先生にインタビュー「入試問題編」(2024高校受験情報誌 my SPECIAL ONE 特集より)
首都圏模試センターが発行する『my SPECIAL ONE』のコンセプトは、キミの“スペシャル”になる学校がきっと見つかる、じっくり知る、じっくり選べる高校受験情報誌です。特集記事【先生にインタビュー「入試問題編」】について、ご紹介します。
my SPECIAL ONE(2024年8月発行)
首都圏模試センターが発行する『my SPECIAL ONE』のコンセプトは、キミの“スペシャル”になる学校がきっと見つかる、じっくり知る、じっくり選べる高校受験情報誌です。高校受験において、受験する学校を割り振られてしまう現在の進路指導(入試システム)のもとでは、自分にとってベストの選択肢を探しにくい状況が生まれているのが現状です。先進的でユニークな“ 希望の私立高等学校 ”の存在を、本誌では多くの高校受験生と保護者にお伝えします。
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先生にインタビュー「入試問題編」
高校受験では、一概に『内申点』や『偏差値』だけで判断をすることが最適であるといえません。多面的に各学校の情報を収集し、将来にむけた学校選びをすることが重要となります。今回は、「入試問題」に注目しました。入学してほしい生徒像、高校での教育内容などが入試問題に反映されています。ご紹介いたします。
京華女子高等学校(東京・文京区/女子校)
森川先生にインタビューしました。
京華女子の教育の三つの柱である「共感力」、「グローバル力」、「学力」に基づき、受験生に求める能力としてアドミッションポリシーを定めています。まず一つ目として、基本的生活習慣と基礎学力が身についており、入学に強い意志を持つ生徒に入学してほしいです。二つ目は、進学に対して高い意識を持ち、進学実績の実現に向けて学業に取り組む生徒です。三つ目は、勉学、部活動、生徒会活動など、様々な課外活動に積極的にチャレンジし、文武両道に励む生徒となります。四つ目は、失敗を恐れずに様々なことにチャレンジする意欲のある生徒。五つ目は、座学だけでなく、本校が行っている探究活動などの多彩な活動に取り組む意識を持っている生徒です。京華女子で身に付ける資質能力を発揮し、卒業後に世界や地域の課題を自分の課題として解決に向けて努力し、仲間と協働する意識のある生徒に来てほしいと思っています。
国語科の出題の狙いですが、漢字の基礎的な読書き、文の繋がりの理解、語彙力、文脈の把握力、記述問題などを通じて、日頃からの学習の成果を見ています。次に、数学科の出題の狙いですが、基礎的な計算問題、中学校の教科書レベルの問題を理解できているかがポイントです。具体的には、整数の計算、文字を含む四則演算、方程式、因数分解などの基本的な考え方が身についているかを見ています。最後に、英語科の出題の狙いですが、英検3級レベルの語彙力、文法力を問います。毎回問題は異なりますが、共通したテーマとして、21世紀に活躍する賢い女性の教育という理念を踏まえ、歴史上で活躍した女性や世相を反映させたテーマが長文問題のテーマとなります。受験生の皆さんには、日頃から英語だけでなく、社会やその他のテーマにもアンテナを張って生活していただきたいと思います。...
◆英語の出題では、教育理念である「21世紀に活躍する女性の育成」について、歴史上に活躍した女性やそれに関連するテーマが出題されるとのことでしたが、これまでの入試では、どんな女性やテーマが取り上げられましたか。
アメリカの最高裁判所で2人目の女性判事として、性差別問題を巡る数々の裁判を手がけたことで知られるルース・ベイダー・ギンズバーグ氏や「もったいない」で有名なケニア出身の女性環境保護活動家ワンガリ・マータイ氏などです。また、歴史上の偉人だけでなく、スポーツ関係のテーマも取り上げています。例えば、東京オリンピック女子スケートボードで有名になった選手を取り上げ、夢を追いかけることの大切さをテーマにしたこともあります。
新渡戸文化高等学校(東京・中野区/共学校)
奥津先生にインタビューしました。
まず、入試というとどうしても合否を決めるものというイメージがありますが、私たちの学校では単に合否を決めるだけでなく、「入試で育つ」というモットーを大切にしています。入試は人生の中でも非常に重要な機会であり、このタイミングで本気になれる機会だと思います。受験生本人はもちろん、保護者や教員も含めて成長できるような入試にしたいと考えています。具体的にどんな入試問題を出しているかというと、まずどんな受験生に来てほしいかというアドミッションポリシーが反映されています。本校のアドミッションポリシーは、意志の部分を大切にしています。他の学校とは少し違い、自分で決定しコントロールする機会が多いので、その環境を生かしたいという意志を持つ生徒を求めています。
具体的な問題としては、知識ベースの問題だけでなく、創造的・批判的な思考を問う問題が多いです。例えば、2023年の数学のテストでは、解の公式を求めるだけでなく、その公式がどのように生まれたのかを考えさせる問題を出しました。今年度の入試でも同様に、解の公式を導くための式を考えさせる問題を出しています。国語では、ファッション業界の問題点と解決策について、具体的な体験や見聞を交えながら述べる問題を出しました。英語でも、商業においてどのように英語で表現するかを問う問題を出しています。これらの問題は、単に知識を問うだけでなく、受験生の意志や考えを反映させるものです。
新渡戸文化の一般入試には、必ず面接が含まれています。面接では、なぜ新渡戸文化を選んだのか、どんな思いがあってどんなビジョンを描いているのかを問います。これにより、受験生の意志や考えを深く理解し、成長の観点を持って入試問題を作成しています。
◆一般入試の面接は、どのような準備をすればよいでしょうか。
新渡戸文化の面接では、どんな思いで、どんな気持ちを持って、どんな希望とビジョンを持って本校に来るのかを非常に大切にしています。そのため、受験生の気持ちの部分が点数にも反映されます。まずは本当に新渡戸文化に入りたい、こんなことをやってみたい、この環境を使ってこれを実現したいという思いを高めていただけるのが一番良いと思います。
日出学園高等学校(千葉・市川市/共学校)
石川先生にインタビューしました。
まず大前提として、どの学校に関しても、過去問題を解くことでその学校がどんな教育をしているのかが見えてきます。さらに、6割以上のパターン問題が出題されていることが多いです。具体例であげれば、英語の問題を作成する際に単語を変えるだけ、長文問題の文章を変えても質問の仕方は変わらないことが多いです。数学に関しても、数字を変えるだけです。過去問題を解くことが合格への鍵になると思います。なぜ6割以上かというと、特待生制度などがあるためです。仮に、全員が100点をとれてしまうと成り立ちません。そのため、1割から3割程度の難しい問題を出題しています。
昨年は全員合格しました。これは、高校入試で20人程度募集のところに200人、約10倍の受験者がいました。推薦をとると、4割以上試験当日の点数が取れれば合格です。これは、日出学園では入学後の試験などで4割取れないと留年となるため、入試の段階で4割取ってほしいということです。昨年は20名募集のところ、200人受験、200人全員が試験当日の点数を4割以上取ったので全員合格しました。過去問題に取り組まなければ、点数が取ることが難しいので、まずは取り組んでいただきたいです。
応用問題は約2割から4割程度出ていますが、なぜそれを出すかというと、視野を広げていただきたいからです。与えられたものをうまく活用して、どう考えるかを問う記述問題が多いです。日出学園では、国語の問題で自分の考えを述べる問題や、英語の問題で自由記述作文などを出しています。自分が考えたものをどう生かすか、答えは無数にあります。自分の意見を述べるときには、英語では簡単な英単語で、国語では簡単な日本語で、誰もがわかる表現で答えを書いてほしいです。そうすることで、視野が広がります。
◆高校入試の対策やアドバイスをお願い致します。
受験生と保護者様が一緒に学校見学に来られることをおすすめいたします。保護者様の悩みとして、受験生が忙しすぎて会話がないということがあります。なんといっても、一番大事なのは家族の会話です。受験生本人が学校を見学し、思っていたことが合っているかどうかを試す場となります。学校見学後、家族内で会話することで、受験にむけて一歩前進します。日出学園では、毎日学校見学をすることができます。ぜひ、一度足を運んでいただければと思います。