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学校特集

国学院大学久我山中学高等学校2024

男女別学の魅力に迫る。男子校・女子校・共学校の魅力が融合
男女別々で学びながら、互いに刺激を与え合う6年間で自分らしさを磨く

掲載日:2024年2月5日(月)

東京唯一の男女別学である国学院大学久我山中学高等学校。授業は男子部、女子部それぞれの校舎で別々に行われますが、文化祭や体育祭といった行事や部活動、委員会活動などは男女一緒に取り組みます。男子と女子それぞれの傾向を生かした教育が基本ですが、時として男女が互いに刺激を与え合ったり、尊重し合ったりできる「共働」を大切にしています。男女別学の意義をはじめ、普段の学校生活の中で感じているメリットについて、男子部長・横山 聡先生と女子部長・川本ゆり子先生にお話を伺いました。

男女の成長段階に合わせて授業をアプローチする

国学院久我山_男子部長の横山 聡先生
男子部長の横山 聡先生

 1944(昭和19)年に創立した際は男子部のみでしたが、1985年の中学再開と同年、女性の活躍が注目されてくるなかで高校女子部を新設。1991(平成3)年には中学女子部が創設され、中高ともに男女別学となりました。
 社会が大きく変容し、価値観やジェンダーの捉え方などが多様化する現在、全国的に男子校や女子校が共学校に移行する学校が増えています。そのなかで男女別学を貫き続ける同校に、改めて注目が集まっています。

 男女別学の意義は、それぞれの成長段階に合わせた教育を実践できることです。一概にはいえませんが一般的に、男子と女子は成長の速度が異なるほか、学び方にも傾向があります。それぞれの特性に寄り添った授業を行うことで学習効果も上がるといわれます。

 現在、男子部長の横山 聡先生は女子部長をしていた経験もあるため、男女の学び方の違いを実感されたそうです。
「古典の授業を受け持っていますが、女子に対しては細かく丁寧に教え込んでいくことで答えを引き出していきます。一方で男子は細かいことよりも演習をやってたくさんの問題を解くことを好む生徒が多いと感じています。そういった傾向に寄り添うことができるのは、男女別で学ぶメリットです」

国学院久我山_女子部長の川本ゆり子先生
女子部長の川本ゆり子先生

 女子部長を務める川本ゆり子先生は、「男女別学というのは、いわゆる以前に言われていたような男子らしさ、女子らしさの追求ではありません。男女別学は今の時代の流れにそぐわないのではないかと言われることもありますが、そういうことではありません。
 本校ではあくまでも、一人ひとりの豊かな感性を伸ばし、人としての成長を目指していくことを重視しています。一方、現在の日本と世界の状況を比較して考えると、女性の地位が男性と同程度確立されているとは言えません。グローバルに活躍する女性を育てるという意味では、女子部では2018年にCC(カルチュラル・コミュニケーション)クラスを設置し、日本文化を世界に発信できる国際理解教育に力を入れ、多様性への理解を促す教育を行っています」と話します。

 男女共に輝ける教育を時代を見越しながら行っているのです。

男子と女子の特性を生かしたカリキュラム

国学院久我山_「働くということ」では、職場訪問も行います
「働くということ」では、職場訪問も行います

 女子部ならではのプログラムの一つが、シリーズ「働くということ」というキャリア教育です。中2の6月から、働く現場の訪問や身近な人の仕事についてインタビューを行います。また、さまざまな業界から招かれた講師によるフォーラムが開かれ、生の声を聞くことで働くことについて考える機会を多々設けています。

 男子部では中3からキャリアを意識させていきます。
「男子は中1や中2ではまだ、将来のことまで目が向いていないことが多いのです。中2で職場訪問を行ったとして、刺激は受けるでしょうが、社会科見学程度で終わってしまうのではと考えられます。中3になって地元の友人などが高校受験を迎えるなかで、自分自身も進路について考え出してやっと将来を意識し始めるケースが多く見られます」

国学院久我山_3年、6年間の集大成。東京武道館での武道大会
3年、6年間の集大成。東京武道館での武道大会

 また武道を学ぶことにより、精神的な成長も促しています。男子部で特徴的なプログラムの一つが、週に1回行われる中高6年間の武道の授業です。中1では柔道、中2では剣道の基本を学び、中3以降はどちらかを選択して稽古に励みます。さらに、高2では校内で武道大会、高3では東京武道館を貸し切って大会が開かれ、高1と高2も見学で参加します。

「武道は、相手がいるからこそ自分の技を磨くことができます。相手を敬い、感謝しながら切磋琢磨することで技量を磨いています。相手をリスペクトするという気持ちを体で感じながら、礼に始まり礼に終わる、礼節を学ぶことが久我山での武道の主眼です」と、横山先生は話します。

 男子は中学入学後、こうした体験や部活動などでから刺激を受けながら、お互いを高め合って成長していきます。

 日本文化への理解を深めることを大切にしている国学院久我山。女子部では、「女子特別講座」として一貫した学びを行います。中1は「ことば」、中2は「華道」、中3は「茶道」、高1では「能楽」、高2は「日本舞踊」、高3は「作法」と6年間で日本文化を通して豊かな教養を身に付けます。日本について深く学び、最終的には世界に発信できるようになることを目的としています。

 なお、能楽は男子部・女子部ともに学ぶ機会がありますが、アプローチの仕方が異なります。ともに能の歴史や文化を学ぶのは同様ですが、女子部では面や華やかな装束に触れ、和楽器を体験するなど能への深い理解を目指します。一方、男子部での「能楽教室」は謡と舞いの稽古を主軸として、声を出し、身体を使って能で学びます。

国学院久我山_アプローチが異なる「能楽」の授業

アプローチが異なる「能楽」の授業

国学院久我山_(左が男子部、右が女子部)

(左が男子部、右が女子部)

日本文化をベースにした国際理解教育が充実

 女子部が高2で行く修学旅行では、「日本文化探究コース」として伊勢・奈良・京都、「日本文化発信コース」としてニュージーランドが設定されており、コースを選択するようになっています。CCクラスは「日本文化発信コース」への参加となっています。これまで男子部の修学旅行先は国内だけでしたが、2025年にはオーストラリアも選べるようになる予定です。

国学院久我山_「英語で地域探訪」は人気プログラム
「英語で地域探訪」は人気プログラム

 また、男女を問わない有志の特別活動として行われているのが、「英語での地域探訪」と「英字新聞プロジェクト」です。同校では、学校周辺地域の歴史や文学に触れる「地域探訪」という実地研修プログラムが長年続けられています。その英語版である「英語で地域探訪」は、国学院大学の留学生などを招いて行われ、留学生に英語で地域を紹介するプログラムになっています。

「英字新聞プロジェクト」は中3から高2で希望者を募り、毎年40名ほどが参加しています。指導者のもと、6月から制作が始まり、紙面構成からテーマ決め、調査、執筆まで担当し、10月末に開催される久我山祭(文化祭)での発行を目指します。
 横山先生によると、「5~6名のグループでテーマを決めて記事をまとめるのですが、かなり高いクオリティで毎年好評をいただいています」とのことです。

 実際に見せていただきましたが、あまりの力作に思わず目を見張りました。皆様もぜひ久我山祭に足を運び、生徒たちの頑張りを堪能していただけたらと思います。

男女別々でのびのび学び、男女交流の機会で高め合い、
互いを助け合える人間に

国学院久我山_男女が協働して行事を作り上げます
男女が共働して行事を作り上げます

 男女それぞれの特性や成長段階に合わせた教育が行われるのは別学校と同じですが、それだけでなく男女の交流があるのが、久我山の男女別学ならではといえます。久我山祭や体育祭をはじめ、スキー教室、校外授業などのオプションの行事、主に文化部になりますが、部活動も男女が一緒に行うなど、男女の交流の機会は思いのほかたくさん設けられています。

「文化祭の実行委員会は男子生徒が受け持つことが多かったのですが、最近は女子生徒が力を発揮し、全体を取り仕切ることも増えています。相互に刺激を受けるというのも良い影響だと感じています」と川本先生。

「高3で始まる自由選択演習も、一部演習は男女一緒に行っています。女子は静かに闘志を抱いている生徒が多いので、そのぶん悩みを抱えてしまうこともあるようです。一方、火がついた男子には勢いがあります。ちょっと心が折れそうな女子の前で男子が力強く勉強に励んでいるのを見ることは、女子にはいい刺激になっていると思います。女子が問題に対して細かく丁寧にアプローチしているのを聞いた男子がすごいなぁという顔をしていることもあり、それぞれの感性の違いに生徒たちは驚くようですが、これらも素晴らしい機会になっています。また男女ともに『受験は団体戦である』ということをよく話します。クラスが一つになることで、一人ひとりを押し上げていけるのです」(横山先生)

 川本先生は、男女別学のメリットは共に行う授業や行事だけではないと言います。
「生徒たちからも、ちょうどいい距離感だという声を聞きますね」

国学院久我山_下校風景は共学校さながらです
下校風景は共学校さながらです

 男子部長の横山先生は、「授業を男女別で行うことで、男子も女子も異性の目を気にせずにざっくばらんに話ができて、のびのびと発言できます。異性の目を気にしないからこそ、自分らしさを出せるとも言えます。くつろぎ過ぎるという点もありますが(笑)、そういった時間も中学・高校という大切な時期には必要ではないでしょうか。大学を経て、社会人になっても、いまだに友人と学校を訪れてくれるOB・OGを見るとそう思います」と話します。

 男子部と女子部でそれぞれの時間を過ごして自分らしさを高めると同時に、男女融合の時間でそれぞれが助け合うことも経験できます。これこそが国学院久我山のキャッチコピー"きちんと青春"が目指すところなのでしょう。
 男子校や女子校の良さもあり、共学の部分も享受できるというメリハリのある学校生活が送れるのが、同校の男女別学の最大のメリットといえるでしょう。

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