学校特集
千葉明徳中学校・高等学校
グローバル社会に通用する人間力を磨く
京成線「学園前」駅の改札を出ると、眼前には緑豊な環境と充実した施設を誇る千葉明徳中学校・高等学校のキャンパスが広がります。「京成千葉駅」からは約10分。学園前駅から学校の敷地までは徒歩1分の好立地!特に生徒たちが一番多く登校する7時21分着の電車は、「京成本八幡」駅や「京成西船」駅からの直通運転。そのため都営新宿線や総武線沿線からのアクセスも抜群です。下り電車でゆったりと通えるのもうれしいメリット。読書や勉強、友達とのおしゃべりにと、生徒たちは有意義な通学時間を過ごしています。
2016年1月24日(日)には適性検査型入試の実施が決定!この「お買い得」感のある好環境と教育内容は、千葉県在住の受験生ばかりか、都内在住の人にもぜひ注目していただきたい私学のひとつです。
今回はそんな千葉明徳を訪れ、高2から中3までの生徒3名にご登場いただき実際の学園生活の様子を、教頭の宮下和彦先生には今後のビジョンとグローバル教育への取り組みについて伺いました。
「人間性の向上(心を耕す教育)」と
「学力の向上(文武両道のリベラルアーツ)」
これが千葉明徳を支えるニ本柱!
千葉明徳の教育理念である「明明徳」は、人間が本来持っている優れた特質(明徳)を引き出し、それを輝かせる(明らかにする)ことです。生徒一人ひとりに、他の人とは異なる自分の優れた特質に気づかせ、そしてその特質を開花させることが千葉明徳の教育使命。同校ではそれを実現すべく、「心(見えない学力)」を育み、「知(見える学力)」を磨いて、高い知識と見識を身に付け、独自の判断力や意見を持ち、正しい行動ができる "行動する哲人"の育成を目指しています。
同校で日常的に実施されている教育に「まとめて、書いて、発表する」があります。
教頭の宮下和彦先生は「本校では入学直後から、日直による1分間スピーチを毎朝行っています。与えられた時間の中で、生徒一人ひとりが自分の意見や考えをまとめて、クラスメイトの前で発表するのです。もちろん最初は緊張のあまり、うまく話せない生徒がたくさんいます。しかし、試行錯誤しながらも練習と工夫を繰り返すうちに、徐々に慣れが生じます。この取り組みを入学時から行っているおかげで、本校の生徒たちはコミュニケーションが非常に活発で、学年を重ねるごとに順調にプレゼン能力が育っていると思います」と言います。
この一連の作業が千葉明徳の学園生活に根付いています。
同校の授業スタイルは双方向の対話型授業。お互いの意見を尊重しながら、生徒同士でディスカッションする姿は日常的な風景となっています。
毎年5月には学年毎に「理科研修」を実施。そこでの体験は「理科新聞」にまとめられ、発表・プレゼン用の資料にします。一枚の新聞にはデータや写真を豊富に取り入れ「どう表現したら一番わかりやすいか」をそれぞれ考えます。他にも芸術鑑賞会後には「美術新聞」、夏休みの自由研究でも多彩な絵や写真を織り交ぜながら、レポートの代わりに新聞を作成・発表するのが同校の通例となっています。
「自由研究では、私たちが思いもよらない検証内容や問題点を指摘する作品が多く、生徒たちの豊かな表現には、毎回驚かされています」とは宮下先生。
千葉明徳では「つながり」をキーワードに、集団の中で互いに協力しあいながら自己の才能を発揮する機会が豊富に設けられています。
それは、自ら考え、行動し、己の道を切り拓く、つまり「行動する哲人」になるための第一歩と考えています。その「つながり」を意識させるため、同校の調べ学習ではあえて中1と中2で7~8人のグループを作らせるようにしています。集団での学びの中で、他者を認め、自分が認められる、そして自分の役割を見つけるという行動を繰り返すことで、自己肯定感、自尊感情を身に付けていくのです。
他にも中1・2合同で行われる学習に「土と生命(いのち)の学習」と呼ばれる農業体験があります。
米や野菜の種まきに始まり、発芽させることから生命の息吹を実感、食物を育てることの難しさを体験するプログラムです。明実祭(文化祭)では、この「土と生命の学習」について、生徒全員が必ず発表を行います。 同校のカリキュラムは6年間を2年ごとに区切った3ステージ制。中1・2は「発掘課程」、中3・高1は「磨き課程」、高2・3は「完成課程」と位置づけています。特に中1・2の「発掘課程」は基礎の土台を作る大切な時期。千葉明徳ではさまざまな体験をこの時期に課すことで、生徒たちが早い段階から自己の未来像を発見できるための契機としているのです。
これが千葉明徳の専用農地!
「土と生命の学習」では実際の農業体験から
生命の大切さを学びます
松垣さん:入学した時には中2の人たちがお世話係をしてくれるなど、先輩と後輩の交流がとても多いことが自慢です。田植えや明実祭の時も、先輩とタッグを組み、みんなで助け合いながらがんばりました。
テスト2週間前には、中1・2が合同で先生方から試験のコツなどを教わる機会もあります。
髙梨くん:田植えや稲刈りなどの農作業をはじめ、学年ごとに行う「理科研修」など、千葉明徳には理科関係の行事がたくさんあります。入学当初はあまり理科が好きではありませんでしたが、さまざまな体験授業のおかげで理科がとても好きになり、来年からの文理分けは理系に進む予定です。
髙谷さん:実験道具の豊富さが自慢です。入学当初は理科部に入っていたので、屋上にある40cmカセグレン望遠鏡を使う機会が多くありました。理科室には大きな電子顕微鏡も完備しているため、それを使って、ミクロの世界を体験することも可能です。中1の実験では鶏の頭の解剖を行いました。頭蓋骨を開けて観察すると、脳と視神経のつながりを確認できたことが、非常に印象的でした。
中学時代の集大成!
自立した学習を目指す「課題研究論文」
中3ではこれまで養ってきたプレゼンテーション力やコミュニケーション力を試す集大成として「課題研究論文」に取り組みます。週2回のゼミ形式で、7~8人で各分野に分かれ、最終的には1万字の論文を1年かけてまとめます。
ゼミでは進捗状況を発表、他の生徒と意見交換をしながら論を展開していきます。明実祭では「課題研究論文」の中間発表を全生徒が実施。そこで実施される質問タイムでは生徒や保護者、教員から鋭い突っ込みが寄せられ、本人も気づいていなかったような新たな論点が得られる重要な機会となっているそうです。
3月の「課題研究発表」では、パワーポイントなどを駆使しながら、各人が独自の工夫を凝らし、発表を行います。「昨年の最優秀賞を受賞した生徒は、性格もおとなしく、引っ込み思案な生徒だと思っていましたが、発表する姿には、1年間しっかりとやり遂げた達成感と自信が満ち溢れ、非常に頼もしく思えました」(宮下先生)
髙谷さん:私は小学校の頃はとても引っ込み思案で人前で話すことが苦手でした。中1の時の明実祭でのグループ発表の時には、採点で満点をいただき、個人賞を授賞することができました。その時は本当にうれしくて「やればできるんだ」と大きな自信になりました。おかげでそれ以降は、人前で発表することが好きになり、今では良い意味でも悪い意味でも目立ちたがり屋になれたと思います(笑)
松垣さん:明実祭の中1・2の合同発表では、一人7分間のスピーチを行います。発表のためにみんなで協力をしますが、意見が合わない時には多数決などで方向性をまとめることも必要です。私は「苦手な食べ物の克服」について調べていましたが、途中で「バランスの良い食事の仕方」というテーマへ変更しました。いろいろと調べていくうちに興味と関心が変わったからです。今年取り組む「課題研究論文」は、「たくさんのことを記憶するためには」をテーマにする予定です。
髙梨くん:明実祭では「お米の種類」について、みんなで調べて模造紙にまとめ、発表しました。その時の他の班の研究内容がたいへん興味深く、自分たちでタイ米などの数種のお米を炊き、実際に食べ比べをしていました。食味や合う料理がそれぞれのお米によって異なるようで、その研究結果には「やられた~」と思いました。
このように千葉明徳には「課題研究論文」をはじめとして、人前で発表する舞台がたくさん用意されています。
中3で英検2級に合格する生徒も!
千葉明徳の英語教育
千葉明徳が常日頃から生徒たちに呼びかけていることが "積極的に外へ出よう!" 教頭の宮下先生は「千葉明徳で養ったコミュニケーション力やプレゼンテーション力は、グローバル化した現代社会では非常に大きな武器になる」と自信を覗かせます。 同校の英語の授業は前述でもお伝えした通り、ディスカッションを交えた双方向型授業。「聞く」「話す」のコミュニケーションを中心に、使うことが「楽しい」「カッコイイ」と思わせることから始めます。その地道な取り組みの結果、昨年は中3で英検2級の合格者を輩出しました。
また中3以降に"校外型"の英語プログラムが多数用意されているのも同校の特徴です。ブリティッシュ・ヒルズ(福島県)での3泊4日の合宿をはじめ、豊富な短期留学制度が設けられ、中3の春休みにはケンブリッジやハーバードでの生活体験、アメリカへの語学研修を実施しています。さらに今後はセブ島でのショートステイなど、いくつかのプログラムを企画、検討中とのこと。今年の11月にはいよいよ高2の生徒たちがハワイで実施される語学&理科研修に出発する予定です。
宮下先生は「本校の海外研修は、英語のスキルだけを徹底的に磨き上げるといった趣旨ではありません。むしろ異文化に対して興味を持ち、そこで受ける多くの刺激から英語への意識を高め、次の学習につなげるという位置付けです」と海外研修の基本姿勢を教えてくれました。
髙梨くん:僕は中2の春休みに、ニュージーランドでホームステイをしました。その時は海外との生活習慣の違いに驚き、英語を思うように使えず、悔しい思いをしたことを今でも覚えています。そこで、中3の春休みにはケンブリッジ大学へ行くイギリス短期留学に参加しました。
現地では大学の寮に泊まりました。一人部屋でしたがすごく広くて設備も素晴らしかったです。ケンブリッジの学生にはおもしろい人が多く、またいろいろな国の人たちがいて、グローバル社会を強く実感することができました。授業は、英語を使ってディスカッションを楽しみながら、出題されたテーマについて自分の意見を発表するという形式でした。授業以外にはケンブリッジの街を探検して、イギリスの文化をいろいろと学びました。料理があまり美味しくないと聞いていましたが、僕の口にはどうやら合うようでした(笑)
最初は英語を聞き取ることに一生懸命でしたが、3日もすると自分でも驚くほど聞き取れるようになりました。今後はもっと勉強して今以上に「使える英語」を身に付けたいと思います。
髙梨くんも参加したイギリス・ケンブリッジ大学での短期留学!
英語を使ったディスカッション
ハード・ソフト共に充実したクラブ活動!
面倒見の良さが光る放課後の使い方とは!?
チアリーディング部♪
千葉明徳の中1は、全員がクラブ活動への参加が義務付けられています。中でもグングンと実績を伸ばし、県大会や全国大会で活躍しているのが、高校男子サッカー部、高校女子サッカー部、高校チアリーディング部です。高校男子サッカー部は、ジェフユナイテッド市原で活躍していた選手が引退後、コーチを務めており、全体のレベルアップを図っています。
同校では、「授業→家庭での復習→朝学習→放課後補習」という地道な学習サイクルを繰り返す「完全復習プログラム」を実施しています。学習習慣の確立と基礎学力の定着を図り、学習者としてもっとも大切な部分を構築することに注力しています。
朝学習で行われる小テストでは、前の週や前日にやった内容をそのまま出題。得点率85%を下回った生徒には16時からの"放課後補習"が課されます。これは生徒たちにとっては一大事!なぜなら部活動に参加できなくなってしまうからです。一見、厳しくも思えますが、同校はこの手厚い指導で「塾要らず」を実践し、その面倒見の良さは保護者からも高い支持を得ています。
松垣さん:コーラス部に所属しています。中学生だけで行動する時もありますが、基本的には高校生と一緒に活動しています。高校生の先輩が「わからないことはどんどん聞いてね!」と優しく言ってくれるので、疑問に思ったことやわからないことを気軽に聞ける雰囲気が部内にあり、とても楽しく部活動を満喫しています。 髙梨くん:僕は中学の時はサッカー部に所属していました。2期生なので、先輩はいましたが同級生が部にはいなくて、人数が少ないために試合などには出られませんでした。そのため高校からは勉強のことも考え、卓球部に入りました。今は15以上の部員が在籍しているので、みんなで協力しながら、部を盛り上げています。
スポーツ系以外の文化部(吹奏楽部)も
新入生の入部を待っています
学校をあげて野球部の応援
中学では手をかける教育を!
高校からは目をかけ、自立を促す教育へ!!
千葉明徳が実践する「あたりまえ教育」。人として「あたりまえ」のことを「あたりまえ」に行うこの取り組みは、集団の中で生きていくために、最低限必要な常識を身に付けさせるためにはじまりました。「約束を守ること」「時間を守ること」など、聞けばあたりまえのことですが、それができない若者が最近多いのも事実。
そのため、同校では開校時から『ノーチャイム制』を採用するなど、日頃から生徒たちのセルフマネジメント力の強化に注力しています。
中学時代には「毎日勉強するのが"あたりまえ"」の精神を確立するため、かなりの量の宿題が課されます。しかし中学時代にセルフマネジメント力を身に付けた高校生へは、あえて宿題やノートの提出を課さないことがあるそうです。勉強するのはあくまで生徒自身。時には"手を離しながら"も"目をかける"教育で、千葉明徳の教員たちは生徒の成長を見守り続けます。
修学旅行(中3)では京都・奈良を訪問!
これからのグローバル人材には
自国文化の研究も欠かせません。
「書道パフォーマンス」は迫力満点!
髙梨くん:部活のことで頭がいっぱいになりがちですが、高校生になってからは勉強のこともしっかりと考えるように気をつけています。勉強をしないとすぐに"補習"になってしまうので、大好きな部活動に参加するためにも、必死に頑張っています。高校に入ってからは、宿題の提出がほとんどなくなりましたが、その分中学の時よりもしっかりと自己管理をしなければと思い、最近は手帳を購入してスケジュール管理を行っています。 千葉明徳の先生たちは授業中の雑談などがたいへんおもしろく、非常に役立つ情報を提供してくれます。そんな姿を見ていて、将来の夢は教師になりたいと思うようになりました。
髙谷さん:来年は大学受験が控えているので、何かするには今年が最後のチャンスだと思っています。私は昔から読書が大好きなので、今は本をたくさん読んでいます。日によって2~3冊読んでしまうこともあります。まだ自信がないのでなかなか踏みきれませんが、今のうちに小説を書いてコンクールに挑んでみたいと思っています。私は有機化学にも興味があるので、将来は創薬系や食品工学などの化学系の職を希望しています。千葉明徳は理科教育に力を入れていて、実験も非常に多いのでもともと理科好きな私にはぴったりの環境でした。
松垣さん:前はパティシエ志望でしたが、今は料理を作る仕事に就きたいと思っています。中学に入ってから、お菓子だけでなく料理を作ることが大好きになり、この夢を持つようになりました。最近のマイブームは卵料理で、家でもよく作っています♪
これが千葉明徳の授業スタイルです。
髙谷さん:千葉明徳は1学年2クラスの少人数制なので、先生たちの目がよく行き届くため、一人ひとりの考えを尊重して大切にしてくれる素敵な学校です。先生たちとの距離も近く、勉強でわからない箇所はいつでも気軽に聞くことができるので、安心して学校生活を送れると思います。
松垣さん:先生たちすごく優しくておもしろいので、毎日の授業がとても楽しみです。小学校の時と比べて、千葉明徳に入学してからは、自分から積極的に授業に参加しようという気になりました。
髙梨くん:最初は私立と聞いて「勉強ばかりやるのかな」とか「先生は厳しいかな」などの硬いイメージを持っていました。しかし千葉明徳ではそんなことは全然なく、先生たちは気さくで、意外と自由なんだなと思いました。行事なども自分たちで考えて取り組むので、非常にやりがいがあり、とてもたのしい学校です。