電子黒板の普及
中学校は積極的な先生方が非常に多いので、電子黒板の
普及は田上先生たちが想定していた以上に早く進みました。

八王子学園八王子のICT教育は、2015年頃より段階的に進められました。中学校でまず導入されたのが電子黒板です。田上先生を中心に先生方による研究会や研修などを重ねながら授業で活用されてきました。

「電子黒板は導入して数か月で多くの教員が使っていました。電子黒板を使うことで生徒への効果が目に見えたり、授業が効率的になったと先生方が感じたのだと思います」(田上先生)

2016年度からは中1の全員が一人1台のタブレットを導入。授業で活用するだけではなく、例えば各教科の係がサイト上に翌日の予定や宿題、授業の持ち物を書き込みます。それを共有することにより、生徒たち一人ひとりが自主的にスケジュール管理できる仕組みを作り上げました。

さらに保護者とも学内サイトを利用し、お知らせを流したり、配布物の確認なども行うことができます。行事の写真もアップし共有できたり、保護者と学校の意識の連携を高めることにも一役買っています。

授業での実践例とは

八王子学園_理科1と2で交互に毎週実験
本物に触れることを大切にしています。中1では時期によっては、
理科1と2で交互に毎週実験を行うことがあります。

田上先生の専門は理科です。電子黒板は大きなプロジェクターと考え、図説や資料集などの写真や動画を生徒の目の前に大きな画像で提示することで、詳細に捉えられます。かつ画面に直接書き込めるため、細かな説明ができるのは大きなメリットです。

「生徒たちには手を使って図を描いてほしいので、完成した図ではなく、その雛形をプリントに埋め込んで渡しています。図の雛形は瞬時に電子黒板へ映しだすことができるので、短時間で一緒に図を完成させることができ、効率の良い授業となりました」(田上先生)

高校での大学入試問題演習の際にも電子黒板を使うことにより、解説に時間を割くことができます。

各教科の先生方は積極的に電子黒板を活用し、効率化を図っています。生み出された時間で、双方向型授業やプレゼン形式の授業を行えるようになり、学びを深める時間にあてられるようになりました。

「ICTを導入したことにより、生徒の主体的思考力をつけること、その考えたことを伝える力の養成がこれらの活動に集約されています。そのためのICTであり、タブレットなのです」(田上先生)

アプリの活用で情報の整理も的確に

八王子学園_プレゼン資料をテキパキと作っていく
生徒たちは、先生方が驚くほどのハイスピードで
プレゼン資料をテキパキと作っていくのだそう。

2017年度からは「ロイロノート・スクール」という教育現場におけるシェア率の高いアプリを採用しました。
このアプリを使うことで、情報を整理したり、生徒個々の考えを比較検討することが容易になりました。

授業は非常に活発に行われており、それぞれが調べた情報を共有しては?と生徒からの提案も上がるなど、先生だけでなく生徒たちの創造性も高めています。各人が調べた情報や考えた結論を短時間でやり取りできるので、議論のための材料も豊富になります。
答えのない問題に果敢に取り組む教科もあり、生徒たちは日々多様で柔軟な思考に触れているのです。

自分の思考に向き合い、他者の意見に触れる機会を豊富に設ける

学問の醍醐味に触れる授業

八王子学園八王子の先生方が常に生徒たちに伝えているのは、学問がもつ醍醐味です。
中学3年間で前・後期に分けて臨む「探究ゼミ」では、他者の様々な意見を聞いたり、発表を行う機会を積極的に設けています。

前期では、中1は自分たちが毎日通う八王子への理解を深めるための「八王子学」に取り組みます。2年生ではそれをベースに修学旅行の事前学習として、広島・奈良・京都についての調べ学習を実施。3年生は10日間のオーストラリアでの海外語学研修が行われますが、事前学習として日本の文化や歴史を学び、教養を身につけていきます。

中1は「調べる」、中2は「話す」、中3は「書く」という学年別目標を設定し、調査能力、プレゼンテーション力、自分自身で考え方を整理しまとめる力を培います。9月に行われる学園祭で発表するので、ぜひ足を運んで授業の成果をご覧ください。

八王子学園_「探究ゼミ発表会」

全グループによって行われる「探究ゼミ発表会」の様子。
2017年度の八学祭は9月23(土)・24(日)日に開催します。生徒たちの勇姿をぜひご覧に足をお運びください。

縦の関係性で学び合う

八王子学園_図書館
調べ学習は、図書館などでも行います。
情報リテラシーを学ぶ機会にもなっています。

後期の「探究ゼミ」は、無学年制で行われます。「数の発見」、「生命倫理」、「多摩の文学」、「欧米の文化」、「歴史の科学」などの各先生方の専門を活かしたテーマが設定され、生徒たちは興味のあるテーマに分かれて学びます。

田上先生は「生命倫理」を担当しています。
「安楽死、ガン告知、クローン人間という3テーマに取り組みました。例えば安楽死について取り上げた時は、まずはタブレットで参考資料を読み自分なりに理解を深め、班ごとに話し合います。自分たちで安楽死をさせてもいい基準を考えたグループもありました」
調べ学習ののち、生徒同士で賛成と反対に分かれディベートをします。

3テーマのうち、自分が一番興味を持った内容を冬休みの宿題として調べ、3学期に講堂で発表を行います。田上先生は「中学3学年が縦割りで学びます。中1の生徒には難しいこともあると思いますが、様々な角度から考えて発表していました。中1でこれだけのプレゼンができるのかと驚き、とても楽しかったです。今年も同じ講座を開講する予定ですが、毎年異なる生徒が集まったり、成長過程に応じて考え方も変化するでしょう。縦のつながりの中で考えを深めていけるので、今後がますます楽しみです」と言います。

意欲をかき立てる声かけ

八王子学園_「校外写生大会」
学校の内外で様々な活動を行っています。写真は校外写生大会の様子。
生徒と教師の距離が近いから、落ち着いた6年間を過ごせます。

中高6カ年教育において難しいのが、勉強のモチベーションを保ち続けること。学校生活にも慣れ、大学入試までの時間もある中2〜3年あたりは、特に中だるみしがちです。

先生方は、生徒たちに響く言葉を常にかけ続けています。例えば、勉強する意味について、田上先生は生徒たちにこう伝えるそうです。
「ゲーム好きならRPGで説明すると腑に落ちる生徒もいます。例えば最初は移動できる島は限られていても、様々な教科を学び知識をつけて思考を深めることで、移動できる場所が広ったり、装備も充実していきます。その新マップに面白い洞窟や街があったり、強い敵がいたりしますが、経験値を上げながら腕を磨くことは、知識の量や考える力なのだと思うのです。好き嫌い関係なく、なんでもやってみることで自分自身のマップを広げることが大切と話しています」

さらに同校の先生方が徹底しているのは、先生自身が自分の科目を楽しむという姿勢を貫いていること。
「それぞれの教員が学問の追究・探究をしているのが本校のスタンスです。こちらが楽しい授業ができれば、その楽しさや魅力は生徒に伝わると思います。私は生物が専門なのですが、生き物は絶対に理由のない行動は取りません。一見不思議に見える構造や行動もすべて意味がある。では、なぜこうなるんだろう?と考えることが私も生徒も面白いのです。そのやりとりをスムーズにするのが、ロイロノートなどのICTツールです」(田上先生)

本物に触れる授業で興味を喚起

八学イノベーションの一環として行われているのが、「戦略的英語教育」です。「English Everytime Everywhere」として"間違えてもOK! 英語を使ってみよう"と生徒たちに伝えています。 例えばお昼休みにボールを借りに来る生徒にネイティブの先生が対応するなど、日常の学校生活の中に、英語を使う機会を豊富に用意しています。

今年新たに追加される予定なのがオンライン英会話です。中3の海外語学研修に備え、中2の夏休み夏期授業中の特別企画として実施されます。フィリピンの先生方と1対1で15〜25分間話をする環境が作り出されます。
「悔しい思いをすることもあるでしょう。しかし、それがオーストラリアに行く前でよかった、と感じてほしいのです。この経験を生かして、語学研修では自分の考えを表現できるようになってほしいですね」(田上先生)

このように実体験を大切にする姿勢は各教科で共通しています。
「理科は実物を見ることが大切です。実験を重視しており、機会を豊富に設けています。学校オリジナルの実験の手引書『実験ノート』は1年を通して使います。結果や考察を1冊にまとめることで、振り返りもできますし、しっかりと取り組んだ達成感につながると思います。ノートは毎回回収して、きちんと描けているか、考察できているかを見ます。結果が上手くいかなくてもいいのです。その実験内容を踏まえて生徒自身がどう考えたのかが書かれていれば、『よくできました』と評価します」と田上先生が言う通り、同校では思考過程を重視しながら、同時に個性も尊重しつつ一人ひとりを伸びやかに育てていることがわかります。

田上先生が授業に向かう姿勢を教えてくれました。「授業中の発言に対しては寛大でありたいですね。授業中でも気がついたことは発していいという雰囲気作りを大切にしています。あとは生徒が笑ってくれるような仕掛けを教材の中に仕込んでいます。授業が面白い、勉強って楽しいと感じてくれれば生徒は自分で頑張ります。そのため知的好奇心を刺激したり、教科・授業が嫌いにならないよう気をつけています」
なお、電子黒板で効率化を図っても以前と進度が変わらないんだとか。それだけ生徒たちと相互的なやり取りができていると先生方は実感しています。

八王子学園八王子には、このように楽しく思考力を常に磨く機会があります。この姿勢は生きていく上での活力となり、将来を生き抜く上で力強い一歩を踏み出せるその生徒を支える原動力となるのではないでしょうか。

八王子学園_オーストラリアで行われる語学研修

中3で10日間、オーストラリアで行われる語学研修。実体験を大切にする八王子学園八王子の異文化体験です。

生徒の心に火を灯す、「東大・医進クラス」としての矜持

定員を超えた「東大・医進クラス」

八王子学園_ネイティブの英語の授業
「東大・医進クラス」の中2は、週5〜6時間が
ネイティブの英語の授業を受けています。

16年度入試より募集を開始したのが「東大・医進クラス」です。
4科または適性検査で試験は実施され、正規合格者は授業料・入学金が免除となります。現在の中2は、進級時に「一貫特進クラス」の上位者が7名加わりました。「東大・医進クラス」は副担任のネイティブの先生による終礼が行われるなど、英語は常に身近な存在。少人数制のため、授業も非常に活発です。

もともとこのクラスにいた特待生と一貫特進クラスから新たに加わってきた生徒たちは、それぞれがプライドを持っていいライバル関係になっているようです。

「『東大・医進クラス』は、優秀な成績を維持できれば特待生として授業料が免除になります。ただしこの"成績"とは、体育や芸術なども含めたすべての教科の合計です。
私が生物の教員だからか、『スポーツは、せっかく手に入れたエネルギーを使う、自然界で考えると非常に無駄な動きです。ですから体育と芸術は、とても人間らしい教科。それを頑張れない生徒は人間らしさを否定しているのでは』と生徒に話をします」

理科はこのクラスだけ、田上先生が自分の授業をあらかじめ録画して生徒たちが見ておく、反転授業を行っています。
授業内容に関する確認テストを行ったのち、実験の考察や入試問題を解いたり、生徒自身の手で作図するなど、独自に学びを深めています。

今年、田上先生が試みたいと考えているのは、1時間まるまるフリーテーマで行う授業。普段からふとした疑問などから活発な議論が生まれる生徒たちだからこそ、それぞれの興味関心に基づいて、自由な発想で脱線しながら教科の醍醐味に触れる授業を検討しています。

八王子学園_中学の運動会
勉強も行事も部活もしっかりと取り組める環境です。
写真は中学の運動会。

現在「一貫特進クラス」から「東大・医進クラス」へ入る生徒へ、手厚いフォロー体制の構築を進めています。頑張れば、引き上げてくれる体制が整っているのが、八王子学園八王子なのです。

なお、今年の中1は、定員の35名を超えた37人がこのクラスに入学しました。
「特待生とはいえ、6年間の進学先として本校を選んでくださったことに対して感謝の気持ちと、多くの期待を寄せられているという、いい緊張感を持って我々教師も生徒たちと接しています」と話します。
現中1の学年は、学年が上がるごとに引き上げられた生徒により、いずれは「東大・医進クラス」が2クラスになることも想定されています。

また、進路指導部と協力して行っているキャリア教育では、これまで実施している中2での職場体験のほか、東大や医学部につなげる企画も計画中です。「新しいマップがある、と生徒が気づくきっかけになるといいですね」(田上先生)

2018年度入試の変更点
八王子学園_2016年夏には西東京代表として甲子園出場
2016年夏には西東京代表として甲子園出場を
果たし、街を大いに盛り上げました。

2018年入試では「東大・医進クラス」を目指す受験生にとって朗報の変更点があります。
2月1日と2日午後の東大・医進クラスの入試が4科目のみだったのが、2科・4科選択入試になります。これは受験生の体力面を配慮した措置です。ただし、合否の選考基準は、まずは2科目で判定してから4科目でみるので、4科目受験生のほうが有利ではあります。

特待生制度の免除がA特待(入学金と授業料1年間)とB特待(入学金)に変わります。特待生制度の間口を広げることで、選択の幅・可能性が広がるでしょう。

自分の人生を能動的に楽しめる行動力と発想力、さらにそれを支える柔軟でたくましい思考力を育成しているのが八王子学園八王子の教育といえるのです。

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