学校特集
二松學舍大学附属柏中学校・高等学校
柏駅からスクールバスで15分の距離にありながら、風光明媚なゆとりあるキャンパスで、落ち着いて学べるところが魅力の
ニ松學舍大学附属柏中学校・高等学校。中学校を開校して5年目、生徒と教員が確かな信頼関係を築いて「人間力」と「学力」を、
バランスよく伸ばしています。さらに今年度からはグローバルコースが始動し、帰国子女や英語に興味関心の深い生徒が集まり、「使える英語」を習得するためのカリキュラムで学び始めています。
この春、中高に入学した学年からタブレットの導入もスタートするなど、時代のニーズに応じて柔軟に舵を切り、「人間力」と「学力」の向上に努めて「自問自答」する力を伸ばしている同校の島田達彦副校長に、新たな取り組みについて伺うとともに、中高一貫生の授業を受け持つ数学科主任の玄間昭久先生に、中高一貫生の現状について伺いました。
【自問自答する力とは】
自ら課題を見つけて、よりよい方法を見出し、解決する能力。
そのために自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動する力。
新たなチャレンジ①
グローバルコースが加わり、3コースで、
生徒一人ひとりの可能性を伸ばします!
今年度から「特選コース」「選抜コース」に加えて、「グローバルコース」がスタートしました。「グローバルコース」は単なる英語力の向上を目指すコースではありません。英語を、日本語と同じように使いこなし、国内外でリーダーシップを発揮できる人材を「人間力」と「学力」の両面から育成する、非常に楽しみなコースです。今年度の新入生が高校へ進学する2017年には、高校に「スーパーグローバルコース」を作り、6カ年の一貫教育で真のグローバルリーダーの育成を目指します。
<グローバルコースの人材育成プログラム>
1. 英語を発する自信をつけるプログラム
・英語集中研修(校内)
2. 英語運用力の強化を図るプログラム
・イングリッシュキャンプ(国内)
・ドラマによるコミュニケーションワークショップ等
3. 海外研修に向けたトレーニングプログラム
・実践コミュニケーション研修
・異文化理解・受容ワークショップ
・海外研修事前集中英語研修
4. 多様な海外語学研修プログラム
・Jeju英語研修(韓国済州国際学校)
・オーストラリア語学研修
・中国語研修(台北教育大学)
・セブ英語研修
・台湾研修旅行
5. グローバルコミュニケーションを磨くプログラム
・他国の考え方、コミュニケーション方法を用いた話し型を学ぶ
6. グローバルスキルを磨くプログラム
・語学力
・問題解決力
・ロジカルシンキング
・クリティカルシンキング
・ICTの活用
・多様なリーダーシップ
・創造力等、グローバルリーダーに求められるスキルを学ぶ
7. 実社会とのつながりをもつプログラム
・グローバルリーダーをテーマにした講演を聴く
・実社会で活躍する各界のゲストとの対話
グローバルコースを立ち上げた背景を教えてください。
島田副校長:世の中、グローバル一色ですよね。振り返ると創立者の三島中洲がニ松學舍を立ち上げたきっかけも世界に目を向けたことであると言われています。「西洋に追いつけ追い越せ」という時代に、「まずは日本やアジアの歴史、文化を学ばなければ、西洋のいいものを受け入れられるはずがない」という考えでニ松學舍を立ち上げたのが、今から137年前のことです。
現在、NHKで放送している大河ドラマ"花燃ゆ"にも登場した吉田松陰と一緒に黒船を眺めていた三島中洲の理念を教育目標として掲げた「自律をはかり、主体性を身につける」「思いやりのある人間性を身につける」「社会への関心を高め、豊かな国際性を身につける」という本校の3つの柱は、2012年に文科省が掲げた目標と非常に近いものがあります。つまりニ松學舍は、創立から137年にわたりグローバル人材の育成を目指してきた学校なのです。
グローバルコースが目指しているのは、どんな教育ですか。
島田副校長:創立者の三島中洲がそうであったように、異なる文化を理解し、多様な価値観を認めようとする視点をもつ、真のグローバルリーダーの育成です。グローバルの舞台で自分の考えを伝える、表現する、相手の気持ちを理解するためのベースとなるのが、英語力であると考えています。しかし英会話だけできたとしても、相手に「この人なら大丈夫」「心を開ける」「頼れる」という信頼を与えられなければコミュニケーションは成り立ちません。そこで、英語力とコミュニケーション能力の2本立てで育成を図るプログラムを作成し、まずは中学3年間にわたりチャレンジしていきます。
「グローバルコース」の1期生はどんなお子さんですか。
島田副校長:入試問題は3コース共通ですが、理科・社会の代わりに英語でも受験できるようにしました(リスニング有。レベルは英検4級程度)。活用した受験生は少なかったですが、帰国子女にとっては受けやすかったと思います。
グローバルコースでは、中学校卒業までに英検準2級以上、高校卒業までに準1級以上の取得を目標に掲げていますが、1年生の中にはすでに2級を取得している子がいます。その子のように英語力が優れた生徒は高校と言わず、早い時点で準1級が取れるように伸ばさなければいけないと思っています。
入試に関しては、グローバルコースの合格難易度がもっとも高いため、希望しても残念ながら入れなくて「特選コース」に所属している生徒がいます。そういう生徒は1年間の成長を見て、2年次からグローバルコースに引き上げるなど、フレキシブルに対応したいと考えています。グローバルコースをつくり、英語の入試を始めたことでNHKが取材に来ましたが、私たちも学ぶことが多く、始めてよかったと思っています。「受験生の多様な力を見るために、来年は入試のリスニングを簡単なディスカッション(英会話)に変えたらどうか」など、発展的な意見が出ています。
多彩なプログラムが魅力のコースですよね。
島田副校長:日常的には、週2日、7校時目に、ネイティブと日本人の教員によるティームティーチングで、英語で日本の文化を勉強する、パワーポイントでプレゼンをする、数学を英語で学び、数研にトライするなど、さまざまなチャレンジを行います。「英語でそろばんを教えたい」という教員もいて、プログラムの可能性は果てしなく広がっています。夏休みに入ると近隣の公立校に勤めているALT(外国語指導助手)を集めることができるため、学校で外国人と英語を使ってコミュニケーションを図る「イングリッシュキャンプ」を計画しています。また、今年度の新入生からタブレットを持たせていますので、英語で学ぶ写真教室や料理教室などの講座を行い、英語も日本語と同じ、コミュニケーションツールであることを意識づけていきます。中2以降は、希望に応じて参加できる、多彩な海外語学研修プログラムも用意しています。こうしたプログラムを体験しながらも、基本的なことを同時進行で教えていかなければならないので、どこまでできるかわかりませんが、子どもたちがもつ柔軟性を発揮して、伸びてくれるものと期待しています。
新たなチャレンジ②
中学3年間の学習の集大成として、
研究論文"自問自答"に取り組みます!
「一世に有用なる人物を養成する」という建学の理念を実現するために、同校では「自問自答」を大切にしています。手賀沼に隣接する立地を活かした「沼の教室」をはじめとする環境教育も「自問自答」する力をつけるためのものです。そうした学びの集大成として、今年度より中3で研究論文"自問自答"に取り組むことになりました。
研究論文はどのような取り組みになりますか。
各クラブが汗を流します。
島田副校長:生徒一人ひとりが自分の興味を持った分野で問いを設定し(自問)、それに対しての結論を導きます(自答)。自分で問題を見つけて、調べて、解決するまでの道のりが「研究」であり、それを8000字程度の論文としてまとめて、発表します。5月からテーマ探しを始めて、夏休みあたりから調査、研究に取りかかり、9月の学園祭で中間発表を行います。さらに調査、研究を進めて、12月頃から論文の執筆に取りかかり、来年2月までに完成させて、外部発表ができるレベルまでもっていく予定です。中学3年間の学びに自信をもって、高校生活をスタートできる取り組みにしたいと考えています。
新たなチャレンジ③
今年度からタブレットを導入!
時代のニーズであるICT教育に取り組みます。
ICTの活用を推進するために、今年度からタブレットを導入。さまざまな場面で活用できるよう、校内委員会を設置し、主としてタブレットを活用した授業や教育活動についての研究を進めています。また、成績管理を行い、生徒や保護者との面談時に活用するなど、校務の効率化にも役立っています。
タブレットはどのように活用しているのですか。
ICT教育にも積極的です。
玄間先生:新入生はコースに関係なく、全員がタブレットを持っています。そのため、調べ活動においてこちらから資料提供を行う必要がなくなりました。プリンターと連動しているため、必要な写真をプリントアウトして、資料づくりに活かすことも日常化しています。現在は総合学習での使用が主ですが、授業でも使い方を研究していますし、家庭学習の教材も提供できるので、活用の幅はどんどん広がると思います。私は数学の教員ですが、方程式の文章題が苦手な生徒は、問題文のどこを読み取ればいいのかがわかりません。そこで文章を見せて、ここからこういう式が出てくるということを示すと理解が深まります。このように実験的に行ったことを教員の間で共有しながら、新しい授業を作ることにも意欲的に取り組みたいと考えています。
玄間先生が語る、中高一貫生の"今"
学力・人間力ともに順調に成長中。
先輩を励みに学べる環境です。
開校1年目から、実力テストによる学力推移調査を行っていますが学力は順調に伸びています。1期生については、中1の時点で5割以下だったSランク〜Bランクが、高1の9月時点では7割程度まで増えています。Sランク、Aランクに絞ると5名が22名まで増えています。 なぜここまで学力が伸びているかというと、すべての教員が子どもたちの名前と顔を覚えて、一人ひとりに目を配れる環境が大きいと思います。中学開校以来やってきたことは、わかりやすい授業を心がけ、適切な課題を繰り返し出して、提出物を徹底させるという、当たり前のことばかりです。その中で、つまずきのある子を見逃さず、ところどころでフォローを入れて、ほめたり励ましたり、時には見守りながら、子どもたちの自己肯定感を育んできた結果、こうした1期生の成果につながりました。後輩たちも、彼らを励みに非常に頑張っています。
◆学力推移調査のレベル(参考)
Sランク 難関大学合格レベル(東大、医学系、早慶等)
Aランク 国公立・中堅私立合格レベル(上智、ICU、MARCHG等)
Bランク 国公立・中堅私立合格レベル(日東駒専以上)
Cランク 4大合格可能レベル
Dランク 基礎力養成レベル
毎日提出する「365ノート」で、
学習意欲の低下を見逃しません。
生徒と教員のコミュニケーションに役立っているのが、「365(さんろくご)ノート」です。宿題とは別に、自分で何を勉強するかを考えて、1日1ページ以上家庭学習として取り組むノートで、毎日担任がチェックし、必要に応じてコメントを書いて戻しています。自分でなにを勉強すればいいかを考え、毎日勉強する習慣をつけることが目的なので、基本的には生徒に任せています。そのため取り組み方は生徒によりさまざまで、一行おきに書くのが精一杯の子もいれば、ノートを3冊用意し、英国数に分けて、それぞれ2、3ページずつ学習してくる子もいます。そういう子には「今日もこんなにやってきて偉いね」というとモチベーションが上がります。伸び悩んだりしている生徒には「こんな勉強方法に変えてみたら」「こんな勉強の仕方をしている子もいるよ」などと、タイミングよく声をかけています。
アクティブラーニングにも
積極的に取り組んでいます。
授業も変わってきています。これまでは先に進むことが求められていたので、一斉授業が多かったのですが、現在は意識的にアクティブラーニングを取り入れています。例えば数学では、基本的な例題を紹介し、その後、子どもたちがグループになって問題を解くという形式の授業を行っています。最後にテストを行うことで、「グループのメンバー全員が100点を取れるよう勉強しよう」という目的意識を持たせています。
アクティブラーニングのいいところは、子どもたち同士で聞き合えるところです。わかる子が説明しますが、かみ砕いた言葉でアドバイスするため、私たち教員の説明よりもわかりやすいなと感心させられることがあります。教えることにより、わかっている子の理解も深まるので一石二鳥です。題材を選んでより効果的なアクティブラーニングを実施しています。
補習はもちろん、上位者も伸ばす
W講習会で学力を伸ばしています。
数学と英語については、朝や放課後の時間を有効活用して、プラスアルファの勉強会を開いています。数学では、学年により曜日を決めて、放課後に勉強会を行っています。小テストなどの成績が思わしくない生徒は放課後の勉強会に呼んで、基礎力の定着を図っています。英語では、モーニングレッスン(毎朝25分、英語、数学、論語の学習を行う)の補習を放課後に行っています。また、数学、英語ともに、上位者の成績を伸ばすための上位者勉強会を週1回実施しています。授業ではなかなか取り組めない難易度の高い問題にチャレンジする機会に、意欲をもって取り組んでいます。
主体的な学びにつながる"好奇心"を育む学校。
一人ひとりを大事に育てて、生徒自身が希望する進路実現を支援します!
島田副校長:生徒が学びたい、新しいことを知りたいという"好奇心"を持つことができれば放っておいても勉強します。そこを中学の先生方はうまく引き出しているのではないかと思います。
玄間先生:私は1期生が中3の時に担任でした。今も数学を教えていますが、東大を目指せるような学力をもつ生徒もいます。このまま順調にいけばGMARCH以上に多くの合格者を出せるのではないかと思います。高い志をもって努力できる環境であることは間違いありませんので、ぜひ本校に注目していただきたいですね。
緑豊かな自然に囲まれたニ松學舍柏は施設・設備も充実。グランドは東京ドーム3個分の広さがあり、校舎は高台の立地を生かし、自然光を採り入れられるようにガラス面が多い設計となっています。 また2011年に完成した「新体育館」は走路コース170M、バレーコート6面ある驚きの広さ。体育の授業や実践練習を必要とする部活動を強力にアシストします。他にも日本の伝統を凝縮した茶道室や情報教育コンピュータールーム、英会話のLL教室まで、生徒の学園生活と環境に配慮されたキャンパスは必見です。
通学には無料スクールバスが便利
さらに便利になった無料スクールバス4ルート
ニ松學舍柏までスクールバスは「柏ルート」「新柏ルート」「我孫子ルート」「北総ルート」の全部で4ルート。中でも「北総線ルート」は印旛日本医大駅、印西牧の原駅、千葉NT駅、小室駅の4駅に停車するなど、通学サポートは万全です。現在運賃は全てが無料。生徒を送り出す保護者にとってもうれしい情報と言えるのではないでしょうか。