受験生マイページ ログイン

学校特集

開智日本橋学園中学・高等学校2024

KNG×IBの教育で、積極的に世界と関わる人材を育む

掲載日:2024年10月5日(土)

開校から10年目を迎えた開智日本橋学園中学・高等学校。「自分で考え、判断し、主体的に行動する」を合言葉に、生徒たちは充実した日々を送っています。
「理想は、生徒たちだけですべてのことが回っていく形になれば、本当の意味で主体的な活動だけの学校になると思います」と話すのは、広報部長の井田貴之先生です。井田先生に同校での学校生活やこの発言の意図について伺いました。

平和で豊かな社会の実現に貢献できる
リーダーとなるためには

開智日本橋_スペイン人の先生による地理の授業。外国籍の先生もさまざまな科目を担当します
スペイン人の先生による地理の授業。外国籍の先生もさまざまな科目を担当します

 開智日本橋学園(以下、KNG)では、探究型で主体的に学ぶ授業を展開し、生徒たちの創造力や思考力、発信力、コミュニケーション力を培い、「平和で豊かな社会の実現に貢献できるリーダーの育成」を目指しています。
 これは、より平和な世界を築く若者の育成を目的とする国際バカロレア機構(以下、IB)の理念と合致しており、IB認定校として国際的な教育プログラムを実践しています。1年〜4年までのMYP(Middle Years Programme)では国際社会との関わりを意識させ、5年生以降は国際的に認められた大学入学資格を取得できるDP(Diploma Programme)、または国立理系・医学系・国立文系・私立系のクラスを選択します。

 入学時は、下記の3クラスに分かれます。
・LC(リーディングコース):英語学習をゼロスタートとしながらも確実な知識と学力を育成し、3年生で実技教科は英語での履修を目指すクラス
・DLC(デュアルラーゲンジコース):バイリンガルの担任がつき、1年生からHRは英語で実施。国内・海外の大学進学を目指すクラス
・GLC(グローバル・リーディングコース):ネイティブの担任がつき、HR、総合、英語、社会、美術、技術の授業はすべて英語で行う帰国生やインター生が中心のクラス

開智日本橋_広報部長の井田貴之先生
広報部長の井田貴之先生

 すべてのクラスでIBのカリキュラムに則った教育が行われており、DPを修了すれば国際的に通用する大学入学資格を得ることができます。英語教育に定評がある同校ですが、井田貴之先生はこう話します。
「IBのプログラム自体、最も大切にしているのは人間教育です。探究活動を行うことで深めた知識や思考は、各教科におけるさまざまな経験と結びつけ、探究心や積極性、思いやりに富んだ人の育成を重視しています。プログラムには『Service and Action(S&A)』という、ボランティア的要素も含まれています」

 このS&Aの精神は学校生活の中に浸透しており、他の人への貢献を考えることも、生徒たちにとっては当たり前になっています。
 3年生たちが先日、S&A活動の一つとして企画・提案し、1年生たちに行っていたのは手帳の使い方レクチャーです。

「自己管理のために自分で手帳を用意して使うように促しています。しかし、手帳選びって大人でも定番のものに行き着くまで時間がかかりますし、難しいですよね。  ましてや生徒たちも全員がChromebookを持っています。そのため、デジタルとアナログをどう使い分けるのかなども悩ましいと思います」(以下、井田先生)

 3年生が先生方に相談しながら試行錯誤して実施されましたが、どんな目的で手帳を使うのか、双方のメリット・デメリット、注意点や工夫する点などを伝えました。

「基本的に本校は、生徒たちのチャレンジに対して、最初からダメ出しをすることは絶対にあり得ません。ただし、それを実現するためにどういう行動を取ったほうがいいのか、どんな準備をしなければいけないのかなど、具体的に当日起こりそうなトラブルを考え、それでもトラブルが起こった時はどうするかも想定させて、実現につなげていきます」

 だからこそKNGの生徒たちは徹底的に考えること、行動することを求められます。そうした生活の中で主体性を磨き、自らの人生を掴み取り、社会に、世界に貢献できる人間に成長してほしい。同校の教育には、芯が一本通っています。

先輩・後輩のつながりの
チャンネルが増加・強化

開智日本橋_森のフィールドワーク。注意深く観察する力を培います
森のフィールドワーク。注意深く観察する力を培います

 KNGの生徒たちは自らで動くこと、さまざまな経験を積んでいくことが求められます。

 探究型学習に力を入れている同校。1年生で「磯のフィールドワーク(以下、FW)」、2年生で「森のFW」、3年生で「都市型FW」に臨み、4年生は「首都圏FW」、5年生「イギリスFW」と連なっていきます。
 特徴的なのが、新1年生のオリエンテーションとして4月に行われる「TBC(チームビルディングキャンプ」です。2泊3日で那須高原にて行われるこのキャンプは、2年生がさまざまな協働企画を通じて、KNGでの学校生活や探究などについて、発表し学びを伝えていきます。

 こうして構築された縦の関係性は学校生活の端々で生きていきます。例えば「開橋祭」(文化祭)や体育祭といった行事だけでなく、各FWの実行委員などを務める際には、まず経験した先輩にインタビューを行っています。
「先輩たちにどんなことで成功し、どのような失敗をしたかを聞いて参考にしています。場合によっては、さらにその上の学年の先生たちにも聞き取りに行き、学ぶ機会としているようです。そういう下からの上に求めるつながりも開校から10年経って安定してきたというか、定番になってきましたね」

開智日本橋_有志の活動も引き継がれ、受け継がれていきます
有志の活動も引き継がれ、受け継がれていきます

 逆に上級生たちは、部活や委員会活動などもまずは1年生を勧誘しにいくそうです。
「夏休み中の校舎案内ツアーなどを行っている実行委員は、生徒たちの有志団体です。フードロスをなくすためのフードドライブの活動など、有志の活動がたくさん増えています。こうしたさまざまな提案を下級生に行い誘うのが、当たり前の流れになってきています」

 上記のようにすべての活動は、生徒たちの主体性に委ねられ、彼らが実質的に運営。先生方はファシリテーターとして見守っています。

「FWの行き先は1年生が磯、2年生は森と開智グループ全体で決まっています。
 3年生は社会系の探究活動になるので、訪ねる先はそれぞれ異なります。1期生の時の行き先は福岡県・福岡市。生徒たちが行き先を決め、何をやるか考えることもまったくの初めてだったので、大変だったでしょうが意欲的に取り組んでいたそうです。
 2期生が行き先を検討する際、私は学年団にいましたが、予算など物理的な制限を考慮しながら探究活動に適した場所を議論した結果、石川県・金沢市に行きました。現地ではとても良くしていただき、印象的な探究活動ができました」

 こうしてさまざまな候補地を挙げつつ、関西へ行き始めたのは3期生。修学旅行的になりがちのところ、京都大学とのコラボレーションを行うなど充実していたこともあり、現在の行き先は関西で落ち着いています。

「チャレンジしたい気持ちを尊重しますし、そうした機会も積極的に設けています」と話す井田先生。関西FWが定番化していることなど、先輩たちが切り開いてきた道を受け継ぎ拡張はしつつも、新たに開拓することに少々消極的な状況を心配しています。
「生徒たちは教員に対して提案することが当たり前の中で生活しているので、本校で大事にしている主体性の部分とは合致しています。振り返りを大事にしており、良かったことや次はどう変えたいか、新たにチャレンジしたいことを考えさせるやり取りもとても大切にしています。ただ教員も含めて、チャレンジすることが減っているように感じます。我々が生徒たちの良い手本にならなければと、改めて自分への戒めでもあります」

 もちろんそうした中でも、新たな取り組みが生まれています。今年初めて3年生全員参加で実施されたのが、現在大学3年生の2期生の提案による「自分探しワークショップ」です。

開智日本橋_卒業生たちは頻繁に学校を訪ねてきます
卒業生たちは頻繁に学校を訪ねてきます

 4年生では自分の好きな分野の探究を行うパーソナルプロジェクトに取り組むため、自分を深く知る機会としました。2¬〜4期生と留学フェロー生の11名がメンターとしてガイダンスを開催。将来や夢について語り合い、グループでディスカッションなどをしました。

 卒業生からの働きかけであったことに筆者が関心を示したところ、「自分たちのコミュニティの中でのスキルアップなどを考え、いい意味で利用した卒業生もいたので、お互いにウィンウィンです。自分のやりたいことと学校として求めることが合致していれば、我々も協力しますし、機会を提供することもできると思います」と井田先生は笑います。

 これらの活動は卒業生であっても挑戦を続けていることを意味していますし、その姿勢は在校生にとっても大きな刺激となることでしょう。

理数の探究活動もより充実させ
興味・関心が大きく広がる

 来年度からのカリキュラム化を目指す新たな取り組みとして、現在5年生で始まっているのが「理数探究クラス」です。
「理系のスペシャリストを目指して、授業とは別に土曜の放課後などに、実験中心の講座を行っています。生物・化学・物理の分野に分かれ、各教科で3〜4人ずつ自分の目指すコースごとに実験メインでさまざまな活動に取り組んでいます。教科指導の範囲を超えて試せることがとても興味深く、将来的には中学生にも広げていけたらと考えています」

開智日本橋_目指せ! 日本数学A-Lympiad3連覇
目指せ! 日本数学A-Lympiad3連覇

 KNGで近年特に盛り上がりを見せているのが、「数学同好会」の活躍です。日本では金沢大学が主催する「日本数学A-Lympiad(エイリンピアード)」という大会に挑戦しています。世界とつながり、より良い社会を築くため、世界的課題解決を数学の力で挑戦することを主旨としています。実社会で起こりうるさまざまな課題(英文)を読み解き、数学的な手法を用いて解決策を提案するというものです。
「7〜8時間程度の制限時間の中、4人1チームで臨みます。課題に向き合う姿勢が、普段からIBで学んでいることと実は変わらないのです。
 2022年大会に初出場した今春卒業した4期生たちは、数学科の教員の勧めで挑戦し、特段準備もなく出てみたら日本で最優秀賞をいただき優勝、オランダで行われた世界大会で5位という成績をおさめました。
 昨年2023年大会は、5年生と4年生の2グループが『2連覇できるのはうちしかないじゃん』などと軽口を叩きつつ参加しましたが、結局6期生の現5年生が優勝。結果として連覇することができました」

 そのチームは24年3月に行われた世界大会でも優勝するという華々しい成績を残しました。

開智日本橋_和気あいあいですが、本気で取り組む数学同好会の活動
和気あいあいですが、本気で取り組む数学同好会の活動

「4期生たちの活躍に刺激を受けて数学同好会を作ったのが、その5年生なのがユニークですね。『もうワンチャンいけるかな』と話しており、今年も挑戦するようです」

 思考を巡らすことに慣れていて、プレゼン力の高さなど、普段の教育活動がこのように評価された同校の生徒たち。

「数学同好会に今年、中1が8人入部してきました。コースは関係なく活動している様子を見ると数学好きな生徒が増えている印象を受けています。6月に開催された数検では中1で3級(難度は中3程度)合格者が 3〜4人いました。活動風景を覗いたら『チャート式』を見ているなど楽しそうですね。もっと歯応えのある問題にチャレンジしたら?なんて話もしますが、彼らの活躍が理系の盛り上がりにつながればいいなと思っています」と、数学科の教諭でもあり、同会の顧問でもある井田先生は破顔します。

IBで学んで経験を持つ教員も入り
ますますグローバルな校風に

開智日本橋_インターナショナルスクールのような雰囲気も漂う校内
インターナショナルスクールのような雰囲気も漂う校内

 KNGでは、国内外の壁を取り払う教育を国際的な学びと定義付けています。
「ネイティブ教員は7カ国からの12人が常駐しています。日常会話で日本語も英語も使うバイリンガルの教員が3割ほどいるので、職員室の中でも日本語と英語が混在していますし、廊下でネイティブの先生と会えば当然みんな英語で挨拶します。
 そういう意味では、初めて英語を習うLCやDLCの生徒たちも、間違ってもいいから、恥ずかしいことは何もないのだと話すことを促します。逆に英語力がある帰国生たちも、安心して英語を使える環境で成長を続けています」

 生徒たちはクラスに関わらず、クラブ活動や行事などで積極的な交流を図っていますし、互いに得意を生かし、苦手を補完するような関係性ができています。そうした中でそれぞれの個性を尊重する風土も育っており、校内は自然と多様性を理解できる場となっています。

開智日本橋_「哲学対話」なども行い、自分や他者への理解も深めます
「哲学対話」なども行い、自分や他者への理解も深めます

「生徒たちには、隣の日本人だって他者だからねと伝えています。自国や自分自身のことを語れるということ、他文化を理解するということは、海外に出たから必要というわけではなく、国内であっても当然必要なこと。多様性と言って、肌の色とか言語とかジェンダーだとか、わざわざ分けて考える必要はないと思うのです。
現実的にはいろいろな国の人がいて、たくさんの言語があり、老若男女がいてという社会です。学校にいる6年間で疑似体験できるような環境を作りたいのです」

 そうした中で、IBを使って学び方を学んでいるKNG。
「自分が何歳になっても、どの場所に行っても学び続けられるような、学び方のスキルを身につけることが最大の目的です。それができていれば、言語の違いはあれども、どの国に行っても自分自身がどんな目的を持っているのかがきちんと見えてきます。

開智日本橋_探究の発表。自分の好きを突き詰めます
探究の発表。自分の好きを突き詰めます

 大切なことは現実社会との結びつきであり、アウトプットするということ。これらはIBのカリキュラムの中でもしっかり学んでいます。
 本校の生徒たちは発表の経験やレポートを記す機会が多いので、大学に入った卒業生たちが『高校の時より楽になった』と笑います。海外大進学者も、国内大学に行っている子でも、大体同じ反応ですね」

 生徒たちの壁となる先生方に提案したり、話し合ったりという大人ときちんと話ができるスキルや、友人たちと協働して合意形成を図る経験は一生役に立ちます。

「本校の環境で学ぶことで、社会に出て活躍できる人材になる確率は相当高いのではないかと期待しています」と笑う井田先生。

 IBや探究教育を軸に、挑戦できる人間教育を実践している開智日本橋学園。「IBで学んだ経験を持つ教員やIBの考え方に共感し授業をしたいという教員が増えてきて、IB教育も軌道に乗ってきた」と話す同校の勢いがますます止まりません。

 学校説明会の予約枠は早々に埋まってしまうことも多々ですが、ぜひ実際に足を運び、生徒たちが嬉々としながら試行錯誤する日々の様子をどうぞご覧ください。

資料請求はこちらから 学校ホームページはこちら 学校データベースはこちら