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学校特集

佼成学園女子中学高等学校

「英語力」と「人と交わる力」を軸に国際社会に貢献できる女性を育てる
「英語力」と「人と交わる力」を軸に国際社会に貢献できる女性を育てる

「国際社会の平和に貢献できる人材の育成」という建学の精神に基づき、全員で団結したときに大きな力を発揮する女子ならではの特性をいかした「人と交わり、人に学ぶ」教育を行う佼成学園女子。入学時の偏差値で比較すると何ランクも上の学校に匹敵するほどの大学合格実績を上げており、6年間で大きく学力を伸ばしている学校として注目されています。
その主軸となっているのが英語教育。グローバル教育が叫ばれる以前から英語を用いて他教科を学ぶイマージョン教育、長期留学プログラムなどを積極的に取り入れ、「英語の佼成」として高く評価されています。それが大学合格実績に直結しているのはもちろんですが、それ以上に生徒の英語コミュニケーション能力の向上や、留学を通して得られるグローバル意識の向上には目を見張るものがあります。

2014年には、文部科学省が指定したSGH(スーパーグローバルハイスクール)の第1期校の1つに選ばれました。それまでの取り組みがグローバル社会で活躍する人材を育てるためのモデル校としてふさわしいと認められた形です。 「英語の佼成」から「グローバルの佼成」へと大きな一歩を踏み出した佼成学園女子。その根底を支える英語教育や、女子の特性をいかした教育とはどのようなものか。SGHとして今後どのように進化していくのか。さらに中学から学ぶ生徒にどのように影響するのか。教頭の江川昭夫先生にお話を伺いました。

【建学の精神】

国際社会の平和に貢献できる人材の育成

【教育理念】

人と交わり、人に学ぶ

【教育の柱】

◎英語教育......豊かな英語学習環境で世界と交わる力をつける
◎情操教育......学校行事をはじめ多くの体験により豊かな心を育む
◎進路指導......10年後の自分をイメージし思い描いた夢を実現する

GMARCHレベル以上の大学合格者数が
卒業生の半数を上回る進学校

佼成学園女子中学校_江川昭夫教頭
教頭 江川昭夫 先生

佼成学園女子は、大学進学実績が注目されている学校です。普通の女の子が、6年後に国公立大学や早稲田、慶應をはじめGMARCH以上の難関私立大学に数多く現役合格するからです。2015年春も、GMARCH以上の難関大学合格者数が前年を上回り、100名を超えました。この数は卒業生の半分以上にあたります。

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右肩上がりで大学合格実績が伸びている理由を紐解くと、3本柱である「英語教育」「進路指導」「情操教育」ががっちりかみ合い、高校からのコース分け(特進文理・特進留学・進学)に向けた準備がしっかりできる、中学校教育の充実が浮かび上がります。江川先生も「中学から佼成学園女子で学べば、大きなアドバンテージをもって特進文理コースや特進留学コースに進むことができる」と明言します。

学校をあげて英語力向上に努める環境。
"全員で楽しく"レベルアップを目指す!

佼成学園女子の教育の大きな軸となるのが「英語力」です。「英語の佼成」といわれるように、確かな英語力が身につく環境とプログラムがあります。 「英語はスタート時点でほとんど差がないため、全員で楽しくレベルアップを図ることができます。個人差ができても、一人ひとりに目を配り、フォローしながら着実に基礎力をつけていくので、『やればできる』という自信が生まれます。その成功体験を他教科にもいかして総合的な学力の向上につなげていく、いわゆる『学習の転移(transfer of learning)』を基本方針としているので、学校をあげて英語力の向上につながる環境整備に力を入れて、手厚い指導を行っています」(江川先生)

佼成学園女子中学校_学習の転移(transfer of learning)のイメージ

学習の転移(transfer of learning)のイメージ

佼成学園女子中学校_まるで留学しているかのような英語漬けの学校生活
まるで留学しているかのような英語漬けの学校生活

中学校の英語の授業は週8時間。これは公立中学校の2倍に相当します。その中心は日本人教師による文法などの基礎力を養う授業です。習熟度別クラスできめ細かく行いますが、外国人教師による英会話の授業は、さまざまなアクティビティ(ゲーム、インタビューテスト、プレゼンテーション、スピーチ、レシテーションなど)を通して楽しく行います。きめ細かい授業と楽しい授業をバランスよく行うことで、生徒の英語への興味をそらしません。授業だけでなく、まるで「留学」をしているかのような、常に英語に浸かることができる環境づくりにも力を入れて、中学3年間で全員が英検準2級(高校中級程度)に合格できるレベルを目指しています。

「英語の佼成」といわれる理由①
佼成学園女子中学校_イマージョンプログラム

常に英語に浸かることができる生活環境
音楽、美術には、外国人教師から英語で学ぶイマージョンプログラムを導入しています。そのイマージョン教育を生活にも取り入れているのが特長で、外国人教師と気軽に交流できるグローバルセンター、校内の英語標示、朝の全校放送での英語スピーチ、英語新聞の発行など、英語が自然な形で浸透し、気軽に異文化に触れられる環境が整っています。

「英語の佼成」といわれる理由②
佼成学園女子中学校_「ニュージーランド修学旅行」&「中学中期留学」

「ニュージーランド修学旅行」&「中学中期留学」
中学3年で実施する修学旅行はニュージーランドです。ファームステイや学校訪問、班別自主行動などを通して、現地の生活に触れ、異文化交流を図ります。自ら英語を使う機会を数多く盛り込んでいるのが特長で、これまで身につけてきた英語が通じる喜びを味わいます。希望者はそのままニュージーランドに残り、「中期留学プログラム」(約2ヶ月間)に参加することも可能。ホームステイをしながら現地提携校に通うことで、英語学習への意欲が高まるばかりでなく、精神的な自立を促します。

「英語の佼成」といわれる理由③
佼成学園女子中学校_英検まつり

全員で取り組むから楽しい「英検まつり」
従来より4技能(聞く・話す・読む・書く)の力を測る英語教育に力を入れており、特に英検に対応した授業のほかに、年2回、全校をあげて英検学習に取り組む「英検まつり」を実施しています。なぜこのようなネーミングかというと、先生も一緒に英検に取り組み、「英検まつり」と呼ぶにふさわしい雰囲気が校内に漂うからです。一人で勉強するのではなく、みんなで楽しみながらチャレンジするため、全体的な成績の向上につながっています。

勉強も行事も「みんなで頑張る雰囲気」が大事。 たくさんの行事で人と交わり心を磨く!

中学校で英検準1級に合格する生徒も出てきている背景には、確かな英語教育プログラムだけでなく、「人と交わり、人に学ぶ」という教育理念に基づく「共鳴力」があります。 「スーパーグローバルハイスクールに指定されて、先駆的な学びに取り組む高校生の姿を目の当たりにするため、中学生が学びへの意欲や目的意識を飛躍的に向上させています。例えば特進留学コースの生徒の中には、留学を経てTOEICスコアが400点以上も向上する生徒がいます。身近な先輩の成功事例は『自分も頑張ればできる』という気持ちにさせるため、日々の学習に取り組む姿勢がより真剣になるのです」(江川先生) この「共鳴力」により英検の合格率やTOEFL・TOEICのスコアが向上。英語での成功体験は他教科の成績向上に波及するため、総合的な学力も向上して、結果的に難関大学の合格実績も伸びるという、好循環が生まれています。

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佼成学園女子中学校_スポーツフェスタ(体育祭)
スポーツフェスタ(体育祭)も団体競技で行い、
クラスメイト全員で力を合わせる経験を重ねます。

佼成学園女子の「共鳴力」は、行事でチームワークを体験できる土壌によって養われています。スポーツフェスタ(体育祭)や乙女祭(学園祭)、合唱コンクールなどの「団体競技」で成果を得るには、自分の個性を活かすことはもちろん、クラスメイトの個性を受け入れ、適材適所で全員の力が発揮されるよう考えたり、行動したりしなければなりません。

「最初は大変ですが、行事を重ねるごとにクラスがまとまる実感を得たり、全員で頑張る心地よさや成果につながった時の達成感を味わったりすると、学習面に応用しても、行事と同じようにみんなで頑張ろうと努力します。例えば、英検受験や朝の単語テストも、クラス単位で競うスタイルにすると全体が盛り上がり、結果として一人ひとりの学力が大きく伸びます。こうした体験を中1から積み重ねていくので、大学受験準備に入る時に『大学受験も団体戦』という言葉が響くのです」(江川先生)

高校は3つのコースから選択。今年度より、
SGHの象徴「スーパーグローバルクラス」が始動

佼成学園女子中学校_特進メディカルコース
特進メディカルコースでは、生物・科学・物理・数学に重点を置き、
生活に直結していく理系分野への進学を目指します。

「私(生徒)が主役」の佼成学園女子では、一人ひとりの希望する進路をかなえるために、高校からはコースに分かれて学びます。そのコースは3つ。1つは国公立大学や難関私立大学進学を目指す「特進文理コース」、1つはニュージーランドでの1年間留学により、英語力と人間力を高めた上で難関大学進学を目指す「特進留学コース」、1つは多様な進路を可能にする「進学コース」です。

「特進文理コース」には、特色あるクラスが設けられており、5教科7科目に取り組み、総合的な力をつける「文理クラス」、医・歯・薬・農・理・工・情報・看護を目指す「メディカルクラス」に加えて、今年度から国際舞台に通用する知識や教養を身につける「スーパーグローバルクラス」をスタートさせています。

「新設したクラスは、スーパーグローバルハイスクールの象徴ともいえるクラス」と江川先生。『国際理解科』と『特設英語』という独自の授業を実施します。『国際理解科』は『異文化研究』と『国際知識』の2科目で成り立っており、『異文化研究』は海外でのフィールドワークを通して現実的な課題に対面し、自ら解決策を見つけ出す中で総合的な力を身につけます。「まさに佼成学園女子が目指すグローバルリーダーにふさわしい力(異文化の中でも課題を発見し、英語でコミュニケーションを取りながら解決に導く力)を、タイやイギリスで磨くクラスです。研究者や留学生などに向けて発表する機会も数多く設けて、意見交換や議論を行うことにより、フィールドワークで体得した学びを深めていきます。

『国際知識』は、『異文化研究』の事前・事後学習という位置づけで、必要な知識を身につけます。単に国際知識を増やすだけでなく、その学びの中で日本についても学び、日本人としての自覚をもって国際社会と向き合う土台を築きます。いずれも恵泉女学園大学国際社会学科と提携し、高大連携授業を実施するのが『国際理解科』の特長で、学問的手法からもアプローチできる力をつけることを目指しています。『特設英語』はフィールドワークなどで必要となる言語技術の習得と、TOEFL・TOEIC対策を行います」(江川先生)

スーパーグローバルクラスの「今」
~着々と来年度のタイ・フィールドワークに向けて準備中~

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スーパーグローバルクラスの1期生は、来年、参加するタイのフィールドワークに向けて準備を始めています。6月には、高大連携している恵泉女学園大学の押山先生による特別授業を実施。生徒が持つタイに対するイメージを例に挙げながら、イメージには正しいものと間違っているものがあること。

その判断には、自ら考え、分析する力を養うことが大切なこと、そうした力は実体験なしに得られるものではないことを学びました。また、将来を見つめる『人生設計アクティビティ』では、それぞれがスーパーグローバルクラスを希望した理由が明らかに。「英語力をさらに高めて国際社会で活躍したい」、「異文化に興味がある」などの答えだけでなく、「国連職員になりたい」「航空関係の職に就きたい」など、具体的な回答もあり、意識の高さが伺えました。

7月には会津大学でワークショップ夏合宿を行いました。同大学の留学生とディスカッションを行い、他国の社会問題について関心を深めました。さらに日本人として日本文化や歴史への理解を深めるために、会津の文化や歴史を学びました。会津若松城(鶴ヶ城)では、自分と同じような年齢の少年たちが白虎隊に加わり無念の死を遂げたことを知り、複雑な表情を浮かべる生徒たち。「フィールドワークには、机上の学習では得られない効果を期待できます。生徒が日本人として日本の文化や歴史をどうとらえ、どう海外の人に紹介していくのかを楽しみにしながら、その力を磨いていきたいと考えています」(江川先生)

10年後の自分をイメージする「進路指導」で、
高校のコース選択に迷いなし!

「英語力」「共鳴力」に続く、佼成学園女子中学校のもう一つのアドバンテージが「進路指導」です。高校進学時にコース選択をするためには、中学時代にしっかりと将来を見据えておく必要があります。そこで佼成学園女子中学校では、1年次から4つのステージに分けて、自分の意志でコース選択ができるよう、6年間にわたる進路指導を実施しています。

テーマは「10年後の自分をイメージしよう」。中学1年生の10年後は23歳です。13歳に『大学を卒業して社会人になっている自分を思い描きなさい』と言っても難しいかもしれませんが、まずはさまざまな体験を通して自分を知り、社会の仕組みや職業のことを学び、なりたい自分を具体化させていきます。そこから先は、どのような進路を選択し、どのような勉強が必要かを教師とともに考えて、10年後を見据えた進路選択を行います。佼成学園女子高校で学ぶことを前提に、6カ年計画で進路を考え、実現に向けた学びができる中学から佼成学園女子に入るメリットは計り知れないものがあります。

「将来的にはスーパーグローバルハイスクールとしての取り組みを中学のカリキュラムにも波及させ、実質的な『スーパーグローバルハイスクール』を実現させたい」と江川先生。女子の特性をいかした教育という土台はぶれることなく、国際平和に貢献する女性を育てるためにたゆまず進化を続ける姿勢には頭が下がります。この学校で学ぶ生徒達がどのような大人になり、国際社会でどのように活躍することになるのか。大いに期待したいところです。

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