学校特集
多摩大学目黒中学校・高等学校2024
視野を世界レベルに広げてグローバル人材を育てる
掲載日:2024年9月1日(日)
「先の見えない時代。40歳になった時に社会の状況がどのようになっていたとしても自分の力で人生を切り開ける人になって欲しい。そのためには、学び続けることや成長し続けることを楽しむ姿勢を身につけることが必要なのです。」
大らかな校風、勉強と部活動の高いレベルでの両立、何より入学後大きく学力を伸ばす学校として知られる多摩大学目黒中学校で校長補佐・広報部長を務める井上卓三先生は、このように語ります。
その多摩大学目黒の国際教育が大きな進化を遂げました。6年間で非英語圏を含む最大9ヶ国を訪問できる様々なプログラムによって、英語学習のみならず世界中と交流を深め、視野を広げる機会が用意されています。それぞれのプログラムの狙いについて井上先生にお話を伺いました。
多摩大学目黒の多様な国際教育プログラム
中学の英会話学習の集大成!
中学修学旅行(中学)全員:オーストラリア①
まずは海外を体験したい!
語学研修(中学・高校)希望者:イギリス②
本格的に英語を学びたい!
留学制度 高校希望者
長期留学(約1年):高校/アメリカ③・カナダ④・ニュージーランド⑤
中期留学(約3ヶ月):高校/カナダ・ニュージーランド
短期留学(約2ヶ月):高校/ニュージーランド
成長著しい国の熱気に触れたい!
高校修学旅行(中学)希望者:ベトナム⑥(予定)
途上国の諸問題に本気で挑みたい!
アジア訪問(高校)希望者:インド⑦・インドネシア⑧(予定)
国際関係と経営経済の最前線に触れる
アジアダイナミズムStudyグループ(中学・高校)希望者:韓国⑨
2名のネイティブ教員が
基礎となる英語力と国際感覚を育てる
海外を経験するプログラムが充実しているとはいえ、多摩大学目黒は決して帰国生の割合が多い学校ではなく、海外経験が全くない生徒も少なくありません。それらの子供たちが安心して海外プログラムに挑戦できるよう、経験豊富で卓越した指導スキルを持つ2名のネイティブ教員が、英語コミュニケーション能力と国際感覚を伸ばす授業を行っています。
「ネイティブ教員による英会話の授業では日本語が禁止されています。ですが様々なグループワークや協力しながらゴールを目指すような授業が展開されるので、生徒たちは楽しみながら取り組み、自然に英語だけの環境に慣れていきます。英語スキルだけでなく英語圏の文化や社会問題なども取り上げるので、生徒の意識が自然に海外へと向いていきます。(井上先生)」
オーストラリア中学修学旅行は、中学3年間の英会話授業の集大成。オーストラリアの家庭にホームステイしながら、約2週間現地の学校で語学研修を行います。全く日本語が通用しない環境で最初は苦労することもありますが、すぐに適応して、自分の考えを英語で伝えられるまでに成長します。この経験が大きなトリガーとなり、その後の多彩な海外プログラムへの挑戦につながっています。
基礎となる英語力と国際感覚を育てる2名のネイティブ教員
中学生全員が参加するオーストラリア修学旅行は英会話授業の集大成
英語圏を経験し
英語コミュニケーション力を高める
夏休みを活用して約2週間イギリスでホームステイしながら行われる語学研修は、中学生も高校生も参加できる、入門編的なプログラムです。オーストラリアへの修学旅行と同様、この語学研修をきっかけに海外で受ける刺激に目覚め、その後の様々なプログラムに挑戦する生徒が少なくありません。
一方留学制度は、より本格的に英語を学びたい高校生のためのプログラムです。短期(約2ヶ月)、中期(約6ヶ月)、長期(約1年)の間、ホームステイしながら現地の学校で現地の生徒と同じ授業を受け、同じ学校生活を送ることで本格的な英語力を身につけます。1年間の長期留学でも年次を遅らせることなく卒業することができます。
「大学入試で不利になることがないよう、長期留学をしている生徒には、留学中も帰国後も本校の教員が個別に手厚くサポートをしています。2023年に長期留学に参加した生徒の1人は、現役で慶應義塾大学に合格しました。(井上先生)」
イギリス語学研修
卒業年次を遅らせることなく最大1年の長期留学が可能
非英語圏の社会を経験し
世界の多様性を知り諸問題に目を向ける
高校の修学旅行では、アジアの国を訪問することができます。2024年度はベトナムを訪問しました。成長著しいベトナムの熱気を目の当たりにするとともに、かつての戦争の名残を見ることで、戦争の痛みを肌で感じる経験をしました。(高校の修学旅行は海外か国内か選択することができます)
2024年度からスタートするアジア訪問は、さらにアジアの多様性に触れたい高校生のためのプログラム。多摩大学目黒を含む5つの学校による共同プログラムです。インドネシアでは起業家や社会活動家が多く集まるバリ島を訪問し、ビジネス視察と現地企業でのインターンシップを体験できます。またインドでは非西洋社会の多層的な社会問題に立ち向かう起業家との交流を通して、社会問題に目を向け、その問題解決に本気で挑むという体験をすることができます。
「英語圏の国のプログラムに複数挑戦してきた生徒たちは、かなりの割合で非英語圏でのプログラムに興味を示しています。一度海外を経験したということが彼らのさらなる挑戦意欲を掻き立てているのは間違いありません。今まさに大きく成長をしている国の勢いを起業家とともに直接感じたり、今までの常識が覆されるほどの貧富の差とその解決を本気で考えたりするという経験を通して、生徒たちがよりグローバルな視点で物事を考えられるようになると期待しています。(井上先生)」
国際関係と経営経済の
最前線に触れる
実業界とのつながりが強い多摩大学との高大連携プロジェクトの1つ、アジアダイナミズムStudy Groupでは、多摩大学の学生や多摩大学付属聖ヶ丘の生徒と共に韓国の済州島で行われる国際経済フォーラムに参加します。朝鮮半島をめぐる国際情勢の問題を軸にして、済州平和フォーラムに参加したり、済州ハンラ大学の学生とディスカッションしたりすることを通して、国際関係と経営経済の最前線に触れることができます。
「朝鮮半島をめぐる諸問題は日本にとっても非常に関わりの深いものです。その最前線で尽力する様々な方の話を伺い、自分たちからも発表することを通して、これらの問題を自分事として捉え、国際社会と自分個人とがすっかりつながっていることを認識するようになります。(井上先生)」
高校のアジア修学旅行ではベトナムを訪問
多摩大学との高大連携で済州島の国際経済フォーラムに参加
多様な交流と相互理解を通して培う
生きていくために必要な力
これらの充実した国際教育プログラムが、生徒の英語スキルと国際感覚を飛躍的に高め、その後の人生における大きな財産となることは間違いありません。しかし、そのような直接効果だけでなく、間接的に得られることこそ、生きていくために必要な力になると井上先生は力説します。
「多種多様な人々と交流し、様々な文化に触れることを通して、世の中には多種多様な考え方があり、そのどれもが尊重されるべきものであるということを知ってもらいたいと考えています。そして自分自身もそのような多種多様な考え方を持つ人間の1人として、他の人と同様かけがえのない存在であることをきちんと認識してほしいと願っています。性格や思考、得意分野が異なる多種多様な人々の中において自分の特性を客観的かつ肯定的に捉え、自分がどのように社会に貢献できるかということを常に考え、目的意識をもって学び続ける人を育てること、それが多摩大学目黒の目標です。(井上先生)」
井上卓三先生
このような姿勢を身につけることは、変化が激しく先の見えない時代だからこそ、何よりも重要だと井上先生は結びました。
「中高や大学で学ぶ知識そのものはすぐに風化してしまうかもしれません。しかし、常に目標を持ち、学ぶことを楽しみながら日々成長できる人であれば、社会がどのように変化しようと柔軟に対応し、常に必要とされる人材であり続けられます。多摩大学目黒では難関大学現役合格に向けた学習面での対策は十分にしつつ、40歳になった時に自分の力で人生を切り開くことができる人間力を育てます。そこまでの道には人それぞれ紆余曲折があると思いますが、40歳で自分の人生を振り返った時に、それぞれの歩みに納得できるような生き方の姿勢をこの学校で身につけてほしいと願っています。(井上先生)」